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第六章「副隊長編」
庭園の花嫁
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披露宴会場はガーデンパーティー仕様だった。
落ち着いた庭園にたくさんの花が飾られ、とても綺麗だ。
俺とウィルが手続きを済ませ会場に入ると、ギルが立っていた。
何か、いかにも貴族の騎士って感じだ。
いつも通り、全身黒い出で立ちなんだけど、布といい装飾といい豪華だ。
そんなギルは俺を見て固まっている。
何だよ、鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔しやがって……。
「……エロいな。」
「はぁ!?ぶちのめされたいのか!?」
開口一番、これだ。
変態はすっこんでろ。
俺の腕に珍しく、ずっと抱きついてるウィルがギルを睨んだ。
「あげませんよ。俺のです。」
「やだ、ウィル、積極的っ!!」
「ちなみにさっきまで、裾巻くって生足さらしてて、俺は気が狂いそうでした。」
「生足……。」
「ウィル……。変態に余計な情報を与えるな……。」
身の危険を感じるからやめてくれ。
それにしてもシルクの姿が見えない。
「シルクは?」
「ああ……隠れている……。」
「は?何で?」
「恥ずかしいそうだ。」
「お前、何、着せたんだよっ!!」
「いや、普通の……。」
ギルがそこまで言ったところで、バサッと茂みからシルクが顔を出した。
俺を見て、顔を赤くしてぷるぷるしている。
「主~っ!!」
飛び出してきて、俺に抱きつこうとした。
が、今日はどうしちゃったのか、ウィルが俺の体にしがみついてそれを阻んだ。
「ごめん、シルク。今日は渡せない……。」
「ええ~っ!!ちょっとだけ!ちょっとだけでいいから~っ!!」
「ごめん。本当は誰にも見せたくないんだ。」
「ウィル~お願い~っ!!」
シルクが可愛く頼んだ。
ウィルは少しだけ悩んだ後、シルクに言った。
「なら……そっちの腕だけなら……。」
「ありがとう~っ!!」
そう言われて、シルクは満面の笑みで俺の腕に絡み付いた。
……………。
何なんだ?この状況は??
凄いな、着物効果。
美人ふたりを両脇にはべらせてる俺って、回りからどう見られてるんだろう?
「………東の国のマフィアか?お前?」
「なるほど、そう見えるのね……。」
ギルの言葉に若干、頭が痛い。
それにしても、シルクは何で隠れてたんだ??
シルクの服を見る。
ごく普通の、黒いタキシードだ。
良かった、ドレスとかじゃなくて……。
まぁ、オーダーメイドなのか体にぴったり合っていて、生地は物凄く高そうだけど、普通だ。
隠れるほどの格好ではない。
隠れるほどではないが……。
「……シルク、お前、ちょっと前に立て。」
「はへっ!?何で!?やだよ!!」
「いいからちゃんと見せろ。」
「やだやだやだ!恥ずかしい!!」
「シルク、前に立て。」
「……主の馬鹿。」
シルクは渋々、俺の前に立った。
恥ずかしがっているが、よく似合う。
バネのような筋肉がついた細身の体に、体型に合わせて作られた動きやすそうなスーツ。
黒い光沢が落ち着きを醸し出し、シックな雰囲気だ。
シルクの少し伸ばした白い後ろ髪も、綺麗に束ねられ、いいアクセントになっている。
白い手袋と言うのも、なんとも言えない。
ヤバい、意外と似合い過ぎている。
「……めっちゃ、いい!!シルク!!凄くいい!!」
「え……!?そうかな……?」
「うん!執事さんみたい!!」
めちゃめちゃ興奮してそう言った俺に、ウィルが怪訝な顔をする。
「……サーク、それって誉め言葉なのか?」
「えぇっ!?俺史上、最大の誉め言葉だけどっ!!」
「なるほどな、サーク的には最大の誉め言葉だろうな……。」
理由がわかっているギルはそう言った。
ウィルとシルクは頭に「?」がついている。
いや、でも!これ以上の誉め言葉はないぞ?シルク!!
