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11◆テオドール視点

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「俺は四天王が一人獰猛のマリック!俺がテオドール様を連れ戻すぜーーー!」

マッチョな男が股間に葉っぱだけをつけて急に現れた。

「変態だーーー!?」

ビックリして俺は思わず叫んでしまう。

そんな俺をアリスが目隠ししてくれた。

「テオドールちゃん、あんな汚物みちゃだめよ!」

小さな子供を守るように、変態を威嚇するアリスの迸る殺意の波動が辺りをヒエヒエに冷やしていく。

アリス……俺凍えちゃうよ………。

「見苦しい汚物ですね」

エリオットの吐き捨てるような言い方に、エリオットも殺意の波動を滾らせているのだと感じた。

「テオドールに近寄るな変態野郎!」

ロベールが言うと説得力に欠けるが、それでも変態を威嚇している。

ボロくその反応をされた変態ことマリックは、何故か嬉しそうにはあはあ言っていた。

アリスに目隠しされてるからみえないけど、はあはあ言っているのは聞こえるからね。

「あぁっ…堪んねぇな……♡もっと罵倒して詰って蔑めよ!はあはあ」

「「「うわぁ………」」」

「………ドMの人だったのか」

俺は、生理的に無理と感じてアリスに縋りついた。

「アリスお姉ちゃん、変態怖い」

「きゃあん!!♡アリスお姉ちゃんに任せて!」

ちょっとふざけてみただけだったけど、結果的にアリスがマリックを魔術でオーバーキルして圧勝してみせる。

アリス最強説を最近は考えていたりする。



「私は四天王が一人氷結のクロック。エリオット、私とキャラが被っていて気に食わないので勝負なさい。貴方が負けたらテオドール様を連れていきます」

同じ日にまた四天王が現れた。

あれ、四天王って四人いるから四天王なんだよな?

じゃあ、四天王全員現れたのか………本当に俺って何者なんだよ。

それはともかく、勝負を挑まれたエリオットは殺ってやんよという雰囲気でクロックに向いあった。

「得物は?」

戦う武器についてエリオットが聞くと、クロックは余裕の笑みで返事をする。

「貴方の得意な剣でいいですよ」

氷で剣を作ったクロックと、いつも帯剣している剣のエリオットが構えた。

真剣な男と男の戦いだ………どちらも知的なクールタイプなのに熱い展開だな。

そして、最終的にエリオットが勝利を掴んだ。

「ふっ、どうですか?これがテオドールへの愛の力です」

勝ち誇るエリオット。

でもそういうこと言われたら俺照れちゃうから、時と場所は選んでくれたら嬉しいと俺は思ったよ。
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