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暗黒神ザナファ討伐編
076話 炎の化身「魔人トゥグ」
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部屋の中央に巨大な炎の球体が浮いている。
エネルギー生命体の魔人トゥグは目や口といった生物的な器官が無い。
炎の塊に大量の水をかけてみたいと思うのは私だけだろうか?
科学的に考えて結局何か燃焼物質が燃えている訳で、常に燃えるているのならこの洞窟の酸素も消費しているはずだから酸素が無くなったら消えるのか・・・・とか。
この場合「科学」じゃなくて「化学」になるんだっけ?
サイエンスとケミストリーの違いがごっちゃになる。
「ああ、この部屋は暖かいね。」
「灼熱の概念。我がすぐに消滅させるがな!行くぞ準備は良いか?」
暗黒神ハーデスが杖を構え頭上に巨大な氷塊が構成されていく。
開幕から氷を司る極大攻撃魔法【ディストケイラ】を詠唱する。
魔人トゥグは私達の攻撃行動さ察知したのか体表面を覆う炎がフレアを発生させ始める。
燃え盛る炎の球体が、泡状に膨らみその質量を増している様に見える。
「来るぞ!」
「彼方より来たりて契約せし氷の精霊神よ!我が魔力と共に時間をも凍てつかせる力にて全てを滅ぼせ!【ディストケイラ】!」
今まで暖かかった周囲の気温が一気に低下し、ダイアモンドダストの様な無数の細かな氷の結晶トゥグの周囲に煌めき降り注ぐ。
暗黒神ハーデスが杖を突き出した瞬間に頭上の巨大な氷塊がトゥグに向かい高速で射出され直撃する。
それに合わせダイアモンドダストがトゥグに収束して行くかの様に吸い込まれ凝縮され、洞窟全体を揺るがす程の巨大な水蒸気爆発が起きる。
私は暗黒神ハーデスをの前面に立ち防御姿勢を取る。
爆発の中心に向けてDOSが氷の魔弾を込めた【シャランガーナ】の銃撃で連続射撃をする。
咲耶は炎耐性に特化した障壁を張り、サクラは静かに様子を伺っている。
水蒸気で霞んだ視界の先から強烈な灼熱を孕んだブレスでの波状攻撃を受ける。
咲耶の火炎障壁のお陰でダメージは軽減されているがゲームとは違い、魔人トゥグの火炎の威力はかなり強化されている。
魔人トゥグが巨大な腕の様な形状に変容し、炎属性の物理連続攻撃を仕掛けてくる。
これはモンクの初期特殊技能【爆裂拳】。
私は二刀流で難無く捌き何度か追撃を加えるがダメージは余り無い。
隙を突き暗黒神ハーデスが氷系の上位魔法で攻撃をする。
ダメージ量から優先攻撃順位は暗黒神ハーデス>DOS>私>咲耶・サクラだろう。
しかし予想に反して3本目の触手の様な腕が咲耶に向けて刺突攻撃を加え、ギリギリのところでサクラが刀で防ぐが炎属性のダメージを受けていた。
「コイツ!行動パターンが普通じゃないですよ!サクラ大丈夫ですか?」
「あちち、少し驚いたでござる。拙者達は一切攻撃をしていないのにダメージ喰らうとは、驚きの威力でござるな。」
今度は3本の触手が同時に咲耶目掛けて攻撃を仕掛ける。
完全に咲耶に狙いを定めている様だ。
サクラは二刀流で巧に捌くが、全てを捌く程の回避能力は無い為かなりダメージを食らっている。
「咲耶!私の後方に下がって!狙われてるのは咲耶だよ!」
「わ、分かりました!」
サクラが攻撃を迎撃しつつ暗黒神ハーデスの付近へ移動する。
サクラが自分に上位回復薬【ハイポーション】を使用し回復する。
もしかしたら優先攻撃順位の低い順に攻撃してきているのか?
