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【第17章 海上の闘争】
第3節 戦場 優劣
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辺りに静寂が走る。
「嘘をつくな。どうせ逃げてきたのだろう?」
「逃げる?時間と空間を操る奴からどうやって?」
「あーそうだ。こいつをやるよ。」
コンパルゴはニグレードに向かって何かを投げる。
「これは……靴?」
「ディファラスのやつだ。これだけ残ったからな。遺留品としてお前に返してやるよ。」
ニグレードは靴を投げ捨てる。
「いらん。奴も人間だ、いつか死ぬのはわかっていた。人間の力では限界があるからな。」
「ふーん、あいつが死んだわりに随分と余裕があるみたいね。まだ何か隠してるの?」
「いいや。人間程度、失ったところで何も変わらない。よって、影響はない。」
周囲に魔獣が集まってくる。水中から現れる魔獣が多い。
「なるほどね。始めから隠れていたわけか。」
「そう関心してる場合か?来るぞ!」
魔獣の群れは一斉に襲いかかってくる。
「おや?とうやら、武器を向ける必要はないみたいだ。」
春蘭が武器を納めた直後、魔獣の大群が一斉に消滅する。
「あれは………鎌?!」
魔獣の背後には巨大な禍々しい鎌が見えた。魔力でできているようだ。
「ふぅ……まとまってくれたから一掃できるわね。」
ガーネットは鎌を元に戻すと、次々と魔獣を斬り裂いて突き進む。
「サーミル、遅れないでよ。」
「あなたとは長い付き合いだ。足を引っ張ったりはしない。」
サーミルはガーネットの狩り残しを処理しながらついて行く。
「若者は元気ですねえ。」
「そう言う君も、まだ力を隠しているだろう?」
「やれやれ、あなたに隠し事はできませんね。」
アーロンドは宙を飛んでニグレードに向かって移動する。下から魔獣が攻めてくる。
「ここは私に任せたまえ。倒したらすぐに追いつく。」
ソールは光線を放って魔獣を攻撃する。
「私が遠くに行く前に倒しそうなんですが……」
アーロンドはそう言い残して先へと進む。先に進んでいたガーネットたちの後ろ姿が見えた。左右からも仲間が集まってきている。
「おや皆さん。魔獣の討伐は?」
「左側は一通り片付いたよ。」
「右もだ。」
「そっちはどうでしたぁ?隊長はちゃんと役に立ちましたかぁ?」
「それは私が聞きたいな、伊馬真木。」
「君たち、こんなところで固まってどうした?先に進まないのか?」
全員が話しているところにソールが合流する。
「状況の整理をしていただけですよ。他の場所の状況が分からなければ上手く戦えないもので。」
「ふむ、君はそうは見えないが。それに、イギリスの2人はすでに進んでいる。」
「まあこのことは忘れて進みましょう。先頭部隊の者たちが待っています。」
アーロンドの言葉に急かされ、全員はその場から動き出す。
「ニグレード、今の状況は私たちが優勢だ。それでも尚、余裕があると言えるのか?」
椿はニグレードに問いかける。
「当たり前だろ、俺だけで十分だ。かつてもそうして、世界を危機に追いやった。」
「本当か?お前からはそれほどの力を持っているとは思えないが?」
「そりゃそうだ。仮の肉体を使っているからな。それでも、ここまで再現できているのは俺としても意外だぜ。」
「まさか……今まで本気ではなかったと言うのか?!」
天垣はニグレードに向かって叫ぶ。
「当たり前だ。そもそも俺は、戦争を好まない。だがお前らは俺を滅ぼそうとする。仕方なく戦っているだけだ。」
(妙ね。こいつを見てると、どうも人間らしく見える……)
「滅ぼそうとする、か。それは、お前が魔獣を生み出しているからだ!」
