あの日、北京の街角で4 大連デイズ

ゆまは なお

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「ヤバい。マジで、祐樹…」
「いきそう?」

 腰を大きく回すように揺らしていると、孝弘がいきなり枕から身を起こしてきた。

「見てるだけとかやっぱ無理」
 ぐっと体を起こすと祐樹の腰を掴む。

 対面座位になって突き上げるように腰を動かしてきた。力強い律動で祐樹を翻弄する。

「あ、ああ、いいっ」

 さっきまで自分で快感をコントロールしていたのに、そこから更に引き上げられて祐樹は背中をしならせた。孝弘の肩に手をかけてこらえようとするけれど、孝弘はちゃんと祐樹のいいところを的確に抉って来た。

「や、そんなしたら、イク」
「いいよ、俺もいきそう」

 孝弘も余裕はないようで、引き延ばされることはなく、祐樹はそのまま絶頂を迎えた。一瞬の緊張の後、びくびくと痙攣するように腰が揺れた。自分の放ったもので下腹が濡れた感触を感じてすぐに、孝弘が中で弾けた。

 
 しばらく二人とも黙って、息を整えていた。抱き合って密着した体がしっとりしている。孝弘が大きく、はーっとため息をついた。

「マジでエロ過ぎて眠気も飛んだわ」
「嫌だった?」

「まさか。大歓迎って言ってんの」
「うん、おれもよかった」

「つーか、祐樹も実はけっこう酔ってるよな?」
「…あー、そうかもね」

 そう言えば、酔うと大胆になると言われたことがあった気もする。祐樹にとっても日本酒は久しぶりだったし、そんなに飲むこともないから酔っていたのかもしれない。

「こんなふうになるならもっと飲ませりゃよかった」
「何言ってんの」

「もっとしたいってこと」
 孝弘の手が背中を撫でて、祐樹を誘惑する。

「眠いんじゃなかったの?」
「だから眠気は飛んだって。煽られてまだ興奮してる」

 まだ向かい合った孝弘の上に乗ったままだ。

「重くない?」
「少しな。なあ、もっかいしよう。今度は俺の好きにやらして」

 そう言いながら、祐樹を押し倒してくる。一旦体を離して、押し倒されるまま大人しくシーツに背中をつけると、孝弘が身を寄せて鎖骨に口づけた。

「いいよ、何回でも。おれもまだ足りない」
 平日だけど、孝弘の誕生日なんだしいいやとうなずいた。

「うん。明日は祐樹が起こしてな」
 にやりと楽しげに笑った孝弘がちゅっと胸の先に口づけて、祐樹は「ん」と喉をそらした。


 結局、プレゼントを渡せたのは翌朝になった。

 約束通り、祐樹がそっと肩を揺すって起こしたら、孝弘は大きくあくびして、目を開けて幸せそうに笑った。無防備な笑顔にとくんと心臓が跳ねる。

 もう何度もこうして一緒に寝て、起こされたり起こしたりしているのに、やっぱりドキドキする。大好きだと思う。

 シャワーを浴びて、祐樹が作った卵とじうどんの朝食を食べたあと、封筒を渡した。

「誕生日おめでとう。遅くなったけど、これプレゼント」

 どんな顔をするだろう。内心のドキドキを隠して、何食わぬ顔で孝弘が淹れたコーヒーを一口飲む。表情を読まれないようちょっとうつむいて、こっそり孝弘を窺った。

「ありがとう」
 受け取った孝弘は「開けていい?」と薄い封筒を開いた。

 中には出張で見慣れたCITS(中国国際旅行社)のロゴが入ったチケットホルダー。そこに挟まれた成田行きのチケットを見て、ちょっと困惑顔で首を傾げた。エアチケットは祐樹と孝弘の二人分だ。

「日本に行くの?」
 言いながら日付を確認して「ああ、春節休暇」と納得したようだ。




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 そこへ「草原の盟主へ再嫁せよ」と皇帝からの勅命が下る。
 崇国から長城を超えた塞外の地、異民族に嫁ぐことになった遼玲は西へ向かう旅に出る。
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