「ごめん!シルク!意味わかんなかったかもしれないけど、気を悪くしないでくれ。本気で誉めてるから!!」
誉められてるのはわかったが、なんとなく対応に困っているシルクにギルが耳打ちした。
その途端、シルクの顔が、パアッと明るくなった。
そしてまた、俺の腕にしがみつく。
「なら俺!主の執事になるね!!ずっとずっと、主の執事になるよ!!」
「執事か~いいな~それ~。」
「サーク、俺だけ話が見えないんだけど……。」
ウィルの頭には?マークが増えていた。
まぁ、今度、話そう。
俺の初恋の話を。
とはいえ、シルクが俺の執事か~。
いいな、執事~。
ちょっと夢見るわ~。
俺はぽややんと妄想する。
ウィルが奥さんでシルクが執事とか、ヤバいよな~。
「サーク!来てくれたんだな!!」
俺のヤバい妄想を明るい声が遮った。
その声に顔を向けると、ライルさんだった。
「あ!本日はおめでとうございます!!ライルさん!!」
「着物か~!!格好いいよ!サーク!!似合ってる。」
ライルさんは白いタキシードで、何だかいつもより大人っぽい。
やっぱり結婚すると顔つきも変わるのかな、なんて思った。
ライルさんは近くまで来ると、俺を上から下まで見て一言言った。
「……それってあれだよな、あ~れ~って出来るんだよな??」
ライルさんはにっと笑う。
それに俺は苦笑いし、ウィルは警戒心丸出しで俺の腕に引っ付いた。
というか待ってくれ……。
他国の着物のイメージって、それしかないのか!?
少し頭が痛い。
軽くライルさんを威嚇しながら、ウィルがにっこり笑った。
「それは帰ってからやります。」
…………。
真顔でそんな宣言、しないでくれ……。
俺は無言で顔を押さえる。
なんか本当、今日のウィルはキャラ崩壊してて怖い……。。
「い~な~っ!!俺もやりたい~っ!!」
「なら俺も~っ!!」
シルクが無邪気にそう言った。
それにライルさんまで乗っかってくる。
だから、着物はそう言う為の物じゃないからっ!!
「……俺も、ヤリた……。」
「すっこんでろっ!!変態っ!!」
シルクとライルさんはノリで言ってるだけだからいいが、ギルが言うと洒落にならない。
とはいえ、何となく変な空気だ。
ウィルは普段はこんな事しないのに俺にべったりだし、シルクもギルがいるのにいつも以上にベタベタしてくる。
ライルさんは半ば面白がってるだけだが、ギルは無表情だが凝視してくるし、手が微妙にわきわき動いてて怖い……。
何なんだ?
着物ひとつで、みんなおかしいぞ!?
と言うか男の着物は、あ~れ~はやらないぞ!?
あれば娘さんの帯をだな……。
「サークっ!!」
その時、とても幸せそうな声がした。
声の先には真っ白なドレスに身を包んだサム。
マーメイドタイプのウェディングドレスがとてもよく似合っていた。
花嫁の登場に場がふわっと温かくなる。
キラキラした彼女に思わず皆、笑顔になった。
「サム!!おめでとう!!ドレス、凄く似合ってるよ!!」
「ありがとう。まだお腹も目立たないから、着たかったドレスにしたの。」
「うん、サムはスタイルがいいから、凄く綺麗だよ。」
「サークもね。とても素敵よ!着物で来てくれるなんて思わなかった!!」
「ちょっとね。これからは故郷を大事にしようかと思って。」
「おめでとうございます。サマンサさん。」
「副隊長さんおめでとう~。」
両脇のウィルとシルクがそう言った。
ギルはすでに挨拶が済んでいたのか、目を合わせて頷くだけだった。
その様子には、普段は見えない第三別宮の双璧コンビの絆みたいなのか垣間見えた。
ウエディングドレス姿のサムは本当に綺麗だった。
別宮では女性騎士で副隊長という強い部分が強調されていたけど、今日は幸せというスパイスが加わり一段とその美しさが引き立っていた。
なのだが、俺の両脇には今日の主役である花嫁にも負けないような美人が二人、くっついている。