椿は自身の背後に魔法陣を生成し、ニグレードに攻撃を行う。椿の攻撃に続くように、他の団員も魔法で攻撃を行う。
「はぁ……お前らもそうなのか。お前らも……俺から自由を奪うのか……」
ニグレードの体から黒い炎が溢れ出す。
「っ!総員、下がれ!」
椿は全員に退避するよう指示する。その直後、溢れていた黒い炎がニグレードを中心に収束する。
「何も……起こらない?」
「下がれ天垣。絶対に、結界からでるなよ。」
椿は全員を囲うように結界を生成する。ニグレードに集まった黒い炎が一気に放たれる。黒い炎は海上を覆い尽くし魔獣を一掃する。
「自分で仲間を……」
「いや……様子が変だ!」
塵になった魔獣はニグレードに吸収される。吸収されると言うより戻っていくような感じだ。
「魔獣は俺の感情から生まれる。お前らが殺すほど魔獣の力は俺に集まる。この意味がわかるな?」
「ちっ、面倒極まりない!」
椿はニグレードに薙刀を向けて一直線に突撃する。その速度は風を切るほどに速い。ニグレードは防ぐことをせず、薙刀が胸を貫く。
「自ら攻撃を受けた?!」
「あいつ、何を考えていやがる。」
「でも、今なら……」
美桜の言葉を聞いて、天垣とコンパルゴはすぐさまニグレードを攻撃しに向かう。
「くくくっ……やっと俺に近づいたか。少し焦っているようだな。」
「当然よ。なんせ、予想外の事が起きてるんだから。魔獣を殺すほど強くなるって知ってるわけないでしょ。」
「当たり前だ。異形の姿をしていようが俺の仲間だ。仲間を殺されて怒らない奴なんているのか?」
「へぇ、案外仲間には優しいんだ。ちょっと意外ね。あんたみたいなのは自分が絶対、みたいな暴君かと思ってたわ。」
ニグレードは椿から視線を逸らすと、小さな声で何かを呟く。
「暴君、ねぇ………あながち間違ってないかもな。」
「なんて?」
「なんでもねぇよ。」
ニグレードの目が怪しく光る。椿の真下の海面がぶくぶくと泡立っている。
「お前は、海の中で永遠に眠りやがれ。」
海の中から水色の巨大な蛇のような魔獣が現れ、椿を海の中に引きずり込む。
「椿!」
「遅かったな。さて、お前らの相手は俺だ。」
ニグレードが戦闘態勢に入ると同時に、体中に黒い炎を纏う。
「くっ……なんという熱量だ。今までの比ではない……」
「それってようやく本気を出したってわけだろ?むしろ燃えるだろ。」
コンパルゴは上唇を舐めて興奮したように天垣に話しかける。
「はぁ……まったく、お前は緊張が足りてないな。」
「堅くなりすぎても作戦に支障が出るだろ?」
「確かにそうだが………」
天垣はため息をつく。ニグレードは「まだか。」と言わんばかりに不満そうに様子を見ていた。
「てかどうした?お前は俺たちを攻撃しないのか?」
コンパルゴは疑問そうにニグレードに聞く。
「多数の敵を真っ向から相手にする馬鹿がどこにいる?それに、お前たちは俺が知っている人間の中でもかなり強い。尚更だ。」
「へぇへぇ、そりゃどうも。まぁそれとこれとは別だけど、な!」
コンパルゴはニグレードの顔目掛けて殴りかかる。ニグレードも対抗するように拳を向ける。2人の拳が触れた瞬間、辺りに衝撃波が駆け巡る。海面は激しく波打ち、団員の多数が吹き飛ばされる。その衝撃は海中にまで伝わった。
(水が揺れて気持ち悪いー!)
椿は水流に流されないよう必死に抵抗する。その隙を狙うように下から巨大な影が襲いかかる。
「ゴボボ?!」
椿は急いで泳いで離れると、目の前には自分を引きずり込んだ巨大な蛇のような魔獣がいた。その魔獣の腹や背にはヒレがあり、体は鱗で覆われている。口には鋭い牙があり、人間など一口で飲み込めそうなほど巨大だ。
(海の中に住む巨大な蛇のような怪物………間違いない。海の王、リヴァイアサン!)
