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第三王子編
愛と平和と失恋と
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午前中はとても快適な警護をする事ができた。
王太子は朝食が終わった頃、一度顔を見せたが、丁重にお帰り頂いた。
無理に突破しようともしたのだがイヴァンに牽制された上、俺に「昨夜は大丈夫でしたか?」と微笑まれ、悪態をついて苦々しい顔で去っていった。
その後、俺の仕掛けた隠し通路のトラップが発動したり、バルコニーで大きな音がしてロープが無くなっていたりしたが、特に問題はなかった。
メイドさんがお茶を持ってきたタイミングで中に入り、トラップやらなんやらを確認し仕掛け直す。
あまりに静かに過ごせた事に王子も驚いていたようで、俺に尋ねてきた。
「王太子はお見えにならなかったのですか?」
「朝食後に見えましたが、殿下は午前中は休まれたいとの事を伝え、お帰り頂きました。」
「……帰られたのですか?」
「はい。問題ございません。」
「……サークは凄いですね……。」
「いえ、何もしておりませんが?」
ごく自然ににっこり笑う。
その顔に王子はぷっと小さく吹き出した。
いやいや、俺は何もしてませんて。
「ふふっ。そう言う事にしておきます。……そろそろ交代ですか?」
「いえ、殿下の昼食会が終わりましたら交代致します。」
「サークが居てくれてとても心強いです。少し話しても?」
にっこりと微笑まれる。
どうしようかなと思ったが、メイドさんもいるので俺はお茶を飲む王子の横に立った。
それを困った顔で王子が笑う。
「座ってはくれないんですね?」
「警護中ですから。」
「わかりました。なら、そのままでいいです。」
「ありがとうございます。」
そう言うと王子はお茶を一口飲み味わった。
南の国に来てやっと静かな時間が流れる。
だから俺は油断していた。
「……ずっと、聞きたかった事があります。」
「はい。何でしょう?殿下?」
「……サークは、どうして婚約してしまったんですか?」
カチャン、とワゴンでお茶を入れ直していたメイドさんが音を立てた。
あ、うん、すみません。
いきなりそう言う話になると思わなかったですよね?
そしてそれを聞く羽目になるとも思わなかったですよね?
王子も王子で、今、それを聞きますか!?
何で婚約しましたって報告した時に聞かないで、今、聞くんだろう?
俺は内心、焦ってしまった。
「どうして、と申されますと?どうして婚約に至ったか、という事でしょうか?」
「少し違いますが、それも聞きたいです。」
う~ん、微妙だ。
どうやって切り抜けよう??
考えても仕方がないので、そのまま話した。
「言いようがないのです。殿下。もし言葉にするのなら、自分が止められなかったとしか言いようがありません。」
「自分が止められなかった?」
「はい。交際を申し込んだ時もそうだったのですが、考えるよりも先に口から飛び出してしまうのです。思い付きで言っている訳ではなくて、その前に色々考えてはいるのです。考えて考えて、考え抜いて。こんな平凡な私でも、それなりに格好つけたいと思うのですよ。告白やプロポーズをする訳ですから。ですがいざその人を前にしてしまうと、あんなに考えて考え抜いていた事が、全部、吹っ飛んでしまって、余裕もなくカッコ悪い自分の口から飛び出してしまうのです。正直、よく無事に婚約まで漕ぎ着けられたなと自分でも思いますよ。」
そんな俺を、王子は黙って見つめながら聞いていた。
お茶を一口飲むと、カップをテーブルに置く。
そして言った。
「……本当に、その人が好きなんですね……。」
王子は寂しそうに笑った。
何と返せば良いのかわからなかった。
俺はただ頭を下げる。
「お恥ずかしい限りです。」
「……私も、好きな人に、そんな風に求婚されてみたかったです……。好きな人に、私を好きになって欲しかった……。」
「殿下……。」
「仕方ないんです。私は王族の一員として生まれました。だから自分の気持ちよりも、王族として生きなければならないって。わかってるんです。」
カップに添えられた手が微かに震えている。
王子は自分にある「裏の事情」を知らない。
だとしたら王太子の求婚に対して、王族としては受けるべきだと考えているのかも知れない。
「……そんな、自分を殺す必要はないと思います。」
「でも、仕方ないんです。」
王子は力なく笑った。
俺の婚約を本当の意味で理解して、少し自棄になっているのかもしれない。
裏の事情はともかく、自棄になって仕方ないで婚約を受け入れて良いとは思えなかった。
ただ、それを言うのが自分で良いのかわからないけれども。
「……殿下。私が言うのは卑怯だと言うことをご理解の上、お聞きください。失恋は誰でもします。王族だから平民だからと言うものは、そこにはありません。想いが叶わないこと、相手に届かないこと、どうしても一緒に要ることが出来ない人もいます。私は生まれつき特殊な体質のせいで、恋愛感情が希薄な人間でした。一生そんな気持ちが自分には芽生えないと思って諦めていました。それでも恋をしました。遅すぎた初恋は自覚するのに時間もかかって、やっとそれが初恋なのだとわかったのは、その方との別れの時でした。……まぁ、ちょっと分不相応な方に想いを寄せていたので、仕方がなかったのですが……。あれを失恋と呼べるかはわかりません。私にとって、とても幸せで美しい思い出だからです。悲しみはありましたが、それ以上に大切なものだったので。」
俺の話に、王子は目を瞬ばたかせた。
とても驚いているようだ。
そんなに驚かれると思わず、俺も驚いてしまった。
そんな変な話をしたつもりはなかったのだが……??
