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間章:つかの間の休息
2話:ファウストの父
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忙しい祭りも八月の頭を過ぎれば落ち着いてくる。次の大祭を前に夏休みを取る隊員も多い。ファウストも久しぶりに妹に会いに行くと言って出て行った。
ランバートは今月街警。今回は東砦詰めだが、仕事が終わるとジンの所やルカの所に顔をだし、何でもない時間を楽しむのが日課になっている。
「兄さん、アリアの所に行ってるんだ」
ファウストが休みを取った事を教えると、ルカは嬉しそうな顔で笑う。そばではレオが夕飯後の片付け中だ。
「久しぶりだって言ってたけれど」
「そうだと思うよ。兄さんが顔を見せに行ったのって、確か去年の四月かな」
「そんなに? 兄妹仲が悪い訳じゃないだろ?」
ルカともすっかり打ち解けて話せるようになった。そのせいで、少し荒さもでてきている。それでもまったく気にする様子はなく、ルカは頷いた。
「とても仲がいいよ。っていうか、兄さんが僕たちに構いたがるし、過保護だし」
「それは分かるな」
「でしょ!」
「でも、それならもっと顔を見せてもいいのに。そんな何日も休まなくても行ける距離だろ?」
場所を聞くと馬で一日。四日も休みを取れば十分なのに。
だが、ルカは少し悲しい顔で「うーん」と悩む。その様子で、どうやら遠ざける理由は他にあるのだと分かった。
「アリアの住んでる屋敷は、僕たちが小さな時に使ってた避暑地なんだ。幼い頃の思い出も沢山あるから、ちょっと辛い事も思い出すんじゃないかな」
「あぁ……」
ファウストが幼少期を過ごした屋敷。幸せだった様子の窺える場所。だがその後、ファウストはそこから引き離されてしまった。なんとなく、その落差が無意識にも辛いのだろう。
「母さんとの思い出も沢山あるしね。兄さんは辛いと思う」
「そうなのか?」
「僕はまだ小さかったからちゃんと覚えていないけれど、住んでた屋敷が突然襲われて。僕たち兄弟は隠し部屋にいて助かったけれど、母さんがね」
寂しそうに、悲しそうに告げる表情に申し訳なく、ランバートは手を伸ばして肩に触れた。トントンと叩くと、青い瞳は弱く上がり笑みを作る。
「大丈夫?」
「うん、平気。それに、母さん笑ってたし」
「笑ってた?」
「うん、お葬式でね。棺の中でも、ちゃんと笑ってた。だから、大丈夫って思えるんだよ」
幼い子にとって、愛した親の死はとても辛い。心に傷を残すくらい。そういう子の目を、ランバートは下町で何度も見てきた。
でも、ルカは違うのだろう。彼らの母が、彼らがその後も立てるように強く優しくあったのだろう。そう思えた。
「心配だったのは、兄さんと父さん。兄さんは怖い顔だったし、父さんは泣きたいのに泣けなかったみたいだから」
「そんな時から、ファウスト様は何を背負ったんだか」
ファウストはランバートの事を心配するが、ランバートだってファウストが心配だ。どうも、自分の中だけで押し込もうとしている風がある。自分もそんなところがあるから分かるんだ。
辛そうな顔をされると、悲しくなる。それを自分がさせているのだと思うと、いたたまれない。
「母さんが死んだのは、自分のせいだって思ったんだよ」
「十歳の子供が、親の死に責任なんてないだろ」
「ないよ。でも、兄さんは思ったんだとおもう。母さんや僕たちを守るのは自分だって思っていたから。その為に剣を習っていたのにって。覚えてるのはね、怖い顔で泣かずに立っていた姿と、痛そうに握られていた拳ばかりなんだ」
背負う必要のないものを背負い込んで、悲しんで、苦しんで。そんな時から頑固で、責任感が強くて、なんてバカなんだろう。
なんて、自分は言えない。ランバートだって大概だ。
「父さんと似てるんだよ、兄さん。見た目じゃなくて、中身が。本当にそっくりなんだよ、表情とか。あんなに似てるのも面白いんだ」
「ルカさんは、シュトライザー公爵と交流があるのかい?」
