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【第17章 海上の闘争】
第2節 戦場 討滅
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「ここは?」
「ここは太平洋の別の場所だ。」
ディファラスは腕を組みながら椿に歩み寄る。
「ニグレード様の命令でお前を殺す。あの方が言うには、お前を生かしておくことはできないらしいからな。」
「殺す、ねえ。やってみる?」
椿は指を動かして挑発する。
「ふっ、俺を前にしてここまで余裕を保っている奴は初めてだ。」
「当然よ。だって……」
椿は髪を手で払う。
「私が勝つんだもん。結果を見れば明らかよ。」
「結果を見る、か。なるほど、お前は未来視を使えるのか。」
「へぇ……禁術を知っているなんてね。そういうあんたはさっき空間を歪めたわね。禁術の1つ、空間干渉を持っているか。私の相手ならそれぐらいが丁度いいかもしれない。」
椿は笑みを浮かべる。
「話しているだけ時間の無駄だ。すぐに終わらせる。」
ディファラスは姿を消す。
「すぅ……そこ。」
椿は自身の左側に薙刀を振る。途中で何かに当たる音がした。ディファラスは再び目の前に現れる。
「あ?ん?」
ディファラスは困惑しているような様子を見せる。
(なんだ今の音は?俺に触れたわけでもない。咄嗟に逃げたが、なんだったんだ?)
「どうしたの?まさか休憩?」
「まさかな。少々手違いがあっただけだ。まあすぐに解決するがな。」
(ふぅ……しかし、体が重いな。力を封じられている感じだ。ならば……)
ディファラスは椿目掛けて槍を投げる。
「武器を捨てるとは……血迷ったか!」
椿は槍を弾くと、手にとってディファラスに投げつける。
「ふっ……」
ディファラスは鼻で笑う。槍はディファラスの目の前でどこかに吸い込まれるようにして消えた。
「少し話をしないか?」
「時間稼ぎのつもり?槍で私を殺そうってこんたんだろうけど、生憎、私には通用しないわよ。」
「時間稼ぎ?俺は純粋に話がしたいだけなんだがな。敵というだけでこうも信用されないとは……」
「敵を信用する奴がいるとでも?」
「確かに、お前の言う通りだ。まあ、これだけ話せれば十分だ。」
椿の背後から槍が飛び出してくる。
「おや、避けないのか?」
椿の腹部から槍の切っ先が突き出る。
「避ける必要なんてないわ。」
椿は槍を引き抜くと地面に捨てる。
「さーてと、反撃の時間ね。」
椿は笑みを浮かべるとディファラスに接近する。
(っ?!……速い!)
椿は自分の怪我などお構いなしにディファラスに攻撃を行う。
「そんなに動いたら出血死するぞ。安静にしたらどうだ?」
ディファラスは椿の攻撃を躱しながら耳元で囁く。
「あんたにそんなことを言われる筋合いはない。」
椿は薙刀を翻して勢いよく振り上げる。切っ先がディファラスの前髪に触れる。
(近い……距離が縮まっているのか。)
ディファラスは椿の背後に周り距離をとる。椿は追うように振り返って薙刀を振る。薙刀がディファラスの二の腕を斬り裂く。
(こいつ?!確実に攻撃を当てにきている……)
「遅い!」
「はっ?!」
ディファラスが瞬きをした直後、椿はディファラスの背中に大きな切り傷を与える。
(反応……できない?!)