「ウハハハハハ!消滅せよ!【ディストケイラ】!」
暗黒神ハーデスが【ディストケイラ】の2撃目を放ち魔人トゥグに大ダメージを与える。
攻撃専門の魔法職ソーサラーの常時発動型特殊技能の魔力消費軽減と高速詠唱の恩恵で再充填時間軽減され極大攻撃魔法が連続使用が可能となる。
この世界のギュノス国の守護機械兵、北大門を守護するヴァイシュラヴァナを単独撃破したのも頷ける超火力だ。
魔法弱点属性が有る敵なら圧倒的なダメージ量を与えられる、パーティー戦なら主力となれる最強職だ。
魔人トゥグはより激しく燃え上がり六本に増えた触手で咲耶と暗黒神ハーデスを中心に攻撃を集中させて来る。
私も【影分身】を使用し3体の分身体で攻撃を捌くが、本体よりも基礎能力の低い分身体は魔人トゥグの攻撃を抑えきれず消滅する。
【神衣(カムイ)カヴァーチャ】の性能は装備している私自身にしか適応されていない為、必然的に分身体との能力格差出来ているのだ。
私自身にダメージは少ない無いがSP回復量が低い分きつい、盾役と言う役割を考えていた自分がどれだけ浅はかだったか思い知る。
サクラも私の横に並び物理攻撃を抑える。
「ごめん、サクラ。私は盾役を甘く見ていた。」
「大丈夫でござる。拙者達はチームなのだから、1人で抱える事では無いでござる。」
再度【影分身】を発動し5人で物理攻撃を捌く、だが魔人トゥグの放つ火炎属性の極大攻撃魔法【ネオクエクスリア】により咲耶の炎障壁は消滅し、周囲を巻き込み全員が大ダメージを受ける。
咲耶が即座に全体回復魔法を使い傷を癒すが魔人トゥグの攻撃は更に激しくなる。
「ハーデス!【イグナイトストライク】を撃つ!合わせろ!」
「それを使うか!24時間の再充填時間は痛いのではないか?」
「ザナファでまでには充填される。残りの魔人は物理攻撃が有効だからサクラとシノブに任せられるさ!」
「ならば行くぞ!炎の概念を消滅させる最強の1撃を!」
暗黒神ハーデスは五属性全てを司るソーサラー最強魔法の無属性極大攻撃魔法【コールヘイレス】を準備し始める。
DOSの【イグナイトストライク】同様に、再充填時間が24時間と制限を受ける程強力な極大攻撃魔法だ。
咲耶が再度炎属性の障壁を張り直し、私とサクラが触手攻撃をギリギリで押し返す。
「天と地をあまめく精霊神達よ!我が魔力の根源たる闇に呼応し共に契約を結ばん!そして全ての生きとし生けるもの全てに滅びを与えん!」
「穿て!【コールヘイレス】!」
暗黒神ハーデスの【コールヘイレス】発動に合わせて、十分に狙いを定めたDOSの銃口が火を噴く。
「食らうがいい!【イグナイトストライク】!」
細かな光と闇の粒子の様な物質が魔人トゥグに向けて高速で収束し空間を歪めるように陽炎を造り、あたかもブラックホールが周囲の物質を吸い込む様にトゥグの体が歪み変形していく。
その中央にDOSの放った【イグナイトストライク】の課金砲弾が直撃し大爆発を起こした瞬間に中央の「点」に爆風ごと収束し消滅した。
そして辺りに静寂が訪れる。
魔人トゥグに勝ったのだ。
「1体目でこの強さとは、驚きでござるな。」
「そうですね、1日ボス1体で安全策を取るのが良く無いですか?」
「いや、我が弟への到達が遅れると強さが増す設定だから推奨はせんぞ。」
ゲームの設定ではゲーム内時間で難易度が変化すると言う仕様だった。
もしかしたらこの世界でも暗黒神ザナファが更に強くなる恐れが有る事を暗黒神ハーデスは懸念していた。
「ああ、確か何段階か難易度が上がる設定だったっけ?」
「うむ、のんびりしていると更に強くなる可能性が高い。」
勝利の余韻も少なく回復を済ませ少しの休憩の後、私達は更に下の階層を目指して歩き始めた。
エネルギー生命体の魔人トゥグは目や口といった生物的な器官が無い。
炎の塊に大量の水をかけてみたいと思うのは私だけだろうか?
