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【第19章 蒼黒の炎】
第1節 集結
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「くっ………」
「お前の力はその程度か?もっと限界まで発揮してみろ!」
ロビンはニグレードの剣を受け止めるが、重い一撃に耐えきれず体勢を崩す。
「俺が炎だけの奴だと思うなよ。」
ニグレードはロビンに剣を突きつける。
(こいつの動き………まるで、俺の動きを矯正したみたいだ。動きに無駄がねえ……)
ロビンはニグレードの剣を払ってすかさず反撃に転じる。ニグレードは剣を逆手に持ってロビンの刀を防ぐ。そのまま反対の手から黒い炎を放つ。
(隙を見せたら炎で焼かれるな……とは言っても近づきすぎたら剣術で押されるし……)
「休憩か?残念だが、そんな暇はやらんぞ。」
ニグレードはロビンに接近して猛攻を仕掛ける。ロビンは剣を受け流して隙を作ろうとする。しかし、ニグレードにそんな小細工は通用しない。受け流された瞬間に黒い炎で追撃を行ってくる。
「隙すら見せてくれないのか……」
「殺し合いに隙を見せるバカがどこにいる?」
ニグレードはそう言ってロビンの首を狙って剣を振る。ロビンは寸前のところで攻撃を受け止める。
「しぶといな。ならこれはどうだ!」
ニグレードは剣に黒い炎を纏わせる。ロビンは急いで距離をとるが、ニグレードにすぐに追いつかれる。ニグレードが振った剣がロビンの頬をかする。
「っ?!」
ロビンは息が詰まりそうになる。ニグレードはすぐさま黒い炎で追撃を行う。
「あっっぶねえ!」
ロビンは黒い炎を青い炎でかき消す。ニグレードはロビンの背後から剣を突き出す。ロビンは刀で攻撃を受け流す。
「さっさと隙を見せろ!しぶといんだよぉ!」
ロビンは刀に炎を纏わせて思い切り薙ぎ払う。剣で攻撃を防いだニグレードは大きくよろける。
「そこだ!」
ロビンはニグレードの腹部に向かって刀を突き出す。ニグレードは攻撃を脇腹で受けると、ロビンを蹴り飛ばす。
「ぐっ……?!」
ロビンは地面に体をぶつけるが、すぐに立ち上がる。
「完璧ではないが立て直しもできるか。それにこの立ち回り………俺の動きを理解しているな?」
「当たり前だろ。どれだけ見てきたと思ってんだ?」
「ふん、俺の攻撃があれで全てだと思うなよ。」
ニグレードの剣の形が変形する。剣は斧へと姿を変える。
「武器が………変わった?」
「俺の炎は変幻自在だ。好きなものに形を変えることができる。」
ニグレードは斧をロビンに向かって振り下ろす。斧から黒い炎が放たれ、地面を抉りながら接近してくる。ロビンはすかさず青い炎で覆い尽くす。
「青い炎で相殺……」
しかし、黒い炎は青い炎を突き破ってロビンに襲いかかる。
「できない?!」
ロビンは咄嗟に左側に飛び込む。
「武器が変わればお前も簡単には対応できまい。さぁ、どこまで保つ?」
ロビンは歯を食いしばる。
(確かにそうだ。剣の時は俺に似た動きだからよかったものの、それ以外に関しては何も情報がない。攻撃を躱しながら癖を探るしかないな。)
ロビンはニグレードの動きを警戒する。ニグレードはロビンに向かって再び斧を振り下ろす。ロビンは炎を躱すと、九尾にある提案をする。
「ちょっと無茶していいか?」
「つまり守れと?」
「話が早くて助かるぜ。そんじゃ、任せた!」
ロビンはニグレードに接近する。ニグレードは斧を薙ぎ払う。黒い炎はニグレードを中心に円状に放たれる。
「このっ!」
ロビンは青い炎を纏った刀で黒い炎に刀を振り下ろす。先程とは違い、黒い炎を簡単にかき消すことができた。
(出し方によって威力が違うのか?)
ニグレードは斧を下から振り上げる。ロビンは体を反らして斧を躱す。
(振るのが少し遅い?)
