〘完〙なぜかモブの私がイケメン王子に強引に迫られてます 〜転生したら推しのヒロインが不在でした〜

hanakuro

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第4話 ここは本当に憧れの世界ですか?

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「今の見た?」

リーナの頭はフル回転で、どう答えるべきか最適な言葉を探す。しかし、嘘をついてもいいことはないと、正直に「はい」と白状する。するとオルガはマジマジとリーナを見つめてから、大きくため息をついた。

「そうですわよねぇ。こんなところで使っていたお・・私が悪いのですし・・貴女のこと責められないですわね」

てっきり見たらいけないものを見てしまったのかとヒヤヒヤしたが、さすがヒロイン。どうやらリーナを責めるつもりはないようだ。

しかしこの後、別の意味でヤバい事実をリーナは知ることになるのだが、当然本人はまだ知らない。ここで適当に逃げておけばよかったと、後悔することになるのだ。

「あのー、オルガ様。このことは誰にも言いませんので、ご安心ください」

リーナのフォローにオルガは、意外な返答をする。

「ああ、いいのよ。どうせみんなの噂になってしまっているし・・ぶっちゃっ・・・じゃなくて、どうせ貴女が話しても誰も驚かないから」

確かにオルガの言うとおり、レオナがここを指定してきたのも、彼女がこのことを知っていたからだ。ではなぜレオナは、リーナにオルガには近付くなと忠告したのか。

(ベタ恋の世界に魔法なんて登場しなかった。やっぱりこれがレオナが警戒していた理由かしら)

「あの、さっきのは魔法ですよね?この世界で魔法は普通なんですか?」

「普通じゃないから、こんな所でやってんじゃん!」

!!!!

公爵令嬢オルガのものとは思えない言葉使いに、リーナは固まる。目と口を開き、明らかに驚きの表情のリーナに、オルガは“しまった”と、顔をしかめた。

(そういえば、さっきからチョイチョイ言葉が変だった気がする。この人、本当に私の推し“オルガ”なの?)

疑いと眼差しを向けるリーナに、オルガは後ずさりする。しかし数歩下がったところで「あー、もう!」と吐き捨てるよう言うと、頭を乱暴にかいた。せっかく丁寧にセットされたフワフワの巻き髪が台無しだ。

「何でみんなみたいに、見て見ぬ振りしてくれないかなぁ。アンタも貴族のご令嬢なんだろ?」

オルガの口から出てきたリーナを非難するセリフに、混乱しているリーナの口から謝罪の言葉が出てきた。

「えっと、あの、申し訳ございません」

それでも不機嫌そうなオルガに、リーナの脳裏にレオナの忠告が浮かぶ。

『触らぬ神に祟りなし』

「決してオルガ様を困らせようとしているわけではなくて、寧ろお助けしたいと申しますか、その・・これ以上、お邪魔をしては申し訳ございませんので、ここで私は失礼させていただきます!」

そう言って踵を返すリーナをオルガの「ちょっと待ってよ!」というセリフが止める。

恐る恐る振り返ったリーナの瞳に、オルガの仁王立ちする美しい姿が映る。

「今の言葉、きっちりこの耳で聞いたからね。アンタの言葉どおり、助けてもらうから」

(ああ、嫌な予感しかしない・・友達の言うことは素直に効いておくべきだったわ)

リーナは、心の底から後悔していた。
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