「……サークは……婚約者の方が初恋ではないのですか?」
「はい。よく言われるんですけど、初恋は違う人です。今でも憧れの人なんです。」
そこか!とわかり、納得する。
初恋が始まったのは別宮に来る前だし、第一あまり会えなかったし、あのじたばたは警護部隊ではサムくらいしか見ていない。
だからあまり初恋がウィルでないことは知られていないのだ。
ほとんどの人が、俺が初恋を叶えて結婚するんだと思っている。
いやでも俺の歳ならそうじゃないって、普通わかると思うんだけど……。
いくら俺が普通じゃない体だとはいえ、王子にまでそう思われていたとはびっくりした。
「……意外でした。サークは、すんなりと想いを叶えたのだと思っていました。」
「まさか!それに……もし、あの初恋がなかったら、多分、今、婚約まで行ってないと思います。告白して付き合えたかどうかも怪しいですね……。あの初恋があって、そして別れがあったから今があるのだと思います。まぁ恋愛経験は人よりずっと少ないので、今もじたばたもがいてる感じですけど。」
王子の顔が少しだけ穏やかになった気がした。
話して良かった。
俺の話に何を感じてどう思ったかはわからない。
それでも悪い事ではなかったと思えた。
「殿下、どうか王族だから仕方がないのだと思わないで下さい。私はどんな形であれ、殿下が心から幸せだと思える生き方をして欲しいと思います。」
「サーク……。」
「王族だから仕方がないと言って誤った道を選ばないで下さい。殿下が望む道は、いつでも殿下の心が知っている筈です。どうか、どんな決断をなさる時も、ご自身の心を大切にしてください。」
「……狡い人ですね、私の騎士は。」
「申し訳ございません。殿下。」
王子は静かにお茶を飲んだ。
うう、とうとう王子にまで狡い男だと認定された……。
何がいけないんだろう……。
狡い事をしているつもりなんてないのに……。
でも王子が落ち着いて良かった。
ほっとして、俺も穏やかな笑みが漏れた。
「実は私の友人も今、失恋してもがいてるんですよ。想いが叶わなかったその人は、目の前で恋人と婚約同然の付き合いをしていたりしてちょっと可哀想なんですけど、いつも明るく笑って前を見ています。強いなって思います。ま、たまに恋人が欲しいと暴れますが……そうだよな?イヴァン?」
「え?何がですか?」
戻りが遅いのでとを開けて中を覗いてきたイヴァンに、俺は唐突に声をかけた。
イヴァンは何かわからず、きょとんとしている。
王子がその顔を見てくすくすと笑った。
「サーク、イヴァンに失礼ですよ。」
「申し訳ございません。」
「戻ってちゃんと謝って下さい。」
「承知致しました。では、警護に戻ります。」
俺はそう言って王子の側を離れドア前に戻った。
王子の部屋のドアを背に並んだイヴァンが、酷く怪訝そうに俺を見ている。
俺はニヤッと笑った。
「ごめんな、イヴァン~。」
「だから……何がですか??」
「イヴァンは良い奴だって話だよ~。」
「絶対、違いますよね!?」
「いつかお前にも良いことがあるよ!大丈夫っ!!」
「ちょっと!サークさん!!殿下に何を話したんですかっ!!何をっ!!」
珍しく顔を赤くして怒るイヴァンをあしらいながら、平和な時間は過ぎていった。
王太子は朝食が終わった頃、一度顔を見せたが、丁重にお帰り頂いた。
無理に突破しようともしたのだがイヴァンに牽制された上、俺に「昨夜は大丈夫でしたか?」と微笑まれ、悪態をついて苦々しい顔で去っていった。
その後、俺の仕掛けた隠し通路のトラップが発動したり、バルコニーで大きな音がしてロープが無くなっていたりしたが、特に問題はなかった。
メイドさんがお茶を持ってきたタイミングで中に入り、トラップやらなんやらを確認し仕掛け直す。
あまりに静かに過ごせた事に王子も驚いていたようで、俺に尋ねてきた。
「王太子はお見えにならなかったのですか?」
「朝食後に見えましたが、殿下は午前中は休まれたいとの事を伝え、お帰り頂きました。」
「……帰られたのですか?」
「はい。問題ございません。」
「……サークは凄いですね……。」
「いえ、何もしておりませんが?」
ごく自然ににっこり笑う。
その顔に王子はぷっと小さく吹き出した。
いやいや、俺は何もしてませんて。
「ふふっ。そう言う事にしておきます。……そろそろ交代ですか?」
