2度目の人生では努力します~高校受験に失敗し中卒フリーターだった俺が中学1年生まで巻き戻る!大した能力も持ってないので努力で成り上がります~

載騒 春都

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1-2.大きな目標がないと、人生は死ぬほどつまらない!

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前回までのあらすじ!

衝突事故を起こし死んだ俺!美茄冬アキ!と思ったらまさか中学校時代に戻っていた!

何故戻ったかとか謎は多いけど!ずっと望んでたことだし、今はほっといて色々やってみるぞ!

と思っていた所にタイムパトロール登場!?俺を強制送還させるって...これから俺どうなっちゃうのぉおおおお!?

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..........................
.................

「ちょっとまて、わからんわからん」

首を横に振る。ふっつーにおかしいだろこれ、情報量多すぎてわけわからん。
あんなにテンション上がってたのに冷静になっちゃったよ。

「いや、時間を超えるのは法律違反です。第三次世界大戦が終わった後、タイムマシンを作ることは禁止されたはずでしょ?」

「いやいやいや、まずタイムパトロールってなんですか、え?この物語って割とリアルな感じで行く予定だったよね?こんなファンタジーな生物出てきちゃっていいの?」

「何わけわからないこと言ってるんですか?」

ただ確かにこの女の子、俺は見たことがない。それに彼女が出してきた手帳?だろうか、検問の時に警察が見せてくれた警察手帳に似ている。
ちっちゃい折りたたみできる黒いゲームボーイみたいになっていて、名前やら写真やらが少し浮いて表示されている。明らかに2010年の技術じゃない。

「それにしても若いですね、その年でタイムマシンを作ったんですか?」

「ん!?何言ってんの!?」

「だってタイムマシンを作らないと未来には行けないでしょ?」

「この格好で!中学校の制服着てて!今まさに学校に行こうとしてる俺が!?大体作れるわけないだろそんなもの!俺は死んでここに飛ばされていたんだ!」

こいつもしかしてあほなのか?中学校の制服着て学校に行こうとしてる人間がタイムマシンで過去に来た人間なわけないだろ。もしかしてあれか?未来では、過去の自分に記憶を映す装置をタイムマシンと呼ぶのか?
あ、頭抱え始めた。これ違うわ完全に間違いだった奴だ。

「と、とりあえず上司に連絡を取りますのでしばらく待っていてください」

バン!と勢いをたて玄関の扉が閉まる。部屋のドアはともかく、玄関の扉でそれをやるとさすがに壊れるかもしれないからやめてほしい。ってドアが開いた。電話はっや

「貴方!ドアを閉めてその隙に逃げようとしましたね!」

(...)

「お前が閉めたんだろうが!!!」

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..........................
.................

結局、なんか変な装置つけられて家の中で放置された。
未来の電話は他人が認知しちゃいけないらしい。それなら電話を外でする方が危なくないかと思ったが、
それを聞く前にドアを閉められた。解せない。

10分くらいしてドアが開く、と思ったら心が抜けたみたいな顔をしている。

「えー...貴方は一世紀に一回、タイムトラベルし時間軸を分岐させる役割を持つ特異点ということがわかりました」

「はぁ...何言ってんのかさっぱりわかんねえ」

「つまり、貴方は無罪です。私は捕まえることはできません。ただ...」

なんだ、顔をそらし始めたぞ、表情豊かだなこいつ

「あのー...貴方を追う為に私もこの世界に入ったんですけどぉ...数日間この世界で生活して貴方を待っていたので...私もこの世界の一部として認識されたまま世界が...分岐...してしまって...」

「まどろっこしいな!結局何が言いたいんだ!!」

「あの...私未来に帰れなくなって...家もなくて...その...」

...なるほど、わかった。こいつは謝れないタイプの人間だ。自分の非は自分の心の中では認めているが、他人には決して謝れない。そしてズルズルと性格を直せないまま、友達をなくしていくタイプ...

よし!

