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全校生徒が講堂に集まり、何が始まるのかと話している。
舞台にはニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた生徒会の面々と、何故か転校生。
最後の最後まで。
まぁ、都合は良いけど。
ボクが舞台袖についたのを確認すると、副会長が立ち上がり舞台中央にセットされたマイクの前に立つ。
「静かに。」
小さな話し声が次第に納まり反響も消えた頃、副会長が席に戻った。
それと入れ替わるように、ボクが舞台へ上がりマイクの前に立つ。
それでいい。
生徒会は余計なことはせず、そこにいるだけでいいんだ。
「本日は、生徒会のご協力のもと、全校生徒並びに教員の方々に集まっていただき、誠にありがとうございます。
一身上の都合により、この度ボクはこの学校を去ることとなりました。
それに伴い、空席になってしまう親衛隊の隊長の任命式を、今この場でさせて頂きます。」
そう言った途端、小さな話し声が聞こえだす。
内容は、「勝手にやってろ」「めんどくせぇ」「関係ない」など、大方文句。
まぁ予想範囲内のことなので、こんなものは無視だ、無視。
「これから話すことについて、よりよくご理解頂くために、まずはこちらを聞いてください。」
ボクのこの台詞を切っ掛けに、放送ブースで待機している隊の子が動いた。
『さて、ボクもあまり暇ではないから早速本題に移らせてもらう。
単刀直入に言う。もう君には生徒会の役員に近付かないでもらいたい。』
講堂内のスピーカーから流れだしたのは、あの時のボクと転入生との会話。
生徒会の連中もこれを聞くのは初めてだろう。
どんな反応をするのか、その真意に気付くのか、楽しみだ。
『ボク達親衛隊は生徒会の役員に一般生徒が近付くことをよしとしない。
だから…』
『何で、そんなことアンタに言われなきゃなんないの?
付き合っていきたい奴は自分で決めるよ、俺。ガキじゃねーんだし。
アンタたちの所為であいつら友達出来ねーんだよ。悪いと思わねーの?』
『…君は、郷に入っては郷に従えという言葉を知っているか?
長い物には巻かれろ、という言葉もあるな。君はこの学校の何を知ってる?食堂で生徒会に接触するくらいだ、何も知らないんだろ?仮にも自分が通う学校だ、知りたいと思わなかったのか?
全てを知ることは無理にしても、せめて与えられる情報には耳を傾けろ。まぁ、今はボクが説明を怠り早く済ませようとしたのも悪いから謝る。すまない。
君は彼の友達だと言っていたが、生徒会や親衛隊、この学校について説明はしてあげていないのか?』
『説明は、しました。俺の出来る限りで、学校の特色、生徒会や、その、親衛隊の、危険さも、話しました。』
『おい!コイツのこと責めんなよ!説明はされたけど俺は自分の目で見たことしか信じないだけだ!』
『そうか…では聞くが、君はこの学校に来てから何を見た?』
『親衛隊とかいう馬鹿げた制度の所為で孤立した生徒会とか、その候補って言われてる奴らだ!可哀想だった!ちょっと顔が良くて金持ちだってだけで腫物みたいに扱われて…それなのにお前等はなんなんだよ!くだらないことで人のこと虐めて、何様のつもりだよ!!』
『それが、君の見てきたこと全てか?他には?』
『ああ!そうだ!それが全てだ!俺は周りがなんと言おうとアイツ等やコイツの傍から離れない!悲しんでる奴を見捨てたりなんかしない!もしそれがいけないなんていうルールがあるなら俺がそれを変えてやる!この学校は腐ってる!学校自体を変えてやるよ!!!』
『…君の決意は固いようだね。』
『当たり前だろ!』
『ボクが今から説明すると言ったら、それを聞く気は…』
『誰がお前等みたいなバカ集団の言うことなんて聞くか!!
