婚約者に浮気され、婚約破棄するしかなかった僕の話

もふっとしたクリームパン

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24、彼女の今後

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 結論とは何のことだろうか? 今回の面会の目的は、彼女の企みを知りたいというのもあったが、あくまでも僕の心残りがないように彼女と別れを告げる事が第一だったはず。

「ふふ、あの何の価値もないクズ以下の、今後についてだ。君はすでに気付いているだろう? ライと共に私も隣室でこの部屋の会話を聞いていた。この面会について息子から聞いた時、あの何の価値もないクズ以下…もう長いから息子を習ってアレと呼ぼうか。とにかくアレの今後について、今のまま監禁だけで済ませていいのかどうか、改めて考える良い機会だと思ってね。と言うのも、事前に調査をしてアレの事は大体把握していたが、実際に会った事は片手で数えられる程しかなく、私の前ではキャメル伯爵夫妻やライラ嬢の慣れたフォローがあったから、最後にしっかり当人を見極めておくのも必要だろう? それと今になって君に会いたがる理由も知りたかったしね」

 疑問が顔に出たのか、アンドレア侯爵が説明してくれた。なるほど、と僕は納得したが、隣のライがこっそり『本当はアレの性格を把握していたからこそ、アレが何かしでかさないかルーが心配で見に来たんだぜ』と囁いてきた。

「ラインハルト、内緒話はもっと隠れてしなさい」

 …まぁ、こっそりも何も目の前に居るのだから丸わかりだろうけど。ライに注意する侯爵の顔は真顔だが目は楽しそうにしているので、大丈夫だろう、たぶん。

「それで、アレについてだが…そもそも除名処分と領地での監禁程度で済ませていたのは、アレがまだ若い娘であり、教育を大失敗したアレの元祖父母と元親の方にも責任があると判断したからだ。これは公表していない事だが、キャメル伯爵夫妻には早々にライラ嬢に家督を継がせ、隠居するよう伝えてある。前伯爵夫妻に至っては、少し事情があって自害出来ないよう監視し生かしてあるだけだ」

「え、それ俺も初耳なんだけど?」

「うむ、今言ったからな。まぁこれは当主となるライラ嬢が優秀であるから出来た事だ。キャメル伯爵夫妻もすでに同意し準備している。前伯爵夫妻に至っては、キャメル伯爵家に任せてあるのは監禁場所の提供とその監視役だけで今後どう扱うかは、王家派こちらで決める」

 僕も驚いたがライも驚いていた。でも、そうか。彼女を切り捨てる事でアンドレア侯爵はその怒りをとは言っていても、キャメル伯爵家に責任を取らせないとは言っていない。

「今回の事でアレの本質が良く分かった。アレを教育するなら、まだ野良犬を教育した方が楽だろう。キャメル伯爵夫妻には運が悪かったとしか言えないね。それに私としては一切許すつもりはないが、わざわざ面会を望むのだから謝罪の一つでもあればいいと思っていた。しかしアレは、最後まで一度も君に謝罪しなかったね? やっと今の己の立場について少しは理解出来たようだが、アレは未だに反省も何もなく、何の自覚さえもしていないままという事だ、全く性質が悪い。きっと今日あった事は日が経てば忘れるか、自分の都合の良いように事実を脳内で作り変えてしまい、演劇や恋物語で出てくる『悲劇のヒロイン』として振舞うだろうさ。監禁は隔離の意味が強いが、これまでを反省し後悔しながら残りの人生をみじめに生きる為の罰だと言うのに、勝手に『悲劇のヒロイン』だと思い込み、夢の世界で楽しく生きられては何の意味もない」

 うわぁ、『悲劇のヒロイン』か…彼女ならあり得るな。悪いのは周囲で彼女自身は悪くないと考えるだろうから、何なら彼女の中では僕が彼女を不幸にした悪役になりそうだ。

「よって、アレは、私はそう判断した」

 侯爵はそう告げると、カップを持ち上げお茶を一口飲んだ。

「とは言え、現在アレに一番怒りを抱いているのは、君だろう、ルーベン君。君は、どう思うかね?」

 ライと侯爵の視線が僕に集まる。僕の意見を正直に言ってしまっていいのだろうかと思ったが、元々ライラとライの二人に僕から頼もうと思っていた事があるのだ。それが叶うかどうかは別として、意見を求められているならここで言ってしまおう。

「僕…いえ、失礼しました。私の考えとしましては――」
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