「この……」
ディファラスは椿の背後に移動して奇襲を仕掛ける。しかして椿は見抜いてるかのように攻撃を防ぐ。
「時間を止めたって無駄よ。あんたの動きは全て把握している。どこから来るかも全てお見通し。」
椿は薙刀を振り、ディファラスの首を狙う。刃は別の空間に繋がり、椿の首の後ろに現れる。椿は刃翻して逆に振るう。
「なっ……」
椿は隙を見て急接近する。
「さっきのまでの威勢はどこに行ったのやら……まっ、そのほうが静かでいいわ。」
椿は薙刀をディファラスの首に突きつける。
「動いたら死ぬわよ。」
「ほう、それは面白い。ハッタリではないことを願おう。」
「だが……」
ディファラスは不敵な笑みを浮かべる。その直後、椿の胸をナイフが貫く。
「俺の武器が槍だけだと思わないことだな。」
「あ……心臓をやったか。まあこれには慣れてないからね。仕方ないか。」
椿は血を拭いながら口角をあげる。
「何がおかしい?」
「ようやく隙を見せたわね。あんたも私と同じ目に合うといいわ。」
「何を言って……」
ディファラスは痛みを感じる。視線を落とすと薙刀の刃が胸から突き出ていた。
「これは……どういうことだ?」
「残念。その私はフェイク。マリオネットってやつよ。」
ディファラスの背後から椿が語りかける。
「マリオネット………いつから入れ替わっていた?」
「いつからって……最初から。」
「何?」
「あんたが私を連れ去った。あの時あんたは私の分身を連れて行ってくれた。あとは私が遠隔で操作すればいいだけ。だけど……」
椿はディファラスの周りをゆっくり歩く。
「さっき言ったように、私は分身を操るのが得意じゃない。こんな感じに心臓を貫かれて終わりよ。まっ、あんたを油断させるくらいなら余裕だったけど。」
「なぜ自分で戦わない?怖いのか?」
「怖い?まさか。これはハンデよ。私が普通に戦ったら、あんたを完膚なきまでにボコボコにすることになるからに決まってるでしょ。」
椿は高圧的な態度をとる。
「それに、私は格下の相手に対しては分身を使うって決めてるの。無駄な消耗はしたくないからね。」
「格下、か。そこまで俺を見下す奴がいるとはな。」
「実際そうだもん。あんたなんか、赤子の手をひねるくらいに簡単に殺せるわ。」
椿は分身を消すと、薙刀を回収してディファラスに向ける。
「で……その懐にあるものは使わないの?」
「懐にあるもの?なんだそれは?」
「この感じは……"竜の心臓"ね。」
椿の言葉にディファラスは鼻を鳴らす。
「まさかバレてるとはな。これのことだろ?」
ディファラスは服の内側から竜の心臓を取り出す。
「あんたが次にどう動くかなんかわかっている。使うなら早くしなさい。」
椿は龍の心臓を使うように急かす。
「言われなくとも……」
ディファラスは竜の心臓に魔力を込める。心臓は徐々に赤く光っていく。
「ふふふふっ、はっはっはっはっ!これで、全てを破壊する!」
ディファラスの姿は巨大な竜に変わっていく。
「ふははははっ!どうだ!これが竜の心臓の力だ!」
ディファラスは天に向かって吠える。
「はぁ……やっぱり、醜い力ね。」
椿は額に手を当ててため息をつく。
「醜いだと?俺からすればお前はちっぽけな存在でしかないな。」
「へぇ……じゃあ1つ聞かせてもらうわ。」
「言ってみろ。」
椿は腕を組んで挑発するように質問する。
「あんたは、そんなもので神に勝てると思うの?」
「神に……勝つ?何を言うかと思えば……くくくっ、そんなふざけたことを言い出すとはな。」
ディファラスはバカにするような笑い声をあげる。
「そもそも、神が存在するとでも言うのか?」
「そう……神の存在を信じないのね。なら……」
椿は深呼吸すると、体勢を低くする。
「私が神の力を再現してあげる。」
「あぁそうかそうか。どうやらお前は死にたいようだな!」
ディファラスは椿の頭上から自身の拳を勢いよく振り下ろす。衝撃で巨大な水しぶきができる。
「くっ……」
ディファラスは右腕に痛みを感じる。右腕には椿がつけたであろう傷が幾つもついていた。
「どこだ!姿を現せ!」
「私の姿も見えないの?」
椿はディファラスの肩に座って語りかける。
「そこか!」
ディファラスは肩に掴みかかるが、またもや姿を消している。
「今度はどこに……」
ディファラスが椿を探していると、上空から気配を感じる。
「てめぇは俺を探せばいいんだよ!」
コンパルゴが上空から急降下してディファラスの頭部を殴りつける。
「がっ…?!」
ディファラスは衝撃に耐えきれず海面に手をつく。
「言われた通り、雑魚は潰したぞ。」
「よくやった。後はこいつをどうにかすればいいだけだ。」
ディファラスはゆっくりと体を起こし、2人を見下ろす。
「コンパルゴ……お前は敵にそいつらに加勢すると言うのか?」
「別に仲間になったわけじゃねえ。目的が同じなだけだ。」
コンパルゴはディファラスに対して苛立ちを見せる。
「はぁ……仕方ない、敵となるのなら容赦はしない。」
ディファラスは魔力を辺りに放出する。空中や海面にヒビが入る。
「なるほど……空間を歪ませる気か。」
海面のヒビが広がり裂け目ができる。裂け目の先には空が見えた。
「どうなってやがる……」
辺りに無数の裂け目が開く。裂け目の先にはそれぞれ別の景色が広がっている。
「空間を無理やり繋げたか。気をつけろ、どこから攻撃がくるか分からない。」
「なるほどな。なら、あいつを倒せば消えるだろ!」
コンパルゴは海面を蹴り、ディファラスに殴りかかる。
「あの馬鹿……いや、そのまま行け。」
椿は何かを閃く。コンパルゴはディファラスの腕にしがみつく。
「自分から死にに来るとはな。」
「うるせえ。てめぇを殺せるならどんな手段だろうと使ってやるよ。半獣のお陰で怪我はすぐに再生するからな!」
コンパルゴはディファラスの腕に手を突き刺す。
「貴様?!なんの真似だ!」
ディファラスは腕を振ってコンパルゴを振り払おうとする。
「何って……お前の血管を探してんだよ。」
「血管を?気でも狂ったのか?」
「悪いな。元から狂ってるぜ。」
コンパルゴは狂気に満ちた笑みを浮かべる。
(こいつ………正気じゃないな。)
ディファラスはコンパルゴを反対の手で掴んで引き剥がそうとする。
「てめぇに引っ張られたぐらいで……俺が引き下がると思うなよ!」
コンパルゴはディファラスの肉を掴んで必死に堪える。
「ぐっ……うぅぅっ……」
「どうだ痛いか?いくらでかい奴でも、内側を傷つけられたら痛いよなぁ!」
ディファラスは痛みで手を離す。その隙にコンパルゴは内側を漁る。漁っていると、管のようなものに手が触れる。
(お、これか?)
コンパルゴは管に何かを埋め込むと、手を引き抜いてすぐに海面に飛び降りる。
「はぁ……はぁ……貴様……何を入れた?」
「はっ……てめぇが作った毒薬だ。アメリカで散々ばら撒いただろ?」
「……どこでそれを?」
「実はちょっと残してたんだよね~。姉御に指示されたからな。「少し残しておけ」って。」
「あいつがそんなことを言うとはな……俺を信用しきっていなかったか。」
「まさか……こんな形で役に立つとは思ってなかったぜ。」
ディファラスは体に違和感を感じる。毒薬が効いているようだ。ディファラスに薬が効いているのはコンパルゴにもわかった。
「どうだぁ?自分で作った薬に苦しめられる感覚は。」
「こうなるのなら抗体を作っておくべきだったか………しかし、お前がここまで用意周到とは思わなかったな。血管に埋め込むのも事前に練っていたのか?」
「いいや、さっき考えたことだ。普通にぶつけても意味ないと思ったからな。」
(頭の回転が速いな。あいつは考えるのが嫌いなはずだ。そうか……)
ディファラスは鼻を鳴らすと自身気にコンパルゴを見下ろす。
「お前は怒っているんだな。」
「お前に対しての感情なんか、怒り以外ありゃしねえよ。」
コンパルゴは指をポキポキと鳴らす。
「そうか。ならこれでどうだ?」
ディファラスは海面から水を裂け目に向かって放つ。
「ちっ、この攻撃は……」
「そうだ、お前が尊敬する姉御のものだ。自分の尊敬する者の攻撃を利用されるのはどうだ?」
コンパルゴは目を見開いて歯を食いしばる。
「貴様……」
コンパルゴは凄まじい殺意を覚える。
「……息の根を止めてやる。」
「ふっ……残念だが、それは不可能だ。」
コンパルゴの背後から裂け目を通じて水流が襲いかかる。
「お前は結局、これが限界なんだ。」
水流はコンパルゴを呑み込んで海に戻る。
「さて、ニグレード様の元に戻るとするか。」
(そういえば、1人忘れているような……どこに行った?)
ディファラスは背後に何者かの気配を感じる。振り返ると、コンパルゴを片手に持った椿が宙に浮いていた。
「危ねぇ、助かったぜ。」
「あんたを死なせるわけにはいかない。まだ働いてもらうつもりだ。それに……」
椿は海面に巨大な魔法陣を生成する。
「あんたのお陰で準備ができた。さっ、気張りなさい。あいつを倒すよ。」
魔法陣は怪しい光を放ち始める。ディファラスは一目で危険だとわかった。翼を広げ、宙へと羽ばたく。
「逃げようとしても無駄よ。一度この魔法陣の範囲に入ったら絶対に逃げることはできない。」
「しかしこれほどの魔法だ。魔力の消費も相当だろう?」
「それは違う。これだけ大きくても魔力の消費は少量程度だ。あんたがでかいから仕方なく大きくしただけよ。」
ディファラスは戸惑ったような表情を見せる。魔法陣は小さな街なら覆い尽くせるほどに巨大だ。これほどの魔法陣を作ろうと思ったら膨大な魔力が必要となる。ディファラス自身、これほどの魔法陣を作れないわけではないが、自身の魔力の3割ほどを消費することになる。その魔力を少量と言う椿の底の知れなさに内心焦っているのだ。
「……化け物め。」
「ふん、よく言われるわ。」
魔法陣から無数の光線が放たれディファラスを蜂の巣にする。
「……なあ……お前は本当に人間なのか?俺には到底信じられないんだが……」
「……話せば長くなる。」
椿は海面にゆっくりと降り立つ。ディファラスは人の姿に戻り海面に膝をついている。椿はディファラスの襟を掴むとコンパルゴに突き出す。
「こいつを殺すなりいたぶるなり好きにしていいわよ。復讐したいんでしょ?」
「あぁそうだな。でも……なんか冷めた。こいつを見てると、復讐する気が起きねえ。」
ディファラスは逃げようとするが魔法を使うことができない。
「魔力は全部捨てたわよ。さっきの魔法は相手を攻撃しつつ、魔力を貪り尽くす。魔力切れでその疲労具合……もはや抵抗することはできない。」
椿がディファラスを離すと、コンパルゴはディファラスの胸ぐらを掴む。
「そだ。椿だったか?俺と取引をしないか?」
「取引?今の状況で?」
「いやすまん、取引じゃないな。これは契約だな。」
「ほう……言ってみろ。」
コンパルゴは空いている手を腰にあてる。
「俺の罪を許してくれないか?その代わり、俺は今後、お前ら魔道士と行動しよう。もし俺が、お前らに背くようなことがあったらすぐに殺して構わねえ。どうだ?」
椿はしばらく黙り込んで考える。
「ふっ…面白い。だが、もう1つ条件をつけたら許可しよう。」
「どんな条件だ?」
「ん?自分で決めないのか?」
「俺にはこれ以上考えられねえ。」
「そうか、なら遠慮なく。」
椿はすぅ、と息を吸うとゆっくりと喋りだす。
「お前は、私が死ぬまで、私の命令に絶対に従え。」
「え?」
コンパルゴは驚きのあまり、しばらくひたすら「え?」、と繰り返した。
「そういうことだ。ではお前の契約を承諾しよう。まずは手始めに……」
椿はディファラスを指差す。
「そいつを私に代わって殺せ。だがその前に……」
椿はディファラスの靴を片方奪い取る。
「お前……なんの真似だ?俺の靴を取ってなんになる?」
「これをあんたの主に渡してあげる。あんたの遺留品としてね。」
「お前……悪魔か?」
「人の物を返すのは当たり前でしょ?」
椿はディファラスの髪を掴む。
「私は仲間には情に厚いけど、敵には容赦しないの。どんなに非情な手段だろうと躊躇なく行うわ。異常に見えるけど、あんたみたいに仲間を傷つける奴よりかはマシよ。」
椿は髪を離すと靴を持って背を向ける。
「じゃあ殺したらこっちに来てね。私はこれを磨いておくわ。」
「なんのために磨くんだよ?」
「新品同然にして渡してやるつもりよ。」
椿は意気揚々として靴を磨き始める。
(怖っ………頭のネジ外れてんのか?)
「で、何か言いたいことはあるか?」
コンパルゴはディファラスを海面に倒して話しかける。
「……醜だな。俺を殺してもシアンは帰ってこない。お前も所詮は、人間でしかないというわけだ。」
「へっ、お前みたいに、人間なのに心を捨てた奴よりかはマシだ。」
「……殺したぞ。」
「そう、ご苦労。」
椿は空間に魔力を注ぐ。目の前に裂け目ができる。
「行くよ、ついて来なさい。」
コンパルゴは椿について行き裂け目に入る。
「ここは太平洋の別の場所だ。」
ディファラスは腕を組みながら椿に歩み寄る。
「ニグレード様の命令でお前を殺す。あの方が言うには、お前を生かしておくことはできないらしいからな。」
「殺す、ねえ。やってみる?」
椿は指を動かして挑発する。
「ふっ、俺を前にしてここまで余裕を保っている奴は初めてだ。」
「当然よ。だって……」
椿は髪を手で払う。
「私が勝つんだもん。結果を見れば明らかよ。」
「結果を見る、か。なるほど、お前は未来視を使えるのか。」
「へぇ……禁術を知っているなんてね。そういうあんたはさっき空間を歪めたわね。禁術の1つ、空間干渉を持っているか。私の相手ならそれぐらいが丁度いいかもしれない。」
椿は笑みを浮かべる。
「話しているだけ時間の無駄だ。すぐに終わらせる。」
ディファラスは姿を消す。
「すぅ……そこ。」
椿は自身の左側に薙刀を振る。途中で何かに当たる音がした。ディファラスは再び目の前に現れる。
「あ?ん?」
ディファラスは困惑しているような様子を見せる。
(なんだ今の音は?俺に触れたわけでもない。咄嗟に逃げたが、なんだったんだ?)
「どうしたの?まさか休憩?」
「まさかな。少々手違いがあっただけだ。まあすぐに解決するがな。」
(ふぅ……しかし、体が重いな。力を封じられている感じだ。ならば……)
ディファラスは椿目掛けて槍を投げる。
「武器を捨てるとは……血迷ったか!」
椿は槍を弾くと、手にとってディファラスに投げつける。
「ふっ……」
ディファラスは鼻で笑う。槍はディファラスの目の前でどこかに吸い込まれるようにして消えた。
「少し話をしないか?」
「時間稼ぎのつもり?槍で私を殺そうってこんたんだろうけど、生憎、私には通用しないわよ。」
「時間稼ぎ?俺は純粋に話がしたいだけなんだがな。敵というだけでこうも信用されないとは……」
「敵を信用する奴がいるとでも?」
「確かに、お前の言う通りだ。まあ、これだけ話せれば十分だ。」
椿の背後から槍が飛び出してくる。
「おや、避けないのか?」
椿の腹部から槍の切っ先が突き出る。
「避ける必要なんてないわ。」
椿は槍を引き抜くと地面に捨てる。
「さーてと、反撃の時間ね。」
椿は笑みを浮かべるとディファラスに接近する。
(っ?!……速い!)
椿は自分の怪我などお構いなしにディファラスに攻撃を行う。
「そんなに動いたら出血死するぞ。安静にしたらどうだ?」
ディファラスは椿の攻撃を躱しながら耳元で囁く。
「あんたにそんなことを言われる筋合いはない。」
椿は薙刀を翻して勢いよく振り上げる。切っ先がディファラスの前髪に触れる。
(近い……距離が縮まっているのか。)
ディファラスは椿の背後に周り距離をとる。椿は追うように振り返って薙刀を振る。薙刀がディファラスの二の腕を斬り裂く。
(こいつ?!確実に攻撃を当てにきている……)
「遅い!」
「はっ?!」
ディファラスが瞬きをした直後、椿はディファラスの背中に大きな切り傷を与える。
(反応……できない?!)
