同窓会にいこう

7:同窓会にあなたはよんでません

「特別って…結局好きなんだ？」

さぁどう回答する？
好きと言うのは簡単だが、さっきの手紙の件があるから迂闊に軽い事言いづらい…

「特別はとくべつだ…」

結局は何も思いつかず意味不明な回答をする

「あっそ…アンタは大ちゃんと絡んでんのがお似合いだから、グフフ…」

ニヤつきながら茶化してくる

俺は相変わらず気持ち悪いヤツだと思いノートを取る作業に集中しなおすと必要以上に絡んでこなかった

(あまり変なこと言わないでよ…)

竹久瞳から脳内メッセージがくる

『ごめん…とりあえず流れに任せながら周りを観察したら良いかな？』

(うん…でも移動したりしたら場所や状況は知りたいかも)

『わかった、んで失敗したらまたやり直す感じ？』

(えっ？どう言う事？)

『いや、何か見落としたりしたら、もう一度スタート地点に戻ってやり直す的な…』

(ちょっと意味わからないけど、やり直したりは出来ないの…チャンスは一回切り)

えっ…？

どっかのアニメやラノベみたいにループして解決していくみたいなじゃ無いの？

『それってミスったら終わり的な…？めちゃくちゃ大事なことじゃない？』

(ごめんなさい…時間が無くて説明しながらにしようかなって)

『俺ちゃんと戻れるのか不安になってきた』

(それは大丈夫！でも過去に滞在出来る時間はこっちの日付が変わる午前0時までしか無いの)

『うーむ…竹久さん色々説明抜けてるよね』

(ごめん…本当に…勝手に焦っちゃったから)

まぁ可愛いから許すけど…過去に人送る前に説明する事沢山あるよね？て言いたい

ただ何か焦る理由もあるのだろうか？と考える

『竹久さん的には何か当てがあるの？これが原因かな？みたいなの』

（私は中学三年生くらいに友達や知り合いの葬式や失踪が多いなと感じて、引っ越したクラスメイトの行先など調べ出したらほとんどが行方が解らなかったの）

『言ってたね』

（調べるって言っても中高生だから限界あるんだけど手紙をそれと無く出してみたら宛所不明で返ってくることばかりで、届いてたのは江上くんだけだった）

手紙出してきてたのはそれが理由ならちょっと悲しい…返事して無いけど…でも一応内容がちゃんとあった気もするし業務連絡では無いか？

『なるほど』

（一気にクラスメイト全員が亡くなったり失踪したなら事件や事故を疑うけど、徐々にだと共通点に気づかない人が大半だし実際自分が何組だったかを忘れちゃう人もいると思う）

（私も本当最初は何か気持ち悪さみたいのから調べだして、共通点が５年２組だったの）

(そのまま6年2組に上がったのは江上くん以外の17人、中学時代には確か半分くらい、高校生なる頃には私入れて4～5人しか地元にはいなかったと思うわ)

田舎特有と言うか中学上がる頃には子供の環境を考えて都会や親の地元へ引越し家を買う家庭が多く高校なると尚更だ

『うーん…それだと本当に死んだり行方不明か決めるの難しくない？』

(それ言われたら自信無いけど少なくとも私の身近に居た
3人、吉持さん、田畑さん、雨川さんは亡くなってるわ)

『マジか!雨川まで』

雨川は当時流行ったいた恋愛漫画の主人公と名前が似ていて、更に170近い長身の美人だったので竹久瞳と男子人気を二分していた

流石に同年代男子だと身長で負けてるため絡みにくかったが、教師からも人気が高く中～高生と付き合っているや塾の講師と付き合っているなど大人びた噂が多かった

田畑に関しては正直記憶があまり無い

確か初めて5年生で同じクラスになった数少ない存在だったのと既に1～4年で出来ていた人間関係もあり絡む機会がなかったらからかもしれない

「は～い大体の店頭の説明は以上です」

児玉行員が大きな声を上げる。

しまった！竹久瞳と話していてほとんど聞き逃してしまった。

『竹久さん、あまり長時間話すのは何かを見逃すかもしれないから最小限にしよう』

（ごめん、わかったわ）

（私も必要最低限の説明をするべきだったけど、江上くんから聞こえる声や音は私も聞こえるから、それで判断するようにする）

何もかも手探りであるが協力して何かを見つけるようにしようと思った。