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10◆テオドール視点

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「ワシは四天王が一人烈火のアンダル。推して参るぞ!」

「劣化のアンダル……?」

道中でやたらハツラツとしたお爺さんが突如現れたと思ったら、なんか襲ってきたよ。

お爺さんだからって、劣化のって名乗るのは自虐じゃないだろうか………。

そういえば、あのマリアって人も四天王って言っていた気がする。

………年齢的にアンダルのお孫さんだったのかな?

それはともかく、仲間達は戦闘態勢に入ってバトルを始めた。

今回はエリオットが俺をガードしているよ。

相変わらず俺は無力だ………。

「テオドールを連れて行かせないぜ!」

ロベールの投げたナイフがアンダルに飛ぶが、アンダルはそれを火でできた壁で弾いてみせた。

すごい、あの火の壁どうなってるんだろう!?

ロベールはあからさまな舌打ちをしていたよ。

ロベールは一応聖職者なのに舌打ちって………まぁ、ロベールの下半身の緩さに比べたらマシかな?

「ワシの火は自由自在なのじゃよ。くらえ!トルネードファイア!」

「させないわよ!トルネードアクア!」

竜巻のような火の魔術が仲間達に襲いかかるが、アリスの竜巻のような水の魔術に相殺されてお互いノーダメージ。

………と思っていたら、よくみるとアンダルは水圧に負けて倒れてピクピクしている。

アリス……強っ!

「うおぉーーーっ!」

テンションが上がったせいか、アリスの男の一面が雄叫びをあげた。

アリス!?

「わ…ワシや幻惑を倒しても、獰猛と氷結には勝てんだろうな………ぐほっ!」

「黙って去れ」

ロベールの渾身の一撃がアンダルにキマり、アンダルは炎になって消えてしまった。

マリアの時は煙になって消えていたな………。

もしかして四天王って、倒した後は皆消えるんだろうか?

「獰猛と氷結ってなんだろ?」

「………テオドール、あんな奴らのことなんて考えなくていいんですよ」

エリオットにオヤツのクッキーを渡され、俺はまた何も教えてもらえないんだなとちょっと寂しく思う。

大切にされているのはわかるけど、なんか寂しいと思ってしまうのは贅沢な悩みなのかもしれないね。
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