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第8章 婚約
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ドラギウス国に到着してから二日目、私はルクの父上、つまりこの国の国王と面会することになった
。
当然私の素性は知れ渡っている筈。
私は緊張して喉がカラカラになっていた。
「緊張するな。何も心配はいらない」
「でも……」
「問題ない」
ルクが隣で笑顔を見せて私を安心させようとしている。
暫く時間が止まったかのような感じがした。
ルクは私の隣で笑顔を見せながら肩をぽんぽんと叩いた。
ドラギウス国の国王が部屋に入って来たのはその後の事だった。
「父上、ただ今戻りました」
ルクが一礼してそう言うと、王が玉座に座ってルクに声を掛けた。
「勤めご苦労だったな。其方の方は?」
「あ、はい。私の妃になるエリーザという者です。エリーザ。父上だ」
私は緊張のあまり頭が上がらない。
びくびくしている私を見て王が大きな声で笑った。
「はっはっは。良い良い。其方が息子の妃になってくれるエリーザか。何処の国の出身だ?」
「あ、はい……ヨ―ルリアン帝国……で御座います」
私は小さな声でそう言うと名前を訊ねられた。
私は正直にエリーザ=ヨ―ルリアンと答えると驚いた表情になった。
「ルク。この方は姫君か?」
「そうです。ただ今は私の妃になる人です」
「それは……帝国王はなんと言っているのだ?」
「何も言ってません。何れは私がヨ―ルリアン帝国へ赴きご挨拶に伺う予定です」
「それは……ルク、分かっておると思うが、帝国と儂らの国とは色々あるでのぉ~。うまく事が運ぶのかどうか……」
国王はそう言いながら顎に手を当てて考え事を始めた。
私はルクの横顔を見る。すると額に汗のような水滴がついているのが見えた。
やはりこの国と帝国とでは何か確執のようなものがあるのだろうか。
私は意を決して発言した。
「国王様。私は確かに帝国の姫で御座います。しかし、私が有らぬ罪で国外追放され死にかけた私を彼が掬ってくれました。今私がこの場に居ることが出来るのは彼の…ルク様のお蔭で御座います。この国と帝国がどのようなことで争っているのかは分かりませんが、私がその架け橋になるのではないでしょうか?」
「ほう……其方がそういうことをしてれるのか?」
「エリーザ……そこまでしなくても、其方は良いのだぞ」
ルクはそう言ってくれたが、国王は私の事をじっと見つめて私の話に興味を持ったようだった。
私はその気持ちに答えたい、そう思いながら顔を上げ国王を見つめた。
。
当然私の素性は知れ渡っている筈。
私は緊張して喉がカラカラになっていた。
「緊張するな。何も心配はいらない」
「でも……」
「問題ない」
ルクが隣で笑顔を見せて私を安心させようとしている。
暫く時間が止まったかのような感じがした。
ルクは私の隣で笑顔を見せながら肩をぽんぽんと叩いた。
ドラギウス国の国王が部屋に入って来たのはその後の事だった。
「父上、ただ今戻りました」
ルクが一礼してそう言うと、王が玉座に座ってルクに声を掛けた。
「勤めご苦労だったな。其方の方は?」
「あ、はい。私の妃になるエリーザという者です。エリーザ。父上だ」
私は緊張のあまり頭が上がらない。
びくびくしている私を見て王が大きな声で笑った。
「はっはっは。良い良い。其方が息子の妃になってくれるエリーザか。何処の国の出身だ?」
「あ、はい……ヨ―ルリアン帝国……で御座います」
私は小さな声でそう言うと名前を訊ねられた。
私は正直にエリーザ=ヨ―ルリアンと答えると驚いた表情になった。
「ルク。この方は姫君か?」
「そうです。ただ今は私の妃になる人です」
「それは……帝国王はなんと言っているのだ?」
「何も言ってません。何れは私がヨ―ルリアン帝国へ赴きご挨拶に伺う予定です」
「それは……ルク、分かっておると思うが、帝国と儂らの国とは色々あるでのぉ~。うまく事が運ぶのかどうか……」
国王はそう言いながら顎に手を当てて考え事を始めた。
私はルクの横顔を見る。すると額に汗のような水滴がついているのが見えた。
やはりこの国と帝国とでは何か確執のようなものがあるのだろうか。
私は意を決して発言した。
「国王様。私は確かに帝国の姫で御座います。しかし、私が有らぬ罪で国外追放され死にかけた私を彼が掬ってくれました。今私がこの場に居ることが出来るのは彼の…ルク様のお蔭で御座います。この国と帝国がどのようなことで争っているのかは分かりませんが、私がその架け橋になるのではないでしょうか?」
「ほう……其方がそういうことをしてれるのか?」
「エリーザ……そこまでしなくても、其方は良いのだぞ」
ルクはそう言ってくれたが、国王は私の事をじっと見つめて私の話に興味を持ったようだった。
私はその気持ちに答えたい、そう思いながら顔を上げ国王を見つめた。
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