科学的に考えて結局何か燃焼物質が燃えている訳で、常に燃えるているのならこの洞窟の酸素も消費しているはずだから酸素が無くなったら消えるのか・・・・とか。
この場合「科学」じゃなくて「化学」になるんだっけ?
サイエンスとケミストリーの違いがごっちゃになる。
「ああ、この部屋は暖かいね。」
「灼熱の概念。我がすぐに消滅させるがな!行くぞ準備は良いか?」
暗黒神ハーデスが杖を構え頭上に巨大な氷塊が構成されていく。
開幕から氷を司る極大攻撃魔法【ディストケイラ】を詠唱する。
魔人トゥグは私達の攻撃行動さ察知したのか体表面を覆う炎がフレアを発生させ始める。
燃え盛る炎の球体が、泡状に膨らみその質量を増している様に見える。
「来るぞ!」
「彼方より来たりて契約せし氷の精霊神よ!我が魔力と共に時間をも凍てつかせる力にて全てを滅ぼせ!【ディストケイラ】!」
今まで暖かかった周囲の気温が一気に低下し、ダイアモンドダストの様な無数の細かな氷の結晶トゥグの周囲に煌めき降り注ぐ。
暗黒神ハーデスが杖を突き出した瞬間に頭上の巨大な氷塊がトゥグに向かい高速で射出され直撃する。
それに合わせダイアモンドダストがトゥグに収束して行くかの様に吸い込まれ凝縮され、洞窟全体を揺るがす程の巨大な水蒸気爆発が起きる。
私は暗黒神ハーデスをの前面に立ち防御姿勢を取る。
爆発の中心に向けてDOSが氷の魔弾を込めた【シャランガーナ】の銃撃で連続射撃をする。
咲耶は炎耐性に特化した障壁を張り、サクラは静かに様子を伺っている。
水蒸気で霞んだ視界の先から強烈な灼熱を孕んだブレスでの波状攻撃を受ける。
咲耶の火炎障壁のお陰でダメージは軽減されているがゲームとは違い、魔人トゥグの火炎の威力はかなり強化されている。
魔人トゥグが巨大な腕の様な形状に変容し、炎属性の物理連続攻撃を仕掛けてくる。
これはモンクの初期特殊技能【爆裂拳】。
私は二刀流で難無く捌き何度か追撃を加えるがダメージは余り無い。
隙を突き暗黒神ハーデスが氷系の上位魔法で攻撃をする。
ダメージ量から優先攻撃順位は暗黒神ハーデス>DOS>私>咲耶・サクラだろう。
しかし予想に反して3本目の触手の様な腕が咲耶に向けて刺突攻撃を加え、ギリギリのところでサクラが刀で防ぐが炎属性のダメージを受けていた。
「コイツ!行動パターンが普通じゃないですよ!サクラ大丈夫ですか?」
「あちち、少し驚いたでござる。拙者達は一切攻撃をしていないのにダメージ喰らうとは、驚きの威力でござるな。」
今度は3本の触手が同時に咲耶目掛けて攻撃を仕掛ける。
完全に咲耶に狙いを定めている様だ。
サクラは二刀流で巧に捌くが、全てを捌く程の回避能力は無い為かなりダメージを食らっている。
「咲耶!私の後方に下がって!狙われてるのは咲耶だよ!」
「わ、分かりました!」
サクラが攻撃を迎撃しつつ暗黒神ハーデスの付近へ移動する。
サクラが自分に上位回復薬【ハイポーション】を使用し回復する。
もしかしたら優先攻撃順位の低い順に攻撃してきているのか?
