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第三王子編
一息つく
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王国領土入りした俺は、取り急ぎ王子の様子を見に行くことにした。
王子の件はとりあえず領土に戻れたので、心身への負担も考え、ここで一泊してから王宮に帰る事になったと聞いた。
まあ、朝からあれでは、王子も疲れてしまうよな。
「サークさんっ!!」
国境警備施設の上級来賓用客室に向かっていると、廊下の奥からイヴァンが走ってきた。
必死な様子に王子に何かあったのかと身構える。
「どうした!?何か問題がっ……うわっ!!」
「サークさんっ!!」
イヴァンは止まることなく走ってきて、そのままダイレクトに俺に抱きついた。
生真面目にトレーニングを欠かさないデカ物だ。
俺は吹っ飛ばされそうなのを何とか堪える。
はっきり言ってめちゃくちゃ痛い。
日々鍛えられた筋肉の塊みたいな大の男が、走ってきた勢いのままぶつかってきたのだ。
手厚い歓迎はありがたいが、自分のがたいを考えてくれ!
お前は可愛い系ではないんだよ!
「馬鹿野郎っ!!痛てぇだろ?!この筋肉がっ!!」
「あ、すみません……。それより!無事だったんですね!?良かった!!」
イヴァンは慌てて体を離し、俺の肩を両手を置いた。
心配そうに顔を覗かれ、俺はきょとんとしてしまった。
「……え?サークさん!?どこか怪我でも!?」
「いや……帰ってきて、まともに心配してくれたのが、お前だけでな……。」
軽く額を押さえる。
そうだよな……。
普通なら足止めのケツ持ちが帰還したんだから、このぐらいの反応が普通だよな……。
イヴァンの反応を受け、さっきまでの意味のわからないお祭り騒ぎを思い出す。
「え?えっ!?出迎えに行った皆はっ??」
「奴らはヴィオールを見に来ただけだ……。」
「……あ、あぁ~~。」
納得したのか、微妙な声をだしイヴァンは苦笑した。
アイツらならやりかねないと思ったのだろう。
そして改めて俺と向かい合った。
いつもの爽やかな笑顔を俺に向ける。
「お帰りなさい。サークさん。ご無事で何よりです。」
「おう、ありがとな。」
そう言って軽くハグを交わす。
まともな人間がいてくれて良かった。
帰って来たらあのノリで、危うく足止めに交戦した苦労を忘れるところだった。
「シルクさんは?」
「怪我はない。ただヴィオールに乗せられてパニック起こしてたけど、今はギルと一緒にいるから大丈夫だろ。」
「……そうですか。無事で良かった。」
一瞬、間があったが、いつも通りの笑顔を見せた。
う~ん。いいやつなんだけどな、本当。
いい人すぎるとかなのだろうか??
「そっちは?王子は?」
「長時間、馬で走ったので……その……お疲れのようです。」
「……あ~~。乗りなれてないから、あれか……。酷いのか?回復かけてもらわなかったのか?」
「酷くはないみたいです。タチアナさんが対応してくれましたし、大丈夫でしょう。他は問題ありません。サークさんが残った事は話していないので、気持ちも落ち着かれています。」
「なるほどね。」
歩きながら話を聞く。
どうやら王子に俺が足止めに残った事は話さなかったらしい。
あの状況で王子に取り乱されたり、不安にさせるのは得策ではないのでいい判断だろう。
ちなみに、あれと言うのはあれだ。
馬に乗りなれてないと、まぁ、切れる。
マジな話だ。
酷くないと言っていたので、擦り傷ぐらいなんだろう。
ただ男の場合その辺から血が出る事なんてないので、擦り傷でも初見はかなりビビる。
回復かけてもらってるようだからもう治ってはいるだろうけれど、会って平気だろうか?