ニグレードが斧を上に上げると同時に、斧が槍へと変わる。そのまま槍をロビンに向かって突き出す。
「うおっと?!」
ロビンは体を後ろに倒してから、片手を地面について立ち上がる。
(武器の形はいつでも変えれるのか。いつ変えてくるかが分からねえ。何か予兆があれば……)
ニグレードは槍を弓へと変える。
「え?」
ロビンは咄嗟に右に走る。弓からは黒い炎が矢として飛ばされる。
(遠距離も対応できるのかよ………一体何種類あるんだ?)
ロビンの上空から矢が降り注ぐ。黒い炎でできているせいで視界が塞がれる。その隙にニグレードは武器の形を変えてロビンに接近する。
「視界まで潰せるって………便利だな!」
ロビンは気配を感じて刀を振る。ニグレードは鎌で刀を受け流す。そのままロビン目掛けて鎌を逆手に持って振り上げる。
「どわっ?!」
ロビンは鎌に反応して体を曲げる。
(どんな状況にも対応できる。面倒なんてレベルじゃねえぞ……)
「その程度か?いや、むしろここまで戦えたことに称賛を送るべきか。いずれにせよお前では俺には敵わない。」
「どういうことだ?」
ニグレードは胸に手を当てる。
「見ろ、力が溢れてくる。今まで制限していた力だ。」
「制……限……?」
ロビンは何を言っているか分からなかったが、嫌な予感だけはした。
「あちゃー、やっぱりまずいことになってる。」
海の中から椿が飛び出してくる。続くように美桜も顔を出す。
「これ…………勝てるの?」
「さあ?相手の出方によるんじゃない?」
ニグレードの体が宙に浮かぶ。
「あれは………青い炎?」
ニグレードの体から黒い炎が消え、青い炎が現れる。ニグレードは手に蒼黒の炎を出す。椿はその炎の危険性に一目で気づく。
「あの炎はやばいわね。」
「あの炎には気をつけろ。俺の耐性さえも貫通してくる。」
「結果じゃ防げたり………しないか。」
美桜はロビンの表情で察する。
「ふん、3人か。龍神が2頭いるが……関係ないだろう。」
ニグレードは蒼黒の炎を3人に向かって放つ。ロビンは青い炎で壁を作る。壁は蒼黒の炎を完全に防ぎ切る。
(ふーん、青い炎で相殺できるんだ。)
椿は炎が消えるのを確認すると前に飛び出す。
「その炎で援護しなさい。隙は作る。」
「あ、おい!」
(いや………誰?)
戸惑うロビンを横目に、椿は目で美桜に指示する。美桜はロビンのほうを一度見てから飛び出す。
「お前もかよ!」
ロビンは美桜を目で追う。ロビンは頭をかきむしって2人の後を追う。
「お前………まだ生きていたか。」
「制限がかけられていたのは本当みたいね。さっきよりも魔力が増幅している。」
「どうだ、絶望したか?」
椿は口角を上げる。
「まさか。今のあんたを相手にするのは覚悟してのことよ。でないと、今頃私はここにいない。」
ニグレードはため息をつく。
「バカだな。俺がこうならなければ、絶望に浸かる前に死ねたというのに。」
ニグレードは人差し指を立てて、先端に蒼黒の炎を出現させる。
「この炎も、作ることにはならなかっただろう。」
ニグレードは炎と椿を重ねる。
「お前くらい、この程度の少量の炎で殺すことなど容易だ。」
美桜が椿と合流する。
「やれやれ、そんなに死にたいのなら………すぐに殺してやる。」
「俺も参加させてもらおうか!」
ニグレードの上空から、天垣が大剣を振り下ろしながら落下してくる。
「しぶとい……」
ニグレードは大剣を掴んで椿のほうに天垣を投げる。天垣は地面について体勢を立て直す。
「当然だ。お前が倒れるまでは何度でも喰らいつくぞ。」
天垣は誇らしげに大声で喋る。その横にガーネットがゆっくりと降り立つ。体には死神を憑依している。
「天垣……あんた、怪我は大丈夫なの?」
「大方完治した。それに俺にはイザナミもいる。肉壁ぐらいにはなってやる。」
椿は額に手を当ててため息をつく。
「兄さんは大丈夫?」
「団長が救護したわ。命に別状はないみたい。」