魔獣は威嚇するようにこちらを睨む。
(上級の中でも最上位に位置する化け物じゃない……瞬時に呼ぶなんて、流石は《王》と言ったところかしら。)
リヴァイアサンは口を開けてこちらに突進してくる。
(食われれば内側から攻撃できて楽に倒せそうだけど……う~ん、その分リスクが高い。分身を使うことは……ただでさえ不慣れなのに水中でできるわけないか。まずその前に……)
リヴァイアサンを泳いで躱すと、椿は泡を生成してそこに顔を突っ込む。
「よし、これで息ができる。後は……」
リヴァイアサンが尻尾を振ってこちらに攻撃を仕掛ける。
「こんなものに当たるわけ、ない?」
尻尾に当たることはなかったが、尻尾が作り出した水流によって遠くへ押し飛ばされる。
(くそっ、水の中で戦って勝てる相手じゃない!………私以外はね。)
椿は笑みを浮かべる。まるで勝利を確信しているかのようだ。
「赤、出てきなさい。」
赤は泡の中に顔を出す。
「……狭い。」
「悪かったな。俺も水中では呼吸ができないんだ。」
「まあいいや。とりあえず、温度を上げてくれない?37℃くらい。」
「………。」
赤は精神を集中させて周りの海水の温度を上昇させる。温度が上がるたびにリヴァイアサンは苦しそうにもがき出す。
「リヴァイアサン……一見水中では無敵に見えるが、水温が高いと活動することができない。」
「知識を言う前にこいつを捌け。刺し身にしたら美味そうだ。」
「……食うつもり?」
「龍神だから食ってもどうもならんだろ。」
「残念だけどそんな時間はない。」
椿はリヴァイアサンの頭部に薙刀を突き刺す。リヴァイアサンは口を大きく開けて深場へと沈んでいった。
「さて邪魔者はいなくなった。早く戻らない……と?」
椿は深場に何かを見つける。
「何かわかる?」
「知らん。ただの黒い玉にしか見えん。」
「いや玉ではなくない?半球じゃない?」
「そういう問題ではないだろ。だがまあ、違和感はあるな。調べるか?」
椿は状況を整理して決断を出す。
「赤は海上の様子を見てきて。私1人で見に行く。美桜に伝言を頼む。」
椿は赤の頭を掴んで伝言を伝える。
「わかった、気をつけろよ。」
赤は椿から離れて海上に向かう。椿は体を上手く動かして黒いものへと泳いでいく。
「うおっ?!」
赤が顔を出した瞬間、海上を魔法が飛び交う。
「とっとと失せろ、目障りだ!」
ニグレードが放つ黒い炎は海面に亀裂を作る。優勢かに見えた状況は一変して、確実に劣勢になりつつある状態だ。
「前線を崩すな!引き下がらなければ必ず勝機は訪れる。それまで耐えるんだ!」
天垣は先頭に立って団員を鼓舞する。
「その意気はいつまで保つかな!」
ニグレードは側面から天垣を突き飛ばす。
「くっ、いつの間に後ろに……先程までとはまるで別物だ。」
天垣は脇腹を押さえる。指の隙間から血がこぼれ落ちる。ニグレードの手を見ると、黒い炎を放とうとしている。
「休んでいる暇はないか……」
ニグレードはこちらに向かって黒い炎を放つ。
「ぐっっっあぁぁぁぁ!」
天垣は武器で身を隠すが勢いに押されてしまう。
「おいおい、もう限界か?こっちはまだ出し切ってねぇぞ!」
ニグレードは炎の勢いを強める。
(くそっ、このままでは………こうなったら……)
炎は海面を覆い尽くし団員たちを呑み込む。
「……死んだか?……いや……しぶとい奴等だ。」
炎が晴れると、団員を囲うようにしてイザナミノミコトが結界を張っていた。
「神霊を切り離して加護の範囲を広げたか。最も的確な判断ではあるが、代償としてお前は深手を負った。だが自らを顧みず仲間を守った、その勇姿は称賛に値する。お前が聖人でなければ是非とも仲間に欲しかったな。」
「そう…か。……俺は…お前の中でも……かなり……評価が高いみたい…だな。」
天垣は体をゆっくりと起こしてニグレードを睨む。
「その傷、動けるのがやっとだな。もうまともに戦うことはできない。」
「まだだ。まだ……俺の命は……消えていない。」
天垣は武器をニグレードに向ける。
「それに、イザナミの加護が残っているんだ。これで戦闘不能になるほどやわじゃない。」