「あるよ。って言っても、直接じゃなくて手紙とかね。一緒にお菓子とかも。アリアにも同じようにしてると思う。近況を知りたがったり、困った事はないか聞いてきたり。本当に兄さんとそっくり」
楽しそうに笑うルカを見ると、親子関係は良好だ。でも、ファウストが話す内容とあまりに違う。ファウストは父親を憎んですらいる。なんでこんなにもすれ違ったのだろう。
「僕がこうして店をしているのもね、父さんが色々としてくれたから。アリアの事も父さんが整えてくれてる。小さな時もね、年に何回も顔を出してくれて、遊んだり本を読んでくれたり。母さんも嬉しそうだし、幸せだったよ」
「ファウスト様の話を聞くと、そうは思えないんだけど」
途端、ルカの表情は曇る。なんとも言えないもののように。
「兄さん、多分とても辛かったんだと思う」
「シュトライザーの家が?」
「それもあるけれど……色々。僕もね、おかしいなって思う所があるんだ。僕の記憶と一致しないっていうか」
「記憶が一致しない?」
「うん。父さんと母さんと、僕たち兄弟とで過ごした時間がね、兄さんの中では父さんだけが消えているんだ。アリアにも確認したけど、アリアとは話が合う。だから兄さんだけが、記憶から消したんじゃないかってくらいで」
困ったその様子に、ランバートも戸惑う。時々、よほど辛い経験をした人の中ではこうした話を聞く。主にダメなハムレット兄の話なんだが。
それによると、精神的に弱い人が自分を守るためにそうした記憶障害を起こしているんじゃないかと言っていた。そのように処理しなければ自分を保つ事ができなくて、どこかで記憶に蓋をして、つじつまが合うように記憶を作り年月をかけて上書きしていく。これを無理に暴くような事をすると、上書きの記憶と本物の記憶が混同してより酷い精神疾患を起こす可能性がある。そのままにしておけるなら、その方がいいらしい。
ファウストがそうだとは思わなかった。でも、弱い部分は知っている。誰かの死や、苦しみに弱い。ランバートの怪我や過去に、とても辛そうな顔をするのだから。
「父さんも何も言わないんだ。何度か一緒に食事した時に言ったけれど、『あれの思いたいように思わせておけ』って。なんだかね、それも寂しい。僕たちは一般的な家族の形じゃなかったけど、でも気持ちでは家族だったのに。兄さんもね、母さんが生きている時は父さんに甘えたり、剣を教えてもらったりしていたんだ。父さんだって兄さんをとても愛していたのに、今じゃあんなだから」
「うん」
父親を憎んだのか、自分を憎んだのか。もしくは、自分を憎む事に耐えられなくて、責任を転嫁したのか。十歳が背負うものの許容を超えた時に、その精神がどれほど悲鳴を上げたかなんて想像できない。
胸が締まるような苦しさがこみ上げる。最近、こんな事がある。胸が苦しくなったり、喉が引き絞られるような違和感があったり。その時に思っているのは、大抵がファウストの事だ。
「二人とも頑固だから、歩み寄りもしないし。だからって無理矢理は余計に反発するし。見守るしかないのかなって思うんだけど」
「そうかもしれないな」
「父さんだってそれなりの年だから、心配だよ。親子の雪解けが死の間際なんかだったら、僕悲しくてしかたがないよ」
むしろ、そこでも解けない永久凍土もあるのではと思ってしまい口を閉じる。ファウストは敵認定すると徹底的にそのような態度を取る。そういう悪癖が出ると、葬儀にすら出席しない可能性があるんじゃないかと。
なんとも親子は難しい。
「ところで、ランバートさんは兄さんとその後上手くやってる?」
「ん?」
楽しそうな青い瞳が機嫌良く聞いてくる。それに視線を向けたランバートは、なんだか嫌な予感がした。
「僕、早くランバートさんのこと義兄さんって呼びたいんだけど」
「ルカさん……」
「誘ってみたら転がらないかな? あっ、周囲から埋める? 今度、僕と一緒にアリアに会いにいってみるとか。ちゃんと押せば転がるよ」
「いや、ルカさん」
「頑張ってね!」
「……はい」