「……俺が顔見せて平気か?」
「早く見せに行って下さい。ずっとサークさんはどうしてるか聞かれて、さすがにそろそろ誤魔化せなくて困ってたんです。」
「いいタイミングに来たってとこか。」
「はい。バッチリです。」
そんな会話をしていると、ちょうど王子の控えている部屋に来た。
チタニアさんとファレルさんが、声に出さずに心配してくれ、ふたりとハグを交わした。
「ちょうどいいタイミングよ、サーク。」
「ええ、イヴァンにも言われました。」
「君の事は……。」
「聞いてます。大丈夫ですファレルさん。うまくやります。」
「任せるよ。頼んだ。」
小声でそう会話し、確認の為、チタニアさんが部屋をノックして中に入る。
しばらくしてから入るように言われた。
「サークっ!!」
「遅くなってすみません、殿下。隊員の確認や王宮との連絡などもあって……。一応、こう見えて、副隊長代理なもので。」
王子はベッドで休んでいて、メイドさんがふたりついていた。
俺を見て嬉しそうに笑った。
顔に疲れが見えるが表情は明るい。
「聞いてます。いつの間にそんなに偉くなったんですか?」
「いえ、ウォーレン副隊長の産休の間だけの臨時です。副隊長が帰ってきたら、また平隊員ですよ。」
「ではその時にロイヤルシールドに引き抜きますね?」
「う~ん。考えておきます。」
王子の声は明るい。
何だかんだ王太子の呪縛を自ら断ち切って、すっきりしたのだろう。
俺は側に寄って膝をついた。
王子が手をこちらに伸ばしたので、その手をとって接吻する振りの挨拶をする。
「殿下は大丈夫ですか?突然このような事になり、お疲れでしょう。」
「そうですね。でも、ひとまず無事に領土には戻れましたし。皆もサークもいてくれます。大丈夫です。」
「それは良かったです。向こうでは気が休まらなかったでしょうから、ゆっくりお休み下さい。仕事があるのですぐに来れない時もあると思いますが、国境施設にはいますので何かありましたら呼んで下さい。」
「ええ、ありがとう。私の騎士。」
俺はそう言って、王子に礼を尽くした。
王子は穏やかに笑っていた。
無事に領土に帰って来れ、俺の顔も見れて落ち着いたようだ。
俺も王子がいつもの感じに戻ったのを確認できた。
あのおかしなズレは今はそこまで酷くない。
そして俺は、特に引き留められずに部屋を出ることができた。
国境内に入ったので、臨時ロイヤルシールドの仕事は終わった。
だが本家もイヴァンも24時間体制の警護を続けていたので、俺も夜の警護に戻ろうとしたが「ケツ持ちをやった人間にそれはさせられない」と断られた。
とにかく明日まではゆっくり休めと追い払われる。
ありがたいような寂しいような。
この数日間でロイヤル警護をしたメンバーとは、ちょっとした絆ができた気がした。
とは言え、休ませてもらえるのはありがたい。
演舞を習って魔力を体内で濃縮させたり、行き渡らせたり、出量を調整できるようになったので倒れるような事はなかったが、やはりあれだけの実践は体に堪える。
実際、戦闘をしてみて思ったが、まだまだ鍛練の余地がありそうだ。
休む前に部隊の状況を確認しに行く。
ギルの姿が見えないので、なんとなく察して全体の状況の把握して指示を出した。
まぁ既に、ギルがちゃんと指示はしてあったのでたいしてすることはなかったのだが。
そんな事をやっていると、ウィルが頭からタオルをかぶって廊下を歩いてくる。
声をかけると、空を飛んだり戦闘したりで埃まみれだったので、シャワーを浴びたそうだ。
シャワー後のせいか、頬がほんのり色づいていて、どぎまぎしてしまう。
そんな色っぽい顔でウィルは笑って言った。
「区切りが良いところで、サークも浴びてきたらどうだ?」
「うん、そうする。ちょっと汗くさいわ。」
「……サークの汗の匂い、俺は嫌いじゃないけどね。」
クスッと笑って、俺だけに聞こえるように耳元で囁く。
そしてするりとその場を後にした。
何だろう?
しばらく会えなかったせいだろうか?
ウィルがやけに色っぽく見える……。
心臓がドクドク鳴ってうるさい。
立ち去るウィルの後ろ姿を見ながら、俺は妙に興奮を覚えていた。
その後、俺もシャワーを浴びに行ったが、邪な目でウィルを見たバチが当たったのか途中で水になって大変だった。
誰だよ!
昼間からお湯をたくさん使ったのは!?
