この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。

まさちち

文字の大きさ
127 / 185
2章

Side チョロイン女神 後編

しおりを挟む
 まあいいわ、久し振りだろうがこの女神エリスに不可能は無いわ。

 そう自分で奮い立たせて杖を手にもって一振りすると光の球が現れる。

その光の球に詰め込みたいスキルを書き込んでいく。その作業を続けていると目の前の天使ちゃんが何やら騒いでいるので、一旦作業を止めて天使ちゃんの方を見る。

「エリス様こんな大きなスキル大丈夫なんですか?」

その言葉に自分の頭上の光の球を見る。
デカーいこりゃまずいかも。
うーん、作り直すのもめんどくさいわねー。

 要するに小さければいいんでしょう?ぎゅーーと圧縮。みるみる光の球が小さくなる。

「よし、これくらいならいいでしょ?天使ちゃん早くそこのスクロール取って、私が押さえている間に押し込んで」
天使ちゃんがまた大きな声で話す。

「ええ?そんな力業で大丈夫なんですか?」
文句を言いながらも言う通りに動く天使ちゃん

「大丈夫よ。多分」
そう答えた時スクロールの中から声が聞こえてきた。

「女神エリス様少しよろしいでしょうか?」
 え?この子喋れるの?そんな風に作った覚えはないのだけど?流石私、想像以上のものを作ってしまうなんて自分の才能が怖いわ。

そんな事を考えていたら再度声が聞こえてきた。
「あの?」
「はいはい、ゴメンゴメンそれでなに?」
「あ、ハイ、今の圧縮で色々な所からエラーメッセージが出てますので、メンテナンス作業をお願いします」

え?やっぱり力業過ぎたかしら?とは言えデバック作業めんどい‥‥‥

「今正常なのはどんな感じかしら?」
私の問いに即答で返してくる。

「はい、今のままだと20%位しか発揮できません」
「よし、うん大丈夫。貴方はある一人の為の専用スキルだから、その子の中でメンテナンス作業をしなさい。その方が早くスキルが馴染むでしょうからね」

「いえ、それはそうかもしれないですが、メンテナンス中に何か起こっても私がフォローできなくなるのですが‥‥‥」
「大丈夫よ。貴方は私が作ったんだから平気よ」
「・‥‥‥」

 黙ったって事はわかってくれたのね。じゃあ、このスクロールを早速持っていってもらいましょう。
「はい、天使ちゃんこれヒデ君に渡してあげて」

 天使ちゃんは呆れ顔から急に自分の名前を呼ばれてビックリ顔で訊き返す。
「え?僕が行くんですか?女神様が行けばいいじゃないですか。何で僕が」

「わ、私は色々と忙しいのよ。こないだのこと怒られるのも嫌だし」
 最後の方は小声で言ったのに聞こえてしまったらしい。

「まったくー、まあ、僕もヒデさんに謝りたいですしいいですけど」
「あ、本当?良かった。じゃあ、伝言お願いね?ゴメンねテヘペロって言っておいて」

 何だか天使ちゃんが引きつった笑顔で答えた。
「わかりました。後、僕はさっきのスキルの話は聞かなかったことにしますからね」
何の事かわからなかったけど「ハイハイ」とだけ答えておく。

久し振りにスキルなんか作ったから疲れたわ。



この後、色々とあったけど私のスキルのおかげで乗り越えたようね。

「いやいや、なんかいい顔してやり切ったっ感出してますけど、何で発動動作を限定したんですか?」
もう、いい気分に浸っている時に天使ちゃんが口をはさんできた。

「もう、何よー。動作の事?アレは仕方ないわよ、一回目だけは必ず発動キーが必要になるもの」
「いえ、だから、その発動キーとやらの事を僕聞いてないんですけど?」
「あれ?そうだっけ?うーん、うん、言ってないわね‥‥‥ゴメンねテヘペロ」

頭を抱えている天使ちゃんが絞り出すように言う。
「次何かある時はご自分で行ってくださいね‥‥‥」


「う、わかったわよー。でもね、この危機感がヒデ君には必要だったの。命の重さの再確認をして欲しかったのよ。お姉様女神の回復魔法、私があげた診断スキル、この優れた力があっても小さなミスで失ってしまう重さをね」

「うー、それで今回失敗したら如何するつもりだったんです?」
天使ちゃんが口をとんがらせて問いかけてくる。

「そんな事にはならないわよー。最悪私が行って発動キーの事教えてあげるつもりだったし。ってしまった。その手があったー。それをしてれば私の株も急上昇だったじゃないーー」

「まあ、そういう悪事は成功しないものですよ。ハハ‥‥‥」
なんか乾いた笑い声の天使ちゃん。
何よ悪事って。まあ、あんまり肩入れするのはいけないんだけど。

地球の姉様女神が送ってきてくれた人っていうのもあるし。実際、見ていて飽きない。姉様女神の言う通り本当に悩みを軽減してくれそうだ。
さてさて、これからどうなるか楽しみねー。

地球の姉様女神に感謝を。

フフ、これ一回言ってみたかったのよねー。


+++++++++++++++++++++++++++++++++

今回短いですがsideチョロイン女神様は終わりです。
次回からキチンと本編の続きを書きます。
_(_^_)_

それから沢山の書籍化おめでとうのメッセージありがとうございます。
この場を借りてお礼申し上げます。

本当にありがとうございます。
<(_ _)>







しおりを挟む
感想 621

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。