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学園に行くようです
担任
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「初めまして皆さん、俺の名前はシーグラスといいます。得意属性は水です皆さんの担任をする事になりとても嬉しく思います」
見渡す様に自己紹介をした私たちの担任シーグラスは生徒である私たちに対してとても丁寧に挨拶をしてくれた。
と言えば聞こえは良いが、この学園には色々な爵位を持った子息令嬢がいる。
そのため教師も下手に出てはいるが本来ここの原則としては『爵位関係なく同じ学び舎に通うもの皆平等』というのがあるが根強い力関係という深い闇は簡単には変えられない
「…はぁ」
隣から溜め息が聞こえたので視線だけ隣にいる人物に写す
「今日溜め息多いね、なにかあったの??」
無駄にため息が多いこの男、この国の第二王子アランに問いかける
「まぁ、現在進行形でな…」
眉間をほぐしながら項垂れるアランに大丈夫なの?と再び問いかけた
「俺の報告だけじゃ信用ならないんですか…」ボソッ
「ん?何か言った?」
「なんでもない」
はぁ、とまた溜め息をこぼした
アランとユリアは二人でこそこそ話し合ってて周りのザワザワした空気に気づかずにいた
「あの!!」
比較的近い席の子が声を上げると同時に挙手をした
「はい、なんでしょうか?」
「シーグラス先生って、魔術騎士団第二隊長のシーグラス様であってますよね…?」
興奮した様子でキラキラとした目を隠すことなく挙手をした少年は
「確かに弱輩ながら魔術騎士団第二隊長を務めてるシーグラスですよ」
その返答に目をめいっぱい開いた
ほかの生徒も彼の返答と同時に喜びを噛み締めるように手を強く握り
「うおおおおおお!!!」
「す、すごいですわ!!本物ですわよ!」
「ねぇ、アラン
シーグラス先生って…そんなに凄いの??」
「まぁ、まず魔術騎士団自体が憧れられてるのもあるがシーグラスの容姿にも惹かれてる人はいるんじゃないか」
そう言われてシーグラスに目を向けた
確かに言われた通り、容姿は整っていると思うきめ細かい肌にマリンブルーの色を持った目。高い鼻は顔全体のバランスを整えていて、加えてくせっ毛なのか亜麻色の髪の毛が少し跳ねている所もまた彼自身の魅力と言っても過言ではないのであろう
「確かにカッコイイけど…」
そう渋る様な私にアランはお前はあーいう優しそうな奴はタイプじゃないのか?と聞いてきた
「うーん、確かに優しそうだけど…人は顔だけじゃなんとも言えないじゃない…」
おそらく今の私は遠い所を見るような目をしてるのであろう、アランに何故か同情の視線を向けられた
うん、おそらく考えてる人物は共通してるのかな
「でも、なんでそんなお偉い騎士団の隊長が担任なんだろうね~」
そう聞くとアランまでも遠い目をして
「俺が知るかよ……知るもんか…」
なんでアランこんなに疲れた顔してるのかな…
「はい!!先生っ!質問です!」
きゃっきゃっと騒いでいた女子生徒の1人が手を挙げた
「どうかしましたか?」
「シーグラス先生って魔術騎士団でお忙しいですよね?何故学園の教師に就かれたのでしょうか」
私と同じことを考えてる人はやはり居るらしい。確かに忙しいであろう隊長職に就きながら教師など大丈夫なのだろうか
「んー…僕が教師として就いた理由は……」
ゴクリと誰かの唾を飲む音が聞こえた
「このクラスに居る尊きお方をお守りする為ですよ。」
シーグラスは一瞬こちらに視線向けた
目が合った気がしたがおそらく彼はアランを見ていたのだろうから気のせいだろう
「…まぁ嘘ではないんだろうけど…すげぇ際どい答えだな…」
「え?シーグラス先生嘘ついてるの??」
「知らねぇよ…俺に聞くな」
冷たく吐き捨てた彼にふーんと答えた
いや、だって魔術騎士団の隊長という職務上王子であるアランを守る事は仕事の範囲と言えよう。だからこそ嘘は吐いてはいないはずなのにアランは未だに遠い目をしている
シーグラスの答えに女子生徒はそうなんですね!と回答に満足したのか笑顔で席についた
そうして何度かシーグラスに質問してはそれに答えという流れが続くこと数分
トントンと教室のドアを叩く音で質問時間は終了した
ーーーーーーーーー
「シーグラスさん、失礼します」
入ってきたのは先程の入学式で学園を纏める暁として代表挨拶をした男子生徒だった。
確か名前は………
「やぁ、マルス。」
シーグラスはマルス先輩に対して待っていたと言わんばかりに教卓に近づかせた
「僕も挨拶しますよね?」
「あぁ、頼むよ」
二人の会話が終わったのか生徒の方に向き直りマルスは自己紹介を始めた
「マルス・リッヒラー・バーンズです、改めて入学おめでとう。」
そう言って彼は見渡すように視線を動かすと
恐らく、見つけた。と言ったのであろう
その視線は私とアランに向けられていた
「ちっ…」
隣から小さく舌打ち
「え、なにほんとに今日機嫌悪いね…」
「なんでもねぇよ…はぁ」
マルス先輩はアランを見続けている
ーーーーーー宜しくね、アランさま
アランはその視線を睨み付けるように
ーーーーーーどんだけ執念深いんだよ。
なんかふたりの世界入ってる…
まぁ、いっか。私は関係ないだろうし~
それよりこれから始まる授業楽しみだなぁ…
ーーーーーー本人はいざ知らず、って所なのかな
クスリとシーグラスは小さく笑みを零したのだった
ーーーーーーーーー
あぁ、シーグラス先生が個人的に好きです、、、あ、ちなみに腹黒ではないですから!?