「いえ、殿下の昼食会が終わりましたら交代致します。」
「サークが居てくれてとても心強いです。少し話しても?」
にっこりと微笑まれる。
どうしようかなと思ったが、メイドさんもいるので俺はお茶を飲む王子の横に立った。
それを困った顔で王子が笑う。
「座ってはくれないんですね?」
「警護中ですから。」
「わかりました。なら、そのままでいいです。」
「ありがとうございます。」
そう言うと王子はお茶を一口飲み味わった。
南の国に来てやっと静かな時間が流れる。
だから俺は油断していた。
「……ずっと、聞きたかった事があります。」
「はい。何でしょう?殿下?」
「……サークは、どうして婚約してしまったんですか?」
カチャン、とワゴンでお茶を入れ直していたメイドさんが音を立てた。
あ、うん、すみません。
いきなりそう言う話になると思わなかったですよね?
そしてそれを聞く羽目になるとも思わなかったですよね?
王子も王子で、今、それを聞きますか!?
何で婚約しましたって報告した時に聞かないで、今、聞くんだろう?
俺は内心、焦ってしまった。
「どうして、と申されますと?どうして婚約に至ったか、という事でしょうか?」
「少し違いますが、それも聞きたいです。」
う~ん、微妙だ。
どうやって切り抜けよう??
考えても仕方がないので、そのまま話した。
「言いようがないのです。殿下。もし言葉にするのなら、自分が止められなかったとしか言いようがありません。」
「自分が止められなかった?」
「はい。交際を申し込んだ時もそうだったのですが、考えるよりも先に口から飛び出してしまうのです。思い付きで言っている訳ではなくて、その前に色々考えてはいるのです。考えて考えて、考え抜いて。こんな平凡な私でも、それなりに格好つけたいと思うのですよ。告白やプロポーズをする訳ですから。ですがいざその人を前にしてしまうと、あんなに考えて考え抜いていた事が、全部、吹っ飛んでしまって、余裕もなくカッコ悪い自分の口から飛び出してしまうのです。正直、よく無事に婚約まで漕ぎ着けられたなと自分でも思いますよ。」
そんな俺を、王子は黙って見つめながら聞いていた。
お茶を一口飲むと、カップをテーブルに置く。
そして言った。
「……本当に、その人が好きなんですね……。」
王子は寂しそうに笑った。
何と返せば良いのかわからなかった。
俺はただ頭を下げる。
「お恥ずかしい限りです。」
「……私も、好きな人に、そんな風に求婚されてみたかったです……。好きな人に、私を好きになって欲しかった……。」
「殿下……。」
「仕方ないんです。私は王族の一員として生まれました。だから自分の気持ちよりも、王族として生きなければならないって。わかってるんです。」
カップに添えられた手が微かに震えている。
王子は自分にある「裏の事情」を知らない。
だとしたら王太子の求婚に対して、王族としては受けるべきだと考えているのかも知れない。
「……そんな、自分を殺す必要はないと思います。」
「でも、仕方ないんです。」
王子は力なく笑った。
俺の婚約を本当の意味で理解して、少し自棄になっているのかもしれない。
裏の事情はともかく、自棄になって仕方ないで婚約を受け入れて良いとは思えなかった。
ただ、それを言うのが自分で良いのかわからないけれども。
「……殿下。私が言うのは卑怯だと言うことをご理解の上、お聞きください。失恋は誰でもします。王族だから平民だからと言うものは、そこにはありません。想いが叶わないこと、相手に届かないこと、どうしても一緒に要ることが出来ない人もいます。私は生まれつき特殊な体質のせいで、恋愛感情が希薄な人間でした。一生そんな気持ちが自分には芽生えないと思って諦めていました。それでも恋をしました。遅すぎた初恋は自覚するのに時間もかかって、やっとそれが初恋なのだとわかったのは、その方との別れの時でした。……まぁ、ちょっと分不相応な方に想いを寄せていたので、仕方がなかったのですが……。あれを失恋と呼べるかはわかりません。私にとって、とても幸せで美しい思い出だからです。悲しみはありましたが、それ以上に大切なものだったので。」
俺の話に、王子は目を瞬ばたかせた。
とても驚いているようだ。
そんなに驚かれると思わず、俺も驚いてしまった。
そんな変な話をしたつもりはなかったのだが……??