俺は玄関の扉に手をかけ、

「じゃあな!」

思いっきり閉めた。

「ちょっと!!開けてください!!私帰れなくなっちゃったんですよ!!」

「お前が一番最初に高圧的な態度で詰めてきたんだろうが!まず謝れ!馬鹿!!」

「謝りますから!扉を開けてください!!ごめんなさい!!本当に困ってるんです!!」

「お前の計画性のなさのせいでそうなったんだろうが!!」

こいつ!!力がかなり強い!!中学の頃の俺の体じゃ抑えられない!!
こうなったら誰かに助けてもらうしか...

「あ!?」

俺は無意識にリビングに行くための扉を見る。そこには

父さんと母さんが真っ白い顔で俺を見ていた。

...待てよ、今日の俺の行動を振り返ってみよう。まずは朝に叫んで母さんに怒られる。朝ごはんを食べて涙を流す。女の子と玄関の前で言い合いになる。これってはたからみれば、

「女関係でトラブル起こした人みたいじゃねぇか...」

これはまずい、それにこんな大声で玄関の前で言い合いをしていたんだ。近所から見て俺はどう映る?困っている女の子を見捨てる最低なクズ男に見えてしまう。

まずい!!非常にまずい!!俺はこれから努力して成り上がるんだ!こいつを見捨てた瞬間、その事実が周りに知られた瞬間。

「終わる!」

俺は玄関の扉を思いっきり開ける。俺の方が引戸の方だったので、俺の体にドアが思いっきり当たる。

「いってぇ...」

「ああ!ごめんなさい、大丈夫ですか?」

家の周りを確認する。大丈夫だ。誰もいない。聞かれたとしても隣の家くらいだろう。

「わかった。わかった。俺が助けてやる。とりあえず学校行きながらこれからの事を考えよう、な?」

死んだような顔がみるみるうちに生き返っていく。

「あ、ありがとうございます!ありがとうございます!」

「いやちょっと、とりあえず静かに」

「このままだと、野宿コースになるところでした。本当にありがとうございます!」

「いやだから」

「あるがとうございます!」

「御近所さんに誤解されるからこれ以上喋るな!!」

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..........................
.................


さて、これからどうするか、とりあえず二人で正太郎の家まで歩く、俺の家から中学校までは15分かかり、正太郎の家までは5分かかる。

10分間だべりながらもう一人の家に行き、また駄弁る。それが俺の中学生の頃の日常だった。

だが、今はこの状況だ、正太郎の家には行けないだろう。100%誤解される。

「あのーすみません」

...めちゃくちゃ気まずそうに話しかけてくる。というかその顔やめろ、昔付き合ってて、『貴方って人を不安にさせるのが好きなのね』って言われて別れた彼女を思い出すから!

「なんだ?」

「貴方が特異点なのは、分かってるんですけど、何せ前例がないので、一応過去にやってはいけないことを説明しようと思いまして」

過去でやってはいけないこと?

「時間走行は禁止されてるんじゃないのか?」

「時間走行が禁止されてるのは、世界に影響があるとかじゃなく、時間走行した本人がその時間にとどまって1日経ったら存在が消滅するからなんですよ、本人がその間行動した痕跡は世界によって辻褄があって、未来に影響はありません。ただ、世界が修正できないほど大きなことをやってはいけません」

「ふーん、たとえば?」

「貴方達の時代に合わせていえば、ゴッホが10歳の頃にナイフで殺したり、そういう歴史が大きく変わるような事をやってはいけません」

「つまり殺しをしなければいいって事か?安心しろ、人の人生を奪う気なんてさらさらない」

「逆に生かすのも駄目なんですよ、歴史上ここで死んだって言われる人を救うことも駄目です。あと、貴方はこの時代で生きることになりますので先に言っておきますが、貴方自身が歴史に残るようなことをやっても駄目ですからね」

なるほど、歴史を大きく変えるようなことはだめなのか、一年に一回は見る信長系の映画も、現実は時間を飛んだ瞬間逮捕されるらしい。それにしても俺が歴史に残るようなことも駄目なのか...

