6 / 6
溺れ 乱れ 蜜地獄
溺れ 乱れ 蜜地獄 6
*
初めて珀英と躰を重ねてから、数ヶ月が経っていた。
その間にも、数回セックスをしたけど、とにかく珀英が体力が有り余っているのか、色々激しいので全身筋肉痛になるし、後ろも痛いし、色々問題はあった。
でも、珀英ときちんと『恋人』という形になれたし、珀英も落ち着いたので、これで良かったとは思っている。
オレ自身も、三十路すぎて覚悟ができたし。
これで良かったのかどうかなんて、わからない。
もしかしたら大失敗かもしれいないし、大正解かもしれない。
そんなこと、何で今決めなきゃいけない?
珀英と一緒にいたい、キスがしたい、傍にいたい、抱きしめたい、話し合って笑い合って泣き合って怒り合って哀しみ合って、抱かれたい。
ただそれだけ。
ただ、そう思っただけだから。
「海外・・・ですか?」
「ああ、うん。今度イギリスでのプロジェクトに参加することになったから、来週から3週間くらい行ってくる」
「3週間も?」
「そう」
取材を終えて、家に帰り、珀英の迎えられて、珀英の作った夕食を食べながら、オレは珀英に渡英の話しをしていた。
ちゃんと言っておかないと、オレがいない間もご飯を作りに来そうだったから。
今回のプロジェクトは世界各地のアーティストを集めて、一時的なバンド形式で1つのアルバムを作るものだ。
オレはギター弾きなのでもちろんギターで参加する。
今回はまずは顔合わせと、どういうアルバムにするのか打ち合わせをしに行く。
3週間も要らないと思うが、打ち合わせが長引いた時の事を考えて余分にスケジュールを押さえている。
珀英はオレの説明を聞きながら、ずっと渋い顔をしていた。
「・・・わかりました。飛行機は何日の何時ですか?荷造りしておくので、ちゃんと具体的なスケジュール教えて下さい」
「いや荷造りくらい自分でするし」
「そんな時間どこにあるんですか?ずっと忙しいでしょう」
「・・・うん・・・なあ、なんで怒ってんだ?」
テーブルに並べられた鯖の味噌煮をつつきながら、オレは珀英に訊いた。
いきなりの質問を想定していなかったのか、珀英が少し驚いた顔で、伏せていた顔をぱっと上げた。
鯖を口に含んでモゴモゴしているオレと、珀英の戸惑った視線が絡む。お互い無言でしばし見つめ合って。
珀英が全身で大きく溜息をついた。
「・・・すみません・・・ちょっと拗(す)ねただけです。怒ってはいないです」
「え?拗ねたの?何で?」
「・・・・・・・・・3週間も会えないから」
ボソボソと小さく呟く珀英。じーっと見つめていると、みるみる顔を赤く染めた。
「わかってますよ!子供じゃないんだから我慢しろってことぐらい、わかってますよ!」
耳まで赤くして、珀英はキュウリの浅漬けを口に放り込む。
オレは子供みたいに素直な珀英を見つめたまま、くすりと笑った。
「別にそんなこと思ってないよ。オレもお前に会えないの淋しいし」
「え・・・?」
「3週間も顔見れないし、声聞けないし、触れられないし、キスもできないし・・・だから、ね?」
こんな風に自分から誘うのは初めてて、すんごい恥ずかしいけど、何とか珀英に意思は伝わった。
珀英はオレが誘っていることがわかったようで、瞬時に顔つきが変わった。
「明日・・・13時から打ち合わせでしたよね?」
「・・・じゃあ10時とか11時に起きればいいかな」
本当はわかっていて、気づいていないフリをして、誘惑する。
視線を絡めたまま、ふんわりと微笑むと、珀英が再び大きな溜息をついた。
「降参です。勝てないですよ・・・貴方には、ね」
「くすくす・・・10年早い」
「貴方だったら、負けるほうが気持ちよさそうだ」
「今更」
珀英がふと、茶碗を持つオレの左手を手に取る。
そして、茶碗を取ってテーブルに置くと、ついっと引き寄せて。
オレの手の甲に。
口吻けをした。
Fin
初めて珀英と躰を重ねてから、数ヶ月が経っていた。
その間にも、数回セックスをしたけど、とにかく珀英が体力が有り余っているのか、色々激しいので全身筋肉痛になるし、後ろも痛いし、色々問題はあった。
でも、珀英ときちんと『恋人』という形になれたし、珀英も落ち着いたので、これで良かったとは思っている。
オレ自身も、三十路すぎて覚悟ができたし。
これで良かったのかどうかなんて、わからない。
もしかしたら大失敗かもしれいないし、大正解かもしれない。
そんなこと、何で今決めなきゃいけない?
