チャラ男は愛されたい

梅茶

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Sクラス

生徒会

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生徒会長のことが全く理解できなくて心の中で助けを求めていれば、いつの間にか近くに移動してきていた副会長が生徒会長の頭を軽くはたいた。え、えぇ…ざつ…


「なに後輩困らせてるんですか。その悪趣味は一生隠しといてください。」
「おい美緒、悪趣味とはなんだ、悪趣味とは。まだ何もしてねぇだろうが」
「してるようなもんでしょうが。大丈夫でしたか?久遠くん。この人は少し困ったところがあるので」
「あっ、だ、大丈夫で~す!副会長ありがとうごさいましたぁ」


副会長が来てくれて安心した。生徒会長と仲がいいのかものすごくズバズバ言ってたけど…とりあえず助かったとお礼を言えば、副会長は少し悪い顔で笑っておや、と首を傾げる。そのまま耳に顔を寄せてくるのだからドギマギしてしまう。
えぇ!?俺なんかしちゃったっけ…?そんな焦る心中を察したのか、楽しそうに笑いながら副会長が耳の近くで囁く。


「ふふ、もう美緒先輩とは読んでくれないんですか?」


……き、聞かれてたのか~!!顔が赤くなっていくのを感じるが先輩の麗しすぎる顔が近くにあって隠せない。あまりにも刺激が強すぎて混乱のままギュッと目をつぶり口をムギュっとしてしまう。ん"ん"目が潰れる!眩しい!顔がいい…!!!!


「おい、お前もじゃねぇか」
「おや?私は可愛い後輩を可愛がっているだけですが?」
「あァ"?よく言うぜ羨ましい」
「貴方、本音だだ漏れですよ」

「えー!なにその顔可愛いー!!」
「この子も生徒会入る子~?」
「わ、」


そんな声がしたと思ったら、左右から急にそっくりな顔がひょこっと覗き込んでくる。1人は目をキラキラとさせてもう1人はなんとなくムスッてとしているが、伊月先輩と緋月先輩…?い、いつの間に….茜くんはと探してみれば、生徒会長の方に突撃していた。


「こーんなに可愛い子たちが生徒会に入るなんて嬉しいな~!って、あれ?緋月ったらご機嫌ななめ?」
「むぅ、だって伊月!ただでさえ茜が超可愛いんだから、可愛い枠がこれ以上増えちゃったら困るじゃん!」
「でもでも緋月、茜もこの子も可愛いけど、顔はこの子綺麗系だよ?」
「伊月わかってない!茜は元気系だし可愛いのもまあ…気に入ったからいいけど、この子の可愛いはダメなのー!」
「えーどっちも可愛い後輩じゃーん!」
「ちっが~う!!」
「え~~??」


か、か、可愛い~~!!!多分今怒ってるのは緋月先輩なんだけど、ぷりぷりして頬を赤くしてる顔が可愛いし、2人とも喋り方も動きも可愛すぎる…可愛すぎて内容があんま入ってこない…
そのまま2人を眺めていると、急に横から抱きしめられる。なにごと!?


「うぁっ、え!?ち、ちとせ!?」
「……俺が先なのに」
「なんの話!?」
「…俺が先に遥と仲良くなったのに…」
「え、キュンじゃん…」

「あれ?ちーちゃんったらヤキモチ妬いてんの?あは、可愛すぎ~!!」
「ちーちゃん可愛い~!もうっ誰もそんなの取らないよー!」


なんか今緋月先輩にすっごく失礼なことを言われた気がするのは気のせいかな?
いや、それより、俺に抱きついたまま双子を睨む千歳に気が気じゃない。いやもう俺のためにヤキモチ妬いてくれるのは正直めっちゃ嬉しいけど、けど…っ!先輩にそんな態度とって大丈夫なの千歳さん…!!


「……遥は俺とご飯食べてる…2人ともあっちいって」
「あれ、僕もいるよ?」
「る、るいくんのこともきっと含まれてるよぉ…!」

「え~!もうっ、ちーちゃんのいけず!まあ生徒会でいくらでも会えるしいいけど。ねっ、伊月、茜とご飯食べに行こーよ」
「……ぎ…」
「え、伊月?」
「伊月先輩……?ひぇッ」


千歳が言ったことに琉生くんがツッコムが千歳には聞こえてなかったようだった。そのまま緋月先輩がくるりと回れ右をして背を向けてくるが、伊月先輩は何やら下を向いてブツブツ言っている。え、急に何…?首を傾げていると、いきなり伊月先輩が顔を近づけてきて、その可愛らしい頬を染めながら口を開いた。


「え、いや…可愛すぎない?ねぇ緋月、あっちいってだって、あっちいって。可愛いかよ最高に興奮するんだけど。はぁー、ちーちゃんダメだよ、そんな煽るようなこと言っちゃ、もう僕我慢できなくなっちゃいそうだもん。あ、ねぇ君遥ちゃんていうの?ハルちゃんって呼んでいい?あは、こんな顔真っ青にしちゃってかーわい♡これからも生徒会で毎日会えるなんて嬉しいなぁ!僕可愛い子大好き♡……ほんと、ちーちゃんもハルちゃんも、食べちゃいたいぐらい可愛いね♡♡」

「………え?」
「うっわー伊月やばぁ」
「チッ」
「ごめんね遥、耳塞ぐのが遅くなっちゃったね。早く忘れちゃおうね。」


…え?幻聴?俺なんか言われたっけ??混乱した頭のままプルプル震えながら抱きしめてくれる千歳の方に寄っていく。途中から琉生くんが耳を塞いでくれたがだいぶ手遅れ……いや、俺は何も見ていないし聞いてない。何も無かったんだ。

そう自己暗示をかけるように何度も思い込ませようとするが、目の前でニッコニコこちらを見つめる伊月先輩のせいでそうもいかない。な、なんだよこの先輩全然可愛くないよ~!!これからこの人と生徒会で仕事をしなくちゃいけないの??危険すぎない???無理だよ~~!!!!

涙目になりかけた時、突如食堂内で大絶叫がおこりこのテーブルの微妙な空気が雲散した。伊月先輩も興味が逸れてくれたのか視線を外され本気で安堵する。この学園怖すぎるわ。一体誰が助けてくれたのかと悲鳴が聞こえる方を向いて、叫びそうになる口を必死に抑える。

大絶叫にも納得である。なぜなら…あの生徒会長と茜くんがキスしてたんだから。
あの短時間でどうしてそうなったの!?

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