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エステル
8 それが全てで
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「お師匠様がもう終わらせなさいって言うの」
ステラが、ディランを睨みつけて剣を構える。
再び咳き込んでいたディランも、口元の血を拭ってステラを見据えていた。
張り詰めた緊張の中、今にも二人が衝突しそうだった時、
「誰が師匠だ。お前の師匠は、俺だろ」
聞き慣れない男性の声がした。
「要人二人、結界内に収容した。心置きなく続きをやってくれ」
今度はピンクベージュの髪のおん……男の人が、すぐそばで言った。
いつの間にか、私達の背後に三人の男性の姿があった。
彼らはいずれも上位魔法使いのローブを着ている。
「おい、エレン。これはどんな状況だ。呪いは解けたんじゃないのか。何でそこの奴が血まみれになってる」
「呪いを解く事によって、それがトリガーとなり、新たな呪いが発動した。ってところだろうな。さしずめ、自我の縛りか?属性がデタラメで、俺すら把握できないものだ。気持ち悪い。ディラン、お前以外に怪我人はいるか?」
「俺だけだ」
「なら、よし。さすがに一般人怪我させたらマズいからな。おい、弟子。俺はお前をそんな風に育てた覚えはないぞ。さっさと自分でそれを解け」
綺麗な女性にしか見えないピンクベージュの髪の人が、ディランの背に手を当てると、光が発せられ、すぐに血は止まって表情は明らかに良くなっていた。
癒し手の魔法使いが来てくれたんだ。
ディランが助かるであろう事に、まずは安堵する。
「二度目だな。今度は咄嗟に急所を上手く避けたようだが」
その癒し手さんが、ディランにニヤリと笑いかけた。
「クソっ……情けねぇ……」
「まぁ、好きな子相手に油断するのは仕方ない。仕方ないな。よくある事だ。そうだろう?」
「うるせぇ……」
「壮絶な痴話喧嘩の末に、柘榴のような傷口をもっと見せてくれて構わなかったが。嫉妬した女に刺される経験はよほどのクズでもできないからな。お前は運が良い」
「黙れ。この、サディストが。俺は別に嫉妬されたわけでもないし、これは痴話喧嘩でもない。その本性、ステラには絶対に隠し通せよ」
ディランに明らかに余裕ができた様子だ。
「ディラン、働け。痛みで今まで気にならなかっただろうが、油断するなよ。精神攻撃がくるぞ。それと、影はステラに集中する時間を与えるな。呪いは飛び道具扱いだからな。よけろ。お?でも反応鈍いな。闇属性の魔法は無いのか?」
「今占めているのは、気持ち悪い属性魔法だな」
説明している側から、ステラに向けて氷の塊が飛んだ。
「ロクサス、この野郎!加減しろ!ステラが怪我するだろ!」
ロクサスと呼ばれた人は、アシンメトリーの前髪で、片方の目は隠れてしまっているけど、見えているもう片方は、寝起きのような気怠げな視線をステラに向けている。
「してる。エレンがいるからいいだろ……悪食に喰われるし、どうせ効いてない……眠い……」
「こいつの魔法、対人タイプのものばかりだから、面倒なんだが……やっぱり闇魔法の発動は鈍いみたいだな。あの剣以外」
ディランが気を引き締めた様子で剣を構えている。
「ギデオン、よくここがわかったな」
ギデオンと呼ばれたのは、赤い髪の人だ。
「ステラが、緊急連絡用に使い魔を置いていったようだ。それが一言叫んで突然消えたから、魔力暴走でもしてたらヤバいと思って、ロクサス叩き起こして、エレンを連れてきた。剣を持つ相手なら、お前の方が慣れているだろ。怪我は治ったんだ、早くあいつを拘束しろ。ステラ!!インコの躾くらいちゃんとしろ!!何が“とっととこーい”だ!!お前、後で覚えてろよ」
さっきまでとは、まるっきり空気が変わっていた。
上位魔法使いが三人もこの場に集っていたら心強いけど、それでも、ひたすら私を狙ってくるステラ。
剣をディランが受け止めると、魔法使いの人達が動きを止めようとし、そのたびにステラはするする逃げ回る。
でも、背後の三方向を巨大な氷の壁で塞がれ、直後にステラが大きな炎に呑まれて────
「ギデオン!!」
「うるせぇ。ほら、怯んでいるから、押さえ込め」
ディランが、剣を足下に落とすと、瞬く間に距離を詰めてステラに飛び付いた。
