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第一章 始まりのハジマリ
10.害虫駆除
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『キシャアアア』
『キショオオオ』
大量の虫型モンスターが黒い波となってダンジョン内を埋め尽くし、手あたり次第に周囲のモンスターを食い散らかしていく。
「クソが。節操のない虫共め」
タァン、タタァン、と連続した発砲音を鳴らしながら俺はトライデントコックローチを殲滅し続けていた。
仮に俺が立ち止まったとしても、G共は俺を捕食する為の数体を残して上層へと向かっていく。
なので俺も奴らの流れに逆らわずに、後退しながら銃を撃ち続けていた。
こいつらは見た目の嫌悪感もさるものながら、外皮は固く魔法にも耐性がある厄介なモンスター。
獲れる素材もいい物ではなく、このダンジョンでは一番の嫌われ者だったりする。
凶暴性が高く雑食性で、人もモンスターも草木も全て奴らの餌。
そんな奴らが続々と奥から湧き出している。
俺が最下層である108層に行くまでには見なかったし、そこから上がってくる時にも見なかった。
もしかしたら別の場所、探索者がまだ発見していないエリアがあり、そこで異常繁殖し、餌が足りなくなった事により逸脱者として暴れ出したのではないだろうか。
逸脱者については諸説あるが、現状発生原因は不明のままなのだ。
「踊れ! 死滅撃鉄雨!」
ブラックサレナの形状が変化してゆき、四連ガトリング砲の形をとる。
ヒィイイン、と駆動音がなり、続けてダララララララ! と四つの銃口から魔力で生成された弾丸が吐き出されていく。
Gは頭を吹っ飛ばしてもしばらく生きてはいるが、それ自体は脅威で無くなる。
嵐のように吹き荒れる弾幕は次々とGの頭部を吹っ飛ばしていく。
気付けば10階層にまで上がってきてしまったけれど、ここで最後の一体の頭をショットガンに形状変化させたブラックサレナでぶち抜いた。
「おいあんた! 大丈夫……か……」
丁度全てのGを撃破した時、背後から声を掛けられた。
どうやら応援の探索者達が来たようだ。
「あぁ、今終わった。大丈夫だ」
「終わったって……そ、そうか。おつかれさん」
「怪我は無いですか!?」
「君一人でやったのかい!? 凄い!」
とは言いつつも、彼らと俺との距離は少し遠い。
正直、Gの体液でぐちょぬれになっている俺に近付きたくはないらしい。
俺が相手ならそう思う。
俺自身クソ最悪だと思っているしな。
「俺は一度最奥まで行って戻ってくる途中でこいつらがいきなり現れた。未発見のルートがある可能性が高い」
「そ、そうか」
「残骸の処理は好きにしてくれていい。ドロップもいらん」
「でもそれは!」
「そうだよ! 一番の功労者は貴方なんだし!」
「いらない。今はさっさとシャワーを浴びたい。それじゃあ」
このまま残っても面倒だし、素材は本当にいらない。
俺にとっては無価値な物だし、早く家に帰って熱い風呂につかりたい。
今の俺の思いはただそれだけだった。
『キショオオオ』
大量の虫型モンスターが黒い波となってダンジョン内を埋め尽くし、手あたり次第に周囲のモンスターを食い散らかしていく。
「クソが。節操のない虫共め」
タァン、タタァン、と連続した発砲音を鳴らしながら俺はトライデントコックローチを殲滅し続けていた。
仮に俺が立ち止まったとしても、G共は俺を捕食する為の数体を残して上層へと向かっていく。
なので俺も奴らの流れに逆らわずに、後退しながら銃を撃ち続けていた。
こいつらは見た目の嫌悪感もさるものながら、外皮は固く魔法にも耐性がある厄介なモンスター。
獲れる素材もいい物ではなく、このダンジョンでは一番の嫌われ者だったりする。
凶暴性が高く雑食性で、人もモンスターも草木も全て奴らの餌。
そんな奴らが続々と奥から湧き出している。
俺が最下層である108層に行くまでには見なかったし、そこから上がってくる時にも見なかった。
もしかしたら別の場所、探索者がまだ発見していないエリアがあり、そこで異常繁殖し、餌が足りなくなった事により逸脱者として暴れ出したのではないだろうか。
逸脱者については諸説あるが、現状発生原因は不明のままなのだ。
「踊れ! 死滅撃鉄雨!」
ブラックサレナの形状が変化してゆき、四連ガトリング砲の形をとる。
ヒィイイン、と駆動音がなり、続けてダララララララ! と四つの銃口から魔力で生成された弾丸が吐き出されていく。
Gは頭を吹っ飛ばしてもしばらく生きてはいるが、それ自体は脅威で無くなる。
嵐のように吹き荒れる弾幕は次々とGの頭部を吹っ飛ばしていく。
気付けば10階層にまで上がってきてしまったけれど、ここで最後の一体の頭をショットガンに形状変化させたブラックサレナでぶち抜いた。
「おいあんた! 大丈夫……か……」
丁度全てのGを撃破した時、背後から声を掛けられた。
どうやら応援の探索者達が来たようだ。
「あぁ、今終わった。大丈夫だ」
「終わったって……そ、そうか。おつかれさん」
「怪我は無いですか!?」
「君一人でやったのかい!? 凄い!」
とは言いつつも、彼らと俺との距離は少し遠い。
正直、Gの体液でぐちょぬれになっている俺に近付きたくはないらしい。
俺が相手ならそう思う。
俺自身クソ最悪だと思っているしな。
「俺は一度最奥まで行って戻ってくる途中でこいつらがいきなり現れた。未発見のルートがある可能性が高い」
「そ、そうか」
「残骸の処理は好きにしてくれていい。ドロップもいらん」
「でもそれは!」
「そうだよ! 一番の功労者は貴方なんだし!」
「いらない。今はさっさとシャワーを浴びたい。それじゃあ」
このまま残っても面倒だし、素材は本当にいらない。
俺にとっては無価値な物だし、早く家に帰って熱い風呂につかりたい。
今の俺の思いはただそれだけだった。
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