やっぱりこの人が最強だ。ランバートは肩をガックリと落として項垂れ、苦笑を漏らすのだった。
ランバートは今月街警。今回は東砦詰めだが、仕事が終わるとジンの所やルカの所に顔をだし、何でもない時間を楽しむのが日課になっている。
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ファウストが休みを取った事を教えると、ルカは嬉しそうな顔で笑う。そばではレオが夕飯後の片付け中だ。
「久しぶりだって言ってたけれど」
「そうだと思うよ。兄さんが顔を見せに行ったのって、確か去年の四月かな」
「そんなに? 兄妹仲が悪い訳じゃないだろ?」
ルカともすっかり打ち解けて話せるようになった。そのせいで、少し荒さもでてきている。それでもまったく気にする様子はなく、ルカは頷いた。
「とても仲がいいよ。っていうか、兄さんが僕たちに構いたがるし、過保護だし」
「それは分かるな」
「でしょ!」
「でも、それならもっと顔を見せてもいいのに。そんな何日も休まなくても行ける距離だろ?」
場所を聞くと馬で一日。四日も休みを取れば十分なのに。
だが、ルカは少し悲しい顔で「うーん」と悩む。その様子で、どうやら遠ざける理由は他にあるのだと分かった。
「アリアの住んでる屋敷は、僕たちが小さな時に使ってた避暑地なんだ。幼い頃の思い出も沢山あるから、ちょっと辛い事も思い出すんじゃないかな」
「あぁ……」
ファウストが幼少期を過ごした屋敷。幸せだった様子の窺える場所。だがその後、ファウストはそこから引き離されてしまった。なんとなく、その落差が無意識にも辛いのだろう。
「母さんとの思い出も沢山あるしね。兄さんは辛いと思う」
「そうなのか?」
「僕はまだ小さかったからちゃんと覚えていないけれど、住んでた屋敷が突然襲われて。僕たち兄弟は隠し部屋にいて助かったけれど、母さんがね」
寂しそうに、悲しそうに告げる表情に申し訳なく、ランバートは手を伸ばして肩に触れた。トントンと叩くと、青い瞳は弱く上がり笑みを作る。
「大丈夫?」
「うん、平気。それに、母さん笑ってたし」
「笑ってた?」
「うん、お葬式でね。棺の中でも、ちゃんと笑ってた。だから、大丈夫って思えるんだよ」
幼い子にとって、愛した親の死はとても辛い。心に傷を残すくらい。そういう子の目を、ランバートは下町で何度も見てきた。
でも、ルカは違うのだろう。彼らの母が、彼らがその後も立てるように強く優しくあったのだろう。そう思えた。
「心配だったのは、兄さんと父さん。兄さんは怖い顔だったし、父さんは泣きたいのに泣けなかったみたいだから」
「そんな時から、ファウスト様は何を背負ったんだか」
ファウストはランバートの事を心配するが、ランバートだってファウストが心配だ。どうも、自分の中だけで押し込もうとしている風がある。自分もそんなところがあるから分かるんだ。
辛そうな顔をされると、悲しくなる。それを自分がさせているのだと思うと、いたたまれない。
「母さんが死んだのは、自分のせいだって思ったんだよ」
「十歳の子供が、親の死に責任なんてないだろ」
「ないよ。でも、兄さんは思ったんだとおもう。母さんや僕たちを守るのは自分だって思っていたから。その為に剣を習っていたのにって。覚えてるのはね、怖い顔で泣かずに立っていた姿と、痛そうに握られていた拳ばかりなんだ」
背負う必要のないものを背負い込んで、悲しんで、苦しんで。そんな時から頑固で、責任感が強くて、なんてバカなんだろう。
なんて、自分は言えない。ランバートだって大概だ。
「父さんと似てるんだよ、兄さん。見た目じゃなくて、中身が。本当にそっくりなんだよ、表情とか。あんなに似てるのも面白いんだ」
「ルカさんは、シュトライザー公爵と交流があるのかい?」
「あるよ。って言っても、直接じゃなくて手紙とかね。一緒にお菓子とかも。アリアにも同じようにしてると思う。近況を知りたがったり、困った事はないか聞いてきたり。本当に兄さんとそっくり」
