【本編完結】嫌味な男と婚約させられた令嬢ですが、ある日その婚約者が猫になっていました

翠月 歩夢

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34.猫になった婚約者と相談2

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「……というわけなのよ」


 喋る猫の正体が、大帝国の失踪した王子ライル=ブローナーであるということ。

 魔女によって、ライルが猫の姿にされてしまったこと。

 その魔女へライルに呪いをかけてくれの依頼した人物がいること。

 現在得た手がかりとして、二箇所調べに行きたいところがあるが、迂闊に行けないこと。

 そして、私たちの代わりにへクセへ確かめに行って貰えないかと頼みに来たこと。

 全てを明かした。もちろん、他の人には言わないと書面で約束を交わした後で。へクセを信用していないわけではないが、念の為の措置である。


「なるほどね……」
「流石にお前もここまでは分かってなかっただろう!」
「いや? 大体予想通りだったよ?」
「そんなわけないだろう!」
「えー、本当なのにー!」


 ライルはどうにかしてへクセに一泡吹かせたいらしい。しかし、誇らしげに「分かってなかっただろう!」と言ったのに、余裕そうに返されて心底腹が立っているようだ。


「とにかく話は分かったよ」
「こんな突飛のない話ですけれど……」
「いやいや! 信じるよ?」
「頼んだ立場で言うのもあれだが、すぐに信じるのもどうかと思うぞ……? そのうち騙されるのではないか?」
「僕だってなんでもかんでも信じるわけじゃないよ。ちゃんと信じるものは選ぶさ」


 したり顔でウインクをするへクセ。

 それを見て威嚇をするライル。

 仲が悪いとか相性が悪いわけではない。どちらかといえば、仲が良いように思う。あっという間に打ち解けているし。


「それで……引き受けてくれるということでいいのだよな?」
「え、何を?」
「魔女探しだ!」
「あー……うん、まあ……」


 へクセが気まずそうに目をそらして言い淀む。こんなことは滅多にない。

 もしかして、引き受けてくれないのだろうか。こちらが勝手に頼んだ無茶なお願いだから、断られても仕方ない。他に頼る人もいないし断られると厳しいが……無理強いするわけにもいかない。


「無理なら大丈夫ですわ、へクセ」
「へっ!? あ、ううん。無理じゃないよ!」
「ですが、なにか歯切れが悪い言い方をされていましたし……」
「ああ、それはちょっと考え事しててさ!」
「では引き受けてくれるのだな!」
「あ、うん。協力はするよ」


 強引にライルがまとめてしまったが、これで良いのだろうか。引き受けてくれたのは助かる。しかし、あの気まずそうな顔をした理由が気になる。


「でもね……」


 考え込んでいるとへクセがまた口を開いた。また気まずそうな顔をしている。

 青い目を見つめた。一体、へクセは何を言うつもりだろう?

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