「少女よ、君の言いたいことはよくわかった」

「私もう23歳なんですけど」

「それを踏まえて俺の答えを言おう」

「聞いてくださいよ」

「少女よ、俺が歴史に残るようなことをやってはいけないと言ったな」

「はい言いましたよ、いくら特異点だからと言って、歴史に残るようなことをやったら未来がどうなるかわかりませんからね」

「だが断る!」

「なんでですか!?」

「何故と言ったな少女よ、そんなの簡単だ!俺はこれから今までの人生で出来なかった努力をしていくのだ!」

「ええ、まあ...そうですね」

少女が少し引いてるが、気にしない!

「俺は今までの人生で思い知った...『大きな目標がないと努力は死ぬほどつまらない!』と!」

そう、俺が本格的に努力をし始めたのは、23歳くらいだった。それまで大した目標を持たなかった俺は、この年になってフリーターはさすがにまずいと思い、身近にあるもので打ち込めるものを探した。

まあゲームしかなかったんだが、

それから俺は、プロゲーマーになるため練習を始めた。毎日バイトが終わった後、意地で深夜3時まで練習をした。バイトの空いてる時間は現環境の勉強をし、海外で活躍するために英語も勉強した。

そんな生活を3カ月続け、プロゲーマー選出試験までたどり着いた。

俺は全力で試験に臨み、最終試験までたどり着いたのだが...そこでコテンパンにされ、試験に落ちた。

俺はショックと疲労で体が壊れ、1カ月ほど入院した。

入院した間、なぜあそこまでコテンパンにされたか考え続けた。そして結論に至った。
あそこの試験会場には俺より長く、先を見てプロゲーマー選出試験に臨んだ人物が大勢いたのだ。

プロゲーマーになることは『手段』であり、その先『世界大会優勝』を目標に、それすらも『通過点』と考えてる人が大勢。そんな中で思いつきで3か月ガチってプロゲーマーになることだけが目標だった人間が試験に合格できるわけがないのだ。

俺は決意した。大きな、笑われるくらい大きな目標を抱き、生きていこうと!
まあその後は、後遺症やら入院費やら両親の離婚やらでお金が必要になり、時間がなくなってしまったんだが、

「俺はこの二度目の人生で人に笑われるくらい大きな目標を立て、それに向かい生きていく!だから俺はその約束だけはできない!」

「...わかりました。じゃあ貴方はこの人生で何を目標にして生きていくんですか」

「決めてない!!」

「はぁ!?決めてないのに、歴史に残るようなことをやるっていうんですか!?」

「これから決めていく!なるべく早くにな!」

そもそも論俺がこの時代に来たのは1時間前、テンション上がって干渉に浸ってタイムパトロールの相手をしてと、目標を立てる暇なんてなかったのだ。だからこそ、これから決めていくのだ!

「...はぁ、わかりましたよ、ただし!これからは私が貴方の行動を監視しますからね!これからは私と行動してもらいますよ!」

「ええー...」

「ええじゃないです!これからは家でも学校でも一緒にいてもらいますからね!」

鬱陶しいだろうなぁ...っといってもついてくるんだろうが

「いやd」

「わかりましたね!!」

「あー!!ほら中学校が見えてきたぞ!そろそろ別行ど....」

中学校だ。俺が通っていた中学校、校舎がボロくなり、新設され小学校と一緒の校舎になったから、無駄に大きくおしゃれになったこの学校、2030年くらいには少子高齢化の影響でなくなったこの学校...

「懐かしすぎるぅ...涙出てきた...」

「ちょっと!何泣いてんですか!」

「何もかもが懐かしすぎるぅ...うううう...」

「ちょっと!!あの!貴女がそうだと私も白い目で見られるんですって!!」

「ううう...あああああ」

「ちょっと!!泣き止んでください!!ちょっと!!ちょっとーー!!!」

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「おおおおお!!!」

学校の中も懐かしすぎる!!この一階部分の謎のステージ!2階が一年、3階が二年、4階が三年の教室になっていて、どの階からでも一階の謎のステージが見えるようになっているこの構造!!少しでかいショッピングモールのようなこの構造!!

