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23.猫になった婚約者と木登り
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「ライル様、もう大丈夫ですよ」
シロがいなくなったのを確認して、木の上にいるライルに声をかける。
そこまで高い木では無い。だから、下から見上げても様子が分かる。
ライルは耳を後ろに倒して尻尾を足の間にしまっている。相当、シロに追いかけられたのが怖かったようだ。
「ライル様、降りても大丈夫ですよ」
「う、うむ。……いないのは分かっている……だが……」
「どうしました?」
「……お、降りられない……」
木の枝に爪を立ててぎゅっと捕まっている。よく目を凝らせば、小さく震えていた。
「……そこで待っていてください」
「わ、分かった」
よく木登り経験のない子猫は、木に登って降りれなくなる。
だからこういうことは慣れている。子供の頃から、猫と戯れていたからだ。
スカートの裾を捲って、登りやすいように結ぶ。腕まくりをして袖が枝に引っかからないように準備した。
「よっ……と」
「か、カレン!?」
「私、木登りは結構得意、なんですよ」
登りながら言う。木登りは久しぶりだが、体が一度覚えたことはそう簡単には忘れないようだ。
枝が多い分、取っ掛りも多い木だったため、難なく登れた。
「迎えに来ましたよ、ライル様」
手の届く高さまで登り、話しかけた。ライルは目を丸くしていた。
手を伸ばしてライルに触れる。
「首根っこ掴みますがよろしいですか?」
「あ、ああ……いいぞ」
ライルの首根っこを掴んで近くに引き寄せる。抱きかかえていては私が降りれないので、肩に乗ってもらった。
「少し不安定ですが、すぐに降りますので」
「……き、気をつけるのだぞ」
「ええ」
登ってきたのとは逆の順番に足を運び、地面に下りた。
そして、すぐにライルを肩から下ろし抱きかかえる。
「もう大丈夫ですよ」
「……う、うむ。その、ありがとう……」
ライルは目を逸らして恥ずかしそうにしていた。消え入りそうな声だったが、はっきりとお礼の言葉が聞こえた。
相当怖かったようだ。顔は逸らしているものの、両手は私の腕をぎゅっと掴んでいる。それに、未だに尻尾も足の間に収まっている。
「部屋に戻りましょうか」
「ああ。……このまま運んでくれ」
「ええ、分かりました」
不安そうにしているライルを抱えたまま、自室へ戻るため、歩き始めた。
シロがいなくなったのを確認して、木の上にいるライルに声をかける。
そこまで高い木では無い。だから、下から見上げても様子が分かる。
ライルは耳を後ろに倒して尻尾を足の間にしまっている。相当、シロに追いかけられたのが怖かったようだ。
「ライル様、降りても大丈夫ですよ」
「う、うむ。……いないのは分かっている……だが……」
「どうしました?」
「……お、降りられない……」
木の枝に爪を立ててぎゅっと捕まっている。よく目を凝らせば、小さく震えていた。
「……そこで待っていてください」
「わ、分かった」
よく木登り経験のない子猫は、木に登って降りれなくなる。
だからこういうことは慣れている。子供の頃から、猫と戯れていたからだ。
スカートの裾を捲って、登りやすいように結ぶ。腕まくりをして袖が枝に引っかからないように準備した。
「よっ……と」
「か、カレン!?」
「私、木登りは結構得意、なんですよ」
登りながら言う。木登りは久しぶりだが、体が一度覚えたことはそう簡単には忘れないようだ。
枝が多い分、取っ掛りも多い木だったため、難なく登れた。
「迎えに来ましたよ、ライル様」
手の届く高さまで登り、話しかけた。ライルは目を丸くしていた。
手を伸ばしてライルに触れる。
「首根っこ掴みますがよろしいですか?」
「あ、ああ……いいぞ」
ライルの首根っこを掴んで近くに引き寄せる。抱きかかえていては私が降りれないので、肩に乗ってもらった。
「少し不安定ですが、すぐに降りますので」
「……き、気をつけるのだぞ」
「ええ」
登ってきたのとは逆の順番に足を運び、地面に下りた。
そして、すぐにライルを肩から下ろし抱きかかえる。
「もう大丈夫ですよ」
「……う、うむ。その、ありがとう……」
ライルは目を逸らして恥ずかしそうにしていた。消え入りそうな声だったが、はっきりとお礼の言葉が聞こえた。
相当怖かったようだ。顔は逸らしているものの、両手は私の腕をぎゅっと掴んでいる。それに、未だに尻尾も足の間に収まっている。
「部屋に戻りましょうか」
「ああ。……このまま運んでくれ」
「ええ、分かりました」
不安そうにしているライルを抱えたまま、自室へ戻るため、歩き始めた。
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