27 / 34
27
しおりを挟む
次の日の朝。
私は再び王宮へ呼び出された。
昨日の事で国王様より話があるとのことだった。
私は屋敷を後にして王宮へ向かうとパレッド王太子が私の事を出迎え、マラスが護衛として女騎士の2人も同行することになっていた。
「おはよう、エリス。昨晩はゆっくり出来たか?」
私達を王宮の中へ案内するパレッド王太子が私に気遣ってそう話しかけてきた。
私ははい、と返事をすると昔懐かしい笑顔を私に向けた。
なんだかそれが凄く懐かしく思えた。
王宮の奥に進むと王の間の扉の前に着いた。
王太子が門を開けると中には国王様が座っていた。
「よく参った、エリス」
「国王様、お久しぶりです」
軽く挨拶を交わした後本題に入った。
まずは国王様から直々に謝罪の言葉を貰った。
パドラー令嬢に踊らされていたこと、無実の罪にさせてしまったことなど。
私は全てを許そうと思いその旨を国王様に伝えた。
「そうか。其方の気持ちはよく分かった。これからの事なんだが、以前の約束通り私の息子との縁談を進めても良いのだろうか」
その話が来ることは容易に想像出来た。
私は一息ついてから話始めた。
「その件で御座いますが、一度考えさせて頂きたいと思っております。実は、この国を出てから数人の方に出会いました。その方々の事もありますので」
実質、お断りしたのだ。
隣国の王太子の事がある、というのが建前。
本当は自分でもよく分からない。
前世の記憶で出てきたゲームの中では様々イベントが発生して色々なルートが存在していた。
今まさにそのルート選択の一つだった。
私が断ることを想定していなかった国王様はビックリされた表情で王太子を見た。
すると王太子が口を開いた。
「確かに、私たちがしてきたことを考えると致し方ない事だと思います。父上、この話一旦白紙に戻して考え直すことで私も腹を括っております」
「そうか……それでは、この話はこれでしまいにしよう。エリスその他で訊きたい事などはあるか?」
国王様にそう訊ねられた私は侍女だったアンの事を話した。
噂で城に幽閉されていると聞いたこと、また是非一度会いたいことを話すと王太子が同調して一度会うことを許された。
「有難う御座います。彼女には色々と訊きたいことがありますので助かります」
「何かあの侍女に言いたいことがあるのか?」
「いえ…ただ私にとっては友人と同じ人だったのです。その、何か私の事で誤解をしていることがあるのではないかと思っていて。その話を彼女に訊いていみたいのです」
「そうか……あの者の処分を決めようと思っていたのだが」
それについて私は否定的な考えを示した。
恐らくパドラー令嬢に誑かされたのだと思っていたからだ。
彼女には幼少の頃から年も近い(彼女の方が一年くらい年下)大切な友人だった。
出来れば救いたいという気持ちを国王様と王太子様に話をした。
私は再び王宮へ呼び出された。
昨日の事で国王様より話があるとのことだった。
私は屋敷を後にして王宮へ向かうとパレッド王太子が私の事を出迎え、マラスが護衛として女騎士の2人も同行することになっていた。
「おはよう、エリス。昨晩はゆっくり出来たか?」
私達を王宮の中へ案内するパレッド王太子が私に気遣ってそう話しかけてきた。
私ははい、と返事をすると昔懐かしい笑顔を私に向けた。
なんだかそれが凄く懐かしく思えた。
王宮の奥に進むと王の間の扉の前に着いた。
王太子が門を開けると中には国王様が座っていた。
「よく参った、エリス」
「国王様、お久しぶりです」
軽く挨拶を交わした後本題に入った。
まずは国王様から直々に謝罪の言葉を貰った。
パドラー令嬢に踊らされていたこと、無実の罪にさせてしまったことなど。
私は全てを許そうと思いその旨を国王様に伝えた。
「そうか。其方の気持ちはよく分かった。これからの事なんだが、以前の約束通り私の息子との縁談を進めても良いのだろうか」
その話が来ることは容易に想像出来た。
私は一息ついてから話始めた。
「その件で御座いますが、一度考えさせて頂きたいと思っております。実は、この国を出てから数人の方に出会いました。その方々の事もありますので」
実質、お断りしたのだ。
隣国の王太子の事がある、というのが建前。
本当は自分でもよく分からない。
前世の記憶で出てきたゲームの中では様々イベントが発生して色々なルートが存在していた。
今まさにそのルート選択の一つだった。
私が断ることを想定していなかった国王様はビックリされた表情で王太子を見た。
すると王太子が口を開いた。
「確かに、私たちがしてきたことを考えると致し方ない事だと思います。父上、この話一旦白紙に戻して考え直すことで私も腹を括っております」
「そうか……それでは、この話はこれでしまいにしよう。エリスその他で訊きたい事などはあるか?」
国王様にそう訊ねられた私は侍女だったアンの事を話した。
噂で城に幽閉されていると聞いたこと、また是非一度会いたいことを話すと王太子が同調して一度会うことを許された。
「有難う御座います。彼女には色々と訊きたいことがありますので助かります」
「何かあの侍女に言いたいことがあるのか?」
「いえ…ただ私にとっては友人と同じ人だったのです。その、何か私の事で誤解をしていることがあるのではないかと思っていて。その話を彼女に訊いていみたいのです」
「そうか……あの者の処分を決めようと思っていたのだが」
それについて私は否定的な考えを示した。
恐らくパドラー令嬢に誑かされたのだと思っていたからだ。
彼女には幼少の頃から年も近い(彼女の方が一年くらい年下)大切な友人だった。
出来れば救いたいという気持ちを国王様と王太子様に話をした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
571
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる