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自分語りを少し
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そこからは検証も兼ねて石の大きさや投げる力を変えながらゴブリンを倒していく。わかったことは、道端に落ちてる小さな石ころはすべてアイテム上【小石】として分類され、重さや形でダメージは変わらないこと。ちなみに俺の手のひら大以上の石は【石塊】に変わり飛距離が落ちる分ダメージが上がる。もう一つは投げる力によってもダメージが変わることか。
小石だと全力投球で六つから八つ。石塊であれば三つから四つでゴブリン退治ができる。どうも一匹目のゴブリンは弱点の頭部に当たってクリティカル判定が付いたため二発で倒すことができたらしい。ということで積極的に頭を狙って石を放り続けた。
自分語りをするなら、俺は小学校から高校2年まで野球をやっていた。ポジションはキャッチャー。一人だけプロテクターを着けているのがカッコよかったからというのが選んだ理由だ。幸い当時の監督から高校の監督まで適性を認めてもらいずっとホームを守るポジションに就くことができた。中高の部活も県予選の二回戦に進めたらいい程度のレベルだったけど、ほぼほぼ野球漬けの青春と言っていい。
そんな青春も高校2年の夏の大会中に靭帯をやってしまったことで終了した。リハビリして春、最低でも夏には部活に戻るつもりでいたけど、医者から無理をすれば日常生活に支障が出ると忠告され、泣く泣く野球を諦めた。
そんな経緯があるので恐らく投擲に適性が出たんじゃないかと思う。というかあれだけ質問しておいてベタな結果が出たとすら思ったけど、脚の心配をせずに思いっきり動けるのはストレス解消になってとてもいい。スタミナタンクも部活をしていた頃の名残りなら来てるんじゃないだろうか。
せっかく自分語りをしたのでもう一つ。高2まで野球しかやってこなかった俺の成績は推して知るべしというところだったが、部活を引退した後の一年でガリ勉モードに入る。部活を辞めたせいで、信じられないくらい時間を持て余したからだ。野球が出来なくなった悔しさを勉強にぶつけたことは、若い頃の俺自身褒めてあげたい。グレなくてよかった。
その甲斐あって、毎回最下位集団を彷徨っていた成績も、3年の夏にはトップとはいかないまでも中の中程度まで上げることができ、部活をやっていたことや成績の爆上げも手伝って地元の私立大学への推薦枠をゲットする。本当は地元の国立大学を目指したかったけど、いかんせん勉強を始めるのが遅かった。それでもそれまではスポーツ推薦しかないと思っていたところに通常の推薦枠をもらうことができたのは僥倖。親も地元ならということで進学を認めてくれた。
大学に入ると新入生歓迎期間というものがある。その期間内はお祭りであり、各部活やサークルが新入生を勧誘する。学内を歩いているだけで鞄がパンパンになるほどの手作りチラシを手渡される状況だ。本格的な部活は避け、ライトなサークルを物色していると、ヒョロッとした男女が声をかけて来た。
彼らは合唱サークルだと名乗り、良かったら昼飯を奢るから練習を観に来ないかと言った。正直合唱なんて興味なかったけど、奢ってもらえるならとホイホイ着いて行った先でその歌声の分厚さに圧倒された。
練習場は近所の公民館。合唱サークルなんてマイナーなサークルだ。人数はせいぜい十人程度だと思っていたのだが、そこには百人近い男女がいて、聞いたことのない曲を合唱していた。クラス合唱なんかとはレベルの違うその迫力に押され、ついついその場で入部を申請してしまう。結局大学四年間は合唱にハマりにハマり、サークル、バイト、勉強の優先順位となってしまった。お陰で歌には自信がある。これもスキルにダイレクトに反映されているから笑ってしまうが。
ゴブリンがリポップし、俺の射程圏内をウロウロし始めたので、まだ使ったことのない歌唱スキルの効果を試してみることにした。現在使えるのは攻撃を司るAT微増と素早さを司るSP微増。ちなみに歌はなんでもいいらしいのでAT微増をアメージンググレースに載せて歌ってみる。一番を歌いきったところでバフが掛かったようで赤い光が体を包み込んだ。
拾ってストレージに入れておいた【小石】を三つ取り出し、スナップを使って連続で投げつける。三つ目が着弾したところでゴブリンが光となって消えた。通常六~八必要な小石が約半分で済んだ。微増といっても結構な効果があるようだ。【石塊】に至っては一つでゴブリンを倒すことができた。しかし、歌唱スキルのMP消費は4。つまりLv1では一回しか使えないということなので、乱発は控えるべきだろう。
