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まさちち

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2章

Side チョロイン女神 前編

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書籍化記念

久し振りにSideを書いてみました。

かわすみ様が描いて下さったチョロイン女神様が可愛すぎて、絶対いつか書こうと思ってました。

なんか書いていたらやたらと長くなっちゃったので分けました。

ちょっと書籍の加筆した部分の事が混じってます。

よろしくお願いします。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



私の名前はエリス、女神エリスよ。

その日はなーんもしないって決めた日だった。それなのに私の目の前になんて言うのだっけ?そうそう、白装束だ。
それを来た男が突然現れた。

こういうのは初めてではないので別に驚かない。
 
 私は女神の中でも若い方なので沢山の姉様女神がいる。その姉様達からたまにこうやって転生希望の人達が送られてくる。まあ、大半が自分の所で手を焼いて押し付けてくるとかが多い。またその手の輩かと適当に相手をしようとこちらから声をかける。

「あ、いらっしゃいませ」
 
 いつもの様に声をかけるとキョロキョロ周りを見ていた白装束の男がこちらに振り向く、暫らく私の方を見てからこう言いやがった。

「今度の女神様は小さい」

はぁ?何言ってんだこいつ?私のどこをどお見ればそう見えるんだ??ってヤバ今日は絶対働かないって決めてたから通常のモードだった。

しかし、とりあえず誤解を解いておかなければ。
「これは通常用です。営業用の大人バージョンは別にあります」

 大人バージョンであのトーンで話すと大体の奴が「ツンいただきましたー」とか言ってわけわかんないけど喜ぶのに通常じゃダメなようね。そんな事を考えていたら目の前の男がニッコリとしながら話し始めた。

「え、そうなんですか!是非見たいです。今でもこんなにかわいらしいのに、大人バージョンになったら私きっと正気でいられないかもしれません」

 今まで美しいとか美人とかは言われ慣れているがかわいいは初めてだった。

 うむ、この子は中々見る目があるようね。気に入ったわ。

 その後色々と話している時地球から来た。と聞いた時に男の袖から光の球が飛んできて私の目の前で弾けた。
これは女神同士の通信手段の一つで、この光の粒に沢山の情報が詰まっている。と言っても少しレトロな方法だ。

 フフ、でもチョット悪戯っぽい感じが地球の姉様女神らしくて笑ってしまった。それに目の前の男が私の悩みを軽減してくれるでしょうとまで言ってくれたのだ。

 地球の姉様女神にお礼を言ってから目の前の男にもお礼と挨拶をする。

まあ、いまさら女神エリスの話し方もめんどいのでさっきの調子に戻す。

そうすると、目の前のヒデという男はさっきまで真っ赤な顔をしていたのに、素に戻った私を見てがっかりした表情をしていた。忙しい子ね?

 あれ?この子戦闘スキル全然持って無いじゃない。地球の姉様女神もうっかり屋さんなんだから。どれどれ私から何かあげようかしらね。

 そう思って口に出すと大喜びをしていたわ。スキルのスクロールがしまってある倉庫まで移動してドアを開ける、それからスキル名を叫ぶ。そうすれば私の手元にスクロールが現れる‥‥‥

 って?あれ?現れないじゃない?なんで?何かの下敷きにでもなってるのかしら?そう思って色々いじっていたらスクロールが崩れてきた。やば、また天使達にお小言言われる。

 ハァ、もうめんどくさくなった。女神の私がここまで頑張ったんだからもういいわよね。うん、いいに決まってる。あの子には諦めてもらいましょう。

自己完結して部屋に戻ると泣きつかれて挙句の果てには私の事を揺すりやがった。(物理)

 その後天使ちゃんが似た感じのスキルを出してくれたので急いでスキルを付けて地上に移動させる。姉様女神の話を聞いた時からあの街の近くに降ろすのは決めていた。あの子ならこれで色々と動いてくれるはずだわ。

 そんな事を考えていたら後ろで天使ちゃんが大きな声を上げた。
「あっ、さっきのスキルなんか間違えたみたいなんですけどー」

え?チョット今更そういうのやめてよ、また揺すり(物理)されちゃうでしょ!

「何間違えたのよ?」

私の問いに、照れ笑いをする天使ちゃんから一枚の用紙を渡された、内容を確認する。
あー、これはまた怒られそうだわ。

私なんかさっきに揺すり(物理)がやたらとトラウマになってる?

 とにかくヤバイはこのままだと次の時あれを食らうかもしれないわ。

あ、そうだあの格好のまま送り出しちゃったからお金とか洋服とか送って点数を稼いでおきましょう。

「天使ちゃん急いであの子に洋服とお金を送って頂戴」
私の声に天使ちゃんが即答する。

「もう、送ってますよ」
「流石天使ちゃん、これで大丈夫ね」

天使ちゃんがニッコリして言う。
「はい、もちろん僕の名前で送っておきましたので僕は大丈夫です」

「って、何よそれー。私全然大丈夫じゃないじゃないーー」
まあいいわ、次何かあった時は天使ちゃんに行ってもらいましょう。


そんなこんなで気になるのでヒデ君の様子を暫らく見ていると、降りてから直ぐに魔法を使う場面に直面した様だ。

「中々、奇麗な優しい魔法を使うのねー」

そんな独り言を言いながら引き続き見ていくとあの街で診療所を開くらしいことを聞いた。

「まあ、ヒデ君なら大抵のケガなら力任せのヒールで何とかなりそうだけど、うーん、何が起こるかわからないし一つスキルを作っておこうかしら」

誰に話すでもなく独り言を呟いていると向かいから天使ちゃんが驚いた声で声をかけてきた。

「え?エリス様スキル作るんですか?随分久し振りな気がするんですけどー」

そうだっけ?前にスキルを作ったのっていつだっけ?

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