ウィルとシルクに挟まれている俺をサムはくすくす笑った。
そして綺麗な笑顔でふたりに言う。
「ねぇ、ふたりとも?悪いけどちょっとの間だけ、サークを貸してくれないかしら?せっかくの着物だもの、一緒に写真が撮りたいの。」
その言葉を聞いて俺は興奮した。
思わず身を乗り出して話に食いつく。
「写真!?そんな凄いのが来てるの!?」
「あ~。うちの父さん、変わったものとか集めるのが趣味でさ~。その伝で、探しだして来てもらったんだよ~。」
ライルさんが苦笑した。
写真は魔術系の記録装置とは違う、大昔にあった科学技術を用いた紙に見たものを写しとる技術だ。
科学技術はあまり資料や伝承がないので、扱える研究者はそう多くはない。
これは凄い人がいると俺はわくわくした。
「会いたい!その人に会いたいです!!」
俺が目を輝かせてそう言うと、ウィルとシルクは顔を見合せ、仕方ないと肩をすくめると俺を離してくれた。
ライルさんはここにも変なもの好きがいたと言う顔で笑い、サムが俺の手を引いた。
「こっちに来て!」
腕を捕まれ引っ張られる。
早足に向かおうとしていたので、俺はサムを引き留めた。
晴れの日だからって油断は禁物だ。
「駄目だよ、サム。危ないよ?」
「ごめんなさい?今日は嬉しくてつい……。」
そう言って笑うサムは本当に綺麗だった。
サムはいつも綺麗だったけど、やっぱり輝きが違う。
今日のこの素晴らしい庭園は、サムの為にあると言って過言じゃない。
俺はにっこりと笑った。
「ライルさん、サムをエスコートしてもいい?」
「仕方ない、サークだから許すよ。」
ライルさんは笑顔でそう言った。
許可を得て俺はサムに腕を差し出す。
「では僭越ながら、ご案内頂けますか?奥様?」
俺はかしこまってそう言った。
サムは幸せそうに笑って、俺の腕に手を添えた。
庭園は美しく、本当に幸せに溢れていた。
落ち着いた庭園にたくさんの花が飾られ、とても綺麗だ。
俺とウィルが手続きを済ませ会場に入ると、ギルが立っていた。
何か、いかにも貴族の騎士って感じだ。
いつも通り、全身黒い出で立ちなんだけど、布といい装飾といい豪華だ。
そんなギルは俺を見て固まっている。
何だよ、鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔しやがって……。
「……エロいな。」
「はぁ!?ぶちのめされたいのか!?」
開口一番、これだ。
変態はすっこんでろ。
俺の腕に珍しく、ずっと抱きついてるウィルがギルを睨んだ。
「あげませんよ。俺のです。」
「やだ、ウィル、積極的っ!!」
「ちなみにさっきまで、裾巻くって生足さらしてて、俺は気が狂いそうでした。」
「生足……。」
「ウィル……。変態に余計な情報を与えるな……。」
身の危険を感じるからやめてくれ。
それにしてもシルクの姿が見えない。
「シルクは?」
「ああ……隠れている……。」
「は?何で?」
「恥ずかしいそうだ。」
「お前、何、着せたんだよっ!!」
「いや、普通の……。」
ギルがそこまで言ったところで、バサッと茂みからシルクが顔を出した。
俺を見て、顔を赤くしてぷるぷるしている。
「主~っ!!」
飛び出してきて、俺に抱きつこうとした。
が、今日はどうしちゃったのか、ウィルが俺の体にしがみついてそれを阻んだ。
「ごめん、シルク。今日は渡せない……。」
「ええ~っ!!ちょっとだけ!ちょっとだけでいいから~っ!!」
「ごめん。本当は誰にも見せたくないんだ。」
「ウィル~お願い~っ!!」
シルクが可愛く頼んだ。
ウィルは少しだけ悩んだ後、シルクに言った。
「なら……そっちの腕だけなら……。」
「ありがとう~っ!!」
そう言われて、シルクは満面の笑みで俺の腕に絡み付いた。
……………。
何なんだ?この状況は??