「あなたは一旦下がりなさい。その怪我ではすぐに殺されますよ。」
アーロンドは天垣の前に立って諭す。
「今目の前にいるのは我々にとって最大の敵。あなたがここで倒れては勝機が薄れてしまう。そのあたりを理解していただきたい。」
天垣は自分が冷静さを欠いていたことに気づく。
「すまん、俺としたことが……」
「別に気にしてませんよ。いつものことですから。」
アーロンドはやれやれといった表情をする。
「……どうなってるの?」
「知らん。見てこいとか言うなよ。」
青は美桜に最初から忠告する。
「ちぇっ……」
「てめぇ……食い殺してやろうか?」
「そうしたらあんたの主が黙ってないよ?」
「くっ……」
「何とも言えない茶番をするな。ここは戦場だぞ。」
美桜の目の前の海面から赤が顔を出す。
「どっから出できて……あれ?あの人は?」
「海の中にある黒い何かを調べに向かった。後お前に伝言を預かっている。面をかせ。」
美桜は赤の近くに顔を寄せる。
「ニグレードを肉体と分離したら応援に来い、とのことだ。お前だけだ。」
「……それだけ?」
「そんなことを聞いている場合か!それにあいつのことだ。死ぬことはないだろ。」
「それがお前の考えか。俺は何か、嫌な予感がする。」
「これは予想外のことなの?」
「椿の態度を見るに、それで間違いないだろう。それに、椿が焦っているようにも見えた。」
赤は表情を曇らせる。
「へぇ、あの女がそんなことを顔に出すとはな。珍しいこともあるもんだ。」
「今は集中しよ。」
ニグレードのほうを見ると、アーロンドと睨み合っていた。
「動かないんですか?」
「………。」
ニグレードは一言も言葉を発さない。すると目を閉じて、しばらくしてから目蓋を上げる。
「……いや、少し考え事をしていただけだ。」
「そうですかそうですか。皆さん、やっておしまいなさい。」
アーロンドが指を鳴らすと同時に、団員たちは一斉に魔法で攻撃する。
「あなたが動かないから隊列を整える余裕ができたのですよ。」
魔法は全てニグレードに命中する。
(避けない?)
アーロンドはニグレードから違和感を感じる。
「いいぜ……余裕なんかいくらでも作ってやるよ。だが自分の仲間のことを気にしたほうがいいんじゃないのか?」
嫌な予感がしたアーロンドは辺りを見渡して椿を探す。しかし椿の姿はない。
「椿はどこに?」
「あの女なら下だ。」
ニグレードは海面を指差す。
「下?海の中ですか……」
「あいつはしばらく帰ってこない。というか、帰ってこれない。」
椿は黒い何かに触れる。どうやら結界のようだ。
「入れる?」
椿は体を引っ張って黒いものの中に入る。中にはかなり広い暗闇の空間が広がっていた。
「息ができる……それに、あれは……何?」
空間の中央には玉座のような椅子に座っている少女がいる。目を瞑って寝ているように見える。その光景に椿は気味の悪さを感じる。
「生き……てる?」
椿は少女を指で突っつく。
(綺麗な銀髪ね……私も銀髪がよかった。)
少女がピクリと動いて、ゆっくりと目を開ける。
「生きてる?!」
椿はすぐに距離をとる。先程とは違い、少女から異質な気配を感じたからだ。
(さっきまで何も感じなかったのに……急になんで?)
椿は薙刀を構えて様子を伺う。少女は椿のほうを視ると、椅子から立ち上がってどこからか錫杖を取り出す。
(何をする気?)
少女は錫杖を椿に向ける。表情を一切変えず、言葉を発さない。椿が瞬きをした瞬間、黒い閃光が辺りを駆け巡る。
「っ?!」
椿は身をかがめて攻撃を避ける。攻撃によって髪が切られてしまう。
「うわぁ……もうちょっと伸ばしたかったのに。」
椿はすぐに立ち上がって少女に注目する。
(今の攻撃……ほんの僅か遅れてたら間違いなく即死だった。)
椿の頬を冷や汗がつたう。
(こいつ……一体なんなの?)
少女は戸惑っている椿の様子を見て笑みを浮かべる。言葉を発さないので余計に恐怖を煽られる。
(まあいいわ。応援が来るまでの辛抱……あいつに目にもの食らわせてやるわ。私の髪を切った罪は重いわよ!)