キャラの性能を把握できたので、一度街に戻って依頼達成の報告をした。依頼はゴブリン五匹の討伐で、討伐証明としてゴブリンの耳が必要になる。剥ぎ取り行為をしなくても、THFではドロップ品が自動でウエストポーチ型ストレージに収納される。ストレージに入ってる耳は十一。他にはゴブリンの頭骨が三つに小石と石塊。結構ゴブリン倒したのに全然レベル上がらなかったな。
小石だと全力投球で六つから八つ。石塊であれば三つから四つでゴブリン退治ができる。どうも一匹目のゴブリンは弱点の頭部に当たってクリティカル判定が付いたため二発で倒すことができたらしい。ということで積極的に頭を狙って石を放り続けた。
自分語りをするなら、俺は小学校から高校2年まで野球をやっていた。ポジションはキャッチャー。一人だけプロテクターを着けているのがカッコよかったからというのが選んだ理由だ。幸い当時の監督から高校の監督まで適性を認めてもらいずっとホームを守るポジションに就くことができた。中高の部活も県予選の二回戦に進めたらいい程度のレベルだったけど、ほぼほぼ野球漬けの青春と言っていい。
そんな青春も高校2年の夏の大会中に靭帯をやってしまったことで終了した。リハビリして春、最低でも夏には部活に戻るつもりでいたけど、医者から無理をすれば日常生活に支障が出ると忠告され、泣く泣く野球を諦めた。
そんな経緯があるので恐らく投擲に適性が出たんじゃないかと思う。というかあれだけ質問しておいてベタな結果が出たとすら思ったけど、脚の心配をせずに思いっきり動けるのはストレス解消になってとてもいい。スタミナタンクも部活をしていた頃の名残りなら来てるんじゃないだろうか。
せっかく自分語りをしたのでもう一つ。高2まで野球しかやってこなかった俺の成績は推して知るべしというところだったが、部活を引退した後の一年でガリ勉モードに入る。部活を辞めたせいで、信じられないくらい時間を持て余したからだ。野球が出来なくなった悔しさを勉強にぶつけたことは、若い頃の俺自身褒めてあげたい。グレなくてよかった。
その甲斐あって、毎回最下位集団を彷徨っていた成績も、3年の夏にはトップとはいかないまでも中の中程度まで上げることができ、部活をやっていたことや成績の爆上げも手伝って地元の私立大学への推薦枠をゲットする。本当は地元の国立大学を目指したかったけど、いかんせん勉強を始めるのが遅かった。それでもそれまではスポーツ推薦しかないと思っていたところに通常の推薦枠をもらうことができたのは僥倖。親も地元ならということで進学を認めてくれた。
大学に入ると新入生歓迎期間というものがある。その期間内はお祭りであり、各部活やサークルが新入生を勧誘する。学内を歩いているだけで鞄がパンパンになるほどの手作りチラシを手渡される状況だ。本格的な部活は避け、ライトなサークルを物色していると、ヒョロッとした男女が声をかけて来た。
彼らは合唱サークルだと名乗り、良かったら昼飯を奢るから練習を観に来ないかと言った。正直合唱なんて興味なかったけど、奢ってもらえるならとホイホイ着いて行った先でその歌声の分厚さに圧倒された。
練習場は近所の公民館。合唱サークルなんてマイナーなサークルだ。人数はせいぜい十人程度だと思っていたのだが、そこには百人近い男女がいて、聞いたことのない曲を合唱していた。クラス合唱なんかとはレベルの違うその迫力に押され、ついついその場で入部を申請してしまう。結局大学四年間は合唱にハマりにハマり、サークル、バイト、勉強の優先順位となってしまった。お陰で歌には自信がある。これもスキルにダイレクトに反映されているから笑ってしまうが。
ゴブリンがリポップし、俺の射程圏内をウロウロし始めたので、まだ使ったことのない歌唱スキルの効果を試してみることにした。現在使えるのは攻撃を司るAT微増と素早さを司るSP微増。ちなみに歌はなんでもいいらしいのでAT微増をアメージンググレースに載せて歌ってみる。一番を歌いきったところでバフが掛かったようで赤い光が体を包み込んだ。
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キャラの性能を把握できたので、一度街に戻って依頼達成の報告をした。依頼はゴブリン五匹の討伐で、討伐証明としてゴブリンの耳が必要になる。剥ぎ取り行為をしなくても、THFではドロップ品が自動でウエストポーチ型ストレージに収納される。ストレージに入ってる耳は十一。他にはゴブリンの頭骨が三つに小石と石塊。結構ゴブリン倒したのに全然レベル上がらなかったな。
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