凄いな、着物効果。
美人ふたりを両脇にはべらせてる俺って、回りからどう見られてるんだろう?
「………東の国のマフィアか?お前?」
「なるほど、そう見えるのね……。」
ギルの言葉に若干、頭が痛い。
それにしても、シルクは何で隠れてたんだ??
シルクの服を見る。
ごく普通の、黒いタキシードだ。
良かった、ドレスとかじゃなくて……。
まぁ、オーダーメイドなのか体にぴったり合っていて、生地は物凄く高そうだけど、普通だ。
隠れるほどの格好ではない。
隠れるほどではないが……。
「……シルク、お前、ちょっと前に立て。」
「はへっ!?何で!?やだよ!!」
「いいからちゃんと見せろ。」
「やだやだやだ!恥ずかしい!!」
「シルク、前に立て。」
「……主の馬鹿。」
シルクは渋々、俺の前に立った。
恥ずかしがっているが、よく似合う。
バネのような筋肉がついた細身の体に、体型に合わせて作られた動きやすそうなスーツ。
黒い光沢が落ち着きを醸し出し、シックな雰囲気だ。
シルクの少し伸ばした白い後ろ髪も、綺麗に束ねられ、いいアクセントになっている。
白い手袋と言うのも、なんとも言えない。
ヤバい、意外と似合い過ぎている。
「……めっちゃ、いい!!シルク!!凄くいい!!」
「え……!?そうかな……?」
「うん!執事さんみたい!!」
めちゃめちゃ興奮してそう言った俺に、ウィルが怪訝な顔をする。
「……サーク、それって誉め言葉なのか?」
「えぇっ!?俺史上、最大の誉め言葉だけどっ!!」
「なるほどな、サーク的には最大の誉め言葉だろうな……。」
理由がわかっているギルはそう言った。
ウィルとシルクは頭に「?」がついている。
いや、でも!これ以上の誉め言葉はないぞ?シルク!!
「ごめん!シルク!意味わかんなかったかもしれないけど、気を悪くしないでくれ。本気で誉めてるから!!」
誉められてるのはわかったが、なんとなく対応に困っているシルクにギルが耳打ちした。
その途端、シルクの顔が、パアッと明るくなった。
そしてまた、俺の腕にしがみつく。
「なら俺!主の執事になるね!!ずっとずっと、主の執事になるよ!!」
「執事か~いいな~それ~。」
「サーク、俺だけ話が見えないんだけど……。」
ウィルの頭には?マークが増えていた。
まぁ、今度、話そう。
俺の初恋の話を。
とはいえ、シルクが俺の執事か~。
いいな、執事~。
ちょっと夢見るわ~。
俺はぽややんと妄想する。
ウィルが奥さんでシルクが執事とか、ヤバいよな~。
「サーク!来てくれたんだな!!」
俺のヤバい妄想を明るい声が遮った。
その声に顔を向けると、ライルさんだった。
「あ!本日はおめでとうございます!!ライルさん!!」
「着物か~!!格好いいよ!サーク!!似合ってる。」
ライルさんは白いタキシードで、何だかいつもより大人っぽい。
やっぱり結婚すると顔つきも変わるのかな、なんて思った。
ライルさんは近くまで来ると、俺を上から下まで見て一言言った。
「……それってあれだよな、あ~れ~って出来るんだよな??」
ライルさんはにっと笑う。
それに俺は苦笑いし、ウィルは警戒心丸出しで俺の腕に引っ付いた。
というか待ってくれ……。
他国の着物のイメージって、それしかないのか!?
少し頭が痛い。
軽くライルさんを威嚇しながら、ウィルがにっこり笑った。
「それは帰ってからやります。」
…………。
真顔でそんな宣言、しないでくれ……。
俺は無言で顔を押さえる。
なんか本当、今日のウィルはキャラ崩壊してて怖い……。。
「い~な~っ!!俺もやりたい~っ!!」
「なら俺も~っ!!」
シルクが無邪気にそう言った。
それにライルさんまで乗っかってくる。
だから、着物はそう言う為の物じゃないからっ!!