「嘘をつくな。どうせ逃げてきたのだろう?」
「逃げる?時間と空間を操る奴からどうやって?」
「あーそうだ。こいつをやるよ。」
コンパルゴはニグレードに向かって何かを投げる。
「これは……靴?」
「ディファラスのやつだ。これだけ残ったからな。遺留品としてお前に返してやるよ。」
ニグレードは靴を投げ捨てる。
「いらん。奴も人間だ、いつか死ぬのはわかっていた。人間の力では限界があるからな。」
「ふーん、あいつが死んだわりに随分と余裕があるみたいね。まだ何か隠してるの?」
「いいや。人間程度、失ったところで何も変わらない。よって、影響はない。」
周囲に魔獣が集まってくる。水中から現れる魔獣が多い。
「なるほどね。始めから隠れていたわけか。」
「そう関心してる場合か?来るぞ!」
魔獣の群れは一斉に襲いかかってくる。
「おや?とうやら、武器を向ける必要はないみたいだ。」
春蘭が武器を納めた直後、魔獣の大群が一斉に消滅する。
「あれは………鎌?!」
魔獣の背後には巨大な禍々しい鎌が見えた。魔力でできているようだ。
「ふぅ……まとまってくれたから一掃できるわね。」
ガーネットは鎌を元に戻すと、次々と魔獣を斬り裂いて突き進む。
「サーミル、遅れないでよ。」
「あなたとは長い付き合いだ。足を引っ張ったりはしない。」
サーミルはガーネットの狩り残しを処理しながらついて行く。
「若者は元気ですねえ。」
「そう言う君も、まだ力を隠しているだろう?」
「やれやれ、あなたに隠し事はできませんね。」
アーロンドは宙を飛んでニグレードに向かって移動する。下から魔獣が攻めてくる。
「ここは私に任せたまえ。倒したらすぐに追いつく。」
ソールは光線を放って魔獣を攻撃する。
「私が遠くに行く前に倒しそうなんですが……」
アーロンドはそう言い残して先へと進む。先に進んでいたガーネットたちの後ろ姿が見えた。左右からも仲間が集まってきている。
「おや皆さん。魔獣の討伐は?」
「左側は一通り片付いたよ。」
「右もだ。」
「そっちはどうでしたぁ?隊長はちゃんと役に立ちましたかぁ?」
「それは私が聞きたいな、伊馬真木。」
「君たち、こんなところで固まってどうした?先に進まないのか?」
全員が話しているところにソールが合流する。
「状況の整理をしていただけですよ。他の場所の状況が分からなければ上手く戦えないもので。」
「ふむ、君はそうは見えないが。それに、イギリスの2人はすでに進んでいる。」
「まあこのことは忘れて進みましょう。先頭部隊の者たちが待っています。」
アーロンドの言葉に急かされ、全員はその場から動き出す。
「ニグレード、今の状況は私たちが優勢だ。それでも尚、余裕があると言えるのか?」
椿はニグレードに問いかける。
「当たり前だろ、俺だけで十分だ。かつてもそうして、世界を危機に追いやった。」
「本当か?お前からはそれほどの力を持っているとは思えないが?」
「そりゃそうだ。仮の肉体を使っているからな。それでも、ここまで再現できているのは俺としても意外だぜ。」
「まさか……今まで本気ではなかったと言うのか?!」
天垣はニグレードに向かって叫ぶ。
「当たり前だ。そもそも俺は、戦争を好まない。だがお前らは俺を滅ぼそうとする。仕方なく戦っているだけだ。」
(妙ね。こいつを見てると、どうも人間らしく見える……)
「滅ぼそうとする、か。それは、お前が魔獣を生み出しているからだ!」
椿は自身の背後に魔法陣を生成し、ニグレードに攻撃を行う。椿の攻撃に続くように、他の団員も魔法で攻撃を行う。