頭から水をかぶった俺は、イライラしながら、次の人の為にボイラーを見に行った。
王子の件はとりあえず領土に戻れたので、心身への負担も考え、ここで一泊してから王宮に帰る事になったと聞いた。
まあ、朝からあれでは、王子も疲れてしまうよな。
「サークさんっ!!」
国境警備施設の上級来賓用客室に向かっていると、廊下の奥からイヴァンが走ってきた。
必死な様子に王子に何かあったのかと身構える。
「どうした!?何か問題がっ……うわっ!!」
「サークさんっ!!」
イヴァンは止まることなく走ってきて、そのままダイレクトに俺に抱きついた。
生真面目にトレーニングを欠かさないデカ物だ。
俺は吹っ飛ばされそうなのを何とか堪える。
はっきり言ってめちゃくちゃ痛い。
日々鍛えられた筋肉の塊みたいな大の男が、走ってきた勢いのままぶつかってきたのだ。
手厚い歓迎はありがたいが、自分のがたいを考えてくれ!
お前は可愛い系ではないんだよ!
「馬鹿野郎っ!!痛てぇだろ?!この筋肉がっ!!」
「あ、すみません……。それより!無事だったんですね!?良かった!!」
イヴァンは慌てて体を離し、俺の肩を両手を置いた。
心配そうに顔を覗かれ、俺はきょとんとしてしまった。
「……え?サークさん!?どこか怪我でも!?」
「いや……帰ってきて、まともに心配してくれたのが、お前だけでな……。」
軽く額を押さえる。
そうだよな……。
普通なら足止めのケツ持ちが帰還したんだから、このぐらいの反応が普通だよな……。
イヴァンの反応を受け、さっきまでの意味のわからないお祭り騒ぎを思い出す。
「え?えっ!?出迎えに行った皆はっ??」
「奴らはヴィオールを見に来ただけだ……。」
「……あ、あぁ~~。」
納得したのか、微妙な声をだしイヴァンは苦笑した。
アイツらならやりかねないと思ったのだろう。
そして改めて俺と向かい合った。
いつもの爽やかな笑顔を俺に向ける。
「お帰りなさい。サークさん。ご無事で何よりです。」
「おう、ありがとな。」
そう言って軽くハグを交わす。
まともな人間がいてくれて良かった。
帰って来たらあのノリで、危うく足止めに交戦した苦労を忘れるところだった。
「シルクさんは?」
「怪我はない。ただヴィオールに乗せられてパニック起こしてたけど、今はギルと一緒にいるから大丈夫だろ。」
「……そうですか。無事で良かった。」
一瞬、間があったが、いつも通りの笑顔を見せた。
う~ん。いいやつなんだけどな、本当。
いい人すぎるとかなのだろうか??
「そっちは?王子は?」
「長時間、馬で走ったので……その……お疲れのようです。」
「……あ~~。乗りなれてないから、あれか……。酷いのか?回復かけてもらわなかったのか?」
「酷くはないみたいです。タチアナさんが対応してくれましたし、大丈夫でしょう。他は問題ありません。サークさんが残った事は話していないので、気持ちも落ち着かれています。」
「なるほどね。」
歩きながら話を聞く。
どうやら王子に俺が足止めに残った事は話さなかったらしい。
あの状況で王子に取り乱されたり、不安にさせるのは得策ではないのでいい判断だろう。
ちなみに、あれと言うのはあれだ。
馬に乗りなれてないと、まぁ、切れる。
マジな話だ。
酷くないと言っていたので、擦り傷ぐらいなんだろう。
ただ男の場合その辺から血が出る事なんてないので、擦り傷でも初見はかなりビビる。
回復かけてもらってるようだからもう治ってはいるだろうけれど、会って平気だろうか?
