乙女ゲームで強悪役な俺が人外攻略達とハーレムになりました

鮎田

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助け出す

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「んっ、はぁ…ぁ…俺に甘えていいっ…あっ」

「そんな声出して何言ってんだよ」

クロウに下から突き上げられて、敏感になった中は簡単にイかされる。

地面に寝かされてクロウは「俺が中をよしよししてやるよ」と言って、奥を突かれた。
気のせいなのか、少しだけクロウの顔が嬉しそうに見えた。

俺とクロウの魔力は限界に近付いていて、体力も尽きかけていた。
それでも身体は求めて、クロウと口付けを交わす。

意識も薄れていき、お互いの身体は力なく倒れた。

空間にヒビが入った事も知らずに…








ーートワ視点ーー

医務室にはクロノがいて、カルテらしきものを眺めていた。
視線だけ俺達の方を向いて、すぐに目を丸くして驚いていた。

視線は俺ではなく執事くんの方を向いていた、クロノが執事くんを知っているならリンちゃんの事にも自然と結びつく。
そこにリンちゃんがいないとしたら、なにかあったとすぐに分かるはずだ。

俺と執事くんはクロノのところに行くと、カルテのようなものを机の上に置いて立ち上がった。

身長が高いと見下ろす圧があるが、今日はいつもより空気が重苦しい。

「リーンくんは…?」

「その事で急ぎ話があるんだ」

「早く言え」

肌に突き刺さるほど冷たい声だが、今はそんなのどうでもいい。

アイツの名前を知らないから特徴を伝えて、リンちゃんが誘拐された事を伝えた。
姿の特徴より「吸血鬼」という言葉に反応して、俺達を押し退けて医務室を出ていった。

俺達と協力するような性格ではないか、それは分かっているから勝手に付いて行く。

俺は何処で誘拐されたかはまだ言っていない、言う前に一人で飛び出したからだ。

でも、まるで知っているかのように迷いなくリンちゃんがいなくなった場所で足を止めた。

ここら辺は俺と執事くんで隙間なく探した、ここにはリンちゃんはいない。

それを言おうとしたら、執事くんは何もない道の空間に向かって拳を突き出した、

何をしているのか理解出来なかったが、すぐにその理由が分かった。

何もないと思っていた空間に巨大な白い球体が現れた。

「なんだこれ…」

「普通に歩いているだけではすり抜けてました」

俺と執事くんは驚いていたが、その疑問にクロノは答える事なく球体を物凄い力で殴っていた。

かなりの怪力なのか、衝撃で木が大きく揺れている。

俺も球体を破壊した方がいいのかと思ったが、中にリンちゃんがいたら危険だ。
それは執事くんも分かっているのか、クロノの行動を黙って見ていた。

数回殴っていて、急にピタリと手を止めて首を傾げていた。

球体はヒビが入る事なく綺麗な状態のままだった。

アイツが作ったなにかなら、物理より魔法の方が効くんじゃないのか?
己の魔力を集めて散弾銃を出現させて、球体に向かって構える。

「クロノ先生退け!俺がやる!」

「リーンごと粉々にするつもりか」

「その球体を破壊すればいいんだろ!あの吸血鬼が作ったものなら魔力しか効かないかもしれないだろ!」

「違う」

「…えっ」

「この球体を作ったのはアイツだが、白く覆っているのは違う魔力だ」

クロノはそう言って、もう一度球体を殴り始めた。

アイツじゃない魔力…リンちゃんしかいないだろ。
いったい中でなにが起きているんだ?球体を覆うほどのリンちゃんの魔力って…

元々強くなる素質はあったし、治癒魔法に関しては俺も経験した。
特殊な糸の力も使えるけど、他にもなにかあるのか?

隣にいる執事くんを見ると、なにか考え事をしていた。

俺より一緒にいる時間が長い執事くんなら思い当たる事があるんじゃないか?
少しでも新しい情報があれば、球体からリンちゃんを連れ出す事が出来るかもしれない。

「執事くん、リンちゃんの力で思い当たる事はない?少しでいいからなにか…」

「いえ…何も」

執事くんは自分の胸元に触れて、明らかになにか隠している様子だった。
この状態で隠すって事は、今の状況と無関係という事か。

何度も殴っていたクロノは、血で汚れた手を下ろした。

相変わらず球体は綺麗な状態でそこにあり、やっぱり魔法を使った方がいいんじゃないかと思える。
リンちゃんが傷付かないぐらいに調整して魔法を使えばいい。

再び散弾銃を構えようとしたらクロノは呟くような小さな声で「オーバーヒート…?」と言っていた。

その言葉に思わず散弾銃を下ろして、魔力が体内に戻って消えた。

オーバーヒート…リンちゃんが?なんで…今なんだ。

「執事くん!リンちゃんはオーバーヒートした事ある!?」

「…オーバーヒートとは?」

「執事くん、魔法が使えるのに経験ないのか?」

何歳か知らないが、20歳は超えてそうだから一度ぐらい経験があると思っていた。

オーバーヒートとは、一言で言うと魔力の暴走だ。

普通の人なら、魔力の制御が出来ない幼い頃に多い。
遅くてもリンちゃんの年齢で初めてのオーバーヒートを迎える。

魔力が身体から溢れてきて暴走して、周りを破壊したりする。
薬を飲めば落ち着いて、魔力の制御の仕方を教わる。
やり方は人それぞれで簡単だから教われば、オーバーヒートになる事はない。

これがリンちゃんの魔力なら、かなり分厚い壁になっていた。

薬を飲ませればいいが、リンちゃんそのものがいないから俺達にはどうする事が出来ない。

それを執事くんに教えると、納得すると思ったが眉を寄せていた。

「リーン様の魔力は暴走する事はないはずです」

「でも、オーバーヒートになった事はないんじゃないの?」

「リーン様の家は、暴走を抑制する魔石を持っています…リーン様もずっと持っているものです」

暴走を抑制する魔石?なんだそれ、聞いた事がない。

執事くんは周りを見渡して、リンちゃんのカバンがないか確認していた。
リンちゃんが持っているもの…じっくりカバンを見た事はないが、魔石が入るほど大きなもの。

もしかして、リンちゃんが持っている猫のぬいぐるみ?
あの中に魔石が入っているのか、リンちゃんしか触ってないから知らなかった。

手から少し離れてもある程度の距離な効果はあるという。

じゃあ、オーバーヒートをするはずがない…それとも魔石で制御出来ないほど強い力なのか。

球体を眺めて、何も出来ない自分が嫌になってくる。

このままオーバーヒートを放置すると周りの被害が増えてくる。
今は球体の中にいるが、出てきた時すぐに抑制薬を飲ませないと…

魔石の力を合わせれば何とかなるかもしれない…それしかない。

「クロノ先生、魔力抑制薬は!?」

「医務室だ」

「じゃあ俺、取ってくる!」

なにかしたくてクロノと執事くんに背を向けると、後ろから光が差し込んできた。
後ろを振り返ると白かった球体が真っ黒に変わっていた。

クロノは「リーンの魔力が消えた」と不吉な事を言っていた。
魔力が消えたって、まさか…リンちゃんは無事だよな?

クロノは拳を叩きつけると、さっきまでびくともしていなかった球体にヒビが入り割れた。

光がさらに強く輝いて、無意識に目蓋を閉じた。
すぐに光は消えて目の前を見ると、リンちゃんが地面に倒れていた。

えっと…なんでリンちゃん何も服着てないの?学校帰りだから制服を着ていたはずだけど…

しかも、覆い被さるこの男はあの吸血鬼だ…オーバーヒートをしたとは思えない格好の二人がそこにいた。
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