美桜はガーネットの言葉に胸を撫で下ろす。
「まあいい。そろそろ決着をつけようじゃねえか。」
ニグレードが腕を振ると、手に剣が握られていた。丁度ロビンも4人と合流する。
「そうね、そろそろ潮時かしら。」
椿の瞳には、蒼黒の炎を纏うニグレードが映っている。
「お前の力はその程度か?もっと限界まで発揮してみろ!」
ロビンはニグレードの剣を受け止めるが、重い一撃に耐えきれず体勢を崩す。
「俺が炎だけの奴だと思うなよ。」
ニグレードはロビンに剣を突きつける。
(こいつの動き………まるで、俺の動きを矯正したみたいだ。動きに無駄がねえ……)
ロビンはニグレードの剣を払ってすかさず反撃に転じる。ニグレードは剣を逆手に持ってロビンの刀を防ぐ。そのまま反対の手から黒い炎を放つ。
(隙を見せたら炎で焼かれるな……とは言っても近づきすぎたら剣術で押されるし……)
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ニグレードはロビンに接近して猛攻を仕掛ける。ロビンは剣を受け流して隙を作ろうとする。しかし、ニグレードにそんな小細工は通用しない。受け流された瞬間に黒い炎で追撃を行ってくる。
「隙すら見せてくれないのか……」
「殺し合いに隙を見せるバカがどこにいる?」
ニグレードはそう言ってロビンの首を狙って剣を振る。ロビンは寸前のところで攻撃を受け止める。
「しぶといな。ならこれはどうだ!」
ニグレードは剣に黒い炎を纏わせる。ロビンは急いで距離をとるが、ニグレードにすぐに追いつかれる。ニグレードが振った剣がロビンの頬をかする。
「っ?!」
ロビンは息が詰まりそうになる。ニグレードはすぐさま黒い炎で追撃を行う。
「あっっぶねえ!」
ロビンは黒い炎を青い炎でかき消す。ニグレードはロビンの背後から剣を突き出す。ロビンは刀で攻撃を受け流す。
「さっさと隙を見せろ!しぶといんだよぉ!」
ロビンは刀に炎を纏わせて思い切り薙ぎ払う。剣で攻撃を防いだニグレードは大きくよろける。
「そこだ!」
ロビンはニグレードの腹部に向かって刀を突き出す。ニグレードは攻撃を脇腹で受けると、ロビンを蹴り飛ばす。
「ぐっ……?!」
ロビンは地面に体をぶつけるが、すぐに立ち上がる。
「完璧ではないが立て直しもできるか。それにこの立ち回り………俺の動きを理解しているな?」
「当たり前だろ。どれだけ見てきたと思ってんだ?」
「ふん、俺の攻撃があれで全てだと思うなよ。」
ニグレードの剣の形が変形する。剣は斧へと姿を変える。
「武器が………変わった?」
「俺の炎は変幻自在だ。好きなものに形を変えることができる。」
ニグレードは斧をロビンに向かって振り下ろす。斧から黒い炎が放たれ、地面を抉りながら接近してくる。ロビンはすかさず青い炎で覆い尽くす。
「青い炎で相殺……」
しかし、黒い炎は青い炎を突き破ってロビンに襲いかかる。
「できない?!」
ロビンは咄嗟に左側に飛び込む。
「武器が変わればお前も簡単には対応できまい。さぁ、どこまで保つ?」
ロビンは歯を食いしばる。
(確かにそうだ。剣の時は俺に似た動きだからよかったものの、それ以外に関しては何も情報がない。攻撃を躱しながら癖を探るしかないな。)
ロビンはニグレードの動きを警戒する。ニグレードはロビンに向かって再び斧を振り下ろす。ロビンは炎を躱すと、九尾にある提案をする。
「ちょっと無茶していいか?」
「つまり守れと?」
「話が早くて助かるぜ。そんじゃ、任せた!」
ロビンはニグレードに接近する。ニグレードは斧を薙ぎ払う。黒い炎はニグレードを中心に円状に放たれる。
「このっ!」
ロビンは青い炎を纏った刀で黒い炎に刀を振り下ろす。先程とは違い、黒い炎を簡単にかき消すことができた。
(出し方によって威力が違うのか?)
ニグレードは斧を下から振り上げる。ロビンは体を反らして斧を躱す。
(振るのが少し遅い?)