「……俺が顔見せて平気か?」
「早く見せに行って下さい。ずっとサークさんはどうしてるか聞かれて、さすがにそろそろ誤魔化せなくて困ってたんです。」
「いいタイミングに来たってとこか。」
「はい。バッチリです。」
そんな会話をしていると、ちょうど王子の控えている部屋に来た。
チタニアさんとファレルさんが、声に出さずに心配してくれ、ふたりとハグを交わした。
「ちょうどいいタイミングよ、サーク。」
「ええ、イヴァンにも言われました。」
「君の事は……。」
「聞いてます。大丈夫ですファレルさん。うまくやります。」
「任せるよ。頼んだ。」
小声でそう会話し、確認の為、チタニアさんが部屋をノックして中に入る。
しばらくしてから入るように言われた。
「サークっ!!」
「遅くなってすみません、殿下。隊員の確認や王宮との連絡などもあって……。一応、こう見えて、副隊長代理なもので。」
王子はベッドで休んでいて、メイドさんがふたりついていた。
俺を見て嬉しそうに笑った。
顔に疲れが見えるが表情は明るい。
「聞いてます。いつの間にそんなに偉くなったんですか?」
「いえ、ウォーレン副隊長の産休の間だけの臨時です。副隊長が帰ってきたら、また平隊員ですよ。」
「ではその時にロイヤルシールドに引き抜きますね?」
「う~ん。考えておきます。」
王子の声は明るい。
何だかんだ王太子の呪縛を自ら断ち切って、すっきりしたのだろう。
俺は側に寄って膝をついた。
王子が手をこちらに伸ばしたので、その手をとって接吻する振りの挨拶をする。
「殿下は大丈夫ですか?突然このような事になり、お疲れでしょう。」
「そうですね。でも、ひとまず無事に領土には戻れましたし。皆もサークもいてくれます。大丈夫です。」
「それは良かったです。向こうでは気が休まらなかったでしょうから、ゆっくりお休み下さい。仕事があるのですぐに来れない時もあると思いますが、国境施設にはいますので何かありましたら呼んで下さい。」
「ええ、ありがとう。私の騎士。」
俺はそう言って、王子に礼を尽くした。
王子は穏やかに笑っていた。
無事に領土に帰って来れ、俺の顔も見れて落ち着いたようだ。
俺も王子がいつもの感じに戻ったのを確認できた。
あのおかしなズレは今はそこまで酷くない。
そして俺は、特に引き留められずに部屋を出ることができた。
国境内に入ったので、臨時ロイヤルシールドの仕事は終わった。
だが本家もイヴァンも24時間体制の警護を続けていたので、俺も夜の警護に戻ろうとしたが「ケツ持ちをやった人間にそれはさせられない」と断られた。
とにかく明日まではゆっくり休めと追い払われる。
ありがたいような寂しいような。
この数日間でロイヤル警護をしたメンバーとは、ちょっとした絆ができた気がした。
とは言え、休ませてもらえるのはありがたい。
演舞を習って魔力を体内で濃縮させたり、行き渡らせたり、出量を調整できるようになったので倒れるような事はなかったが、やはりあれだけの実践は体に堪える。
実際、戦闘をしてみて思ったが、まだまだ鍛練の余地がありそうだ。
休む前に部隊の状況を確認しに行く。
ギルの姿が見えないので、なんとなく察して全体の状況の把握して指示を出した。
まぁ既に、ギルがちゃんと指示はしてあったのでたいしてすることはなかったのだが。
そんな事をやっていると、ウィルが頭からタオルをかぶって廊下を歩いてくる。
声をかけると、空を飛んだり戦闘したりで埃まみれだったので、シャワーを浴びたそうだ。
シャワー後のせいか、頬がほんのり色づいていて、どぎまぎしてしまう。
そんな色っぽい顔でウィルは笑って言った。
「区切りが良いところで、サークも浴びてきたらどうだ?」
「うん、そうする。ちょっと汗くさいわ。」
「……サークの汗の匂い、俺は嫌いじゃないけどね。」
クスッと笑って、俺だけに聞こえるように耳元で囁く。
そしてするりとその場を後にした。
何だろう?
しばらく会えなかったせいだろうか?
ウィルがやけに色っぽく見える……。
心臓がドクドク鳴ってうるさい。
立ち去るウィルの後ろ姿を見ながら、俺は妙に興奮を覚えていた。
その後、俺もシャワーを浴びに行ったが、邪な目でウィルを見たバチが当たったのか途中で水になって大変だった。
誰だよ!
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頭から水をかぶった俺は、イライラしながら、次の人の為にボイラーを見に行った。
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