「しかも作り立てだから壁も床もひびが入ってない!!懐かしぃ...」

「また泣かないでくださいね...」

俺は階段を上がる。この階段も懐かしい。

「私は中学校二年生なので、一旦お別れです。でも、すべての授業が終わったら迎えに行きますからね」

「えー...部活見に行きたい」

「部活に入った影響で過去が変わったらどうするんですか!!貴女は特異点としての自覚を持ってください!」

「はーい...」

どうやら俺はしばらくはかなり不自由になるらしい...いや、どっかで隠れてやり過ごすか。

「あ、そうでした。これつけてくださいね」

ん?渡されたのはぬいぐるみだった。青いクマの手のひらサイズの小さなぬいぐるみだ。なんというか、小学生がランドセルに着けてそうなセンスというか...

「この人形は発信機になっていますから、外さないでくださいね」

...こいつやば、ストーカーかよ。外して捨てておこう。

「まあ外しても無駄ですが」

「え?おいちょっと!」

なんか意味深な事を言い残して行ってしまった...

「まあいいか!!」

とりあえず教室だ!教室に向かおう!久しぶりの授業!給食!楽しみだな!!

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俺は教室につき、席に着く。いやはやこの感じも懐かしい。
俺は教室の中に友達がいない、だから教室に入っても見向きもされない。せいぜい挨拶をされるくらいだ。
だが、この教室は懐かしい。あぁ...この給食着、置きっぱなしのジャージ...すべてが懐かしい...

この子供たちのグループも懐かしい。まずこの学校で絶対の地位を持っている野球部のグループ、彼らは普通に話して俺みたいな一人でいるやつらにちょっかいをかけている。昔は嫌いだったが、今はとにかく懐かしい。

そして太鼓の達人やゲームの話をしているオタクのグループ!秋くらいから仲良くなって色々ゲームしたなぁ、懐かしい...

そしてメイクやら流行の曲の話をしているギャルの

...4人ほどのグループの中にいたある一人の女性が目に入る。

彼女の名前だけは憶えている。彼女の名前は紅 美波【くれない みなみ】、俺が24歳くらいまで恨んでいた人間だ。

昔、俺がイキっていた頃、理科の授業で石の名前を覚える授業があった。
俺は同じ人の班にいかにこの授業が無駄なものかを弁舌していた。
あの頃は本当にバカだった。そして同じ班にいたのが彼女、紅さんだった。

彼女は俺の言葉を聞き、完全に切れて、俺のどこがダメでどこが嫌いかを5分くらい全員に聞こえる声で弁舌した。
あの頃の俺はそれはそれは心底恨んだものだ。

だが、俺が大人になり、英語の勉強を続けている時、ふと、彼女の弁舌を思い出した。
そして、俺は子供の頃の事を心底反省した。大人になって冷静に考えると彼女は正論を言っていたのだ。

あの頃、彼女は自分が美しくあるための努力をしていた。化粧を覚えたとか、コンタクトを買ったと彼女のグループ内で話していたのを薄っすらと覚えている。

そんな中、努力もせずに学校でイキっている俺を見て心底うっとおしかっただろう。

彼女の言葉を思い出し、俺も努力しようと改めて思ったのを覚えている。その点でいえば、彼女は俺の恩人だ。

まあ...今の時点でもう俺の事は嫌いだろうし、関わらないでおこう。

学校のチャイムが鳴る。喋っていたみんなはすぐに席に着き、それから10秒ほど経った後に先生が入ってくる。

ああ、この先生にもお世話になった。この先生は俺がイキりにイキっても見捨てなかった聖人だ。
本当に感謝している...名前は忘れたが、

「起立!...礼、着席」
そうそう!この感じ!懐かしぃ...この時だけはみんなふざけないんだよなぁ...

