凪の始まり

Shigeru_Kimoto

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9月 リリィさんと海 (後編)

29 未海さん7

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「何でしょうか?」

「すいません、未海さんはいらっしゃいますか? リリィさんがお話したい事が有るらしいんです」

リリィさんにぶん投げだ。

「どういった……お話なの?」

未海さんのお母さんが、玄関先の俺の横に立ち尽くすリリィさんをひきつった笑顔で見ている。

「未海ちゃんに学校に来て欲しいから、お話ししたいんです」

「話……」

一つ呟いたお母さんの顔色が悪くなった。
俯くようにリリィさんから視線を外して戸惑いを見せている。
少し後ろに下がっていた俺は、

「リリィさんは未海さんを責めようなんて全然、そんな事じゃないんです。未海さんと一緒に学校で遊んだり、勉強したいんです。だから、その気持ちを伝えたいんです」

リリィさんと未海さんのお母さんの固まった空気に割って入った。二人共、玄関先で棒立ちになって、視線すら外して無言になっている。
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