紡ぐ者

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【第7章 追憶を求める者】

第6節 出会いの初々しさ、別れの切なさ

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12月6日
ロビンは体を起こす。自身の左側を見る。
「………。」
(そうかアリスは……だから寒かったのか。)
ロビンはしみじみとした気持ちで着替える。



「もう日本に帰国するのか?」
「妹が体調を崩してるんだ。従者に看病してもらってはいるが、中々治らないんだ。」
ロビンと凜が部屋に入ってくる。
「準備できたぞ。」
「ロビン……その、色々大丈夫かい?」
「あぁ……もうけじめはついたぞ。恋しくなる前に早く行こうぜ。」
ロビンは部屋を見渡す。
「そういえばガーネットは?」
「彼女は療養中だ。怪我が酷い上に精神も疲労している。」
「そうだ。そなたにこれを。」
ルアーザはロビンにペンダントを渡す。
「これはアリスが身につけていたペンダントだ。中に写真が入っている。」
ロビンはペンダントを開けて中に入っている写真を見る。
「これは……」
ロビンの頬を涙がつたう。ペンダントを握りしめる。


「落ち着いたかい?」
「あぁ。時間をとったな。」
ルアーザは席に座る。
「ガーネットのことは心配ない。彼女は強い。1週間ほどで立ち直るだろう。」
ルアーザは顔を曇らせる。
「だが、彼女には悪いが立ち直り次第、アメリカに向ってもらわねばならない。」
「何かあったのか?」
「最近、異質な物が見つかっているらしい。変色した雑草、野菜、さらには凶暴化した家畜などなど。」
「わかった。頭に留めておく。」
3人はイギリス支部を離れて空港へと向かう。


「今回の件、協力に感謝する。」
「そうかしこまらなくていい。魔道士としての責務を真っ当しただけさ。」
フライトの時間が迫る。カーザスは3人を見送る。

プルルル♪
春蘭のスマホが鳴る。雫からだ。
「どうした、雫?」
「た、大変です!お嬢様の体調が、悪化しました。」
「何?!わかった。日本についたらすぐに向かう。」
「医療班の人に対応してもらっていますが、先程からあまり状態に変化が見られません。」
「報告ありがとう。フライトが近い。詳しいことはそちらで聞く。」
春蘭は電話を切る。
「何かあったか?」
「美桜の体調が悪化した。日本に着いたら僕の家まで来れるか?」
「行けるぜ。」
「私も行けます。」
2人は了承する。
「ありがとう。」
春蘭は礼をする。3人はゲートへと向かう。







ビルの上に1人の男が立っている。
「ふぅ……」
「どうしたんすか?そんな溜息ついて。」
「コンパルゴか。ラビィが死んだ。」
「ッ!!」
コンパルゴはあまり驚いた様子を見せない。
「だが、あいつは最後にいい仕事をしてくれた。太陽の人の力を目覚めさせたのだからな。」
「妙に嬉しそうっすね。」
「当たり前だろぉ?あの方の復活に1本近づいたんだ。」
「そうだ。お前にこれを。」
男はコンパルゴに1本の試験管を手渡す。
「これが"例のやつ"すか?」
「そうだ。これをこの街にばら撒くといい。だが、魔力を持つ生物には効果がない。」
「奴等に気づかれそうだけど?」
「ふっ、むしろ好都合だ。」
男は不敵に笑う。
「最初からそれが目的か。」
「お前にしては理解が早いな。」
「殺戮は得意分野なんでな。」
コンパルゴは街の方に目をやる。
「俺より格上のやつが出てきたらどうする?」
「その場合はシアンを送る。」
コンパルゴはギョッとする。
「姉御の力があれば怖いものはないけど……余計面倒なことになりそうな気がするが?」
「お前はシアンの力を忘れたのか?彼女にとって街を沈めることなど容易なはずだ。」
コンパルゴは頭をかく。
「そうだったな。そんじゃ、俺はばら撒きに行ってくる。」
コンパルゴはビルから地面へと落下する。
「さてと……楽しませてもらうとするか。」
「今度の舞台はニューヨーク。自由の国だ。」
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