「この……」
ディファラスは椿の背後に移動して奇襲を仕掛ける。しかして椿は見抜いてるかのように攻撃を防ぐ。
「時間を止めたって無駄よ。あんたの動きは全て把握している。どこから来るかも全てお見通し。」
椿は薙刀を振り、ディファラスの首を狙う。刃は別の空間に繋がり、椿の首の後ろに現れる。椿は刃翻して逆に振るう。
「なっ……」
椿は隙を見て急接近する。
「さっきのまでの威勢はどこに行ったのやら……まっ、そのほうが静かでいいわ。」
椿は薙刀をディファラスの首に突きつける。
「動いたら死ぬわよ。」
「ほう、それは面白い。ハッタリではないことを願おう。」
「だが……」
ディファラスは不敵な笑みを浮かべる。その直後、椿の胸をナイフが貫く。
「俺の武器が槍だけだと思わないことだな。」
「あ……心臓をやったか。まあこれには慣れてないからね。仕方ないか。」
椿は血を拭いながら口角をあげる。
「何がおかしい?」
「ようやく隙を見せたわね。あんたも私と同じ目に合うといいわ。」
「何を言って……」
ディファラスは痛みを感じる。視線を落とすと薙刀の刃が胸から突き出ていた。
「これは……どういうことだ?」
「残念。その私はフェイク。マリオネットってやつよ。」
ディファラスの背後から椿が語りかける。
「マリオネット………いつから入れ替わっていた?」
「いつからって……最初から。」
「何?」
「あんたが私を連れ去った。あの時あんたは私の分身を連れて行ってくれた。あとは私が遠隔で操作すればいいだけ。だけど……」
椿はディファラスの周りをゆっくり歩く。
「さっき言ったように、私は分身を操るのが得意じゃない。こんな感じに心臓を貫かれて終わりよ。まっ、あんたを油断させるくらいなら余裕だったけど。」
「なぜ自分で戦わない?怖いのか?」
「怖い?まさか。これはハンデよ。私が普通に戦ったら、あんたを完膚なきまでにボコボコにすることになるからに決まってるでしょ。」
椿は高圧的な態度をとる。
「それに、私は格下の相手に対しては分身を使うって決めてるの。無駄な消耗はしたくないからね。」
「格下、か。そこまで俺を見下す奴がいるとはな。」
「実際そうだもん。あんたなんか、赤子の手をひねるくらいに簡単に殺せるわ。」
椿は分身を消すと、薙刀を回収してディファラスに向ける。
「で……その懐にあるものは使わないの?」
「懐にあるもの?なんだそれは?」
「この感じは……"竜の心臓"ね。」
椿の言葉にディファラスは鼻を鳴らす。
「まさかバレてるとはな。これのことだろ?」
ディファラスは服の内側から竜の心臓を取り出す。
「あんたが次にどう動くかなんかわかっている。使うなら早くしなさい。」
椿は龍の心臓を使うように急かす。
「言われなくとも……」
ディファラスは竜の心臓に魔力を込める。心臓は徐々に赤く光っていく。
「ふふふふっ、はっはっはっはっ!これで、全てを破壊する!」
ディファラスの姿は巨大な竜に変わっていく。
「ふははははっ!どうだ!これが竜の心臓の力だ!」
ディファラスは天に向かって吠える。
「はぁ……やっぱり、醜い力ね。」
椿は額に手を当ててため息をつく。
「醜いだと?俺からすればお前はちっぽけな存在でしかないな。」
「へぇ……じゃあ1つ聞かせてもらうわ。」
「言ってみろ。」
椿は腕を組んで挑発するように質問する。
「あんたは、そんなもので神に勝てると思うの?」
「神に……勝つ?何を言うかと思えば……くくくっ、そんなふざけたことを言い出すとはな。」
ディファラスはバカにするような笑い声をあげる。
「そもそも、神が存在するとでも言うのか?」
「そう……神の存在を信じないのね。なら……」
椿は深呼吸すると、体勢を低くする。
「私が神の力を再現してあげる。」
「あぁそうかそうか。どうやらお前は死にたいようだな!」
ディファラスは椿の頭上から自身の拳を勢いよく振り下ろす。衝撃で巨大な水しぶきができる。
「くっ……」
ディファラスは右腕に痛みを感じる。右腕には椿がつけたであろう傷が幾つもついていた。
「どこだ!姿を現せ!」
「私の姿も見えないの?」
椿はディファラスの肩に座って語りかける。
「そこか!」
ディファラスは肩に掴みかかるが、またもや姿を消している。
「今度はどこに……」
