神は眷属からの溺愛に気付かない

グランラババー

文字の大きさ
8 / 48
一章・定住

精霊たちの王様

しおりを挟む
 世界樹を見つけてしまったラント君です。 
 異世界アルアルの一種ではあるが、実際に目にすると感動する。そして、まだ僕の冒険が始まってすらいないのに、早々に世界樹を見つけたことに対する困惑もある。


 僕の選択肢としては、このまま見なかったことにするか、この世界樹に何かしらのアタックを仕掛けるか、の2択がある。
 まあ、答えは決まっているが。

 てことで、アタックしよう!!
 僕の長所は切り替えが早いところだ!!
 誰にも言われたことないけど、僕がそうと言えばそう。白も僕が黒といえば黒になるってところだね。

 アタックする理由は、面白そうだからだ。僕は最近、森の散策という名の迷子を一月ほど過ごしたわけだが、面白いことが何もなくて飢えていた。
 それに、なぜだかこの木を無視するのはいけない気がする。
 
 外遊びは健全だし、楽しいが、その内容が単調すぎて面白くない。
 面白くなさすぎて、最近ではバリアを張らずにわざわざ攻撃を受けるというドMもびっくりな実践をしている。
 面白くしたいけど、面白く出来ないから僕の身体に刺激を求めた結果がこれだ。おかげで、大怪我をしても叫ぶことがなくなった。全然楽しくないけど、これぐらい僕は面白みに飢えているということだ。

 
 ということで、世界樹へアタック決行!!
 ファーストアタックは、触覚を使用するのが定番だね。と言うことで、世界樹さん、ちょっと触りますよ~ぉ。
 これで、この子を助けられるなら良い。

 まあ良いや。取り敢えず触ってみる。触ってみないと分かることも、分からないからね。

「んぁ?なんか、身体から魔力が抜けてくる。ってか、アチッ。ちょ、な、まって、まって。」

 僕の身体から魔力が抜けると同時に、より純度の高い魔力が僕の身体を駆け巡る。

「あー、なん、、か、、、いしき、、が、、、、」


***


 やっと巡った。
 いつぶりだろう。
 やっと一歩進んだ。


***



 「世界樹よ、森よ、世界よ、おはようございます。」

 久しぶりにおはようございますを使った気がする。やっぱりおはようは爽やかな日差しを浴びながら言いたいからね。
 しかし、この森の中にいて爽やかな日差しとは無縁だった。
 まあ、おはようを使ったてことは、爽やかな日差しを浴びてるってことなんだけど。 
 そして、世界樹はさっきまでは葉が落ちており、木偶の坊って感じだったけど、今は青々とした葉を茂らせている。
 そして、この森に似つかわしくない爽やかな日差しを作り出している。


 はぁ~ぁあ。無駄なことを考えるのはやめるか。
 なぜかは知らないが、僕はさっき接触を試みた世界樹にもたれかかるように寝ていたようだ。しかも、驚いたことにバリアも張らずにだ。自殺行為だよね。
 まあ、僕の身体が無傷であることを見るに、魔物に襲われることはなかったようだ。これは、奇跡としか言いようがない。
 だが、僕の心の中には達成感が溢れている。世界樹くんを元気にしたからかな?やっぱり、良いことすると気持ちいいよね。

 でも、怖いものは怖い。近くに脅威がないかの確認だけはしときたい。探知魔法を使うか。
 じゃあ、世界樹を探したみたいに、慎重に魔力を森に広げ、、て、、、、。 

「あれ?」
 
 なんでこんなに魔法が使いやすいんだ。今なんて、探知魔法を使おうとしただけで、一瞬で僕の脳に森の状況が映し出された。

 流石に僕が天才(自称)だとしても、さっきまでと魔法を使う時の感覚が違いすぎる。
 これだと、僕が今まで使っていた魔法が偽物みたいに感じる。
 擬音で表せば、今までの魔法はギッコギコって感じだが、今の魔法はヌッルヌルって感じだ。
 行使したい魔法の構築も、魔法の発動速度も段違いだ。
 これなら、探知魔法を使いながら、かつバリアを張りながら、一万の矢を撃つとか、まるで神のようなこともできてしまうかもしれない。いや、一万は盛った。今は千ぐらいだが。


