[本編完結]彼氏がハーレムで困ってます

ささみ

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26、告白

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劇は上手くいって、みんな大満足だった。

「あ、たこ焼き!たこ焼き食べたい」
「行こ行こ」

俺は亮と色んなところを回った。本当は慎二と回るはずだったけど、女の子達に連れてかれてしまった。

「美味しい~!はい、あーん」
「あー…ん!美味い」

たこ焼きを食べていると、慎二と女の子が歩いてくる。
慎二に話しかけようとすると、女の子達が俺を隠すように群がる。

「あ、慎二…」
「…雪、行こう」

俺は亮とお化け屋敷に入ったり、女装メイド喫茶に入ったりとにかく楽しんだ。


そして、今日はクラスの打ち上げがある。カラオケなのだが、俺は歌が苦手だがら行きたくなかったのに亮に無理矢理連れてかれてしまった。

「雪、何飲んでるの?」
「オレンジジュース」
「可愛いね~、5歳の子供みたい」
「…ディスってる?」

俺は炭酸系は苦手だからジュースしか飲めない。亮はコーラをクビっと飲んだ。

「雪も飲む?」
「シュワシュワするからいい」
「美味しいのに…」

俺はまた、ちびちびとジュースを飲む。クラスの皆んなは歌いながら楽しんでいる。
慎二も女の子と話しているようだ。

(こっち見ないかな…)

視線を向けてみるが、やっぱり女の子しか見てない。

「雪」
「ん?」
「抜け出そうよ」
「え?!」

亮はニヤリと笑うと俺の手を引いた。

「あっ!」
「シー、静かに」

俺たちは店から抜け出した。しばらく走って亮は公園に行こうと言った。

「はい、これ」
「ありがとう」

ジュースを貰って飲んでいると、亮が俺の隣に座った。

「あのさ、言いたい事があるんだ」
「何?」

亮は俺の方を向いて、手を取った。

「好きです、付き合ってください」
「……へ?!で、でも」
「分かってる。伝えておきたかったんだ」
「あの…俺、亮みたいな優しい人には似合わなくて」
「似合うとかじゃないよ、雪が好きなんだ」

正面から好きと伝えられると、なんだか恥ずかしい。

「返事は…もう少し待ってもらいたいな」
「え?!」
「え?!」
「てっきり…振られると思ってた」

俺も、正直振りたかった。でも、なんでか断れない。

(慎二のことも好きだけど…それ以上に亮に惹かれているのかもしれないな)

その日は一緒に帰った。ずっと黙っていたけど不思議と心地が良かった。
その日はずっと、亮のことを考えていた。



「慎二、一緒に帰りたい」
「ごめん、用事があるんだ」
「もしかして、高橋さん達?」

俺は少し怒ったように聞く。どうせ、俺を優先してくれないだろうけど、大事な話だ。

「大事な話なの」 
「明日にしてくれる?」
「…分かった」 
「ありがとう!」

そう言って、校門で待つ女の子達の方へと向かった。

「…はぁ」  

俺は決断を下した。





次の日も、慎二の部活が終わるまで待っていた。

「慎二、帰ろ」
「分かってるよ、じゃあね」
「え?!私たちも一緒に…」
「大事な話なんだ、ごめんね」

慎二が優しく断った。

(俺もこんな風に接してもらえたら良かったのに…)

亮に告白された公園のベンチに2人で座った。

「俺、告白されたんだ」
「え…誰に?」
「それは言えない」
「女の子?」
「男」

慎二は興味なさげに返事をした。そして、携帯をいじり始めた。

(もう少し、驚いたり嫉妬してくれてもいいのに…)

「だから、言っときたくて」
「断ったの?」
「ううん、断りきれてなくて…」
「断んないの?」
「俺はその、断りたいけど…慎二はどうしてほしい?」

この告白を受けたのは亮に惹かれたのもあるが、慎二がどう思うかも知りたかった。

俺が望んでいる言葉は『断って』の一言。慎二は少し考えているようだ。
ドキドキする。俺は慎二を見る。

「別に、どっちでもいいよ」

結局、返ってきたのは『断って』でもなく『断らなくてもいい』でもなく、曖昧な返事だった。

「そっか、分かった」
「ごめん高橋から呼ばれてるから、もう行くね」

カバンを持って走っていく慎二。その背中を見て俺は、覚悟を決めていた。





「亮」
「分かってる、返事だよね…」
「俺ね、よく考えたんだ。小学生の頃、慎二に助けてもらってから、ずっと好きで好きで…やっと、付き合えたと思ったら邪魔ばっかりされて」
「…」
「それでも、好きだったんだ…でも、今は違う」
「え?」
「亮が好き」

そういうと、亮は驚いたように顔をあげて俺を抱きしめた。

「俺も好き!付き合って、くれるんだよね?」
「もちろん!あ、でも…まだ、慎二に別れを告げてないから、それが終わってからね」
「うん!」


俺は慎二を呼び出した。

「…この後、予定があるんだけど」
「別れよう」
「え?」
「告白受けることにしたんだ」

俺はそう言って、走った。不思議と、悲しくなかった。
あんなに、好きだったのに本当に不思議。
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