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Echo14:昼下がりと黒猫
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昼下がりの市場には、どこか緩んだ空気が流れていた。
朝の賑わいは過ぎ、屋台のあいだには、買い物を終えた人々の足音と、風に揺れる日よけの布がぱたぱたと鳴る音だけが残っていた。
アリセルは母と並んで、小さな雑貨屋の前に立っていた。
店先の木箱には、小さなガラスの花瓶がいくつも並べられている。
その中のひとつ……青と黄がとろけ合い、渦を描いている瓶に、アリセルの視線は引き寄せられた。まるで誰かが指先で水面をなぞったあとのような、不思議な模様だ。
アリセルはそっと屈み、指先で縁に触れる。
「これ、ルネ様のお部屋に飾ったらどうかな」
ぽつりと呟くと、そばにいたミーシャが顔をのぞき込む。
「まあ、可愛らしい。庭のマリーゴールドを活けると映えそうね。マリーゴールドの他には……そうね、レモンバームやカモミールなんてどうかしら。香りも優しくて、色合いも柔らかくて」
母の言葉にアリセルは頷く。
ユーグが作ってくれたあの棚に、この花瓶を置いたときのことを思い描く。
ガラスが陽の光を受けて柔らかにきらめき、マリーゴールドが花びらを広げている。
その傍らに添えるレモンバームの緑は、きっと瑞々しく映えるだろう。
カモミールをひと枝だけ混ぜれば、風が通るたびに、ふんわりとした香りが部屋に広がっていくに違いない。
「うん、これください」
そう言って、アリセルは花瓶を手に取り、店の奥へと歩み寄った。
帳場の奥にいた小柄な老婦が、にっこりと微笑んだ。
「まあ、それを選んだのね。見る目があるわね、お嬢さん。……これはね、色ガラスを溶かして重ねてから、職人さんが息を吹き込んで形を作ったものなの。だから模様はみんな少しずつちがうのよ。同じものは、二つとないの」
そう言いながら老婦は手元の薄紙で花瓶を丁寧にくるみ、アリセルに手渡した。アリセルは受け取ると、銅貨を三枚差し出す。
「ありがとうございます」
声を添えて軽く頭を下げ、母の元へ戻っていった。
一歩離れた場所では、ジョゼフが野菜籠を手にしていた。アリセルがそちらに目を向けると、父は気づいてゆっくりと歩み寄る。
「もう少し野菜を見てくる。おまえは先に、いつもの場所で待っていなさい」
そう言ってから、ジョゼフは籠を持ち直し、屋台のほうへ視線を向けた。
ミーシャもアリセルのそばに立ち、微笑みながら肩に手を添える。
「少し歩き疲れたでしょう? 座って休んでいて。すぐに戻るから」
アリセルは「うん」と頷いて、二人の背を見送った。
両親は並んで、まだ開いている屋台の方へ歩いていく。
アリセルは通りの端へと足を向けた。
人通りのない一角に、腰を下ろせる低い石の縁がある。
そこに座り、膝の上に布の包みを広げた。中には、小ぶりな焼き菓子が三つ。
ころんと並んだそれは、先ほど市場で見つけたものだ。一つを摘み上げ、口元へ運ぶ。表面はほんのりと香ばしく、かじるとほろりと崩れて、優しい甘さが舌の上に広がった。
思わず口元を緩めたそのとき、足元に柔らかな気配がよぎった。
視線を落とすと、一匹の黒猫が、いつの間にか近くに来ていた。しなやかな身を石の縁にこすりつけながら歩き、音もなくアリセルの足元へと寄ってくる。
「……こんにちは」
小さく声をかけると、猫はこちらをちらりと見上げた。
そのまま軽やかに石縁へ跳び乗り、アリセルの隣にすとんと腰を下ろす。しばらくの間、遠くを見つめていたが、やがて不意に顔を向けると、アリセルの膝にそっと顎を乗せた。思いがけない行動に目を丸くするアリセルだが、すぐに表情を綻ばせた。
「かわいい……!」
思わず漏れた声に、猫は小さく返事をするように鳴いた。手のひらを、そっと背中に添えると、ぐるぐるという喉の音が伝わってくる。
「ねえ、どこから来たの? お腹すいてる?」
そう言いながら、膝の上の焼き菓子をひとつ手に取る。猫は顔をのばし、匂いをかいだが、すぐにぷいと横を向いた。
「そっか、甘いのはだめかぁ」
アリセルはくすりと笑って、菓子を包みに戻した。
空いた手で猫の背を撫でる。猫は目を細め、背中をふわりと弓なりにして応えた。
「いい子ね……気持ちいい?」
猫に向かって問いかける。すると不意に影が差し、アリセルは顔を上げた。
目の前に立っていたのは、ひとりの男だった。
