巻き込まれて死亡?!神様、責任とってくださいね?

紅子

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呼び出しと買い物と

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さっくりと終わったと思われたこの依頼の問題だが、後日、彼女の家が画策した詐欺だと判明した。私たち魔法陣描きに魔石の入れ替えを指摘して、賠償責任を負わせるつもりだったようだ。具体的には、依頼の受付と納品の検品を彼女が行い、魔石の入れ替えを突き付ける予定だったらしい。ギルドで入れる特別な刻印は、彼女が故意に入れていなかった。私の事件から、彼女が受領した依頼を全て見直して発覚した。この時点で、すでにいくつかの依頼がギルド員にされていて、すべて、彼女が依頼の受付を担当していたことも分かっている。受付のミリアから直接、依頼の斡旋をする予定のものが、手違いでボードに張り出されていたとはいえ、ナーサリーに受け付けてもらい、刻印を施してもらえた私は、非常に運がよかったと言える。これには、領主も「恩を仇で返された」と激怒して、重犯罪者として裁かれた。魔法ギルドの信用に関わるのだから、各所から妥当と判断されたそうだ。

ちょっとほっとした。



腐敗の森で大繁殖中のラフランシアは、まだ討伐中だが、魔法ギルドの方は、職員の教育の変更や体制の見直しも終わり、だいぶ落ち着いてきた。そんな中、私は、「ギルド長から呼び出されているよ」と、納品を受け取るナーサリーから告げられた。




「それは・・・・。関わりたくないんだけど」

「無下には出来ないのは、分かるだろう?」

私を見たギルド長の第一声は、「明日、領主のところに行くぞ」だった。あの事件について、直接会って謝罪し、報償を与えたいと、領主直々にギルド経由で呼び出しがあったそうなのだ。

「被害に遭ったのは私だけじゃないし」

「だが、気付いて知らせてくれたのは、サイカだけだったからな。被害が出る前でよかったよ」

「そりゃ、他は新人だったから気付かなかっただけで、ちゃんとベテランの人が受けてたら、もっと早く気付けてたと思う」

「成人したてのお前も新人だ。ベテランが受けるほどの依頼じゃないってのもミソだったんだよなぁ。それにな、防毒と灯りの魔法陣の提供にも感謝しているそうだ。収束にはまだ時間が掛かるが、戦況は上々らしい。兎に角、明日、晴れ着を着て、ギルドに10時に来い」

「防毒と灯りの魔法陣は、ギルドに卸しただけだし。不良在庫を処分出来たから、別に感謝されることでもないし。晴れ着なんて持ってないし」

「今から買いに行け。ナーサリーをつけてやる」

私は、領主様に会うのが嫌でごちゃごちゃと御託を並べてみたものの、領主様の館を訪ねるのは決定事項。ギルド長と副ギルド長が一緒に来るのだけが救いか。

「私は、今から旅に出ます。いつ帰るか分かりません、とお伝えください」

「そんなこと言えるか!」

本当に権力者とは関わり合いたくないんだけどなぁ。あまりゴネてギルド長たちの心証を悪くするのもよくない。

「分かりました。ナーサリーをお借りします」

私は仕方なく、ナーサリーと晴れ着を購入しに行くことになった。そして・・・・。

「え?それ?!ちょっと、選ぶ気ある?普段着てる服と変わらないじゃない!」

ナーサリーが案内してくれた洋服屋で私が選び出した服は、不評を買ってしまった。普通に白いレースの襟付きの紺のシンプルな踝丈のワンピース。清楚系で落ち着いてて無難だと思ったが、この世界の貴族を訪問するには相応しくないらしい。

「こっちかこっち。これもいいわね」

「領主様のご邸宅へご訪問でしたら、こちらやこちらもお薦めいたしますよ」

ナーサリーと店員が選んだのは、私から見るとドレスに近い。私の若草色の髪が映えるようにと、黄色やオレンジや萌黄色や薄紫色などの明るい色で、長さは、踵が隠れるくらいある。全体的にヒラヒラしていて、刺繍が至る所に施してあった。形は何とかワンピースの体を成しているだけマシ?

「え″っ。こんなヒラヒラフワフワしたのでいいの?」

晴れ着といえば、シンプルなワンピースに揃いの上着を想定していた私としては、かなり敷居が高い。

「何言ってるの!晴れ着なんだから、布を重ねて清楚に上品に可愛くしなきゃ!ほら、試着して」

数着の服と共に試着室に放り込まれた私は、店員さんに手伝ってもらいながら、着せ替え人形のごとく次々と服を替えられた。

「これにしましょう。これなら、長く着られるわ。靴はこれで、鞄はこっち。次は、アクセサリーね!さっ、行くわよ」

アクセサリーまで?!

「必要ないって!」

「何寝ぼけたこといってるの?領主様のところに行くのよ?!必要最低限の格好をしないと恥をかくのはサイカと我が魔法ギルドよ?」

必要最低限にアクセサリーも含まれるの?本当に?!

「とにかく、ネックレスくらいはしなさい。ピアスはいつも着けてるその真珠で許してあげるわ」

結局、ナーサリーには敵わず、真珠の一粒ネックレスを購入することになった。そこに、真珠をあしらった髪留めも付け加えられた。普段着けるには少し仰々しいかもしれないデザインだが、服を選ばないと言う理由で無理やり納得した。翌日、ナーサリーに従っておいてよかったと、ギルド長たちの格好を見て感謝することになる。
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