「さてと、今日なんだが、テスト返しがほとんどになると思うが、それでも真面目に取り組むんだぞー」

「...え?」

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給食の時間になる。今日の給食はカレーとABCスープ、そして牛乳だった。めちゃくちゃに懐かしい。
ABCスープのこの味付けもおいしいし、給食ならではのカレーの味付けもいい。

牛乳もうまい...あとで全部おかわりしよう。

と言ってもこの給食を心の底から楽しめない自分がいる。それもそのはず、今日給食までに在った授業は、英語、数学、国語でそのすべてがテスト返しだった。

その点数が問題だ。

国語12点、数学20点、英語が2点...どうしたらこんな点数が取れるんだ。
まあ中学時代はほとんど寝ていたからな...その弊害だろう。

と言っても、何が問題かというと、俺は国語と英語は問題がない、この二つに関しては、社会でも使うことが多かったから、テストの問題解説中に自主的にもう一回テストをしてみたら英語が100点、国語が64点取れた。

だが、数学が問題だ。中学の問題というのは、プログラミングや製図などの専門的な分野ではなければ、基本的に社会では使わない。そもそも俺はフリーターだったから、数字に触れる機会はレジ打ちくらいだ。

自主的なテストの点数は0点...中学校時代の俺よりもできてない。

「まずい...まずいぞ...」

俺は多分、英語と国語以外は点でダメになっているだろう...給食が終わった後は、4時間目が体育、5時間目が社会...多分社会も駄目になっているだろう...

当面の目標は、数学、社会、理科の勉強をしていこう。社会はうちの担任に聞いて何とかするか...理科は...あの人とはまだ面識がないはずだが、取り合ってくれるだろうか。

そして数学...これが厄介だ。数学の担当教師は野球部の顧問でもあり、いわゆる強面系、しかも俺の事を結構馬鹿にしていた。真面目に取り合ってくれるだろうか...

だが、うだうだしてても仕方がない。やってみるしかない!!

とりあえず昼休みの間に、中1の教科書を見てみよう。図書館にも行ってみて、だな。あとは体育の授業に間に合うようにしなければ、

うちの学校の昼休みは基本的に40分、12時40分から13時20分の間にあり、その間、廊下で駄弁ったり、体育館に言ったり、図書館に行ったりすることができる。

体育館は小学校と中学校で別になっているが、図書館は共同になっているので、小学校の校舎と中学校の校舎の間に存在している。

昔はあそこでラノベを見ていたなぁ...この中学校は一つを覗いて文科系の部活がなかったから、必然的に図書館はあまり人が来なくて落ち着けた...だが!2度目の人生では!あそこは勉強の場所にしよう!

人がいないし、丁度いいぞ!

とそんなことを考えていたらカレーを三杯もおかわりしてしまった。満腹になりすぎると集中できなくなるからこれくらいにしておこう。

チャイムが鳴る。全員が手を追わせて、「ごちそうさまでした」と言って食器をかたずけ始める。
うちの学校では食べ終わった人から食器を片付けるが昼休みになるまでは教室の外に出ることはできない。

チャイムがなったら食器を片付けた人はすぐに昼休みに入って、食べ終わってない人や、食器を片付けてない人は片付けてから昼休みに入る。

この感じも懐かしい。うちの学校では、あまり厳しい先生はいなかった。
考えてみれば俺は恵まれていたんだ。それなのにイキってすべてを台無しにしていた。

これから頑張っていくぞ!!!!

「ん?」

皿を洗おうと立ち上がると何かにぶつかった、どうやらカバンに着けてた青いクマのぬいぐるみにぶつかったらしい。というかこれどうしようか、

さっさと捨てようと思ったが、これ捨てたらクラスでいじめ疑惑が出て、昼休みがつぶれるかもしれない。
それは嫌だ。俺はこの人生を一秒も無駄にしたくない!

それに...このぬいぐるみ、ちゃんと可愛くデザインされてるんだよな...

このクルクルな目がこちらを見て、『捨てないでぇ...』と言ってる気がする...捨てにくいぃぃ...

「...まあとりあえず給食着の袋の中に突っ込んどこう...そんなことより図書館だ!勉強に行くぞぉ!!」

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..........................
.................

