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第7章 故郷
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朝ご飯を済ませていよいよ出発の時。
私は部屋を出て入り口へ向かって歩いていた。
ルクの故郷がどのような場所なのかを想像しながら。
屋敷の入り口には既にルクが待っていた。
私を見ると微笑んでくれていた。
「準備はよいか?」
ルクが優しい声でそう訊ねた。
私は、はい、と答えた。
「では、参ろうか」
伯爵に礼を行って屋敷の外へ出た。
今日も空が青く美しい。
小鳥たちが囀りながらまるで私たちの出発を応援しているかのように聞こえた。
国境までは馬車を使って移動。
伯爵が用意してくれていた馬車の中で私はルクに訊ねた。
「ルク様の故郷ってどんなところなんでしょう」
「またその話か? 随分と興味があるんだな」
「あら、私同じことを質問してましたか?」
「ああ、これで2度目かな。そうだなぁ~、民たちは皆活気づいているぞ。それにドラゴンになれるのは前にも話した通り一部の貴族や王族のみ。血筋が関係しているんだ。あとは、魔法が使えるものも限られている。あとは他の国とそんなに変りはしない。ただ……」
ルクが話を濁した。
何だろう、私はルクの顔を見つめた。
ルクは私に笑顔を見せながら続きを話した。
「ただ、其方のいたヨ―ルリアン帝国とは疎遠なのだ。あの国は他国に比べ閉鎖的でな。私たち竜族を認めようとはしない。敵対心があるわけではないのだがな。其方が城に幽閉された時は流石の私も必死で大変だったのだ」
そ、そんなことが……。
帝国が他国との交流に対して閉鎖的であったことはルクと色々な国へ行って思っていたことだったけれど、そこまでだとは思わなかった。
しかし、確かに私は竜族の事は知らないこと。
ヨ―ルリアン帝国の第一王女だった私がルクの故郷へ行っても問題ないのだろうか。
少し心配になってしまった。
「私がドラギウス国へ行っても、ルク様のご迷惑にはならないのでしょうか。私は国から追放され、それからその罪が無実だったことが証明されて、今また身分としては第一王女だと思います。そんな人間を連れ出したとなればルク様にご迷惑をお掛けすることになるかと」
「うむ。その辺はどうにかせねばならない。いずれ其方の国王にも接見を求めるつもりだ。ただ今は私の父君、母君に其方を紹介する方が先決なのだよ。言ったであろう? 私はただ旅をしている訳じゃないのだ。私に相応しい伴侶を探していると」
「確かに……私なんかで宜しいのでしょうか」
「問題ない。其方は堂々としていればよいのだ。何も心配することはないのだから」
はい、私はそう答えた。
馬車は国境付近に向かって走り出している。
その中で時折揺れる中で私はルクを見つめた。
ルクは優しく微笑み返し、私の手を取りぎゅっと握りしめてくれた。
私はルクの暖かな手のぬくもりを感じながら握り返した。もう、あとには引き返せない。
何れは帝国へ行き、お父様やお兄様にこの婚儀のお許しを得ねばならない。
私はそう思いながらずっとルクの事を見つめていた。
国境付近に着き、馬車を降りると、目の前には森が見える。
「さ、出発だ」
「はい、ルク様」
手を握りしめながら馬車を後にして私たちは森の中へ入って行った。
私は部屋を出て入り口へ向かって歩いていた。
ルクの故郷がどのような場所なのかを想像しながら。
屋敷の入り口には既にルクが待っていた。
私を見ると微笑んでくれていた。
「準備はよいか?」
ルクが優しい声でそう訊ねた。
私は、はい、と答えた。
「では、参ろうか」
伯爵に礼を行って屋敷の外へ出た。
今日も空が青く美しい。
小鳥たちが囀りながらまるで私たちの出発を応援しているかのように聞こえた。
国境までは馬車を使って移動。
伯爵が用意してくれていた馬車の中で私はルクに訊ねた。
「ルク様の故郷ってどんなところなんでしょう」
「またその話か? 随分と興味があるんだな」
「あら、私同じことを質問してましたか?」
「ああ、これで2度目かな。そうだなぁ~、民たちは皆活気づいているぞ。それにドラゴンになれるのは前にも話した通り一部の貴族や王族のみ。血筋が関係しているんだ。あとは、魔法が使えるものも限られている。あとは他の国とそんなに変りはしない。ただ……」
ルクが話を濁した。
何だろう、私はルクの顔を見つめた。
ルクは私に笑顔を見せながら続きを話した。
「ただ、其方のいたヨ―ルリアン帝国とは疎遠なのだ。あの国は他国に比べ閉鎖的でな。私たち竜族を認めようとはしない。敵対心があるわけではないのだがな。其方が城に幽閉された時は流石の私も必死で大変だったのだ」
そ、そんなことが……。
帝国が他国との交流に対して閉鎖的であったことはルクと色々な国へ行って思っていたことだったけれど、そこまでだとは思わなかった。
しかし、確かに私は竜族の事は知らないこと。
ヨ―ルリアン帝国の第一王女だった私がルクの故郷へ行っても問題ないのだろうか。
少し心配になってしまった。
「私がドラギウス国へ行っても、ルク様のご迷惑にはならないのでしょうか。私は国から追放され、それからその罪が無実だったことが証明されて、今また身分としては第一王女だと思います。そんな人間を連れ出したとなればルク様にご迷惑をお掛けすることになるかと」
「うむ。その辺はどうにかせねばならない。いずれ其方の国王にも接見を求めるつもりだ。ただ今は私の父君、母君に其方を紹介する方が先決なのだよ。言ったであろう? 私はただ旅をしている訳じゃないのだ。私に相応しい伴侶を探していると」
「確かに……私なんかで宜しいのでしょうか」
「問題ない。其方は堂々としていればよいのだ。何も心配することはないのだから」
はい、私はそう答えた。
馬車は国境付近に向かって走り出している。
その中で時折揺れる中で私はルクを見つめた。
ルクは優しく微笑み返し、私の手を取りぎゅっと握りしめてくれた。
私はルクの暖かな手のぬくもりを感じながら握り返した。もう、あとには引き返せない。
何れは帝国へ行き、お父様やお兄様にこの婚儀のお許しを得ねばならない。
私はそう思いながらずっとルクの事を見つめていた。
国境付近に着き、馬車を降りると、目の前には森が見える。
「さ、出発だ」
「はい、ルク様」
手を握りしめながら馬車を後にして私たちは森の中へ入って行った。
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