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9話 帰宅
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「なぁ、荷台ってお尻痛くならないの?」
「大丈夫だよ………?」
俺が友達と二人乗りして、俺が荷台に乗った時は辛かった。
段差とか下り坂とかケツが死にそうになる。家までの道のりで下り坂とは段差はあまりないから大丈夫だろうけど……。
「春って感じの風だよね。ポカポカしてるって言うのかな?」
「うん。この風、好き」
「ね。俺も」
まさかこんな美女と二人乗りで下校をする事になるとは考えもしなかった。
俺は片手で自分の頬を引っ張った。今更だけど、この状況がいまだに夢だと思っていた。
「………痛いな」
痛覚がある夢か?いや、でもな……。さすがに夢だとしてもこれは出来すぎてる。
何よりも、こんな夢を見てる自分に嫌悪感を抱かざるを得ない。
「瑠魅の家ってどこにあるの?」
「学校の近く……?」
「え?」
あれ?だとしたら遠ざかってないか?
「おけ。戻ろか」
俺は足を着いて方向を変えようとした。
「なんで?」
「家に帰るんでしょ?」
「えっ?」
「え?」
え?俺、変なこと言った?家に帰るよね?みんな、家に帰らないの?俺だけなの、家に帰ってるの?
俺がズレてるの?
「蓮翔の家に行きたいな」
「………」
それはまずいな。今日も家に両親が居ない。なんで瑠魅は警戒心がないんだ?
だが、瑠魅は最初から俺に対して好意があった。それを無碍にする訳にはいかない。
「今日も両親が居ないんだよ。本当に良いの?」
「ん?うん」
きっと俺の事を信頼してくれてんだろ。出会ってまだ二日だけど。
俺は自転車に乗り直して再び漕ぎ始めた。
「お尻が痛くなったら言って。休憩するから」
「うん。ありがと」
瑠魅の顔が見えなくてよかった。たぶん、緊張しすぎてまともに自転車を漕げなかっただろうから。
一人と二人ではやっぱり二人の時の方がバランスが取りにくいな。体力の減りも凄い。
まぁ、当たり前だけど、男子で乗った時よりは断然乗りやすい。
「ここ、少し下りになってるからしっかり掴まってて」
「うん」
下りはやっぱりスピード出さないとつまらないからね。
「……………」
しっかり掴まってとは言ったけどさ。それは違うじゃん。
さすがに今指摘するのはよそう。気分が昂ってきてる。でも、役得だな。ずっとこのままで良い。
まさか、しっかり掴まってと言って抱きついて来るとは思わなかった。
どことは言わないけど、瑠魅の体の主張が……。大きいとも小さいとも言えない、まさかに理想的な大きさだ。
にしても、やわらけぇな。やばい、少し興奮してきた。
…………って、何考えてんだ俺!瑠魅にそんな気は無いのに、俺って奴は何考えてんだ!
前言撤回させて欲しい。断然男子の方が乗りやすい。と言うか気が楽。瑠魅は心臓に悪いぞ。
下り坂が終わり、田んぼが見えて来た。これ以降は特に危ない道は無い。
「そろそろ離しても大丈夫だよ」
「もう少し良い?安心するの」
いつも通りの抑揚の無い声。本当にそんな事を思ってるのかは定かじゃないけど、さすがになんとも思ってないのに、抱き着いては来ないよね?
俺は緊張や興奮が収まって来ていた。
俺が平常心を完全に取り戻す頃には既に千年桜のところだった。
「今日はいいか」
俺は千年桜のある空き地を通り過ぎて自分の家に向かった。
「瑠魅、着いたよ」
「ほんと?」
俺は家の前に自転車を止めて鍵を抜いた。
「じゃあ入る?」
「うん」
にしても、何をすれば良いんだろうか?
「何かやりたい事とかある?」
「うん?」
何もなしで家に来たのか?どうしよう……家にあるのはゲームか漫画か……。
「本でも読む?それともゲームする?」
ゲームならリビングでできるけど、本は俺の部屋にあるから手間がかかる。
「じゃあ、本?を読みたい」
「おけ。じゃあリビングで待ってて」
「どこに行くの?」
「え?自分の部屋だけど?」
「なら、私も行くわ」
「え?」
「どうしたの?」
これ、信頼とか警戒心の問題じゃないよね?あなたは俺の家族かなんかなの?