「……俺も、ヤリた……。」
「すっこんでろっ!!変態っ!!」
シルクとライルさんはノリで言ってるだけだからいいが、ギルが言うと洒落にならない。
とはいえ、何となく変な空気だ。
ウィルは普段はこんな事しないのに俺にべったりだし、シルクもギルがいるのにいつも以上にベタベタしてくる。
ライルさんは半ば面白がってるだけだが、ギルは無表情だが凝視してくるし、手が微妙にわきわき動いてて怖い……。
何なんだ?
着物ひとつで、みんなおかしいぞ!?
と言うか男の着物は、あ~れ~はやらないぞ!?
あれば娘さんの帯をだな……。
「サークっ!!」
その時、とても幸せそうな声がした。
声の先には真っ白なドレスに身を包んだサム。
マーメイドタイプのウェディングドレスがとてもよく似合っていた。
花嫁の登場に場がふわっと温かくなる。
キラキラした彼女に思わず皆、笑顔になった。
「サム!!おめでとう!!ドレス、凄く似合ってるよ!!」
「ありがとう。まだお腹も目立たないから、着たかったドレスにしたの。」
「うん、サムはスタイルがいいから、凄く綺麗だよ。」
「サークもね。とても素敵よ!着物で来てくれるなんて思わなかった!!」
「ちょっとね。これからは故郷を大事にしようかと思って。」
「おめでとうございます。サマンサさん。」
「副隊長さんおめでとう~。」
両脇のウィルとシルクがそう言った。
ギルはすでに挨拶が済んでいたのか、目を合わせて頷くだけだった。
その様子には、普段は見えない第三別宮の双璧コンビの絆みたいなのか垣間見えた。
ウエディングドレス姿のサムは本当に綺麗だった。
別宮では女性騎士で副隊長という強い部分が強調されていたけど、今日は幸せというスパイスが加わり一段とその美しさが引き立っていた。
なのだが、俺の両脇には今日の主役である花嫁にも負けないような美人が二人、くっついている。
ウィルとシルクに挟まれている俺をサムはくすくす笑った。
そして綺麗な笑顔でふたりに言う。
「ねぇ、ふたりとも?悪いけどちょっとの間だけ、サークを貸してくれないかしら?せっかくの着物だもの、一緒に写真が撮りたいの。」
その言葉を聞いて俺は興奮した。
思わず身を乗り出して話に食いつく。
「写真!?そんな凄いのが来てるの!?」
「あ~。うちの父さん、変わったものとか集めるのが趣味でさ~。その伝で、探しだして来てもらったんだよ~。」
ライルさんが苦笑した。
写真は魔術系の記録装置とは違う、大昔にあった科学技術を用いた紙に見たものを写しとる技術だ。
科学技術はあまり資料や伝承がないので、扱える研究者はそう多くはない。
これは凄い人がいると俺はわくわくした。
「会いたい!その人に会いたいです!!」
俺が目を輝かせてそう言うと、ウィルとシルクは顔を見合せ、仕方ないと肩をすくめると俺を離してくれた。
ライルさんはここにも変なもの好きがいたと言う顔で笑い、サムが俺の手を引いた。
「こっちに来て!」
腕を捕まれ引っ張られる。
早足に向かおうとしていたので、俺はサムを引き留めた。
晴れの日だからって油断は禁物だ。
「駄目だよ、サム。危ないよ?」
「ごめんなさい?今日は嬉しくてつい……。」
そう言って笑うサムは本当に綺麗だった。
サムはいつも綺麗だったけど、やっぱり輝きが違う。
今日のこの素晴らしい庭園は、サムの為にあると言って過言じゃない。
俺はにっこりと笑った。
「ライルさん、サムをエスコートしてもいい?」
「仕方ない、サークだから許すよ。」
ライルさんは笑顔でそう言った。
許可を得て俺はサムに腕を差し出す。
「では僭越ながら、ご案内頂けますか?奥様?」
俺はかしこまってそう言った。
サムは幸せそうに笑って、俺の腕に手を添えた。
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