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もちだ すしの

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「じゃあいつもどうやってしてるの?」

さっきから星くんは変な質問ばかりしてくる。最近はずっと光生としてるしそんなことを言ってもいいのかわからず黙っているとまた大きな声で笑われてしまった。

「あははっ!ごめんごめん!冗談で聞いただけだからそんな困った顔しないで!」

雑誌を閉じベッドの下に置いた星くんはお菓子を食べだした。

「ほら、もう雑誌片付けたから一緒にお菓子食べよ!」

きっと男子高校生なら盛り上がるんだろうなって雑誌も全く見たことない俺にとっては刺激が強すぎる。そういえば光生の部屋にはこんな雑誌が1冊もないけどもしかして隠しているのだろうか。そりゃ光生だってさっきの写真みたいな綺麗で色気たっぷりのお姉さんが好きだよなと思うとなんだか寂しくなってきた。それにきっと今ごろ女の子たちといるだろうし。

「ねぇ、さくらちゃん見て!変な形のクッキー入ってた!」

ボーッと光生のことを考えていたら突然目の前にクッキーを近づけられる。

「わ!本当だ!なにそれ!」

ニコッと笑う星くんが見せてくれた小さなクッキーは他のとは違う形をしていて思わず笑ってしまう。

「これさくらちゃんにあげる!」

そう言って口の中に入れてくるクッキーを食べればなんだか高級な味がした。

「星くん本当は綺麗な形のクッキー食べたいだけでしょ!」

「あははっ!バレた?さすがさくらちゃん!」

見た目は大人びているのにたまに子供っぽくなる星くんのことなんてお見通しだ。

「でもこれすごいおいしい!」

「だよね!なんか近くのケーキ屋さんで売ってるみたいで妹がたまに買ってくるんだよね!」

「えぇ!?星くん妹いるの!?」

「え?そんな驚く?お兄ちゃんと妹いるって言ってなかったっけ?」

「お兄ちゃんも!?聞いてない!」

次から次へと知らなかったことを教えてくれる星くんに驚いてばかりだ。

「お兄ちゃんは大学に行ってるし妹は中学で親はどっちも仕事してるから今は家に誰もいないけどね!」

だからこんなに家の中が静かだったんだ。それからいろんな話をしていたら夕方になっていた。

「さくらちゃんの家まで送っていくよ!」

「え!?大丈夫だよ!そんなに遠くないし!」

「でも外暗いし危ないから!」

「ふふっ、俺男だし全然危なくないって!それに送ってもらうと星くんが帰るの遅くなるし!」

そう断っても納得してくれない星くんは意外と頑固だ。

「俺のことは気にしなくていいしそれに心配だから送らせてよ!」

「うーん、、じゃあ途中まで送ってもらうのは?すごい良いアイデアじゃない?」

「あははっ、さくらちゃんはいつも優しいね!」

やっと納得してくれた星くんはニコッと笑い俺のカバンにお菓子をいっぱい入れてくれる。

「今日のゲームのお礼!ありがとね!」

「え?こんなに貰っていいの!?」

「うん!さくらちゃんのおいしそうに食べるところかわいかったし!」

やっぱり星くんはキラキラしていてこうやっていろんな子を落としていくんだろうなと改めて思う。気づけばゲームの話に夢中になって結局家の近くまで送ってもらってしまった。

「星くん!ここで大丈夫だよ!送ってくれてありがとう!」

「あっ!椎名くんだ!」

突然の光生の名前に勢いよく反応した俺は指を刺す方向を見るとコンビニから出てくる光生がいた。そんな俺たちにすぐに気づいてくれたのかこっちに向かって歩いてくる。

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