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48.猫になった婚約者と地域猫
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「なぁ、カレン。あの猫……」
窓の外を眺めていたライルが話しかけてきた。
「猫がどうしましたか?」
ライルがいる方へ行き、外を見る。
青い空に風で揺れている木々の葉が視界に入った。少し離れたところに黒色の猫がいた。
「あいつ……耳が片方ハートのような形になっているのだ。あれは人工的に切られたものだろう?」
目を凝らして見る。確かに、あの黒猫はイヤーカットがされている。
「ああ……イヤーカットですね」
「イヤーカット?」
「去勢・避妊済みの猫に対する処置です。一目見て分かるようにされているのですよ」
「そんなものがあるのか? 初めて知ったぞ」
「この国で試験的に導入したのですよ。お父様にお願いして」
「……カレンが?」
野良猫や野良犬は放置しておけば、いずれ凶暴化したり病原菌を媒介したりすることになる。
しかし、殺処分にするのはできる限り避けたい。元々、人に飼われていて人懐っこい子もいる。単に都合で捨てられただけで殺処分になるのは悲しいことだ。
どうにかできないかと、お父様に頼み込んだ。途中へクセに手伝ってもらったりアイデアを出してもらったりしたが、その結果、試験的にではあるが、導入されることになった。
「一世限りの生とする代わりに、地域の皆で地域猫として可愛がるのです。……これもただのエゴですが、殺処分よりはマシでしょう?」
「そうだな。……あっ、だからこの国の猫たちは優しかったのか!」
「えっ?」
「カレンのところに来る前に、何匹か猫にあったのだが、ご飯のあるところを教えてくれたり道案内をしてくれたりしたのだ」
「そんなことがあったのですか!?」
「うむ」
まるで御伽噺のようだ。そんなことが起きていたなんて。猫になった人間に、本物の猫が手助けをする。童話のような展開だ。
もしかしたら猫は、ライルを同類だと思って接しただけという可能性もある。それにしたって猫同士で助け合いするとか、あまりにも可愛い。
私のところに来る前に、そういった出来事があったとどうして今の今まで、ライルは言わなかったのだ。もっと早く言ってくれても良かったのに。
「地域猫というのか。俺も人に戻れたら国で導入しようか。あっ、だが他にもやらなければいけないことが……」
ぼそぼそとライルが独り言を言う。緑の瞳が、上の何も無い空間を見つめている。尻尾が横に大きくゆらゆらと揺れていた。
窓の外を眺めていたライルが話しかけてきた。
「猫がどうしましたか?」
ライルがいる方へ行き、外を見る。
青い空に風で揺れている木々の葉が視界に入った。少し離れたところに黒色の猫がいた。
「あいつ……耳が片方ハートのような形になっているのだ。あれは人工的に切られたものだろう?」
目を凝らして見る。確かに、あの黒猫はイヤーカットがされている。
「ああ……イヤーカットですね」
「イヤーカット?」
「去勢・避妊済みの猫に対する処置です。一目見て分かるようにされているのですよ」
「そんなものがあるのか? 初めて知ったぞ」
「この国で試験的に導入したのですよ。お父様にお願いして」
「……カレンが?」
野良猫や野良犬は放置しておけば、いずれ凶暴化したり病原菌を媒介したりすることになる。
しかし、殺処分にするのはできる限り避けたい。元々、人に飼われていて人懐っこい子もいる。単に都合で捨てられただけで殺処分になるのは悲しいことだ。
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「一世限りの生とする代わりに、地域の皆で地域猫として可愛がるのです。……これもただのエゴですが、殺処分よりはマシでしょう?」
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「えっ?」
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