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第三章 魔法学園

リークの意外な助言者

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アイリーンとホープに優しく長くお説教されて落ち込み気味な私から事情を聞いても皆あまりおどろかなかった。

「どちらにしろあの二人はじっくり話し合う必要があったんだからマリーはそんなに気にやむ必要ないと思うな。」

いつでも優しいディル、やっぱりヒロインだよね~

「マリー甘やかしちゃダメよ。」

手厳しいホープの声に男性陣が驚いている。
そうか、初めて聞くもんね。

また落ち込む私に代わりセーラが説明してくれている。その間にスススっとルルが近づいてきて私の横にピッタリくっついてくる。

「マリーよくやった。」

美しい笑顔を向けられてポーッとしてしまう。

「イライザなかなか素直にならない。ほっといたら望まぬ人の妻になることになる。」

その言葉を聞きつけたのか他のみんなも黙り込んだりうなずいたりしている。

「まぁ、僕も似たような事をリークに言ったから今イライザを困惑させてるアプローチの原因は僕にもあるんだよね。」

ディルの発言にアンディーブ様が珍しく声をあげて笑っていてエドワード様は驚いたような視線をディルに向けている。

「いや~なかなかやるじゃないかディル。君ならリーク様の背中を上手く押してくれるだろうと思ってたけどね。」

「私はもう少し大人しい助言をするかと思い込んでいた。まだまだ修行が足りないな。」

和やかに盛り上がっている男性陣たちは眼福で私はぼんやりと彼らを見つめていた。
そんな中、扉が控えめにノックされ素早くアンディーブ様が動いて扉を小さく開き何か言葉を交わしてから戻ってくる。

「行こう。陛下たちがお呼びになられている。」

わぁ、どうしよう。イライザとリークはどこにいるんだろう。

焦って窓から外を見ても二人の姿はない。

そんな私にディルがそっと近づいてくる。

「二人なら大丈夫。カストルが連れてくるよ。行こう。
あぁ、それからマリー。」

ディルは急に口の前に人差し指を立てた。

「僕がリークの背を押した話は内緒だよ?僕もマリーも純粋に親友を思ってしたことだけど周りの大人は勘ぐるからね。隣国が王族の婚姻を操作しようとしているのではないかと。
アイリーンたちもそのことで君の身を案じているんだよ。」

え!全然考えてなかった。私が目を向けるとアイリーンがニコッとしてから頭を下げた。

わぁ、ごめんねアイリーン。そしてありがとう。

気持ちを込めて抱きしめてみるとポンポンと背中を叩かれてから引き剥がされる。

「マリー様、ドレスにシワがよります。」

はーい、ごめんなさい。

私はホープにもギュッと抱きついてからディルのエスコートで部屋を出た。

陛下たちに無茶をしたことでお叱りを受けたらますます落ち込んじゃうな~

重い足取りの私の手をディルがポンポンっとたたいて元気付けてくれる。

それを心強く感じながらもその手がのんちゃんでないことに少しがっかりしている私がいて嫌になってしまう。

みんなが居てくれてるのにどうしても常に探してしまう。

のんちゃん、本当に大丈夫なの?
今、どこにいるの?

心の中で呼びかけながらゆっくりと長い廊下を進んでいく。
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