ディファラスが椿を探していると、上空から気配を感じる。
「てめぇは俺を探せばいいんだよ!」
コンパルゴが上空から急降下してディファラスの頭部を殴りつける。
「がっ…?!」
ディファラスは衝撃に耐えきれず海面に手をつく。
「言われた通り、雑魚は潰したぞ。」
「よくやった。後はこいつをどうにかすればいいだけだ。」
ディファラスはゆっくりと体を起こし、2人を見下ろす。
「コンパルゴ……お前は敵にそいつらに加勢すると言うのか?」
「別に仲間になったわけじゃねえ。目的が同じなだけだ。」
コンパルゴはディファラスに対して苛立ちを見せる。
「はぁ……仕方ない、敵となるのなら容赦はしない。」
ディファラスは魔力を辺りに放出する。空中や海面にヒビが入る。
「なるほど……空間を歪ませる気か。」
海面のヒビが広がり裂け目ができる。裂け目の先には空が見えた。
「どうなってやがる……」
辺りに無数の裂け目が開く。裂け目の先にはそれぞれ別の景色が広がっている。
「空間を無理やり繋げたか。気をつけろ、どこから攻撃がくるか分からない。」
「なるほどな。なら、あいつを倒せば消えるだろ!」
コンパルゴは海面を蹴り、ディファラスに殴りかかる。
「あの馬鹿……いや、そのまま行け。」
椿は何かを閃く。コンパルゴはディファラスの腕にしがみつく。
「自分から死にに来るとはな。」
「うるせえ。てめぇを殺せるならどんな手段だろうと使ってやるよ。半獣のお陰で怪我はすぐに再生するからな!」
コンパルゴはディファラスの腕に手を突き刺す。
「貴様?!なんの真似だ!」
ディファラスは腕を振ってコンパルゴを振り払おうとする。
「何って……お前の血管を探してんだよ。」
「血管を?気でも狂ったのか?」
「悪いな。元から狂ってるぜ。」
コンパルゴは狂気に満ちた笑みを浮かべる。
(こいつ………正気じゃないな。)
ディファラスはコンパルゴを反対の手で掴んで引き剥がそうとする。
「てめぇに引っ張られたぐらいで……俺が引き下がると思うなよ!」
コンパルゴはディファラスの肉を掴んで必死に堪える。
「ぐっ……うぅぅっ……」
「どうだ痛いか?いくらでかい奴でも、内側を傷つけられたら痛いよなぁ!」
ディファラスは痛みで手を離す。その隙にコンパルゴは内側を漁る。漁っていると、管のようなものに手が触れる。
(お、これか?)
コンパルゴは管に何かを埋め込むと、手を引き抜いてすぐに海面に飛び降りる。
「はぁ……はぁ……貴様……何を入れた?」
「はっ……てめぇが作った毒薬だ。アメリカで散々ばら撒いただろ?」
「……どこでそれを?」
「実はちょっと残してたんだよね~。姉御に指示されたからな。「少し残しておけ」って。」
「あいつがそんなことを言うとはな……俺を信用しきっていなかったか。」
「まさか……こんな形で役に立つとは思ってなかったぜ。」
ディファラスは体に違和感を感じる。毒薬が効いているようだ。ディファラスに薬が効いているのはコンパルゴにもわかった。
「どうだぁ?自分で作った薬に苦しめられる感覚は。」
「こうなるのなら抗体を作っておくべきだったか………しかし、お前がここまで用意周到とは思わなかったな。血管に埋め込むのも事前に練っていたのか?」
「いいや、さっき考えたことだ。普通にぶつけても意味ないと思ったからな。」
(頭の回転が速いな。あいつは考えるのが嫌いなはずだ。そうか……)
ディファラスは鼻を鳴らすと自身気にコンパルゴを見下ろす。
「お前は怒っているんだな。」
「お前に対しての感情なんか、怒り以外ありゃしねえよ。」
コンパルゴは指をポキポキと鳴らす。
「そうか。ならこれでどうだ?」
ディファラスは海面から水を裂け目に向かって放つ。
「ちっ、この攻撃は……」
「そうだ、お前が尊敬する姉御のものだ。自分の尊敬する者の攻撃を利用されるのはどうだ?」
コンパルゴは目を見開いて歯を食いしばる。
「貴様……」
コンパルゴは凄まじい殺意を覚える。
「……息の根を止めてやる。」
「ふっ……残念だが、それは不可能だ。」
コンパルゴの背後から裂け目を通じて水流が襲いかかる。
「お前は結局、これが限界なんだ。」
水流はコンパルゴを呑み込んで海に戻る。
「さて、ニグレード様の元に戻るとするか。」
(そういえば、1人忘れているような……どこに行った?)