「はぁ……お前らもそうなのか。お前らも……俺から自由を奪うのか……」
ニグレードの体から黒い炎が溢れ出す。
「っ!総員、下がれ!」
椿は全員に退避するよう指示する。その直後、溢れていた黒い炎がニグレードを中心に収束する。
「何も……起こらない?」
「下がれ天垣。絶対に、結界からでるなよ。」
椿は全員を囲うように結界を生成する。ニグレードに集まった黒い炎が一気に放たれる。黒い炎は海上を覆い尽くし魔獣を一掃する。
「自分で仲間を……」
「いや……様子が変だ!」
塵になった魔獣はニグレードに吸収される。吸収されると言うより戻っていくような感じだ。
「魔獣は俺の感情から生まれる。お前らが殺すほど魔獣の力は俺に集まる。この意味がわかるな?」
「ちっ、面倒極まりない!」
椿はニグレードに薙刀を向けて一直線に突撃する。その速度は風を切るほどに速い。ニグレードは防ぐことをせず、薙刀が胸を貫く。
「自ら攻撃を受けた?!」
「あいつ、何を考えていやがる。」
「でも、今なら……」
美桜の言葉を聞いて、天垣とコンパルゴはすぐさまニグレードを攻撃しに向かう。
「くくくっ……やっと俺に近づいたか。少し焦っているようだな。」
「当然よ。なんせ、予想外の事が起きてるんだから。魔獣を殺すほど強くなるって知ってるわけないでしょ。」
「当たり前だ。異形の姿をしていようが俺の仲間だ。仲間を殺されて怒らない奴なんているのか?」
「へぇ、案外仲間には優しいんだ。ちょっと意外ね。あんたみたいなのは自分が絶対、みたいな暴君かと思ってたわ。」
ニグレードは椿から視線を逸らすと、小さな声で何かを呟く。
「暴君、ねぇ………あながち間違ってないかもな。」
「なんて?」
「なんでもねぇよ。」
ニグレードの目が怪しく光る。椿の真下の海面がぶくぶくと泡立っている。
「お前は、海の中で永遠に眠りやがれ。」
海の中から水色の巨大な蛇のような魔獣が現れ、椿を海の中に引きずり込む。
「椿!」
「遅かったな。さて、お前らの相手は俺だ。」
ニグレードが戦闘態勢に入ると同時に、体中に黒い炎を纏う。
「くっ……なんという熱量だ。今までの比ではない……」
「それってようやく本気を出したってわけだろ?むしろ燃えるだろ。」
コンパルゴは上唇を舐めて興奮したように天垣に話しかける。
「はぁ……まったく、お前は緊張が足りてないな。」
「堅くなりすぎても作戦に支障が出るだろ?」
「確かにそうだが………」
天垣はため息をつく。ニグレードは「まだか。」と言わんばかりに不満そうに様子を見ていた。
「てかどうした?お前は俺たちを攻撃しないのか?」
コンパルゴは疑問そうにニグレードに聞く。
「多数の敵を真っ向から相手にする馬鹿がどこにいる?それに、お前たちは俺が知っている人間の中でもかなり強い。尚更だ。」
「へぇへぇ、そりゃどうも。まぁそれとこれとは別だけど、な!」
コンパルゴはニグレードの顔目掛けて殴りかかる。ニグレードも対抗するように拳を向ける。2人の拳が触れた瞬間、辺りに衝撃波が駆け巡る。海面は激しく波打ち、団員の多数が吹き飛ばされる。その衝撃は海中にまで伝わった。
(水が揺れて気持ち悪いー!)
椿は水流に流されないよう必死に抵抗する。その隙を狙うように下から巨大な影が襲いかかる。
「ゴボボ?!」
椿は急いで泳いで離れると、目の前には自分を引きずり込んだ巨大な蛇のような魔獣がいた。その魔獣の腹や背にはヒレがあり、体は鱗で覆われている。口には鋭い牙があり、人間など一口で飲み込めそうなほど巨大だ。
(海の中に住む巨大な蛇のような怪物………間違いない。海の王、リヴァイアサン!)
