〘完〙なぜかモブの私がイケメン王子に強引に迫られてます 〜転生したら推しのヒロインが不在でした〜

hanakuro

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第17話 何で余計な気を回すんですか?

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『話は終わりましたか?』

神の言葉にリーナとオルガは頷く。それを見た神は『ではこちらへ』というと、オルガを自分の目の前に立たせた。リーナが別れの言葉を言おうと口を開きかけた時、オルガが「あっ!あと三分待ってくれ!」と待ったをかける。そしてこちらもポケットから何やら取り出すと、リーナの手に握らせた。不思議そうな表情のリーナが手の中を見ると、石が三つある。

「・・これは?」

「あー、それはだな。俺の魔力を込めてあるんだ」

「魔力?」

「そう魔力。屋敷で魔法出すわけにいかないから、その石に魔力を吸わせてたんだよ。一応、お礼ってことだな・・・あっ、今“いらない”って顔しただろ?何かに使えるかもしれないだろ?」

「こんな物使うって、どんな場面よ」

「まあ、そう言うなって。相変わらず手厳しいな」

「フフフッ、でもありがとう。冬馬だと思って大事にするわね」

「おう!何かその言い方死んだみたいな言い方で、気になるけどな」

その時『さあ、時間ですよ』と神の声が二人の会話を遮り、穏やかだったリーナとオルガの表情は一瞬で真剣なものとなる。

「それじゃあ、神様頼みます!」

その言葉を合図にオルガの姿は徐々に薄くなり、消える瞬間には黒髪の青年の姿をリーナに見せた。その青年の唇は、声にならない言葉を発していた。そして、その形はリーナの口にした別れの言葉と同じだった。

「元気でね・・・」

オルガのいた場所を見つめていたリーナは、思い出したように神に尋ねる。

「神様、ありがとうございました。無事に彼も戻せて一安心です。そういえば、ずっと気になってたんですけど、何で神様はオルガの前でなく、私の前に姿を見せたんですか?彼に話を持ちかけたほうが、シンプルでしたよね?」

リーナの質問に神は、一瞬戸惑いを見せるも、バツが悪そうに話し出す。

『ああ、それはですね・・・本当の事を話したら、彼、怒って怖そうだったからです。いやぁ、でもリーナさんに話を持っていって正解でしたね。貴女なら必ずやり遂げてくれると、信じてましたよ』

調子のいい神のセリフに若干イラッとしたリーナだったが、声を潜めて更に尋ねる。

「ところでもう一つだけ教えて下さい。なぜ、願いを叶えるハードルが彼の好感度を上げることだったんですか?お陰で、私、大変だったんですよ」

『あれ?嬉しくありませんでしたか?前世の幕を突然閉じた貴女への同情と、多少なりともリーナさんに迷惑をかけたお詫びの印として、王子との仲がうまくいくよう手を加えました』

「えっ!!じゃあ、彼が私に興味を持ってるのは、神様の仕業なんですか!?」

『そうなりますね。彼はこの国の王子ですし、女性たちの憧れでしょう?そんな方と結ばれれば、リーナさんも今度こそこの世界で幸せになれますよね?』

「勝手に気を回して、そういうの“ありがた迷惑“とか”余計なお世話”って言うんですよ!そんなのいりませんから、元に戻してください!彼とヒロインがラブラブになるようにしてください!できますよね?ねっ!?」

『あー、それは無理ですね。それにもし出来たとしてもそんなことしたら、彼に殺されちゃいます』

神がそう言って視線をリーナの後ろへやる。リーナも後ろを振り向くと、そこには憮然ぶぜんたたずむセドリックがいた。リーナは、彼の存在を忘れていた。当然、今の会話を聞いていたセドリックは、その表情からも分かるように不機嫌だ。

『それじゃあ、用事も済んだので帰りますね』と言って神が姿を消すのを、リーナは必死に留める。

「あっ!ちょっと待って!まだ話は終わってないのよ!置いていかないで!」

だが既にそこに神の姿はなく、虚しく声だけが響いた。一人取り残されたリーナは仕方なくセドリックの方を見る。彼は先ほどからずっと黙ったままだ。リーナはどうしようかと、思いながらとりあえず話しかけてみることにする。

(えっと・・何て切り出そうかしら・・)

迷った末に彼女の口から出てきたのは、謝罪の言葉だった。

「今の話、聞いてましたよね?申し訳ありませんでした!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


いよいよ本当のヒロインが戻ってきます。
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