「ウハハハハハ!消滅せよ!【ディストケイラ】!」
暗黒神ハーデスが【ディストケイラ】の2撃目を放ち魔人トゥグに大ダメージを与える。
攻撃専門の魔法職ソーサラーの常時発動型特殊技能の魔力消費軽減と高速詠唱の恩恵で再充填時間軽減され極大攻撃魔法が連続使用が可能となる。
この世界のギュノス国の守護機械兵、北大門を守護するヴァイシュラヴァナを単独撃破したのも頷ける超火力だ。
魔法弱点属性が有る敵なら圧倒的なダメージ量を与えられる、パーティー戦なら主力となれる最強職だ。
魔人トゥグはより激しく燃え上がり六本に増えた触手で咲耶と暗黒神ハーデスを中心に攻撃を集中させて来る。
私も【影分身】を使用し3体の分身体で攻撃を捌くが、本体よりも基礎能力の低い分身体は魔人トゥグの攻撃を抑えきれず消滅する。
【神衣(カムイ)カヴァーチャ】の性能は装備している私自身にしか適応されていない為、必然的に分身体との能力格差出来ているのだ。
私自身にダメージは少ない無いがSP回復量が低い分きつい、盾役と言う役割を考えていた自分がどれだけ浅はかだったか思い知る。
サクラも私の横に並び物理攻撃を抑える。
「ごめん、サクラ。私は盾役を甘く見ていた。」
「大丈夫でござる。拙者達はチームなのだから、1人で抱える事では無いでござる。」
再度【影分身】を発動し5人で物理攻撃を捌く、だが魔人トゥグの放つ火炎属性の極大攻撃魔法【ネオクエクスリア】により咲耶の炎障壁は消滅し、周囲を巻き込み全員が大ダメージを受ける。
咲耶が即座に全体回復魔法を使い傷を癒すが魔人トゥグの攻撃は更に激しくなる。
「ハーデス!【イグナイトストライク】を撃つ!合わせろ!」
「それを使うか!24時間の再充填時間は痛いのではないか?」
「ザナファでまでには充填される。残りの魔人は物理攻撃が有効だからサクラとシノブに任せられるさ!」
「ならば行くぞ!炎の概念を消滅させる最強の1撃を!」
暗黒神ハーデスは五属性全てを司るソーサラー最強魔法の無属性極大攻撃魔法【コールヘイレス】を準備し始める。
DOSの【イグナイトストライク】同様に、再充填時間が24時間と制限を受ける程強力な極大攻撃魔法だ。
咲耶が再度炎属性の障壁を張り直し、私とサクラが触手攻撃をギリギリで押し返す。
「天と地をあまめく精霊神達よ!我が魔力の根源たる闇に呼応し共に契約を結ばん!そして全ての生きとし生けるもの全てに滅びを与えん!」
「穿て!【コールヘイレス】!」
暗黒神ハーデスの【コールヘイレス】発動に合わせて、十分に狙いを定めたDOSの銃口が火を噴く。
「食らうがいい!【イグナイトストライク】!」
細かな光と闇の粒子の様な物質が魔人トゥグに向けて高速で収束し空間を歪めるように陽炎を造り、あたかもブラックホールが周囲の物質を吸い込む様にトゥグの体が歪み変形していく。
その中央にDOSの放った【イグナイトストライク】の課金砲弾が直撃し大爆発を起こした瞬間に中央の「点」に爆風ごと収束し消滅した。
そして辺りに静寂が訪れる。
魔人トゥグに勝ったのだ。
「1体目でこの強さとは、驚きでござるな。」
「そうですね、1日ボス1体で安全策を取るのが良く無いですか?」
「いや、我が弟への到達が遅れると強さが増す設定だから推奨はせんぞ。」
ゲームの設定ではゲーム内時間で難易度が変化すると言う仕様だった。
もしかしたらこの世界でも暗黒神ザナファが更に強くなる恐れが有る事を暗黒神ハーデスは懸念していた。
「ああ、確か何段階か難易度が上がる設定だったっけ?」
「うむ、のんびりしていると更に強くなる可能性が高い。」
勝利の余韻も少なく回復を済ませ少しの休憩の後、私達は更に下の階層を目指して歩き始めた。
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