年の頃は父より少し年嵩といったところか。眼差しは鋭いが、表情に険しさはなく、むしろ穏やかで落ち着いた印象を与える。背筋の伸びた姿勢が、静かな威厳をまとっていた。
男の目を見た瞬間、アリセルの胸がどくりと脈打った。
知らない人のはずなのに――どこかで、見たことがあるような気がする。
言葉にならない戸惑いが、胸の奥にじわりと広がっていく。
「ノクス、こんな所にいたんだね。随分と探したよ」
男の声は、静けさを湛えていた。
押しつけがましさも、気取った響きもない。それでいて、胸の奥にやさしく届いてくるような、不思議な穏やかさがあった。
アリセルは、ふっと力を抜くように息を吐いた。
胸にわだかまっていた戸惑いが、声に触れたとたん、どこかへ溶けていった気がした。
ノクスと呼ばれた猫は一声鳴いて、アリセルの膝から飛び降りて男の元に行く。
「ごめん、ノクスが迷惑かけたね」
「迷惑だなんて、そんな……。この子、ノクスっていうんですか?」
アリセルが問い返すと、男は目を細めて頷いた。
「そう。夜って意味なんだ」
「名前、ぴったりですね。毛並みも黒くてつやつやしてて、夜の光みたい」
アリセルが笑うと、ノクスは反応するように、彼女の足元に身体を預けた。
「ずいぶん懐かれてるな」
男がそう言って口元を緩めると、アリセルは少し頬を染めた。
「私、こんなに懐かれたの初めてかもしれません」
「それは、きっと君がいい子だからだよ」
男の穏やかな声に、アリセルは照れくさそうに目を伏せた。ノクスは、まるで同意するように喉を鳴らす。
「アリセル!」
唐突にジョゼフの声が届き、アリセルは視線を向ける。
いつの間にか、両親が目の前に立っている。
アリセルは両親に向かい、小さく手を振ってみせた。だが、ふたりの視線は男に向けられたままだった。ミーシャがふと微笑み、優雅な所作でスカートの裾を軽く摘み上げる。
「エリック・ジルベール様、こんな辺鄙な村へようこそいらっしゃいました。……何かご用でも?」
その名を聞いた瞬間、アリセルはハッとした。
エリック・ジルベール――それは前王に代わり、今この国を治める統領の名だった。
まさか、この人が…と、信じがたい思いで目の前の男を見つめる。
両親から聞いていたのは、冷酷で、強引に権力を振るう独裁者の姿だった。
だが今、目の前にいる彼は、そのどれにも当てはまらない。
穏やかな声、優しげな物腰。その目に宿る光さえも、アリセルの思い描いていた“統領像”とはまるで異なっていた。
朝の賑わいは過ぎ、屋台のあいだには、買い物を終えた人々の足音と、風に揺れる日よけの布がぱたぱたと鳴る音だけが残っていた。
アリセルは母と並んで、小さな雑貨屋の前に立っていた。
店先の木箱には、小さなガラスの花瓶がいくつも並べられている。
その中のひとつ……青と黄がとろけ合い、渦を描いている瓶に、アリセルの視線は引き寄せられた。まるで誰かが指先で水面をなぞったあとのような、不思議な模様だ。
アリセルはそっと屈み、指先で縁に触れる。
「これ、ルネ様のお部屋に飾ったらどうかな」
ぽつりと呟くと、そばにいたミーシャが顔をのぞき込む。
「まあ、可愛らしい。庭のマリーゴールドを活けると映えそうね。マリーゴールドの他には……そうね、レモンバームやカモミールなんてどうかしら。香りも優しくて、色合いも柔らかくて」
母の言葉にアリセルは頷く。
ユーグが作ってくれたあの棚に、この花瓶を置いたときのことを思い描く。
ガラスが陽の光を受けて柔らかにきらめき、マリーゴールドが花びらを広げている。
その傍らに添えるレモンバームの緑は、きっと瑞々しく映えるだろう。
カモミールをひと枝だけ混ぜれば、風が通るたびに、ふんわりとした香りが部屋に広がっていくに違いない。
「うん、これください」
そう言って、アリセルは花瓶を手に取り、店の奥へと歩み寄った。
帳場の奥にいた小柄な老婦が、にっこりと微笑んだ。
「まあ、それを選んだのね。見る目があるわね、お嬢さん。……これはね、色ガラスを溶かして重ねてから、職人さんが息を吹き込んで形を作ったものなの。だから模様はみんな少しずつちがうのよ。同じものは、二つとないの」
そう言いながら老婦は手元の薄紙で花瓶を丁寧にくるみ、アリセルに手渡した。アリセルは受け取ると、銅貨を三枚差し出す。
「ありがとうございます」
声を添えて軽く頭を下げ、母の元へ戻っていった。
一歩離れた場所では、ジョゼフが野菜籠を手にしていた。アリセルがそちらに目を向けると、父は気づいてゆっくりと歩み寄る。