ニグレードが斧を上に上げると同時に、斧が槍へと変わる。そのまま槍をロビンに向かって突き出す。
「うおっと?!」
ロビンは体を後ろに倒してから、片手を地面について立ち上がる。
(武器の形はいつでも変えれるのか。いつ変えてくるかが分からねえ。何か予兆があれば……)
ニグレードは槍を弓へと変える。
「え?」
ロビンは咄嗟に右に走る。弓からは黒い炎が矢として飛ばされる。
(遠距離も対応できるのかよ………一体何種類あるんだ?)
ロビンの上空から矢が降り注ぐ。黒い炎でできているせいで視界が塞がれる。その隙にニグレードは武器の形を変えてロビンに接近する。
「視界まで潰せるって………便利だな!」
ロビンは気配を感じて刀を振る。ニグレードは鎌で刀を受け流す。そのままロビン目掛けて鎌を逆手に持って振り上げる。
「どわっ?!」
ロビンは鎌に反応して体を曲げる。
(どんな状況にも対応できる。面倒なんてレベルじゃねえぞ……)
「その程度か?いや、むしろここまで戦えたことに称賛を送るべきか。いずれにせよお前では俺には敵わない。」
「どういうことだ?」
ニグレードは胸に手を当てる。
「見ろ、力が溢れてくる。今まで制限していた力だ。」
「制……限……?」
ロビンは何を言っているか分からなかったが、嫌な予感だけはした。
「あちゃー、やっぱりまずいことになってる。」
海の中から椿が飛び出してくる。続くように美桜も顔を出す。
「これ…………勝てるの?」
「さあ?相手の出方によるんじゃない?」
ニグレードの体が宙に浮かぶ。
「あれは………青い炎?」
ニグレードの体から黒い炎が消え、青い炎が現れる。ニグレードは手に蒼黒の炎を出す。椿はその炎の危険性に一目で気づく。
「あの炎はやばいわね。」
「あの炎には気をつけろ。俺の耐性さえも貫通してくる。」
「結果じゃ防げたり………しないか。」
美桜はロビンの表情で察する。
「ふん、3人か。龍神が2頭いるが……関係ないだろう。」
ニグレードは蒼黒の炎を3人に向かって放つ。ロビンは青い炎で壁を作る。壁は蒼黒の炎を完全に防ぎ切る。
(ふーん、青い炎で相殺できるんだ。)
椿は炎が消えるのを確認すると前に飛び出す。
「その炎で援護しなさい。隙は作る。」
「あ、おい!」
(いや………誰?)
戸惑うロビンを横目に、椿は目で美桜に指示する。美桜はロビンのほうを一度見てから飛び出す。
「お前もかよ!」
ロビンは美桜を目で追う。ロビンは頭をかきむしって2人の後を追う。
「お前………まだ生きていたか。」
「制限がかけられていたのは本当みたいね。さっきよりも魔力が増幅している。」
「どうだ、絶望したか?」
椿は口角を上げる。
「まさか。今のあんたを相手にするのは覚悟してのことよ。でないと、今頃私はここにいない。」
ニグレードはため息をつく。
「バカだな。俺がこうならなければ、絶望に浸かる前に死ねたというのに。」
ニグレードは人差し指を立てて、先端に蒼黒の炎を出現させる。
「この炎も、作ることにはならなかっただろう。」
ニグレードは炎と椿を重ねる。
「お前くらい、この程度の少量の炎で殺すことなど容易だ。」
美桜が椿と合流する。
「やれやれ、そんなに死にたいのなら………すぐに殺してやる。」
「俺も参加させてもらおうか!」
ニグレードの上空から、天垣が大剣を振り下ろしながら落下してくる。
「しぶとい……」
ニグレードは大剣を掴んで椿のほうに天垣を投げる。天垣は地面について体勢を立て直す。
「当然だ。お前が倒れるまでは何度でも喰らいつくぞ。」
天垣は誇らしげに大声で喋る。その横にガーネットがゆっくりと降り立つ。体には死神を憑依している。
「天垣……あんた、怪我は大丈夫なの?」
「大方完治した。それに俺にはイザナミもいる。肉壁ぐらいにはなってやる。」
椿は額に手を当ててため息をつく。
「兄さんは大丈夫?」
「団長が救護したわ。命に別状はないみたい。」
美桜はガーネットの言葉に胸を撫で下ろす。
「まあいい。そろそろ決着をつけようじゃねえか。」
ニグレードが腕を振ると、手に剣が握られていた。丁度ロビンも4人と合流する。
「そうね、そろそろ潮時かしら。」
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