始めはどんな奴かと思ったけど、やっぱり親衛隊は見た目で人を判断する最低な奴だ!』
ここで放送はプツッと切れた。
舞台にはニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた生徒会の面々と、何故か転校生。
最後の最後まで。
まぁ、都合は良いけど。
ボクが舞台袖についたのを確認すると、副会長が立ち上がり舞台中央にセットされたマイクの前に立つ。
「静かに。」
小さな話し声が次第に納まり反響も消えた頃、副会長が席に戻った。
それと入れ替わるように、ボクが舞台へ上がりマイクの前に立つ。
それでいい。
生徒会は余計なことはせず、そこにいるだけでいいんだ。
「本日は、生徒会のご協力のもと、全校生徒並びに教員の方々に集まっていただき、誠にありがとうございます。
一身上の都合により、この度ボクはこの学校を去ることとなりました。
それに伴い、空席になってしまう親衛隊の隊長の任命式を、今この場でさせて頂きます。」
そう言った途端、小さな話し声が聞こえだす。
内容は、「勝手にやってろ」「めんどくせぇ」「関係ない」など、大方文句。
まぁ予想範囲内のことなので、こんなものは無視だ、無視。
「これから話すことについて、よりよくご理解頂くために、まずはこちらを聞いてください。」
ボクのこの台詞を切っ掛けに、放送ブースで待機している隊の子が動いた。
『さて、ボクもあまり暇ではないから早速本題に移らせてもらう。
単刀直入に言う。もう君には生徒会の役員に近付かないでもらいたい。』
講堂内のスピーカーから流れだしたのは、あの時のボクと転入生との会話。
生徒会の連中もこれを聞くのは初めてだろう。
どんな反応をするのか、その真意に気付くのか、楽しみだ。
『ボク達親衛隊は生徒会の役員に一般生徒が近付くことをよしとしない。
だから…』
『何で、そんなことアンタに言われなきゃなんないの?
付き合っていきたい奴は自分で決めるよ、俺。ガキじゃねーんだし。
アンタたちの所為であいつら友達出来ねーんだよ。悪いと思わねーの?』
『…君は、郷に入っては郷に従えという言葉を知っているか?
長い物には巻かれろ、という言葉もあるな。君はこの学校の何を知ってる?食堂で生徒会に接触するくらいだ、何も知らないんだろ?仮にも自分が通う学校だ、知りたいと思わなかったのか?
全てを知ることは無理にしても、せめて与えられる情報には耳を傾けろ。まぁ、今はボクが説明を怠り早く済ませようとしたのも悪いから謝る。すまない。
君は彼の友達だと言っていたが、生徒会や親衛隊、この学校について説明はしてあげていないのか?』
『説明は、しました。俺の出来る限りで、学校の特色、生徒会や、その、親衛隊の、危険さも、話しました。』
『おい!コイツのこと責めんなよ!説明はされたけど俺は自分の目で見たことしか信じないだけだ!』
『そうか…では聞くが、君はこの学校に来てから何を見た?』
『親衛隊とかいう馬鹿げた制度の所為で孤立した生徒会とか、その候補って言われてる奴らだ!可哀想だった!ちょっと顔が良くて金持ちだってだけで腫物みたいに扱われて…それなのにお前等はなんなんだよ!くだらないことで人のこと虐めて、何様のつもりだよ!!』
『それが、君の見てきたこと全てか?他には?』
『ああ!そうだ!それが全てだ!俺は周りがなんと言おうとアイツ等やコイツの傍から離れない!悲しんでる奴を見捨てたりなんかしない!もしそれがいけないなんていうルールがあるなら俺がそれを変えてやる!この学校は腐ってる!学校自体を変えてやるよ!!!』
『…君の決意は固いようだね。』
『当たり前だろ!』
『ボクが今から説明すると言ったら、それを聞く気は…』
『誰がお前等みたいなバカ集団の言うことなんて聞くか!!
始めはどんな奴かと思ったけど、やっぱり親衛隊は見た目で人を判断する最低な奴だ!』
ここで放送はプツッと切れた。
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