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5✿放課後
しおりを挟む「紫陽くーん、私達これから駅前のカラオケ行くんだけど一緒に行かない?」
「ん~どうしよっかな」
(いや、俺帰って実力テストの対策したいんだけど・・・)
「雅紀君も一緒にどう~?」
「お、いいね!行こ行こ!親睦深めちゃお~!な?紫陽♪」
「お、おう。」
(クソッ雅紀のやつ・・・)
上手く誘いを断わろうとしていた紫陽だったが、女子に誘われて浮かれている雅紀のせいで空気を読まざるを得なかった。
紫陽が仕方なく雅紀達の後ろについて教室を出ようとすると、別の女子達に囲まれるように座っていた葵と目が合った。
『よ・ゆ・う・だ・ね?』
声には出していないものの葵の口は間違いなくそう言っていた。
「・・・・ッ」
「ん?紫陽ー?早く来いよ!」
何か言い返そうとしているうちに雅紀に急かされてしまい、紫陽は仕方なく何も言わずに教室を後にした。
(なんだよアイツ・・・糞腹立つ!!)
____________
~~~~♪♫
楽しそうに自分の歌声を披露する雅紀をぼーっと見ながら紫陽は完全に上の空状態だった。
「紫陽君も何か歌ってよ~」
女子が馴れ馴れしくもたれ掛かるようにデンモクを渡してくる。
「いや、俺はいい。」
「え・・・」
思わず女子に素っ気ない態度をとってしまったことにハッとして、紫陽は慌てて笑顔で言い直した。
「あ、俺聴いてる方が好きだからさ。逆に何か歌ってくれない?」
「あ!そうなんだ///じゃあ私歌うね!」
(ふう・・・何やってんだ俺は。中学のときはさほど勉強しなくたって1位取れてたしな。遊んでる時間が勿体無いとか思ったことなかったのに・・・)
「紫陽~?お前何かあったか?」
歌い終わったらしい雅紀が紫陽の様子に気づいてこっそり耳打ちしてきた。
「あ、いや・・・別に。」
(いくら雅紀でも帰って勉強したいとかダセェこと言えっかよ・・・)
「そう言えばさ、華園君って中学のときは普通に男子の制服着てたんだよね~」
(え??)
女子達のまさかの葵情報に、必死に耳を傾ける紫陽。
「なになに?もしかして華園君と中学一緒だったの!?」
「うん。でも中3の夏休み明けから不登校になって卒業式にも出てなかったんだよね・・・」
「何それ!?いじめとか?」
「いや、双子の妹が事故で亡くなったんだよ。それも今の華園さんに瓜ふたつで・・・」
「嘘ーー!!それってさ・・・」
__ガコンッッ・・・キーーン
急に大きな音がして女子達が振り返ると、紫陽がマイクを床に落としていた。
「あ、ごめんね?手が滑っちゃって。」
「う・・ううん!」
床に落ちたマイクを拾いあげた紫陽はそのまま鞄を肩にかけると、
「ちょっと用事思い出したから帰るね。」
そう言い残して部屋を出て行ってしまった。
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