感想お待ちしてます!
ありがとうございました
見渡す様に自己紹介をした私たちの担任シーグラスは生徒である私たちに対してとても丁寧に挨拶をしてくれた。
と言えば聞こえは良いが、この学園には色々な爵位を持った子息令嬢がいる。
そのため教師も下手に出てはいるが本来ここの原則としては『爵位関係なく同じ学び舎に通うもの皆平等』というのがあるが根強い力関係という深い闇は簡単には変えられない
「…はぁ」
隣から溜め息が聞こえたので視線だけ隣にいる人物に写す
「今日溜め息多いね、なにかあったの??」
無駄にため息が多いこの男、この国の第二王子アランに問いかける
「まぁ、現在進行形でな…」
眉間をほぐしながら項垂れるアランに大丈夫なの?と再び問いかけた
「俺の報告だけじゃ信用ならないんですか…」ボソッ
「ん?何か言った?」
「なんでもない」
はぁ、とまた溜め息をこぼした
アランとユリアは二人でこそこそ話し合ってて周りのザワザワした空気に気づかずにいた
「あの!!」
比較的近い席の子が声を上げると同時に挙手をした
「はい、なんでしょうか?」
「シーグラス先生って、魔術騎士団第二隊長のシーグラス様であってますよね…?」
興奮した様子でキラキラとした目を隠すことなく挙手をした少年は
「確かに弱輩ながら魔術騎士団第二隊長を務めてるシーグラスですよ」
その返答に目をめいっぱい開いた
ほかの生徒も彼の返答と同時に喜びを噛み締めるように手を強く握り
「うおおおおおお!!!」
「す、すごいですわ!!本物ですわよ!」
「ねぇ、アラン
シーグラス先生って…そんなに凄いの??」
「まぁ、まず魔術騎士団自体が憧れられてるのもあるがシーグラスの容姿にも惹かれてる人はいるんじゃないか」
そう言われてシーグラスに目を向けた
確かに言われた通り、容姿は整っていると思うきめ細かい肌にマリンブルーの色を持った目。高い鼻は顔全体のバランスを整えていて、加えてくせっ毛なのか亜麻色の髪の毛が少し跳ねている所もまた彼自身の魅力と言っても過言ではないのであろう
「確かにカッコイイけど…」
そう渋る様な私にアランはお前はあーいう優しそうな奴はタイプじゃないのか?と聞いてきた
「うーん、確かに優しそうだけど…人は顔だけじゃなんとも言えないじゃない…」
おそらく今の私は遠い所を見るような目をしてるのであろう、アランに何故か同情の視線を向けられた
うん、おそらく考えてる人物は共通してるのかな
「でも、なんでそんなお偉い騎士団の隊長が担任なんだろうね~」
そう聞くとアランまでも遠い目をして
「俺が知るかよ……知るもんか…」
なんでアランこんなに疲れた顔してるのかな…
「はい!!先生っ!質問です!」
きゃっきゃっと騒いでいた女子生徒の1人が手を挙げた
「どうかしましたか?」
「シーグラス先生って魔術騎士団でお忙しいですよね?何故学園の教師に就かれたのでしょうか」
私と同じことを考えてる人はやはり居るらしい。確かに忙しいであろう隊長職に就きながら教師など大丈夫なのだろうか
「んー…僕が教師として就いた理由は……」
ゴクリと誰かの唾を飲む音が聞こえた
「このクラスに居る尊きお方をお守りする為ですよ。」
シーグラスは一瞬こちらに視線向けた
目が合った気がしたがおそらく彼はアランを見ていたのだろうから気のせいだろう
「…まぁ嘘ではないんだろうけど…すげぇ際どい答えだな…」
「え?シーグラス先生嘘ついてるの??」
「知らねぇよ…俺に聞くな」
冷たく吐き捨てた彼にふーんと答えた
いや、だって魔術騎士団の隊長という職務上王子であるアランを守る事は仕事の範囲と言えよう。だからこそ嘘は吐いてはいないはずなのにアランは未だに遠い目をしている
シーグラスの答えに女子生徒はそうなんですね!と回答に満足したのか笑顔で席についた
そうして何度かシーグラスに質問してはそれに答えという流れが続くこと数分
トントンと教室のドアを叩く音で質問時間は終了した
ーーーーーーーーー
「シーグラスさん、失礼します」
入ってきたのは先程の入学式で学園を纏める暁として代表挨拶をした男子生徒だった。
確か名前は………
「やぁ、マルス。」
シーグラスはマルス先輩に対して待っていたと言わんばかりに教卓に近づかせた
「僕も挨拶しますよね?」
「あぁ、頼むよ」
二人の会話が終わったのか生徒の方に向き直りマルスは自己紹介を始めた
「マルス・リッヒラー・バーンズです、改めて入学おめでとう。」
そう言って彼は見渡すように視線を動かすと
恐らく、見つけた。と言ったのであろう
その視線は私とアランに向けられていた
「ちっ…」
隣から小さく舌打ち
「え、なにほんとに今日機嫌悪いね…」
「なんでもねぇよ…はぁ」
マルス先輩はアランを見続けている
ーーーーーー宜しくね、アランさま
アランはその視線を睨み付けるように
ーーーーーーどんだけ執念深いんだよ。
なんかふたりの世界入ってる…
まぁ、いっか。私は関係ないだろうし~
それよりこれから始まる授業楽しみだなぁ…
ーーーーーー本人はいざ知らず、って所なのかな
クスリとシーグラスは小さく笑みを零したのだった
ーーーーーーーーー
あぁ、シーグラス先生が個人的に好きです、、、あ、ちなみに腹黒ではないですから!?
感想お待ちしてます!
ありがとうございました
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