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16友達として
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冬の初雪が降った朝だった。
王城を避けて生活していたフランシーヌは、ようやく心が少し落ち着いたようにも感じていた。
エドワードとも随分も顔を合わせていない。手紙のやり取りはしていたけれど、結局婚約の話は書けず終いだった。
離れてしまえば、なんてことはない静かな日常だった。
しかし、そんな静けさは、午後の四刻を回ったところで破られる。
「殿下がお見えです!」
アンヌの声が屋敷中に響き、フランシーヌは手にしていたカップを危うく落としそうになった。
「……はあ!? 殿下って、エドワード? どうして!?」
動揺しすぎて声が裏返った。
王城から使者が来たことはあっても、エドワードが突然訪問したことは今までなかった。
フランシーヌは、慌てて玄関へと向かった。
玄関先に出ると、エドワードが外套の肩に乗った雪をはらっているところだった。
エドワードの後ろには男性が二人。初老の護衛騎士と側付きの侍従がいた。
王族が連れて歩くにはあまりにも人が少ない。お忍びであるのは明白であった。
「エドッ!」
フランシーヌが駆け寄った。
「フラン、久しぶり」
彼は白い息を吐きながら顔を綻ばせた。のんびりとした様子のエドワードに、フランシーヌの肩から力が抜けた。
「……こんな雪の中、何しに来たの?」
気が緩んだのもあって、思いの外、責めるような言い方をしてしまった。
しかし、エドワードは気にする様子もなく、軽く笑う。
「会いたくて」
フランシーヌは一瞬、呼吸を忘れた。
「…………」
「フラン?」
不思議そうに首をかしげるエドワードの背後で、わざとらしい咳払いが聞こえた。
振り返ると、廊下の奥に腕を組んで立つゴーシュ。その後ろにロバートがいた。
ゴーシュは難しい顔で、じっとエドワードを見ている。
「……こんな雪の日に、先触れもなしに一体どんな急用ですかな?」
皮肉たっぷりの祖父の言葉に、エドワードが嫌な顔もせず言った。
「すみません、急に。でも……無性にフランに会いたくなって」
何も悪いことをしていない子供のような顔でエドワードが言ってのけた。
それを聞いて、フランシーヌはギョッとして、ゴーシュが眉間を揉んだ。
祖父が呆れとも諦めともとれる盛大なため息をついた。
「……ご案内して差し上げなさい」
ゴーシュが渋い顔で言うと、ロバートが恭しく頭を下げた。
「こちらです」と案内するロバートの後ろを、エドワードは足早について行った。
その後ろに、護衛のコンラッドと木箱を抱えた侍従が続く。
部屋に入るなり、侍従がテーブルの上に木箱を置いた。
お茶を出されるのも待たず、エドワードはさっそく蓋に手をかける。
中から現れたのは、ベルベット張りの宝石箱だった。
「これ、バシャール国の品なんだけど、フランシーヌに似合うと思って」
エドワードは宝石箱を開けて、テーブルに置いた。中には宝石が埋め込まれた金の腕輪と、ルビーの耳飾りが入っていた。
「今、バシャール国の大使殿が城に来ていて頂いたんだ。フランシーヌに似合うと思って持ってきたんだ」
「そう……なの……あり、がとう」
フランシーヌは、苦々しい気持ちで装飾品を見つめた。エドワードに深い意味はなさそうなのがさらに複雑な気持ちにさせた。
エドワードが弾んだ声を上げた。
「バシャールには、戦神バールという赤髪の女神がいるらしくて、赤は縁起のいい色とされてるんだって」
興奮した様子のエドワードが懐から一枚の布を取り出した。
「見て!これがその戦神バールだよ」
長方形の厚手の布には、赤髪に褐色の肌を持つ女神が天へ向かって剣を突き立てる姿が、刺繍されていた。
「ちょっとフランに似てると思わない?」
にこにこしながらエドワードは言った。
フランシーヌは手元の布に視線を落とした。髪の色くらいしか似ているところが見当たらなかった。
フランシーヌはエドワードを細めた目で見た。
「これをみていたらフランシーヌを思い出してね……思わず会いに来てしまったんだ」
「ふーん」
フランシーヌは布を見みつめた。
自分に似ている云々は置いておいて、素直に見事な刺繍だと思えた。多彩な糸で丁寧に縫われたそれは、間違いなく一級品だろう。
耳飾りや腕輪よりもよっぽど高価なのではと思った。
