紡ぐ者

haruyama81@gmail.com

文字の大きさ
49 / 117
【第9章 自由の国】

第2節 無敵の暗殺者《アサシン》

しおりを挟む
「ここか。」
玖羽は金網の門の前に立っている。金網の向こう側には、廃れた建物がいくつかある。玖羽は金網を開けて中に入る。
コンッコンッコンッ…
玖羽は少し歩くと足を止める。
「後ろか。」
玖羽の背後からの1人の男が鉄パイプを持って襲いかかる。
「ふっ!」
「ぐあっ!」
玖羽は男を蹴り飛ばす。
ドンッ!
「くそっ!」
玖羽は男を押さえつけて腕を掴む。
「お前は誰の差し金だ。吐けば命だけは助けてやる。」
玖羽は男の腕を反対に無理に曲げようとする。
「あぁぁぁ!」
男は苦痛の叫びをあげる。玖羽は腕を離す。
「腕は助かったようだな。お前らは俺を殺すために何人の人間を用意した?」
周りの岩陰や建物から武器を持った人が大量に出てくる。
「全員殺し屋か?用心棒も混じってるな。数で押すって戦法か?まあ……何人こようが変わらねえが。」
玖羽は両手に短剣を持つ。大量の人は一斉に玖羽に襲いかかる。
「おらぁぁぁ!」
「うおぉぉ!」
ガンッ!ザシュッ!
玖羽は襲いかかってきた人を蹴り飛ばし、もう片方の腹を切る。
「「「うらあぁぁぁ!」」」
3人の人が上から一気に襲いかかる。
ザクッ!ガリッ!ゴンッ!
玖羽は1人目を短剣で刺し、2人目を岩で削り、3人目を岩に打ち付ける。
(本当に数だけだな。人を殺す方法をまるで分かってない。これじゃ犬死にだ。)
「しかし数が多いな。ちっ、面倒だが一気に終わらせるぞ。」
玖羽は片っ端から人に飛びかかり、確実に仕留める。先程まで大量にいた人が今ではほとんど残っていない。
「ふぅ……型鳴らしにもならねえ。」
玖羽は短剣についた血を払って鞘にしまうと先に進む。
「ちっ、またか。」
岩陰から武装した人間が出てくる。
「武装してるからなんだって話だが……」
襲ってきた人の首を玖羽は確実に切り裂く。
「ぐらあぁぁぁ!」
ガッ!ドンッ!ザクッ!
玖羽は男の肩を足で掴んで押し倒すと、首に短剣を刺す。
「ふぅ……」
玖羽は溜息をつく。
「おい!さっさと出てきやがれ!俺が怖いのか?この臆病者が!」
玖羽は痺れを切らして大声で叫ぶ。廃ビルの1つの階から目印が出される。
「やっと尻尾を出したか。」
玖羽は廃ビルを登る。
コンッコンッコンッ…
「やっとキタカ、カーリス・クレイツ。オマエにアエルノヲ楽しみにシテイタ。」
「はいはい。出会ってそうそうだが、お前には死んでもらう。」
「あと、俺の名前はカーリス・クレイツじゃない。鶴城 玖羽だ。覚えとけ。」
玖羽は短剣を抜く。対して男は銃を構える。
「フッ、ガンを相手にナイフを使うとは……日本語でイウとオマエはソウトウなバカのようダナ。」
「馬鹿はどっちだろうな?最初に言っておくが、俺を敵に回した時点でお前の死は確定している。そのへんわかってんのか?」
玖羽は男を威圧する。
「だがコノ距離でガンをヨケラレルト思ってイルのか?俺にそのナイフがトドク前にウタレテジ・エンドだ。」
「ソレに、生きノコッタとしてモお前は重症ヲ負う。ドノみちジ・エンドだ。」
2人の間に沈黙が走る。
「………。」
「………。」
バァンッ!
銃の引き金が引かれる。玖羽は弾丸を避けて男の背後に回る。
(なんというスピード……)
男は玖羽を銃で殴るが、玖羽はぼやけて消えてしまう。
「ワッツ?!」
「遅え、それは残像だ!」
玖羽は男の体勢を崩し、力いっぱい踏みつける。床が抜けて、男は下の階の床に叩きつけられる。
「ぬあっ!」
「言っただろ。俺を敵に回した時点でお前の死は確定していると。」
玖羽は男の首に短剣を当てる。
「フッ、ソレでビクトリーにナルと思ったか?」
「あ?」
バァンッッ!
遠くから銃声が聞こえる。その直後、玖羽の頭に弾丸が直撃する。
(死んだな。)
男は玖羽の死を確信する。玖羽は弾丸の勢いで、体が左に傾く。
ギロッ!
玖羽は男を睨む。
「なっ……」
「残像だったな。俺が死んだと思ったのか?だったら気分を害したな。」
弾丸は玖羽の頭を貫通していなかった。それどころか傷をつけることさえできていなかった。
「生憎、俺は魔道士だ。あらかじめ防御魔法を使っている。お前らの攻撃は何一つ効かない。大人しく降参しろ。」
玖羽は弾丸に魔力を込めて、窓の外に投げる。その弾丸は撃ってきたスナイパーの頭を貫く。
「そんじゃ、死ね。」
ザクッ!



