田舎のオトコと都会のオトコ

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▶▶ 田舎の♂️

4、裸のお付き合い


「ただいま~」

「おかえりなさい。思ったより遅か・・・って二人とも土まみれじゃない!もしかしてずっと畑にいたの!?」

 宿に戻った二人の姿に母親はぎょっとする。俺はともかく、まさか巧がここまで本格的に畑に入るとは母親も予想外だったらしい。

「いや~めっちゃ楽しかったです!俺生まれて初めて自分で野菜収穫しました!」

「そう。楽しめたならよかったわ♪二人ともお風呂入っておいで!あ、よかったら服洗濯しようか?」

「いいんですか!?是非お願いします!」

「じゃあ、脱いだ服この籠に入れておいてね。」

 母親はそう言い残すとなんだか嬉しそうにしながら採ってきた野菜を手に厨房の方へと戻っていった。

(ちょっと待て。風呂一緒に入れって言ったよな?いや、一応大浴場ではあるけども・・・俺は家の方の風呂に)

「ねぇ、これこのまま入って大丈夫なの?廊下汚れない?」

「・・・・こっち。」

 仕方なく俺は巧を宿の裏口の方へ案内した。目の前に海水浴場がある為、海で泳いで帰ってきた客用に外に足洗い場が設置されている。そこで軽く砂を洗い流し、裏口から風呂の脱衣所に入れるようになっている。


「なるほど~!これなら玄関や廊下を汚す心配もないね♫」

「・・・・じゃ、ここから風呂行ってきて。タオルとかは脱衣所の籠に用意してあるからそれ使って!」

 そう言ってそそくさとその場を立ち去ろうとする俺の腕を巧はすかさず掴んできた。

「え、どこ行くの?」

「いや、俺はすぐ隣に自分ちの風呂あっから。そっち入るよ!お前は客なんだからでかい風呂でゆっくりしてこい。」

「いや、一緒に入って来いって言ってたじゃん!せっかくだし一緒に入ろーよ!」

(せっかくってなんだよ・・・。こいつ俺にキスしたことほんとに覚えてねぇんだな。いや、、これだとまるで俺が一人で勝手に意識してるみたいでキモくねぇか?!)

「わ、わかったよ!一緒に入ればいんだろ入ればッ!今日だけだかんな!」

「わーーい♪」


༶ ༶ ༶ ༶ ༶ ༶ ༶ ༶ ༶ ༶ ༶ ༶ ༶ ༶ ༶ ༶


――- チャポン・・・


「ふぅ~働いた後のお風呂は最高だねぇ~♪」

「いや、畑入っただけだろ。」

「えー?俺にとってはかなりの大仕事だったよー。この島に来て初めてのことばっかり経験出来たし・・・なーんか1日がめっちゃ濃かったなー!!」

(・・・そう言えば何でこいつ一人で旅なんかしようと思ったんだ?実家から逃げてきたってチラッと言ってたよな。まさかこの歳になって家出って訳ないよなー・・・)

 俺がそんなことをぼんやりと考えながら風呂場の天井を見上げていると、


「ねぇ。」

「??うぉッ!ちょ、ちけーよ!」

 声をした方を向くと目の前に巧の顔があって、慌てて俺は距離をとった。

(ったく、何なんだよ・・・つーか、服着てたら華奢そうに見えたけどよく見たらこいつ顔に似合わずいい身体してんな・・・地味に俺より背も高けぇし足も長えし、モデルか何かかよ!?あ、そう言えば・・・)


「・・・お前、普段は何してんの?1ヶ月もここに居るとか言ってたけど仕事は大丈夫なのかよ?」

 金はあるみたいだし、まさかニートってことはないだろう。よくよく考えればこいつのこと、東京から来た24歳ってことしか聞いてなかった。


「んー海斗と一緒かな。」

「は?一緒って何だよ?」

「実家の見習い?まぁでもそれが嫌になって逃げ出して来ちゃったんだけど。」

 巧の思わぬ返答にそれ以上突っ込んでいいものか少し戸惑った俺は何も聞かずに黙り込んだ。

「ま、逃げ出して来たのはそれだけじゃないんだけどね?」

 そう言って巧はゆっくりとまた俺の方へと近づいて来る。

「お、おい。何・・・」

――- バシャンッ

 気がつくと俺は浴槽の壁に挟まれるように巧の腕と腕の中にいた。

(こ、、これは・・・壁ドンってやつじゃ・・・いやいや待てよ。何ドキッとしてんだよ俺ー!?早くこの腕から逃げねぇと!!逃げ・・・)

 ハッとして俺はすぐに巧の腕を振り払おうとしたが、目の前にある恐ろしく整った顔とやけに熱い視線に身体が強ばって動けない。そうこうしているうちに・・・

「ン!?んン゛ーー!!ちょッまッ、チュク・・んんー///ぅんッ!ハァ・・んん゛ーー!」

 巧の綺麗な手に顎を抑えられて、強引に口が塞がれる。港でされたキスなんかとは比べものにならない激しいキスに風呂場の暑さとの息苦しさも相まって俺は酸欠になりそうだった。


「ッ!・・・おいッ!いい加減にしろよ!!ハァハァ・・」

 やっとのことで巧を押し退けた俺は必死に距離をとって睨みつけたが、怒鳴りつけようにも息を整えるのに必死だった。

 そんな俺を見て巧は少し寂しそうに・・・傷ついたような顔をした。


「俺、ゲイなんだよね。」

 巧はそう言って自嘲するように笑うと、

「ごめん。。」

 そう言い残して風呂場を出ていった。


「え?・・・・」


(ちょっと待て。ゲイって何だ?!確か・・・ホモってやつだよな?男なのに男が好きっていう。ん?じゃあ最初のキスも寝ぼけてたとかじゃなくて!?いやいや、その前に・・・なんでお前が傷ついた顔して出て行くんだよ??被害者は俺だぞ!?ファーストキスだぞ!?しかも、し、舌・・・あんなキスを男としちまうなんて・・・///)


「あぁ゛ーー!!!」



 俺は暫く風呂場でひとりもだえ続け・・・気づいたときには見事に逆上せあがっていて、ふらっふらになりながらもなんとか服を来て脱衣所を後にした。













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