(装飾品よりこっちの方が欲しいわ)
フランシーヌは、無言でエドワードを見た。
何かを察したらしいエドワードはにこりと笑った。
「あげないよ」
フランシーヌはしょっぱい顔をした。
エドワードがフランシーヌの手から布を引き抜いて懐にしまった。
「これはあげられないけれど、腕輪と耳飾りは受け取ってくれるだろう? 」
フランシーヌは宝飾品を眺めた。
確かに美しい。だが……。
「ありがたいけど……これって、受け取っていいものなの?」
「もちろん。フランへの贈り物だ。大使殿も、フランの話をしたら是非にと言ってくれたんだ」
エドワードは当然だというように頷いた。
しかし、フランシーヌは素直に喜ぶことが出来ない。
王族からの贈り物。それも宝飾品。
これを渡すことの意味を、彼は分かっているのだろうか。
「あの、エドワード?……」
「エドって呼んで」
「……エド」
名を呼ぶと、彼は眩しそうに微笑んだ。
「周りがどう思うかとか関係ないよ」
とエドワードが言った。
「確かに、僕からの贈り物だけど深い意味はないからそんなに神経質にならなくていいよ。何か聞かれたら普段、世話になっている礼をもらったとでも言えばいいさ」
その言葉はなぜか胸中をざらりとさせた。
意味があっても、なくても、困惑した。
フランシーヌは宝石箱に手を伸ばさなかった。
エドワードが、眉尻を下げて微笑んだ。
「婚約の話なら母上から聞いたよ。僕は何の異存もない。君は大切な友達だし、一緒にいて楽しいからね」
友達。じわりと、心の底で重い物が滲んだ。
エドワードが真っ直ぐにフランシーヌを見つめて言った。
「だから、正直周りがどう思おうがどうだっていいんだ。フランがどう思っているかの方が気になる」
「私ーー」
言いかけて、フランシーヌは口を噤んだ。
「フランが嫌でなければ、僕はフランと一緒にいたい。友達として、これからも」
エドワードの言葉は、驚くほど素直でまっすぐだった。
フランシーヌはエドワードを見つめ返した。
政治も打算も何もない、ただ純粋な友情。
「……私も、エドと一緒にいるのは、嫌じゃないわ」
フランシーヌが答えると、エドワードが「よかった」と言って、顔を綻ばせた。
無邪気なその表情を、フランシーヌはただ微笑んで見ていた。
友達として。
嬉しいはずの言葉は、なぜかほんのり痛かった。
窓の外では、静かに雪が降り続けていた。
王城を避けて生活していたフランシーヌは、ようやく心が少し落ち着いたようにも感じていた。
エドワードとも随分も顔を合わせていない。手紙のやり取りはしていたけれど、結局婚約の話は書けず終いだった。
離れてしまえば、なんてことはない静かな日常だった。
しかし、そんな静けさは、午後の四刻を回ったところで破られる。
「殿下がお見えです!」
アンヌの声が屋敷中に響き、フランシーヌは手にしていたカップを危うく落としそうになった。
「……はあ!? 殿下って、エドワード? どうして!?」
動揺しすぎて声が裏返った。
王城から使者が来たことはあっても、エドワードが突然訪問したことは今までなかった。
フランシーヌは、慌てて玄関へと向かった。
玄関先に出ると、エドワードが外套の肩に乗った雪をはらっているところだった。
エドワードの後ろには男性が二人。初老の護衛騎士と側付きの侍従がいた。
王族が連れて歩くにはあまりにも人が少ない。お忍びであるのは明白であった。
「エドッ!」
フランシーヌが駆け寄った。
「フラン、久しぶり」
彼は白い息を吐きながら顔を綻ばせた。のんびりとした様子のエドワードに、フランシーヌの肩から力が抜けた。
「……こんな雪の中、何しに来たの?」
気が緩んだのもあって、思いの外、責めるような言い方をしてしまった。
しかし、エドワードは気にする様子もなく、軽く笑う。
「会いたくて」
フランシーヌは一瞬、呼吸を忘れた。
「…………」
「フラン?」
不思議そうに首をかしげるエドワードの背後で、わざとらしい咳払いが聞こえた。
振り返ると、廊下の奥に腕を組んで立つゴーシュ。その後ろにロバートがいた。
ゴーシュは難しい顔で、じっとエドワードを見ている。
「……こんな雪の日に、先触れもなしに一体どんな急用ですかな?」
皮肉たっぷりの祖父の言葉に、エドワードが嫌な顔もせず言った。
「すみません、急に。でも……無性にフランに会いたくなって」
何も悪いことをしていない子供のような顔でエドワードが言ってのけた。