珀英と一緒にいたい、キスがしたい、傍にいたい、抱きしめたい、話し合って笑い合って泣き合って怒り合って哀しみ合って、抱かれたい。
ただそれだけ。
ただ、そう思っただけだから。
「海外・・・ですか?」
「ああ、うん。今度イギリスでのプロジェクトに参加することになったから、来週から3週間くらい行ってくる」
「3週間も?」
「そう」
取材を終えて、家に帰り、珀英の迎えられて、珀英の作った夕食を食べながら、オレは珀英に渡英の話しをしていた。
ちゃんと言っておかないと、オレがいない間もご飯を作りに来そうだったから。
今回のプロジェクトは世界各地のアーティストを集めて、一時的なバンド形式で1つのアルバムを作るものだ。
オレはギター弾きなのでもちろんギターで参加する。
今回はまずは顔合わせと、どういうアルバムにするのか打ち合わせをしに行く。
3週間も要らないと思うが、打ち合わせが長引いた時の事を考えて余分にスケジュールを押さえている。
珀英はオレの説明を聞きながら、ずっと渋い顔をしていた。
「・・・わかりました。飛行機は何日の何時ですか?荷造りしておくので、ちゃんと具体的なスケジュール教えて下さい」
「いや荷造りくらい自分でするし」
「そんな時間どこにあるんですか?ずっと忙しいでしょう」
「・・・うん・・・なあ、なんで怒ってんだ?」
テーブルに並べられた鯖の味噌煮をつつきながら、オレは珀英に訊いた。
いきなりの質問を想定していなかったのか、珀英が少し驚いた顔で、伏せていた顔をぱっと上げた。
鯖を口に含んでモゴモゴしているオレと、珀英の戸惑った視線が絡む。お互い無言でしばし見つめ合って。
珀英が全身で大きく溜息をついた。
「・・・すみません・・・ちょっと拗(す)ねただけです。怒ってはいないです」
「え?拗ねたの?何で?」
「・・・・・・・・・3週間も会えないから」
ボソボソと小さく呟く珀英。じーっと見つめていると、みるみる顔を赤く染めた。
「わかってますよ!子供じゃないんだから我慢しろってことぐらい、わかってますよ!」
耳まで赤くして、珀英はキュウリの浅漬けを口に放り込む。
オレは子供みたいに素直な珀英を見つめたまま、くすりと笑った。
「別にそんなこと思ってないよ。オレもお前に会えないの淋しいし」
「え・・・?」
「3週間も顔見れないし、声聞けないし、触れられないし、キスもできないし・・・だから、ね?」
こんな風に自分から誘うのは初めてて、すんごい恥ずかしいけど、何とか珀英に意思は伝わった。
珀英はオレが誘っていることがわかったようで、瞬時に顔つきが変わった。
「明日・・・13時から打ち合わせでしたよね?」
「・・・じゃあ10時とか11時に起きればいいかな」
本当はわかっていて、気づいていないフリをして、誘惑する。
視線を絡めたまま、ふんわりと微笑むと、珀英が再び大きな溜息をついた。
「降参です。勝てないですよ・・・貴方には、ね」
「くすくす・・・10年早い」
「貴方だったら、負けるほうが気持ちよさそうだ」
「今更」
珀英がふと、茶碗を持つオレの左手を手に取る。
そして、茶碗を取ってテーブルに置くと、ついっと引き寄せて。
オレの手の甲に。
口吻けをした。
Fin
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
10年ぶりに書いてくださりありがとう!
一ヶ月位前に実家に帰って璃鵺の本見つけて懐かしいわと思って持ち帰って一ヶ月の間熟読してたら感動して、サイトに繋がらなかったから色々検索してここに辿り着いたわ。
以前は本のゲストに呼んでくださりありがとう!
璃鵺の書くJがかっこよくて大好きだったわ。
超絶我儘の美貌のKも好きだったわ(でも私の中では身長縮んでディズニー行ったままになってる)。
ちょっと久しぶりで免疫が落ちてるのでゆっくり拝読します。
続きを楽しみにしてます!
お久しぶりで御座います。
その後いかがでしょうか?
色々あってネット落ちしてる時に感想くれてありがとう!!
遅くなってごめんなさい!!
羽猫さーん!!
久しぶりすぎて感動してる・・・( ;∀;)
また色々話せたらと思ってます。
ただ携帯変えた時に連絡先消えた・・・
ここでも良いので連絡くれると嬉しいです。
よろしくお願いします。