凪の始まり

Shigeru_Kimoto

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8月 リリィさんと海 (前編)

3 可愛いリリィさん1

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「リリィさん、こっちですよ」

俺は、ホテルのロビーでリリィさんの到着を待ちわびていた。

薄いブルーのワンピースに夏っぽいサンダルを合わせ、大人っぽいショルダーを下げてやって来た。俺に気付いたリリィさんは軽く手を上げると、近づいて、

「佐藤君、今日はありがとう。楽しみ!」

と言って、嬉しそうに笑顔を見せた。

「リリィさん、可愛い」

思わず呟いた。160cmの身長からのAラインのミニワンピースで、すらっとした手足、栗色の背中までのナチュラルウェーブヘア。今日はすこ~しお化粧した?お人形さんみたい。まずい。この子12歳だよ。将来どうなってしまうんだ。

「お母さんは?」

「今日は、用事があってこれないって、だから、わたし一人なの。ごめんなさいね、せっかく誘ってくれたのに」

そうなんだ。

「会場はこっちだよ、行こう」

大きなシャンデリアが天井から下がるホテルのキラキラしたロビーを嬉しそうに見上げながら、俺は大人なリリィさんをエスコートして行った。
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