[本編完結]彼氏がハーレムで困ってます

ささみ

文字の大きさ
26 / 51

25、王子様

しおりを挟む
夏休みが終わった。あっという間で俺は登校するのが憂鬱だ。
慎二は女の子と登校して部活行って下校するのを繰り返していた。
俺はその間、亮ともっと仲良くなっていた。

週一で亮の家に行って、たまに泊まったりして相談にもよく乗ってくれた。

「亮、これ分かんない」
「え?あー、ここね」

もうすぐ定期テストだ。俺は勉強は中の上くらい。
亮はいつも学年10位内に入っている。

「難しい~!休憩しようよ~」
「もうちょっと頑張ろう、ほら」

亮は俺の頭を撫でてくれる。俺はなんとか体を起こしてシャーペンを持つ。



テスト当日、俺は結構自信があった。亮は自信がないとか言ってたけど多分、また一位だろう。
いよいよ、テストが返ってきた。俺は思っていたより点数が良くて、思わず亮に抱きついてしまった。

「ちょ、雪」
「亮のおかげだよ!ありがとう!」
「雪が頑張ったんだよ、俺のおかげじゃない」
「亮~!頭撫でて」
「っ~!可愛いね」

亮の手は優しくて、俺は大好きになってしまった。
すると、クラスメイト皆んながこっちを見ていることに気がついた。

「や、やっぱ帰ってからにする…」
「そう?分かった。俺、今日部活だけど鍵はある?」
「うん!待ってるね」
「お嫁さんみたいでいいね」

すると、やはり皆んながこちらを見ていた。誰か1人が『え、夫婦?』と呟いた。

「え、ちょ。同棲してるの?」
「違うけど…」
「じゃあ、なんで合鍵?」
「週一で来てもらってるんだ」

亮がそういうと、クラスの皆んなが驚いた。もちろん、慎二には伝えてあるから驚いていなかった。

「いやいや、友達でも流石に週一はないだろ」

(え、そうなの?!慎二とか週3とかで来てたから気づかなかった!)

亮を見ると、亮も俺を見た。

「まぁ、別に楽しいしね」
「うんうん、雪の料理美味しいし」
「料理?!」

やはり、皆んなが驚く。とにかく目立ちたくなくて俺は亮の裾を引っ張る。

「あ、皆んな。とりあえず、次は田中先生の授業だし座った方が良いと思うよ!」
「あ、ヤバイ!」
「準備しなきゃじゃん!」

亮は俺の意図を理解してくれたようだ。ウィンクをしてくれる。

(かっこいい~!俺、ウィンクできないんだよね)

それから、俺と亮は皆んなから「熟年夫婦」と呼ばれることになってしまった。



そして、もうすぐ文化祭だ。俺たちのクラスはシンデレラの劇をやる。

「それでは、役を決めます。まずは、シンデレラ」
「シンデレラは高橋さんで決まりだろ!」
「だね!高橋さんお願いできますか?」
「うん、頑張ってみるね」

男子達の推薦でシンデレラは高橋さんになった。
そして、王子。まぁ、シンデレラが高橋さんなものだから、クラスの男子が手を挙げる。

「亮は挙げないの?」
「うん、別に良いかな」

俺と亮と慎二だけが挙げなかった。すると、高橋さんが慎二を指さした。

「西山くんにやってもらいたいです」
「は?!」
「え?!」

俺と慎二が同時に声を出す。男子達は慎二を睨みつけている。
そうして、王子は慎二になってしまった。
俺は亮と一緒に小道具になった。

「慎二…王子様役、頑張ってね」
「うん、雪も頑張って」
「キスシーンって本当にしないよね?」
「もちろん。ほら、キスする?」
「でも、ここ学校だよ?」

「いいから」と言って俺たちはキスをした。舌と舌を絡める。俺は慎二の首に手を回して体をくっつける。

「んぅ♡んちゅ♡ぷはぁ♡」
「可愛いね」
「んっ♡…うん、じゃあね」
「うん、またね」

慎二は高橋さんのところに戻っていった。考えてはいけないけど、お似合いだ。

(…本当に、俺のこと好きなのかな?)

俺は自分の頬を叩いて、気合を入れた。

「よし!慎二は俺のものだもんね!」

そう言って俺も亮の所へ戻っていった。




「君か…君があの時の」
「えぇ、お久しぶりです。王子様」

劇の練習は上手くいっている。クラスの皆んなは2人を囃し立てている。

「…」
「ゆーき!あれ?どうしたの?機嫌悪そうだね」
「だってさ、見てよあの2人…」
「お似合いだね」
「…俺なんてもう好きじゃないのかも」

メンタルが崩壊しそうだ。亮は俺を膝の上に座らせると髪をいじりながら答える。

「そんなことないよ、だって西山って雪のこと大好きだもん」
「嘘だよ…」
「本当だよ。でも、そろそろ別れたら?」
「嫌だ」

亮は何故か慎二と別れるように、言うようになった。

「なんで?西山の良いところとかないよ?」
「あるもん!まずは、顔がカッコいい!あとはクールで優しい」 
「優しいの?」
「うん!慎二はね、俺が虐められてたのを助けてくれたんだよ」

それで、好きになった。小学校の頃の話で今でもよく覚えている。

「もう何回も聞いたし、いい」
「なんで?もっと良いところあるよ!」

亮は俺の髪をいじりながら、げんなりとした顔で答えた。
俺は慎二との事を思い出していた。



しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

【完結】I adore you

ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。 そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。 ※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?

perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。 その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。 彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。 ……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。 口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。 ――「光希、俺はお前が好きだ。」 次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 【エールいただきました。ありがとうございます】 【たくさんの“いいね”ありがとうございます】 【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 一月十日のアルファポリス規約改定を受け、サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をこちらへ移しましたm(__)m サブ垢の『バウムクーヘンエンド』はこちらへ移動が出来次第、非公開となりますm(__)m)

契約満了につき

makase
BL
仮初めの恋人として契約を結んだ二人の、最後の夜。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

だって、君は210日のポラリス

大庭和香
BL
モテ属性過多男 × モブ要素しかない俺 モテ属性過多の理央は、地味で凡庸な俺を平然と「恋人」と呼ぶ。大学の履修登録も丸かぶりで、いつも一緒。 一方、平凡な小市民の俺は、旅行先で両親が事故死したという連絡を受け、 突然人生の岐路に立たされた。 ――立春から210日、夏休みの終わる頃。 それでも理央は、変わらず俺のそばにいてくれて―― 📌別サイトで読み切りの形で投稿した作品を、連載形式に切り替えて投稿しています。  エピローグまで公開いたしました。14,000字程度になりました。読み切りの形のときより短くなりました……1000文字ぐらい書き足したのになぁ。 📌本編モブ視点による、番外エピソード 「君はポラリス ― アンコール!:2年後の二人と俺と」を追加しました。

処理中です...