「はぁ...はぁ...ぐええ...」

俺はグラウンドに倒れこむ。図書館で勉強し、体育の時になった。
図書館での数学の勉強は最初の1ページから10ページまでやった。最初からやれば、少しずつだが理解ができた。

そして40分ほど勉強した後、ジャージに着替え、体育の授業を受けるためグラウンドに向かったのだが...

「なん...で、俺こんな体力ないの...」

中学生の頃の俺は、それはそれは体力がなかったのでした...

なんでだよ...小学校の頃はサッカーやってたのに...なんで...

体育でやったのは持久走...1km...グラウンドを6周ほど...するんだが...俺は...2周目でもうばてた...

「きつい...きつぃぃ...」

そうか...わかった...俺は昔工場や引っ越しのアルバイトでやっていた...ペース配分で...走ってしまっているのだ
...昔の俺は...ゲームが趣味で運動は全くしてなかった...そもそもサッカーをやめてから...半年はもう経ってしまっている...

「ここも直さないと...当面の目標は運動と勉強がある程度...できるようになる...ことだな...終わったぁ...」

とりあえず、俺は走り切った...ガチで疲れた...

今日は持久走がメインの授業だったので、元々体力がついている運動部は走り終わってから駄弁っている...

俺はグラウンドの近くにある水飲み場に移動する...

「水うめぇ...この感じも懐かしいなぁ...」

この体育中に水飲み場に移動する感じもガチで懐かしい...水飲んで、近くで倒れこんで体育の事について愚痴ってたなぁ...

授業が終わるまで後10分ほど、俺はポケットからペンとメモ帳を取り出す。

図書館で作った簡易の数学のテストだ!ただ、あまり見つからないようにしないと...

「おい」

「うお...!?」

誰だ?って数学の教師!?なぜここに!?まさか自力で脱出を!?

「それ、なんだ?」

やばい...やばいぞ...教師に目を付けられるのだけはだめだ...これからの中学校での生活が厳しくなる!それに、俺は今数学が一番できない!これから時間をかけて信頼関係を形成しようと思っていたのに...

「数学の問題です...テストが思ったより出来てなかったので、勉強をし直そうと思いまして...」

「...お前がか?」

お前がか?って...まあこの時点で俺は大半授業で寝ていたから仕方ないな...

「ええ...このままじゃ不味いと思いまして...こういう隙間時間で出来るようにメモ帳を持ち歩いているんです...」

「そうか...お前が...」

怖え!めちゃくちゃ怖え!このなんでしてるか分からないサングラスも怖えし、立ち方も怖え!髪型も金髪が混じった角刈りなのも怖え!この風貌で普段は自分の体長の半分くらいある定規を持ち歩いてるのも怖え!!

「今日はいいが、体育の時間は体育をしろよ」

「え、あ、はい」

え?え?帰っちゃった...怒られると思ったんだが、ていうかなんで授業見に来たんだ...って野球部を見に来たのか..

まあとりあえず許可は貰ったし!数学のテストを再開だ!それにしても今日は後社会の授業かぁ...

社会もまた自分でもう一度テストをやって...自分の今の能力を図って...50点以下だったら最初からだな...

それにしても中学校のテストをもう一回やると20年という月日がどれくらい長いかを思い知るな...俺はこんなに無駄な事を沢山してきたんだな...

「いや!そんな弱気になっちゃだめだ!俺はこの時代に戻ってきたんだ!!なら!!誰よりも!!努力をして!!成り上がっていくんだ!!」

それには早く大きな目標を決めることが大事だ!!これから学校での努力をしながら!将来に向けた努力もしていくぞ!!

「頑張るぞ!!おおーーーー!!!!!!」

................................
..........................
.................

「づがれだぁ...」

社会の授業が終わり、ホームルームも終わり、皆が帰る支度をしている時、俺は疲れて机に突っ伏していた。
どうやら授業を半年さぼった人間の脳は...全ての授業で集中しただけで疲れてしまうほどになってしまうらしい...

これは学校から帰ってすぐ勉強は無理だな...ってあれじゃね、ここから川沿いを5kmランニングしてから筋トレすれば、集中力は戻ってくるんじゃね?