足を払い、地面に押し倒し、両腕を押さえ込み、足も、自らの下腿で抑え込む。
それと同時に氷の壁は消えていたから、どんな原理なのかと思った。
「くそっ、苛立つ光景だな。おい、ディラン、どさくさで変なところ触るなよ!!」
ステラは暴れようとしているけど、動けないようだ。
「娘の不始末は、親の責任。よーし。とりあえず覚悟しろよ、ステラ」
完全にステラを制圧した様子のディランだったけど、顔を上げた瞬間顔色を変えた。
「おい、ギデオン。その手にある緑色の凶悪な液体はなんだ」
「俺特製、愛情たっぷり栄養満点極苦青汁ジュースだ」
「何だそれは!ステラに得体の知れないものを近付けるな。そんなもの口にさせたから、コイツはこんなに食いしん坊になったんだな」
「魔力のコントロールができずに暴走させようとするたびにコイツを飲ませてきた。鼻を摘んで口を開けさせる」
「お前、虐待で捕まるぞ!!」
「これは俺流の愛の証だ」
「虐待する奴はみんなそう言うんだ」
癒し手さんは腕を組んでニヤニヤしながらこの光景を眺めているし、アシンメトリーの人は欠伸をしながら興味無さそうにボーッと立っている。
これだけ個性的な魔法士団の人が揃った中で、よくぞあれだけ天真爛漫に育ってくれたなって思えば、私も口を挟めるわけもなく、この状況を見守るしかないわけで、赤い髪の人はどこから出したのか、ステラの口に漏斗を差し込んで樽型のジョッキに入った青汁を流し込んでいた。
「どこの拷問方法だ!!」
「ん゙ っん゙ っん゙ ───!!」
ディランが叫んで、ステラが呻く様子に思わず自分の口を押さえる。
「魔女だかなんだか知らないが、簡単に自分を明け渡すな。青汁倍増にするぞ」
「ごめんなさい!ごめんなさい!ちゃんとします!二度と魔女の言いなりにはなりません!」
ステラがそれを叫んだ瞬間、彼女の腕に巻き付いていた剣は消えていた。
地面に押し倒され、男二人に囲まれる下で、ひぐっ、ひぐっとステラが泣いており、一歩間違えたら犯罪の現場のような光景に、それ以上見ていられなかった。
思わず視線を逸らしてしまって、何の役にも立たないお姉ちゃんでごめんと、心の中でステラに謝っていた。
その状況がヤバいと思ったのは私だけじゃないようで、泣きじゃくっているステラを見て、ディランは酷く焦った様子で押さえつける事をやめていた。
ディランがここまで狼狽えまくる姿は初めて見るもので、さらに、謝りながらステラを抱き起こしていた。
今度は腕組みをした赤い髪の人が、ステラを見下ろしてくどくどと説教を始め、ぐすぐす泣きながらステラは何度も涙を拭って謝っている。
ディランはもういいだろと、ステラを慰めながら赤い髪の人を止めていた。
「ここは寒いし緊張と負荷でステラはすっかり冷え切っているんだ。まだ説教を続けるならうちの家でしろ」
「甘やかすな。その前にまだ、後始末が残っている。こいつは先に俺が連れて行く。ほら行くぞ、ステラ」
赤い髪の人がステラの腕を掴んで立ち上がらせると、ディランも急いで立ち上がり……
「あ、まずい……ギデオン待っ……ステラ……」
そこでディランは、糸が切れたかのようにステラに倒れかかっていた。
ステラは抱き止めているけど、支え切れずに再び地面に座り込む。
「ディランさん!!」
どうやら意識がないようで、今度は何が起きたのか肝が冷えた。
「やだー。ちゃっかりステラちゃんの胸に倒れ込んで。ギデオンにぶち殺されたいー?」
スラっとした体型のはずなのに、ピンクベージュの髪の人が片腕でディランの背中を掴んで上体を浮かすと、ずるずると引きずってシリルに向かって放り込んできた。
腕力にもだけど、扱いが雑すぎて驚く。
「ソレ、ミラージュ家に送り届けてくれるかしら?私達、ステラちゃん連れて、魔女の家捜索してくるから。傷は癒えてるし、多少は補ったけど、さすがに貧血だと思うのよね。よろしくー」
「ステラ、行くぞ。ジェレミーに指示された事がある」
「眠い……」
「あ、待ってください、ディランさんが、それに私、まだお姉様に……」
「ディランは放っておいても大丈夫だ。後にしろ、後に」
ステラがズルズルと引き摺られていくけど、私はそれを見送ることしかできなかった。
最初から最後まで、ここに来た私達ができる事は何もなかった。
