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ホントの婚約者!?

59 ①

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最悪……。

今日は彼と私の両親が顔合わせと言う名の懇親会の日だった。
朝から体の調子が悪いと思ってトイレに駆け込んだのはいいのだけど、どうやらアレの日になってしまったらしい。
前回はもっと前だったこともあってちょっと遅れているのかなとは思っていたけれどこんな日に限って来るとなんて本当に最悪……。
流石に貧血気味で倒れそう。
私はホテルの女子トイレにこもって頭を抱えていた。
はぁ~、今日はお互いの親同士の初顔合わせの日だってのに……。

「大丈夫ですか。顔色が悪いですが」
「ああっと……大丈夫、です」

私の体調不良を心配してトイレの外で彼が待っていた。
言えない。
言える訳ない。
私の体調不良の事なんて。
ああ、最悪だぁ~。
何で女って理不尽な身体なのだろう…。
もう嫌、最低だわ。


「ちょっとお腹が痛いってだけです。お薬飲めばよくなりますから。それより話し合いはどうなりました?」
「ああ、何だか和んでます。まるで親戚同士みたく」
「はは。なるほどです。目に浮かびます」
「戻れそうですか? 茜さん」
「はい。大丈夫です」


ああ、うちの親たち人当たりがいいって言うか、直ぐ友達になっちゃうんだよなぁ。
何てコミュ力なのかしら。
子供の私にその遺伝をどうしてくれなかったのよ。
マジ恨む……。


「茜? 大丈夫?」
「お母さん。大丈夫。ちょっと調子悪いだけだから。それよりお話は纏まったの?」
「ええ。もう日取り迄決定よっ」


母は親指立てて喜んでいた。
はいはいそうですか。
そら良かったですね。
私はなんだか複雑な気持ち何ですけど。


お互いの両親が居る部屋に戻って話し合いの結果を聞かされることになった。
結婚式の日取りやその前にやっておくこと……何だっけ? 
正直よく分からん。
なんだか私が知らんうちに話が進んでた。
私と彼はただ黙って親たちが話してる姿を傍聴していただけだった。


「では、そういう段取りで」
「ええ。宜しくお願いします。不束者ですが」
「いえいえ。うちの息子こそ。茜さんのような素敵な女性に嫁いでもらえるなんて嬉しい限りです」
「あら、そうって貰えると母としては嬉しい限りですわ」
「私も涼太が結婚してくれて嬉しいです」


「「「「ははははは」」」」


ああー。
なんかこの雰囲気苦手。
早く終わらないかなぁ~。
ていうか私たちって居る意味あんの? 
もうお家に帰ってベッドの上で横になりたいっす。


話し合いが終わった後軽く食事会をして夕方やっと終わった。
クタクタになった私を彼が支えてくれたのは嬉しい事だった。
こういう時男性は頼りになると思った、力持ちだし。
何なら私をおぶってくれてもいいんだけどなぁ。


「茜さん。歩けますか?」
「え……? あ、は、はい。大丈夫、です……」


………!?

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