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17◆龍人のジゼル君(アマギ視点
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「アマギ」
「……はい」
「儀式をする」
「わかりました」
リューレン様は、そう言って儀式の間に向かった。
オートマタは、壊れた場合誰でも直せるわけではない。
作ったマスターしか直せないのだ。
だから、ジゼル君をオートマタとして直すことはできない。
………けれど、リューレン様は龍神だ。
龍神の神秘の力は生涯にただ一度、どんな不可能なことでもできてしまう。
ただし、神秘の力を使うということは同時に、龍神としての代替わりを意味する。
歴代の龍神達も神秘と共に代替わりをしてきた。
儀式の間とは、そんな神秘を行う場所だ。
リューレン様は、ジゼル君の身体を儀式の間に運んだ。
僕は、リューレン様が龍神としての最後を見守る。
神秘の力はジゼル君の身体を包み、美しい光が儀式の間を満たす。
リューレン様の願ったことは、ジゼル君を自身と同じ龍人にということだ。
その願いが神秘の力で叶えられる。
ぽっかり空いていた胸の穴がなくなり、規則的な呼吸で上下に動く。
龍人故に頭に角ができあがる。
瞼がピクピク動き、開くと青い瞳がリューレン様をみつめた。
「リュー……レン……」
「ジゼル」
宝玉が身体の中にないから、見た目の色が金髪青い瞳のまま龍人になったジゼル君。
ジゼル君が生き返ったことに幸せそうな表情のリューレン様。
良かった良かった……。
さて、僕はいい雰囲気の二人を邪魔しないようにそっと退散しようね。
僕は空気を読むのだった。
あれから、ジゼル君はリューレン様とおしどり夫婦並みに仲良くしている。
代替わりした龍神もせっせと王様業に励んでいた。
リューレン様は隠居の身なのをいいことに、朝~晩まで晩~朝までベッドをギッシギッシ言わせているらしい。
たぶんもうすぐジゼル君、妊娠するんじゃないかな?
そうそう、ミレイユって令嬢なら翼切られてから地上に落とされたけど、しぶとく生きて海の男に惚れてついていったそうだ。
筋肉か……筋肉が良かったのか……?
まぁ、もう無害なら問題ない。
ラティスとかいう賊は、傷心していたら魔王に美味しく頂かれたそうだ。
………ずっと目をつけていたって風の噂で聞いた。
さて、僕も自分の恋人を甘やかそうかな?
「ジルベルト、好きだよ」
「私も愛してるわ!アマギ!」
僕は可愛いジルベルトとイチャイチャするのだった。
完
★
読んでくれてありがとうございました!
「……はい」
「儀式をする」
「わかりました」
リューレン様は、そう言って儀式の間に向かった。
オートマタは、壊れた場合誰でも直せるわけではない。
作ったマスターしか直せないのだ。
だから、ジゼル君をオートマタとして直すことはできない。
………けれど、リューレン様は龍神だ。
龍神の神秘の力は生涯にただ一度、どんな不可能なことでもできてしまう。
ただし、神秘の力を使うということは同時に、龍神としての代替わりを意味する。
歴代の龍神達も神秘と共に代替わりをしてきた。
儀式の間とは、そんな神秘を行う場所だ。
リューレン様は、ジゼル君の身体を儀式の間に運んだ。
僕は、リューレン様が龍神としての最後を見守る。
神秘の力はジゼル君の身体を包み、美しい光が儀式の間を満たす。
リューレン様の願ったことは、ジゼル君を自身と同じ龍人にということだ。
その願いが神秘の力で叶えられる。
ぽっかり空いていた胸の穴がなくなり、規則的な呼吸で上下に動く。
龍人故に頭に角ができあがる。
瞼がピクピク動き、開くと青い瞳がリューレン様をみつめた。
「リュー……レン……」
「ジゼル」
宝玉が身体の中にないから、見た目の色が金髪青い瞳のまま龍人になったジゼル君。
ジゼル君が生き返ったことに幸せそうな表情のリューレン様。
良かった良かった……。
さて、僕はいい雰囲気の二人を邪魔しないようにそっと退散しようね。
僕は空気を読むのだった。
あれから、ジゼル君はリューレン様とおしどり夫婦並みに仲良くしている。
代替わりした龍神もせっせと王様業に励んでいた。
リューレン様は隠居の身なのをいいことに、朝~晩まで晩~朝までベッドをギッシギッシ言わせているらしい。
たぶんもうすぐジゼル君、妊娠するんじゃないかな?
そうそう、ミレイユって令嬢なら翼切られてから地上に落とされたけど、しぶとく生きて海の男に惚れてついていったそうだ。
筋肉か……筋肉が良かったのか……?
まぁ、もう無害なら問題ない。
ラティスとかいう賊は、傷心していたら魔王に美味しく頂かれたそうだ。
………ずっと目をつけていたって風の噂で聞いた。
さて、僕も自分の恋人を甘やかそうかな?
「ジルベルト、好きだよ」
「私も愛してるわ!アマギ!」
僕は可愛いジルベルトとイチャイチャするのだった。
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