ザンッ……
「Hello。」
玖羽はビルを出ると声をかけられる。振り返ると、何人かの男がいた。
「うちの手下が世話になったね。」
「お前が手紙を送ったのか?」
「その通りさ。早速で悪いけど、Goodbye。」
ドガアァァァン!
玖羽の周りに大量の爆弾が降り注ぐ。
「奴は死んだ。さっさと引き上げるぞ。」
ザリュッ!
男の首筋を短剣が切り裂く。
「ぐうっ……誰だ?!こんな真似をする奴は!」
「誰って?俺しかいないだろ。他に誰がいる?」
玖羽は煙の中から出てくる。
「ヒィィィ!化け物が!お前達、奴を殺せ!」
両隣にいた2人の男はマシンガンを手にして玖羽に撃ち続ける。
「ふっ、後悔すんじゃねえぞ!」
玖羽は姿を消す。
「や、奴はどこに行った?!早く見つけて殺せ!どうなるか分からん!」
2人の男は玖羽を探す。
ザシュザシュッ!
2人の男は地面に倒れる。首には切り裂かれた跡があった。
「お前達、早く立て!死ぬならワシを守って死ね!」
男は後ろから殺気を感じる。
「そんなんだから、俺に殺されるんだ。」
玖羽は男の前に現れて歩く。短剣を収める。男は逃げ出そうとする。
「おっと、動かないほうがいいぞ。死にたくなかったらな。」
「そんなハッタリが通じると思うか?!」
「思う。」
玖羽は男を煽り散らかす。
「憶えてろ!」
男は足を動かす。
「あーあ。」
男の体中に切れ込みがはいり、次の瞬間には男は細切れになっていた。
「俺を敵に回したらこうなる。覚えておけ。」
玖羽は岩陰に隠れていた残党に威圧しながら忠告する。残りの残党が玖羽に手を出すことはなかった。


「さてと……ちょっと寄り道するか。」
玖羽は金網に手をかける。
ザッ……
何かの足音が聞こえた。
「なんだ?」
玖羽は足音がしたほうを見る。岩陰から人が現れるが、様子がおかしい。体は変色しており、フラフラと歩いている。
「まさか……」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

勇者の様子がおかしい

しばたろう
ファンタジー
勇者は、少しおかしい。 そう思ったのは、王宮で出会ったその日からだった。 神に選ばれ、魔王討伐の旅に出た勇者マルク。 線の細い優男で、実力は確かだが、人と距離を取り、馴れ合いを嫌う奇妙な男。 だが、ある夜。 仲間のひとりは、決定的な違和感に気づいてしまう。 ――勇者は、男ではなかった。 女であることを隠し、勇者として剣を振るうマルク。 そして、その秘密を知りながら「知らないふり」を選んだ仲間。 正体を隠す者と、真実を抱え込む者。 交わらぬはずの想いを抱えたまま、旅は続いていく。 これは、 「勇者であること」と 「自分であること」のあいだで揺れる物語。

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」

(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。 王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。 風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

処理中です...