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不和との邂逅
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しおりを挟むミナリアは久方ぶりに朝の散歩へと赴いていた。
最初にユイセルに出会ってからというもの、毎日のように繰り返していた逢瀬は、先日の討伐実習でついぞ途切れた。
実習から寮へと戻ったのは一週間ほど前になるが、グトルフのこともあり最近はめっきり足が遠のいていたのである。
朝の静謐な空気を肺に吸い込む。
空気中の魔素が身に染みて、ミナリアは軽い立ち眩みを起こした。
傍らの木に手を突こうとして空を切る。
「しま、った……っ」
「……っリア!」
倒れかけた体が力強く引き寄せられる。
背中に感じる体温と厚い胸。
背後から抱き込められた驚愕で固まるミナリアの耳に、安堵したような吐息が潜り込む。
「怪我はない?」
「……ない」
なんとかそれだけを返すと、ユイセルが首筋に顔を埋めて腕の力を強めた。
鼓動が駆け上がるように早まって、呼吸までもが早まる。
ミナリアは自分を落ち着かせるように、大きく息を吐いた。
「……怪我はないが、早く、離れろ」
「ちぇ」
拗ねたような響きを残して、ユイセルは素直に距離を置いた。
しかし心配そうにこちらを伺っている。
「……大丈夫だ」
「……リアは一人で抱え込むのが得意そうだね」
ユイセルのため息混じりの言葉に釈然としない思いで眉を顰める。
「何だそれは」
「何かあれば俺にすぐ言ってほしいってこと」
ユイセルの手が正面から伸びてくる。頭に着地する寸前でミナリアは初めて避けることに成功した。
ユイセルが肩をすくめる。
対してその顔は穏やかだった。
むず痒い気持ちが湧き出て落ち着かない。
そんな生暖かい空気の中。
ミナリアの思考を遮ったのは、人国の王城からの通信だった。
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