「シリル……ディランを運んでくれる?」
「……わかった」
とりあえず、ステラは無事で、ディランも無事で、それが全てなのだと思っていた。
ステラが、ディランを睨みつけて剣を構える。
再び咳き込んでいたディランも、口元の血を拭ってステラを見据えていた。
張り詰めた緊張の中、今にも二人が衝突しそうだった時、
「誰が師匠だ。お前の師匠は、俺だろ」
聞き慣れない男性の声がした。
「要人二人、結界内に収容した。心置きなく続きをやってくれ」
今度はピンクベージュの髪のおん……男の人が、すぐそばで言った。
いつの間にか、私達の背後に三人の男性の姿があった。
彼らはいずれも上位魔法使いのローブを着ている。
「おい、エレン。これはどんな状況だ。呪いは解けたんじゃないのか。何でそこの奴が血まみれになってる」
「呪いを解く事によって、それがトリガーとなり、新たな呪いが発動した。ってところだろうな。さしずめ、自我の縛りか?属性がデタラメで、俺すら把握できないものだ。気持ち悪い。ディラン、お前以外に怪我人はいるか?」
「俺だけだ」
「なら、よし。さすがに一般人怪我させたらマズいからな。おい、弟子。俺はお前をそんな風に育てた覚えはないぞ。さっさと自分でそれを解け」
綺麗な女性にしか見えないピンクベージュの髪の人が、ディランの背に手を当てると、光が発せられ、すぐに血は止まって表情は明らかに良くなっていた。
癒し手の魔法使いが来てくれたんだ。
ディランが助かるであろう事に、まずは安堵する。
「二度目だな。今度は咄嗟に急所を上手く避けたようだが」
その癒し手さんが、ディランにニヤリと笑いかけた。
「クソっ……情けねぇ……」
「まぁ、好きな子相手に油断するのは仕方ない。仕方ないな。よくある事だ。そうだろう?」
「うるせぇ……」
「壮絶な痴話喧嘩の末に、柘榴のような傷口をもっと見せてくれて構わなかったが。嫉妬した女に刺される経験はよほどのクズでもできないからな。お前は運が良い」
「黙れ。この、サディストが。俺は別に嫉妬されたわけでもないし、これは痴話喧嘩でもない。その本性、ステラには絶対に隠し通せよ」
ディランに明らかに余裕ができた様子だ。
「ディラン、働け。痛みで今まで気にならなかっただろうが、油断するなよ。精神攻撃がくるぞ。それと、影はステラに集中する時間を与えるな。呪いは飛び道具扱いだからな。よけろ。お?でも反応鈍いな。闇属性の魔法は無いのか?」
「今占めているのは、気持ち悪い属性魔法だな」
説明している側から、ステラに向けて氷の塊が飛んだ。
「ロクサス、この野郎!加減しろ!ステラが怪我するだろ!」
ロクサスと呼ばれた人は、アシンメトリーの前髪で、片方の目は隠れてしまっているけど、見えているもう片方は、寝起きのような気怠げな視線をステラに向けている。
「してる。エレンがいるからいいだろ……悪食に喰われるし、どうせ効いてない……眠い……」
「こいつの魔法、対人タイプのものばかりだから、面倒なんだが……やっぱり闇魔法の発動は鈍いみたいだな。あの剣以外」
ディランが気を引き締めた様子で剣を構えている。
「ギデオン、よくここがわかったな」
ギデオンと呼ばれたのは、赤い髪の人だ。
「ステラが、緊急連絡用に使い魔を置いていったようだ。それが一言叫んで突然消えたから、魔力暴走でもしてたらヤバいと思って、ロクサス叩き起こして、エレンを連れてきた。剣を持つ相手なら、お前の方が慣れているだろ。怪我は治ったんだ、早くあいつを拘束しろ。ステラ!!インコの躾くらいちゃんとしろ!!何が“とっととこーい”だ!!お前、後で覚えてろよ」
さっきまでとは、まるっきり空気が変わっていた。
上位魔法使いが三人もこの場に集っていたら心強いけど、それでも、ひたすら私を狙ってくるステラ。
剣をディランが受け止めると、魔法使いの人達が動きを止めようとし、そのたびにステラはするする逃げ回る。
でも、背後の三方向を巨大な氷の壁で塞がれ、直後にステラが大きな炎に呑まれて────
「ギデオン!!」
「うるせぇ。ほら、怯んでいるから、押さえ込め」
ディランが、剣を足下に落とすと、瞬く間に距離を詰めてステラに飛び付いた。
足を払い、地面に押し倒し、両腕を押さえ込み、足も、自らの下腿で抑え込む。
それと同時に氷の壁は消えていたから、どんな原理なのかと思った。