俺もしかして天才か?

そうとなったらさっさと帰ってランニングの準備だ!カバンを持ってさっさと...

...え?

カバンを見ると...そこには給食着の袋の中に入れたはずの青いクマのぬいぐるみが元の場所に付いていた...

こっわ!いやこっわ!ホラーだろこんなの!

「そのぬいぐるみの機能に気づいたようですね」

「お!お前は!?...誰だっけ」

「柏崎です!!カシワザキカナタ!!警察手帳に書いていたでしょう!」

「すまーんおれ漢字は読めない、そもそもお前の名前に興味なかった」

「ひどい!!」

教室の外から俺に話しかけてきたのは、今日会ったタイムパトロールだった。というかこいつ柏崎って苗字なのか、初めて知った。というか、家に帰ったら漢字の練習もしないとな、

「それよりもです!貴方、カバンからぬいぐるみを外しましたね?」

「発信機がついてるぬいぐるみをそのままにしておく方がやばい奴だろ」

「残念ですが、そのぬいぐるみは貴方がそのぬいぐるみから5m離れると起動し、貴方のいる所へ永遠についていき貴方を監視するのです!見てください!私のカバンについているこの赤いクマのぬいぐるみ!このぬいぐるみの目はプロジェクターになっていて!貴方の行動を離れていても監視できるようになっているんですよ!!貴方が図書館で勉強していたことも体育の授業でこっそりメモ帳で勉強していたことも筒抜けなのです!!」

「タイムパトロールってストーカーをする組織なのか?」

こっわ、未来の謎技術こっわ、これ未来のストーカーのえげつないことになってそうだな。

「それよりもです!帰りますよ!これからの話し合いとかもしないといけないですし!」

「ええー...これから教師の人たちに勉強の相談を」

「か!え!り!ま!す!よ!」

...これ以上抵抗したら今度は手錠をかけられて生活させられそうだ...それに

「ねえねえ...あの二人」

「お揃いのぬいぐるみつけてる...」

「美茄冬さんの様子がおかしいと思ったら彼女さんできたんだー...」

「これは面白いことになりそう...」

この状況は非常にまずい、俺はまともな青春も送りたいのだ。まともな青春というのは、普通に勉強し、切磋琢磨し、普通に恋愛もする。こんな頭のおかしいストーカー女と恋人と思われたら、まともな青春が送れなくなる。

「な!違いますよ!断じて違います!こんなポジティブバカと恋人なんかじゃないですからね!!」

こいつ馬鹿だろ、いやそれは出会った時から気づいてたことだった。そんな言い訳したら火に油だ。中学生というのはなんでも恋愛に結び付けようとするものだ。

「はぁ...わかったから帰るぞ...お前と話すと冷静になっちまう...」

「なんですか!?なんなんですか!?ねえ!誤解解いてからにしてくださいよ!ねえ!」

................................
..........................
.................

「で、俺は一回家に帰ったら、川沿いをランニングする予定だが、お前はどうするんだ」

「ちょっと!私住むところないんですけど!貴方が何とかするって言ったんじゃないですか!」

「あー...俺の部屋の隣が開いてるからそこを整理して寝泊りしろー。くれぐれも家族に見つからないようにな」

俺の家の2階部分、そこには3部屋あるのだが、俺の部屋以外使われていない。

うちの両親はあの年では珍しいほどラブラブな両親だ。父さんは自営業で1階の一部屋が仕事部屋になっているので、大体そこで寝泊りするのだが、一緒に寝たい母さんはそこに布団を引いて一緒に寝ている。

そして、そんな気持ち悪い光景を見たくない俺は、2階で寝ている。

父さんも母さんも大体の時間を1階で過ごしているので、2階に来るのは俺を起こしに来る時くらいだ。

「あの...ご飯はどうすれば」

「冷蔵庫の余り物で俺が作ってやる。それ食べろ」

「貴方料理できたんですね」

「フリーターで自炊ができないと、経済的に死ぬ」

とりあえず、これでいいだろう。よし!これから運動と勉強を中心にやっていくぞ!!