「……サークは……婚約者の方が初恋ではないのですか?」
「はい。よく言われるんですけど、初恋は違う人です。今でも憧れの人なんです。」
そこか!とわかり、納得する。
初恋が始まったのは別宮に来る前だし、第一あまり会えなかったし、あのじたばたは警護部隊ではサムくらいしか見ていない。
だからあまり初恋がウィルでないことは知られていないのだ。
ほとんどの人が、俺が初恋を叶えて結婚するんだと思っている。
いやでも俺の歳ならそうじゃないって、普通わかると思うんだけど……。
いくら俺が普通じゃない体だとはいえ、王子にまでそう思われていたとはびっくりした。
「……意外でした。サークは、すんなりと想いを叶えたのだと思っていました。」
「まさか!それに……もし、あの初恋がなかったら、多分、今、婚約まで行ってないと思います。告白して付き合えたかどうかも怪しいですね……。あの初恋があって、そして別れがあったから今があるのだと思います。まぁ恋愛経験は人よりずっと少ないので、今もじたばたもがいてる感じですけど。」
王子の顔が少しだけ穏やかになった気がした。
話して良かった。
俺の話に何を感じてどう思ったかはわからない。
それでも悪い事ではなかったと思えた。
「殿下、どうか王族だから仕方がないのだと思わないで下さい。私はどんな形であれ、殿下が心から幸せだと思える生き方をして欲しいと思います。」
「サーク……。」
「王族だから仕方がないと言って誤った道を選ばないで下さい。殿下が望む道は、いつでも殿下の心が知っている筈です。どうか、どんな決断をなさる時も、ご自身の心を大切にしてください。」
「……狡い人ですね、私の騎士は。」
「申し訳ございません。殿下。」
王子は静かにお茶を飲んだ。
うう、とうとう王子にまで狡い男だと認定された……。
何がいけないんだろう……。
狡い事をしているつもりなんてないのに……。
でも王子が落ち着いて良かった。
ほっとして、俺も穏やかな笑みが漏れた。
「実は私の友人も今、失恋してもがいてるんですよ。想いが叶わなかったその人は、目の前で恋人と婚約同然の付き合いをしていたりしてちょっと可哀想なんですけど、いつも明るく笑って前を見ています。強いなって思います。ま、たまに恋人が欲しいと暴れますが……そうだよな?イヴァン?」
「え?何がですか?」
戻りが遅いのでとを開けて中を覗いてきたイヴァンに、俺は唐突に声をかけた。
イヴァンは何かわからず、きょとんとしている。
王子がその顔を見てくすくすと笑った。
「サーク、イヴァンに失礼ですよ。」
「申し訳ございません。」
「戻ってちゃんと謝って下さい。」
「承知致しました。では、警護に戻ります。」
俺はそう言って王子の側を離れドア前に戻った。
王子の部屋のドアを背に並んだイヴァンが、酷く怪訝そうに俺を見ている。
俺はニヤッと笑った。
「ごめんな、イヴァン~。」
「だから……何がですか??」
「イヴァンは良い奴だって話だよ~。」
「絶対、違いますよね!?」
「いつかお前にも良いことがあるよ!大丈夫っ!!」
「ちょっと!サークさん!!殿下に何を話したんですかっ!!何をっ!!」
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