 魔法の行使が簡単になったなら、それは嬉しいことだし、受け入れるが、いかんせん突然すぎる。
 寝て起きただけで、こんな急成長を遂げられるなら誰も苦労しないよ!!
 怪しい。怪しすぎる。と同時に、恐怖もくる。
 努力なしの成長は怖いんだね。今初めて知ったよ。

 どうしよう。マジでどうしようか。
 あっ、そうだ。こういう時の鑑定魔法。
 役に立つかどうかは分からない。なんてったって、あんまり詳細な事は見れないからね。

『名前:北野蘭斗
 年齢:21歳
 種族:精霊王
 職業:監察者
 天賦:眷属化、循環        』

 、、、、、
 なるほどなるほど。
 色々気になるところがあるが、一番の問題点はあれだね。
 年齢だね!
 なーんで、3年も経ってるんだよ!!僕の華の青年時代を寝て過ごすなんて、ありえない。 
 いや、鑑定結果が真実だとも限らないのでは?でも、そうすると僕は何も情報を得る手段がなくなってしまう。致し方ない、鑑定結果は信じるか。


 ふ~ぅ。
 と言うことで、では、本題に入ろうかな。三年間寝て過ごしていたなんて、前座にしかならないような内容だよね、種族が人間じゃなくなってるなんて。  
 びっくりだよ、僕精霊になってたよ。あのファンタジーではアルアルの精霊に!!しかも、僕はその精霊の王様だって。
 ただ、僕精霊の王なのに、精霊みたいなのが一人もいないんだけど。大体こういうのは、起きた時に烏合の衆と化した精霊が僕を王だと言って祭り上げてくれるんじゃないの?
 
 まあ、なってしまったものはしょうがない。頭は混乱中だが、身体は絶好調だ。さっきだって、伸びをしていたら、フワフワと浮き上がってしまったからね。いや、これは絶好調の括りにならないか。だが、なんとなくだが命という鎖から解放された感じがする。具体的にいうと、身体に拘束されないというか、心臓に依存していない命って言うのかな?
 簡単に言えば、人間ではできないことができるようになった気がするって感じ。

 
 ってことで、次の項目に行ってみよう!
 新しい項目の天賦っていうのがあるね。
 天賦に関しては、これは考えるより感じろだね。なんとなくだが、本能的に分かる。
 

 眷属化は精霊王に関連している力だ。簡単に言ってしまえば、仲間を作るって言うことだ。眷属とは言っているものの、上下関係を作る代物ではないようだ。僕と相手の合意があれば、僕と相手の魂を強く結びつけて、魔力や一部能力の譲渡が可能って感じ。そして、相手の種族を精霊に変えるのかな?


 循環は職業に関している力だが、使い方は分からない。ただ、この能力を持っていること自体が大事なように感じる。
 
 現に、この世界の滞っていた魔力が循環している。と言うより、僕の魔力が世界に回っている。これだけは断定できる。
 
 だとすると、強制的な睡眠に落とされた時の力が抜ける感覚は、僕の魔力が一気に抜ける感覚だったのかな?そして、その魔力が世界を巡っている。
 もしや、あれが魔力切れってやつなのか?

 結論として、深く考えることは諦めた。だって、考えても分からないんだよ。



 色々あったが、僕の目標は変わらない。
 そう、仲間探しだ!ついでに、その仲間が眷属になってくれると嬉しい!!
 せっかく見つけた仲間と親密になれないと思うのは当たり前だよね。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼不定期連載となりました。 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

処理中です...