「もう少し野菜を見てくる。おまえは先に、いつもの場所で待っていなさい」
そう言ってから、ジョゼフは籠を持ち直し、屋台のほうへ視線を向けた。
ミーシャもアリセルのそばに立ち、微笑みながら肩に手を添える。
「少し歩き疲れたでしょう? 座って休んでいて。すぐに戻るから」
アリセルは「うん」と頷いて、二人の背を見送った。
両親は並んで、まだ開いている屋台の方へ歩いていく。
アリセルは通りの端へと足を向けた。
人通りのない一角に、腰を下ろせる低い石の縁がある。
そこに座り、膝の上に布の包みを広げた。中には、小ぶりな焼き菓子が三つ。
ころんと並んだそれは、先ほど市場で見つけたものだ。一つを摘み上げ、口元へ運ぶ。表面はほんのりと香ばしく、かじるとほろりと崩れて、優しい甘さが舌の上に広がった。
思わず口元を緩めたそのとき、足元に柔らかな気配がよぎった。
視線を落とすと、一匹の黒猫が、いつの間にか近くに来ていた。しなやかな身を石の縁にこすりつけながら歩き、音もなくアリセルの足元へと寄ってくる。
「……こんにちは」
小さく声をかけると、猫はこちらをちらりと見上げた。
そのまま軽やかに石縁へ跳び乗り、アリセルの隣にすとんと腰を下ろす。しばらくの間、遠くを見つめていたが、やがて不意に顔を向けると、アリセルの膝にそっと顎を乗せた。思いがけない行動に目を丸くするアリセルだが、すぐに表情を綻ばせた。
「かわいい……!」
思わず漏れた声に、猫は小さく返事をするように鳴いた。手のひらを、そっと背中に添えると、ぐるぐるという喉の音が伝わってくる。
「ねえ、どこから来たの? お腹すいてる?」
そう言いながら、膝の上の焼き菓子をひとつ手に取る。猫は顔をのばし、匂いをかいだが、すぐにぷいと横を向いた。
「そっか、甘いのはだめかぁ」
アリセルはくすりと笑って、菓子を包みに戻した。
空いた手で猫の背を撫でる。猫は目を細め、背中をふわりと弓なりにして応えた。
「いい子ね……気持ちいい?」
猫に向かって問いかける。すると不意に影が差し、アリセルは顔を上げた。
目の前に立っていたのは、ひとりの男だった。
年の頃は父より少し年嵩といったところか。眼差しは鋭いが、表情に険しさはなく、むしろ穏やかで落ち着いた印象を与える。背筋の伸びた姿勢が、静かな威厳をまとっていた。
男の目を見た瞬間、アリセルの胸がどくりと脈打った。
知らない人のはずなのに――どこかで、見たことがあるような気がする。
言葉にならない戸惑いが、胸の奥にじわりと広がっていく。
「ノクス、こんな所にいたんだね。随分と探したよ」
男の声は、静けさを湛えていた。
押しつけがましさも、気取った響きもない。それでいて、胸の奥にやさしく届いてくるような、不思議な穏やかさがあった。
アリセルは、ふっと力を抜くように息を吐いた。
胸にわだかまっていた戸惑いが、声に触れたとたん、どこかへ溶けていった気がした。
ノクスと呼ばれた猫は一声鳴いて、アリセルの膝から飛び降りて男の元に行く。
「ごめん、ノクスが迷惑かけたね」
「迷惑だなんて、そんな……。この子、ノクスっていうんですか?」
アリセルが問い返すと、男は目を細めて頷いた。
「そう。夜って意味なんだ」
「名前、ぴったりですね。毛並みも黒くてつやつやしてて、夜の光みたい」
アリセルが笑うと、ノクスは反応するように、彼女の足元に身体を預けた。
「ずいぶん懐かれてるな」
男がそう言って口元を緩めると、アリセルは少し頬を染めた。
「私、こんなに懐かれたの初めてかもしれません」
「それは、きっと君がいい子だからだよ」
男の穏やかな声に、アリセルは照れくさそうに目を伏せた。ノクスは、まるで同意するように喉を鳴らす。
「アリセル!」
唐突にジョゼフの声が届き、アリセルは視線を向ける。
いつの間にか、両親が目の前に立っている。
アリセルは両親に向かい、小さく手を振ってみせた。だが、ふたりの視線は男に向けられたままだった。ミーシャがふと微笑み、優雅な所作でスカートの裾を軽く摘み上げる。
「エリック・ジルベール様、こんな辺鄙な村へようこそいらっしゃいました。……何かご用でも?」
その名を聞いた瞬間、アリセルはハッとした。
エリック・ジルベール――それは前王に代わり、今この国を治める統領の名だった。
まさか、この人が…と、信じがたい思いで目の前の男を見つめる。
両親から聞いていたのは、冷酷で、強引に権力を振るう独裁者の姿だった。
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