魔獣は威嚇するようにこちらを睨む。
(上級の中でも最上位に位置する化け物じゃない……瞬時に呼ぶなんて、流石は《王》と言ったところかしら。)
リヴァイアサンは口を開けてこちらに突進してくる。
(食われれば内側から攻撃できて楽に倒せそうだけど……う~ん、その分リスクが高い。分身を使うことは……ただでさえ不慣れなのに水中でできるわけないか。まずその前に……)
リヴァイアサンを泳いで躱すと、椿は泡を生成してそこに顔を突っ込む。
「よし、これで息ができる。後は……」
リヴァイアサンが尻尾を振ってこちらに攻撃を仕掛ける。
「こんなものに当たるわけ、ない?」
尻尾に当たることはなかったが、尻尾が作り出した水流によって遠くへ押し飛ばされる。
(くそっ、水の中で戦って勝てる相手じゃない!………私以外はね。)
椿は笑みを浮かべる。まるで勝利を確信しているかのようだ。
「赤、出てきなさい。」
赤は泡の中に顔を出す。
「……狭い。」
「悪かったな。俺も水中では呼吸ができないんだ。」
「まあいいや。とりあえず、温度を上げてくれない?37℃くらい。」
「………。」
赤は精神を集中させて周りの海水の温度を上昇させる。温度が上がるたびにリヴァイアサンは苦しそうにもがき出す。
「リヴァイアサン……一見水中では無敵に見えるが、水温が高いと活動することができない。」
「知識を言う前にこいつを捌け。刺し身にしたら美味そうだ。」
「……食うつもり?」
「龍神だから食ってもどうもならんだろ。」
「残念だけどそんな時間はない。」
椿はリヴァイアサンの頭部に薙刀を突き刺す。リヴァイアサンは口を大きく開けて深場へと沈んでいった。
「さて邪魔者はいなくなった。早く戻らない……と?」
椿は深場に何かを見つける。
「何かわかる?」
「知らん。ただの黒い玉にしか見えん。」
「いや玉ではなくない?半球じゃない?」
「そういう問題ではないだろ。だがまあ、違和感はあるな。調べるか?」
椿は状況を整理して決断を出す。
「赤は海上の様子を見てきて。私1人で見に行く。美桜に伝言を頼む。」
椿は赤の頭を掴んで伝言を伝える。
「わかった、気をつけろよ。」
赤は椿から離れて海上に向かう。椿は体を上手く動かして黒いものへと泳いでいく。
「うおっ?!」
赤が顔を出した瞬間、海上を魔法が飛び交う。
「とっとと失せろ、目障りだ!」
ニグレードが放つ黒い炎は海面に亀裂を作る。優勢かに見えた状況は一変して、確実に劣勢になりつつある状態だ。
「前線を崩すな!引き下がらなければ必ず勝機は訪れる。それまで耐えるんだ!」
天垣は先頭に立って団員を鼓舞する。
「その意気はいつまで保つかな!」
ニグレードは側面から天垣を突き飛ばす。
「くっ、いつの間に後ろに……先程までとはまるで別物だ。」
天垣は脇腹を押さえる。指の隙間から血がこぼれ落ちる。ニグレードの手を見ると、黒い炎を放とうとしている。
「休んでいる暇はないか……」
ニグレードはこちらに向かって黒い炎を放つ。
「ぐっっっあぁぁぁぁ!」
天垣は武器で身を隠すが勢いに押されてしまう。
「おいおい、もう限界か?こっちはまだ出し切ってねぇぞ!」
ニグレードは炎の勢いを強める。
(くそっ、このままでは………こうなったら……)
炎は海面を覆い尽くし団員たちを呑み込む。
「……死んだか?……いや……しぶとい奴等だ。」
炎が晴れると、団員を囲うようにしてイザナミノミコトが結界を張っていた。
「神霊を切り離して加護の範囲を広げたか。最も的確な判断ではあるが、代償としてお前は深手を負った。だが自らを顧みず仲間を守った、その勇姿は称賛に値する。お前が聖人でなければ是非とも仲間に欲しかったな。」
「そう…か。……俺は…お前の中でも……かなり……評価が高いみたい…だな。」
天垣は体をゆっくりと起こしてニグレードを睨む。
「その傷、動けるのがやっとだな。もうまともに戦うことはできない。」
「まだだ。まだ……俺の命は……消えていない。」
天垣は武器をニグレードに向ける。
「それに、イザナミの加護が残っているんだ。これで戦闘不能になるほどやわじゃない。」