「くそっ、苛立つ光景だな。おい、ディラン、どさくさで変なところ触るなよ!!」
ステラは暴れようとしているけど、動けないようだ。
「娘の不始末は、親の責任。よーし。とりあえず覚悟しろよ、ステラ」
完全にステラを制圧した様子のディランだったけど、顔を上げた瞬間顔色を変えた。
「おい、ギデオン。その手にある緑色の凶悪な液体はなんだ」
「俺特製、愛情たっぷり栄養満点極苦青汁ジュースだ」
「何だそれは!ステラに得体の知れないものを近付けるな。そんなもの口にさせたから、コイツはこんなに食いしん坊になったんだな」
「魔力のコントロールができずに暴走させようとするたびにコイツを飲ませてきた。鼻を摘んで口を開けさせる」
「お前、虐待で捕まるぞ!!」
「これは俺流の愛の証だ」
「虐待する奴はみんなそう言うんだ」
癒し手さんは腕を組んでニヤニヤしながらこの光景を眺めているし、アシンメトリーの人は欠伸をしながら興味無さそうにボーッと立っている。
これだけ個性的な魔法士団の人が揃った中で、よくぞあれだけ天真爛漫に育ってくれたなって思えば、私も口を挟めるわけもなく、この状況を見守るしかないわけで、赤い髪の人はどこから出したのか、ステラの口に漏斗を差し込んで樽型のジョッキに入った青汁を流し込んでいた。
「どこの拷問方法だ!!」
「ん゙ っん゙ っん゙ ───!!」
ディランが叫んで、ステラが呻く様子に思わず自分の口を押さえる。
「魔女だかなんだか知らないが、簡単に自分を明け渡すな。青汁倍増にするぞ」
「ごめんなさい!ごめんなさい!ちゃんとします!二度と魔女の言いなりにはなりません!」
ステラがそれを叫んだ瞬間、彼女の腕に巻き付いていた剣は消えていた。
地面に押し倒され、男二人に囲まれる下で、ひぐっ、ひぐっとステラが泣いており、一歩間違えたら犯罪の現場のような光景に、それ以上見ていられなかった。
思わず視線を逸らしてしまって、何の役にも立たないお姉ちゃんでごめんと、心の中でステラに謝っていた。
その状況がヤバいと思ったのは私だけじゃないようで、泣きじゃくっているステラを見て、ディランは酷く焦った様子で押さえつける事をやめていた。
ディランがここまで狼狽えまくる姿は初めて見るもので、さらに、謝りながらステラを抱き起こしていた。
今度は腕組みをした赤い髪の人が、ステラを見下ろしてくどくどと説教を始め、ぐすぐす泣きながらステラは何度も涙を拭って謝っている。
ディランはもういいだろと、ステラを慰めながら赤い髪の人を止めていた。
「ここは寒いし緊張と負荷でステラはすっかり冷え切っているんだ。まだ説教を続けるならうちの家でしろ」
「甘やかすな。その前にまだ、後始末が残っている。こいつは先に俺が連れて行く。ほら行くぞ、ステラ」
赤い髪の人がステラの腕を掴んで立ち上がらせると、ディランも急いで立ち上がり……
「あ、まずい……ギデオン待っ……ステラ……」
そこでディランは、糸が切れたかのようにステラに倒れかかっていた。
ステラは抱き止めているけど、支え切れずに再び地面に座り込む。
「ディランさん!!」
どうやら意識がないようで、今度は何が起きたのか肝が冷えた。
「やだー。ちゃっかりステラちゃんの胸に倒れ込んで。ギデオンにぶち殺されたいー?」
スラっとした体型のはずなのに、ピンクベージュの髪の人が片腕でディランの背中を掴んで上体を浮かすと、ずるずると引きずってシリルに向かって放り込んできた。
腕力にもだけど、扱いが雑すぎて驚く。
「ソレ、ミラージュ家に送り届けてくれるかしら?私達、ステラちゃん連れて、魔女の家捜索してくるから。傷は癒えてるし、多少は補ったけど、さすがに貧血だと思うのよね。よろしくー」
「ステラ、行くぞ。ジェレミーに指示された事がある」
「眠い……」
「あ、待ってください、ディランさんが、それに私、まだお姉様に……」
「ディランは放っておいても大丈夫だ。後にしろ、後に」
ステラがズルズルと引き摺られていくけど、私はそれを見送ることしかできなかった。
最初から最後まで、ここに来た私達ができる事は何もなかった。
「シリル……ディランを運んでくれる?」
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