「あ、ランニングなんですけど、私もついていきますからね」

「なんでだよ!」

「あんな小さいぬいぐるみがランニングしてる人間に追いつけるわけないじゃないですか、監視のためにも同行しますからね」

「えぇー...」

こいつは一緒にランニングをしたら噂がさらに広まる事をわからないのだろうか、いやわからないんだろうな。

「まあ待ってくださいよ、私は警察官ですよ、この時代、2010年くらいにはまだインフルエンサーやyoutuberが一般化してません、ライザ〇プも中学生なら受けるためにはお金が足りません。」

「はぁ」

「その中できちんと訓練を受けた警察官が指導するんですよ、いい条件だと思いませんか?」

「ええー...」

「なんで微妙な反応のままなんですか!?」

「今までのポンコツ具合を見ていたら...なぁ...」

「ふっふっふっ...これを見てください!」

おおーなんか拳を突き出して...足で蹴って...ってこれ柔道の技か、素人の目線から見てもキレがいい。世界大会行けるんじゃないか?

「どうです!これで信用してくれましたか!!」

「おおー」

これは素直に賞賛を送りたい。ここまでできるとは、というかそうか

「脳みそすべて筋肉に持っていかれたのか...」

「なんでそういう解釈になるんですか!!ああーもう!」

カバンを開き、何かを取り出した?これは、中間テストか、ってえ!?

「全教科100点!?マジ!?」

「こう見えても日本で一番の大学を出てるんですよ!中学の問題くらいできますよ!!」

「マジか...」

運動もできて頭もいい、完璧じゃないか...

「勉強と運動を教えてください...お願いします」

「急によそよそしくなりましたね、住む場所とご飯を頂くんですし、そもそも監視してるんですし、それくらいしますよ」

「ありがとう...ありがとう...」

これは嬉しい誤算だ。身近に勉強と運動の事について教えてくれる人がいることは一番重要だ。
...ん?待て、

「テスト受けたのか?24時間したら未来人は消滅するんじゃないのか?」

「ああ、タイムパトロールは適正手術で大丈夫になってるんです。未来に来る人をなるべく早く逮捕するために、一週間前から待機して見張るんですよ」

「へぇ、そんな感じなのか」

とりあえずだ!これから忙しくなるぞ!

「そういえば、貴方のテスト結果はどうだったんですか」

「俺か?もともとの成績は下の下だな...それから自分でもう一度テストをしてみたんだが、国語と英語以外点でダメだった」

「ああー社会で出て使いませんもんね、数学も社会も理科も」

「だからある程度運動したら、今日は数学と社会をある程度できるようにするのを目標に...あれ?」

数学と社会...?何か思いつきそうだ...何か...あ!!!!

「どうしたんですか?」

「...少女よ」

「いやだからもう23歳です。あと名前で呼んでください」

「柏崎よ、俺が最強で最高の人間になるための最終目標が決まったぞ!!」

「はいはい、なんですか?」

「俺は会社を立ち上げ!ビルゲイツよりも多くお金を稼ぐ!!そうして恵まれない子供たちのためにお金を使うのだ!!」

「はぁ!?ちょっと待ってください!!それだと完璧に歴史に残る人になっちゃいますって!!」

「いいや俺はもう決めたぞ!!まずは学校生活をきちんとできるようになって!!会社を立ち上げるための仲間を集めるんだ!!これから忙しくなるぞ!!!」

「ちょっと!!話聞いてくださいって!!」

「うおおおおおおお!!!!!」

「ああもう!!待ってくださいーーーー!!!!」

「これからだ!!忙しくなるぞ!!!俺達の冒険はここからだ!!!!!」

「打ち切りみたいになっちゃってますって!!ああーもう!!まだ続きますからねー!!!!」

_________________________________

「...あの二人、何かおかしい」

電柱の陰に隠れながら、私は二人を観察する。

「...とりあえず様子見かな」

二人が走って高速道路の下を通るところを見届け、川沿いにある自分の家へと歩き出した。
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