「あなたは一旦下がりなさい。その怪我ではすぐに殺されますよ。」
アーロンドは天垣の前に立って諭す。
「今目の前にいるのは我々にとって最大の敵。あなたがここで倒れては勝機が薄れてしまう。そのあたりを理解していただきたい。」
天垣は自分が冷静さを欠いていたことに気づく。
「すまん、俺としたことが……」
「別に気にしてませんよ。いつものことですから。」
アーロンドはやれやれといった表情をする。
「……どうなってるの?」
「知らん。見てこいとか言うなよ。」
青は美桜に最初から忠告する。
「ちぇっ……」
「てめぇ……食い殺してやろうか?」
「そうしたらあんたの主が黙ってないよ?」
「くっ……」
「何とも言えない茶番をするな。ここは戦場だぞ。」
美桜の目の前の海面から赤が顔を出す。
「どっから出できて……あれ?あの人は?」
「海の中にある黒い何かを調べに向かった。後お前に伝言を預かっている。面をかせ。」
美桜は赤の近くに顔を寄せる。
「ニグレードを肉体と分離したら応援に来い、とのことだ。お前だけだ。」
「……それだけ?」
「そんなことを聞いている場合か!それにあいつのことだ。死ぬことはないだろ。」
「それがお前の考えか。俺は何か、嫌な予感がする。」
「これは予想外のことなの?」
「椿の態度を見るに、それで間違いないだろう。それに、椿が焦っているようにも見えた。」
赤は表情を曇らせる。
「へぇ、あの女がそんなことを顔に出すとはな。珍しいこともあるもんだ。」
「今は集中しよ。」
ニグレードのほうを見ると、アーロンドと睨み合っていた。
「動かないんですか?」
「………。」
ニグレードは一言も言葉を発さない。すると目を閉じて、しばらくしてから目蓋を上げる。
「……いや、少し考え事をしていただけだ。」
「そうですかそうですか。皆さん、やっておしまいなさい。」
アーロンドが指を鳴らすと同時に、団員たちは一斉に魔法で攻撃する。
「あなたが動かないから隊列を整える余裕ができたのですよ。」
魔法は全てニグレードに命中する。
(避けない?)
アーロンドはニグレードから違和感を感じる。
「いいぜ……余裕なんかいくらでも作ってやるよ。だが自分の仲間のことを気にしたほうがいいんじゃないのか?」
嫌な予感がしたアーロンドは辺りを見渡して椿を探す。しかし椿の姿はない。
「椿はどこに?」
「あの女なら下だ。」
ニグレードは海面を指差す。
「下?海の中ですか……」
「あいつはしばらく帰ってこない。というか、帰ってこれない。」
椿は黒い何かに触れる。どうやら結界のようだ。
「入れる?」
椿は体を引っ張って黒いものの中に入る。中にはかなり広い暗闇の空間が広がっていた。
「息ができる……それに、あれは……何?」
空間の中央には玉座のような椅子に座っている少女がいる。目を瞑って寝ているように見える。その光景に椿は気味の悪さを感じる。
「生き……てる?」
椿は少女を指で突っつく。
(綺麗な銀髪ね……私も銀髪がよかった。)
少女がピクリと動いて、ゆっくりと目を開ける。
「生きてる?!」
椿はすぐに距離をとる。先程とは違い、少女から異質な気配を感じたからだ。
(さっきまで何も感じなかったのに……急になんで?)
椿は薙刀を構えて様子を伺う。少女は椿のほうを視ると、椅子から立ち上がってどこからか錫杖を取り出す。
(何をする気?)
少女は錫杖を椿に向ける。表情を一切変えず、言葉を発さない。椿が瞬きをした瞬間、黒い閃光が辺りを駆け巡る。
「っ?!」
椿は身をかがめて攻撃を避ける。攻撃によって髪が切られてしまう。
「うわぁ……もうちょっと伸ばしたかったのに。」
椿はすぐに立ち上がって少女に注目する。
(今の攻撃……ほんの僅か遅れてたら間違いなく即死だった。)
椿の頬を冷や汗がつたう。
(こいつ……一体なんなの?)
少女は戸惑っている椿の様子を見て笑みを浮かべる。言葉を発さないので余計に恐怖を煽られる。
(まあいいわ。応援が来るまでの辛抱……あいつに目にもの食らわせてやるわ。私の髪を切った罪は重いわよ!)
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