楽しそうに笑うルカを見ると、親子関係は良好だ。でも、ファウストが話す内容とあまりに違う。ファウストは父親を憎んですらいる。なんでこんなにもすれ違ったのだろう。
「僕がこうして店をしているのもね、父さんが色々としてくれたから。アリアの事も父さんが整えてくれてる。小さな時もね、年に何回も顔を出してくれて、遊んだり本を読んでくれたり。母さんも嬉しそうだし、幸せだったよ」
「ファウスト様の話を聞くと、そうは思えないんだけど」
途端、ルカの表情は曇る。なんとも言えないもののように。
「兄さん、多分とても辛かったんだと思う」
「シュトライザーの家が?」
「それもあるけれど……色々。僕もね、おかしいなって思う所があるんだ。僕の記憶と一致しないっていうか」
「記憶が一致しない?」
「うん。父さんと母さんと、僕たち兄弟とで過ごした時間がね、兄さんの中では父さんだけが消えているんだ。アリアにも確認したけど、アリアとは話が合う。だから兄さんだけが、記憶から消したんじゃないかってくらいで」
困ったその様子に、ランバートも戸惑う。時々、よほど辛い経験をした人の中ではこうした話を聞く。主にダメなハムレット兄の話なんだが。
それによると、精神的に弱い人が自分を守るためにそうした記憶障害を起こしているんじゃないかと言っていた。そのように処理しなければ自分を保つ事ができなくて、どこかで記憶に蓋をして、つじつまが合うように記憶を作り年月をかけて上書きしていく。これを無理に暴くような事をすると、上書きの記憶と本物の記憶が混同してより酷い精神疾患を起こす可能性がある。そのままにしておけるなら、その方がいいらしい。
ファウストがそうだとは思わなかった。でも、弱い部分は知っている。誰かの死や、苦しみに弱い。ランバートの怪我や過去に、とても辛そうな顔をするのだから。
「父さんも何も言わないんだ。何度か一緒に食事した時に言ったけれど、『あれの思いたいように思わせておけ』って。なんだかね、それも寂しい。僕たちは一般的な家族の形じゃなかったけど、でも気持ちでは家族だったのに。兄さんもね、母さんが生きている時は父さんに甘えたり、剣を教えてもらったりしていたんだ。父さんだって兄さんをとても愛していたのに、今じゃあんなだから」
「うん」
父親を憎んだのか、自分を憎んだのか。もしくは、自分を憎む事に耐えられなくて、責任を転嫁したのか。十歳が背負うものの許容を超えた時に、その精神がどれほど悲鳴を上げたかなんて想像できない。
胸が締まるような苦しさがこみ上げる。最近、こんな事がある。胸が苦しくなったり、喉が引き絞られるような違和感があったり。その時に思っているのは、大抵がファウストの事だ。
「二人とも頑固だから、歩み寄りもしないし。だからって無理矢理は余計に反発するし。見守るしかないのかなって思うんだけど」
「そうかもしれないな」
「父さんだってそれなりの年だから、心配だよ。親子の雪解けが死の間際なんかだったら、僕悲しくてしかたがないよ」
むしろ、そこでも解けない永久凍土もあるのではと思ってしまい口を閉じる。ファウストは敵認定すると徹底的にそのような態度を取る。そういう悪癖が出ると、葬儀にすら出席しない可能性があるんじゃないかと。
なんとも親子は難しい。
「ところで、ランバートさんは兄さんとその後上手くやってる?」
「ん?」
楽しそうな青い瞳が機嫌良く聞いてくる。それに視線を向けたランバートは、なんだか嫌な予感がした。
「僕、早くランバートさんのこと義兄さんって呼びたいんだけど」
「ルカさん……」
「誘ってみたら転がらないかな? あっ、周囲から埋める? 今度、僕と一緒にアリアに会いにいってみるとか。ちゃんと押せば転がるよ」
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🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。
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