それを聞いて、フランシーヌはギョッとして、ゴーシュが眉間を揉んだ。
祖父が呆れとも諦めともとれる盛大なため息をついた。
「……ご案内して差し上げなさい」
ゴーシュが渋い顔で言うと、ロバートが恭しく頭を下げた。
「こちらです」と案内するロバートの後ろを、エドワードは足早について行った。
その後ろに、護衛のコンラッドと木箱を抱えた侍従が続く。
部屋に入るなり、侍従がテーブルの上に木箱を置いた。
お茶を出されるのも待たず、エドワードはさっそく蓋に手をかける。
中から現れたのは、ベルベット張りの宝石箱だった。
「これ、バシャール国の品なんだけど、フランシーヌに似合うと思って」
エドワードは宝石箱を開けて、テーブルに置いた。中には宝石が埋め込まれた金の腕輪と、ルビーの耳飾りが入っていた。
「今、バシャール国の大使殿が城に来ていて頂いたんだ。フランシーヌに似合うと思って持ってきたんだ」
「そう……なの……あり、がとう」
フランシーヌは、苦々しい気持ちで装飾品を見つめた。エドワードに深い意味はなさそうなのがさらに複雑な気持ちにさせた。
エドワードが弾んだ声を上げた。
「バシャールには、戦神バールという赤髪の女神がいるらしくて、赤は縁起のいい色とされてるんだって」
興奮した様子のエドワードが懐から一枚の布を取り出した。
「見て!これがその戦神バールだよ」
長方形の厚手の布には、赤髪に褐色の肌を持つ女神が天へ向かって剣を突き立てる姿が、刺繍されていた。
「ちょっとフランに似てると思わない?」
にこにこしながらエドワードは言った。
フランシーヌは手元の布に視線を落とした。髪の色くらいしか似ているところが見当たらなかった。
フランシーヌはエドワードを細めた目で見た。
「これをみていたらフランシーヌを思い出してね……思わず会いに来てしまったんだ」
「ふーん」
フランシーヌは布を見みつめた。
自分に似ている云々は置いておいて、素直に見事な刺繍だと思えた。多彩な糸で丁寧に縫われたそれは、間違いなく一級品だろう。
耳飾りや腕輪よりもよっぽど高価なのではと思った。
(装飾品よりこっちの方が欲しいわ)
フランシーヌは、無言でエドワードを見た。
何かを察したらしいエドワードはにこりと笑った。
「あげないよ」
フランシーヌはしょっぱい顔をした。
エドワードがフランシーヌの手から布を引き抜いて懐にしまった。
「これはあげられないけれど、腕輪と耳飾りは受け取ってくれるだろう? 」
フランシーヌは宝飾品を眺めた。
確かに美しい。だが……。
「ありがたいけど……これって、受け取っていいものなの?」
「もちろん。フランへの贈り物だ。大使殿も、フランの話をしたら是非にと言ってくれたんだ」
エドワードは当然だというように頷いた。
しかし、フランシーヌは素直に喜ぶことが出来ない。
王族からの贈り物。それも宝飾品。
これを渡すことの意味を、彼は分かっているのだろうか。
「あの、エドワード?……」
「エドって呼んで」
「……エド」
名を呼ぶと、彼は眩しそうに微笑んだ。
「周りがどう思うかとか関係ないよ」
とエドワードが言った。
「確かに、僕からの贈り物だけど深い意味はないからそんなに神経質にならなくていいよ。何か聞かれたら普段、世話になっている礼をもらったとでも言えばいいさ」
その言葉はなぜか胸中をざらりとさせた。
意味があっても、なくても、困惑した。
フランシーヌは宝石箱に手を伸ばさなかった。
エドワードが、眉尻を下げて微笑んだ。
「婚約の話なら母上から聞いたよ。僕は何の異存もない。君は大切な友達だし、一緒にいて楽しいからね」
友達。じわりと、心の底で重い物が滲んだ。
エドワードが真っ直ぐにフランシーヌを見つめて言った。
「だから、正直周りがどう思おうがどうだっていいんだ。フランがどう思っているかの方が気になる」
「私ーー」
言いかけて、フランシーヌは口を噤んだ。
「フランが嫌でなければ、僕はフランと一緒にいたい。友達として、これからも」
エドワードの言葉は、驚くほど素直でまっすぐだった。
フランシーヌはエドワードを見つめ返した。
政治も打算も何もない、ただ純粋な友情。
「……私も、エドと一緒にいるのは、嫌じゃないわ」
フランシーヌが答えると、エドワードが「よかった」と言って、顔を綻ばせた。
無邪気なその表情を、フランシーヌはただ微笑んで見ていた。
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