まて、待つんだ、俺。瑠魅に常識が通じないのは今に始まったことじゃない。
瑠魅は若干ズレてるだけだ。もしかしたら、俺の気にし過ぎなだけかもしれない。
案外、世の男女は恋人同士じゃなくても相手の部屋にぐらいは行くんだろう。
俺は自分の部屋へと向かった。と言っても、リビングのすぐ近くなのでそんなに歩きはしない。
俺は自分の部屋のドア開けて瑠魅を入れた。
「まぁ、好きなところに座ってよ。本は勝手に取ってて良いからさ。俺は飲み物でも取ってくるよ」
「うん、わかったわ」
俺はすぐさまドアを閉めた。
「はぁ……想像以上にヤベェや」
バレてないよな?本当に危なかった。よく耐え抜いたと思う。
瑠魅の無防備な様子を見て一瞬だけで邪な事を考えちまった。
「最低だな、俺」
「大丈夫だよ………?」
俺が友達と二人乗りして、俺が荷台に乗った時は辛かった。
段差とか下り坂とかケツが死にそうになる。家までの道のりで下り坂とは段差はあまりないから大丈夫だろうけど……。
「春って感じの風だよね。ポカポカしてるって言うのかな?」
「うん。この風、好き」
「ね。俺も」
まさかこんな美女と二人乗りで下校をする事になるとは考えもしなかった。
俺は片手で自分の頬を引っ張った。今更だけど、この状況がいまだに夢だと思っていた。
「………痛いな」
痛覚がある夢か?いや、でもな……。さすがに夢だとしてもこれは出来すぎてる。
何よりも、こんな夢を見てる自分に嫌悪感を抱かざるを得ない。
「瑠魅の家ってどこにあるの?」
「学校の近く……?」
「え?」
あれ?だとしたら遠ざかってないか?
「おけ。戻ろか」
俺は足を着いて方向を変えようとした。
「なんで?」
「家に帰るんでしょ?」
「えっ?」
「え?」
え?俺、変なこと言った?家に帰るよね?みんな、家に帰らないの?俺だけなの、家に帰ってるの?
俺がズレてるの?
「蓮翔の家に行きたいな」
「………」
それはまずいな。今日も家に両親が居ない。なんで瑠魅は警戒心がないんだ?
だが、瑠魅は最初から俺に対して好意があった。それを無碍にする訳にはいかない。
「今日も両親が居ないんだよ。本当に良いの?」
「ん?うん」
きっと俺の事を信頼してくれてんだろ。出会ってまだ二日だけど。
俺は自転車に乗り直して再び漕ぎ始めた。
「お尻が痛くなったら言って。休憩するから」
「うん。ありがと」
瑠魅の顔が見えなくてよかった。たぶん、緊張しすぎてまともに自転車を漕げなかっただろうから。
一人と二人ではやっぱり二人の時の方がバランスが取りにくいな。体力の減りも凄い。
まぁ、当たり前だけど、男子で乗った時よりは断然乗りやすい。
「ここ、少し下りになってるからしっかり掴まってて」
「うん」
下りはやっぱりスピード出さないとつまらないからね。
「……………」
しっかり掴まってとは言ったけどさ。それは違うじゃん。
さすがに今指摘するのはよそう。気分が昂ってきてる。でも、役得だな。ずっとこのままで良い。
まさか、しっかり掴まってと言って抱きついて来るとは思わなかった。
どことは言わないけど、瑠魅の体の主張が……。大きいとも小さいとも言えない、まさかに理想的な大きさだ。
にしても、やわらけぇな。やばい、少し興奮してきた。
…………って、何考えてんだ俺!瑠魅にそんな気は無いのに、俺って奴は何考えてんだ!
前言撤回させて欲しい。断然男子の方が乗りやすい。と言うか気が楽。瑠魅は心臓に悪いぞ。
下り坂が終わり、田んぼが見えて来た。これ以降は特に危ない道は無い。
「そろそろ離しても大丈夫だよ」
「もう少し良い?安心するの」
いつも通りの抑揚の無い声。本当にそんな事を思ってるのかは定かじゃないけど、さすがになんとも思ってないのに、抱き着いては来ないよね?
俺は緊張や興奮が収まって来ていた。
俺が平常心を完全に取り戻す頃には既に千年桜のところだった。
「今日はいいか」
俺は千年桜のある空き地を通り過ぎて自分の家に向かった。
「瑠魅、着いたよ」
「ほんと?」
俺は家の前に自転車を止めて鍵を抜いた。
「じゃあ入る?」
「うん」
にしても、何をすれば良いんだろうか?
「何かやりたい事とかある?」
「うん?」
何もなしで家に来たのか?どうしよう……家にあるのはゲームか漫画か……。
「本でも読む?それともゲームする?」
ゲームならリビングでできるけど、本は俺の部屋にあるから手間がかかる。
「じゃあ、本?を読みたい」
「おけ。じゃあリビングで待ってて」
「どこに行くの?」
「え?自分の部屋だけど?」
「なら、私も行くわ」
「え?」
「どうしたの?」
これ、信頼とか警戒心の問題じゃないよね?あなたは俺の家族かなんかなの?
まて、待つんだ、俺。瑠魅に常識が通じないのは今に始まったことじゃない。
瑠魅は若干ズレてるだけだ。もしかしたら、俺の気にし過ぎなだけかもしれない。
案外、世の男女は恋人同士じゃなくても相手の部屋にぐらいは行くんだろう。
俺は自分の部屋へと向かった。と言っても、リビングのすぐ近くなのでそんなに歩きはしない。
俺は自分の部屋のドア開けて瑠魅を入れた。
「まぁ、好きなところに座ってよ。本は勝手に取ってて良いからさ。俺は飲み物でも取ってくるよ」
「うん、わかったわ」
俺はすぐさまドアを閉めた。
「はぁ……想像以上にヤベェや」
バレてないよな?本当に危なかった。よく耐え抜いたと思う。
瑠魅の無防備な様子を見て一瞬だけで邪な事を考えちまった。
「最低だな、俺」
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