ディファラスは背後に何者かの気配を感じる。振り返ると、コンパルゴを片手に持った椿が宙に浮いていた。
「危ねぇ、助かったぜ。」
「あんたを死なせるわけにはいかない。まだ働いてもらうつもりだ。それに……」
椿は海面に巨大な魔法陣を生成する。
「あんたのお陰で準備ができた。さっ、気張りなさい。あいつを倒すよ。」
魔法陣は怪しい光を放ち始める。ディファラスは一目で危険だとわかった。翼を広げ、宙へと羽ばたく。
「逃げようとしても無駄よ。一度この魔法陣の範囲に入ったら絶対に逃げることはできない。」
「しかしこれほどの魔法だ。魔力の消費も相当だろう?」
「それは違う。これだけ大きくても魔力の消費は少量程度だ。あんたがでかいから仕方なく大きくしただけよ。」
ディファラスは戸惑ったような表情を見せる。魔法陣は小さな街なら覆い尽くせるほどに巨大だ。これほどの魔法陣を作ろうと思ったら膨大な魔力が必要となる。ディファラス自身、これほどの魔法陣を作れないわけではないが、自身の魔力の3割ほどを消費することになる。その魔力を少量と言う椿の底の知れなさに内心焦っているのだ。
「……化け物め。」
「ふん、よく言われるわ。」
魔法陣から無数の光線が放たれディファラスを蜂の巣にする。
「……なあ……お前は本当に人間なのか?俺には到底信じられないんだが……」
「……話せば長くなる。」
椿は海面にゆっくりと降り立つ。ディファラスは人の姿に戻り海面に膝をついている。椿はディファラスの襟を掴むとコンパルゴに突き出す。
「こいつを殺すなりいたぶるなり好きにしていいわよ。復讐したいんでしょ?」
「あぁそうだな。でも……なんか冷めた。こいつを見てると、復讐する気が起きねえ。」
ディファラスは逃げようとするが魔法を使うことができない。
「魔力は全部捨てたわよ。さっきの魔法は相手を攻撃しつつ、魔力を貪り尽くす。魔力切れでその疲労具合……もはや抵抗することはできない。」
椿がディファラスを離すと、コンパルゴはディファラスの胸ぐらを掴む。
「そだ。椿だったか?俺と取引をしないか?」
「取引?今の状況で?」
「いやすまん、取引じゃないな。これは契約だな。」
「ほう……言ってみろ。」
コンパルゴは空いている手を腰にあてる。
「俺の罪を許してくれないか?その代わり、俺は今後、お前ら魔道士と行動しよう。もし俺が、お前らに背くようなことがあったらすぐに殺して構わねえ。どうだ?」
椿はしばらく黙り込んで考える。
「ふっ…面白い。だが、もう1つ条件をつけたら許可しよう。」
「どんな条件だ?」
「ん?自分で決めないのか?」
「俺にはこれ以上考えられねえ。」
「そうか、なら遠慮なく。」
椿はすぅ、と息を吸うとゆっくりと喋りだす。
「お前は、私が死ぬまで、私の命令に絶対に従え。」
「え?」
コンパルゴは驚きのあまり、しばらくひたすら「え?」、と繰り返した。
「そういうことだ。ではお前の契約を承諾しよう。まずは手始めに……」
椿はディファラスを指差す。
「そいつを私に代わって殺せ。だがその前に……」
椿はディファラスの靴を片方奪い取る。
「お前……なんの真似だ?俺の靴を取ってなんになる?」
「これをあんたの主に渡してあげる。あんたの遺留品としてね。」
「お前……悪魔か?」
「人の物を返すのは当たり前でしょ?」
椿はディファラスの髪を掴む。
「私は仲間には情に厚いけど、敵には容赦しないの。どんなに非情な手段だろうと躊躇なく行うわ。異常に見えるけど、あんたみたいに仲間を傷つける奴よりかはマシよ。」
椿は髪を離すと靴を持って背を向ける。
「じゃあ殺したらこっちに来てね。私はこれを磨いておくわ。」
「なんのために磨くんだよ?」
「新品同然にして渡してやるつもりよ。」
椿は意気揚々として靴を磨き始める。
(怖っ………頭のネジ外れてんのか?)
「で、何か言いたいことはあるか?」
コンパルゴはディファラスを海面に倒して話しかける。
「……醜だな。俺を殺してもシアンは帰ってこない。お前も所詮は、人間でしかないというわけだ。」
「へっ、お前みたいに、人間なのに心を捨てた奴よりかはマシだ。」
「……殺したぞ。」
「そう、ご苦労。」
椿は空間に魔力を注ぐ。目の前に裂け目ができる。
「行くよ、ついて来なさい。」
コンパルゴは椿について行き裂け目に入る。
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